2014年08月31日

いとう:八幡浜ちゃんぽん 莢(四谷三丁目)

野毛、といえは、最近「にぎわい座」という落語の小屋に行きます。
そして、あの界隈で一杯飲んで帰るという流れ。実にいろいろな店がありますよね。どちらかというと、庶民派の居酒屋ばかりが目につくので、さとなおさんが紹介した「太田なわのれん」は知りませんでした。確かに昔ながらの歴史ありそうな店も点在しています。
と、そんな感じで野毛の店について続けようかなと思ったのですが、まだまだここで取り上げるほどぼくは詳しくはないので、地方の味の東京店、といいますか、最近なかなかいいなあと感じたちゃんぽんの店にしたいと思います。

佐藤さんは長崎に造詣が深くて、長崎の店もいくつか紹介されていますが、長崎ちゃんぽんではなく、愛媛県八幡浜市の八幡浜ちゃんぽん。
愛媛県の八幡浜という小さなエリアに50軒ものちゃんぽんを出す店が集まっているそうで、その密集度たるや相当なもの。もちろんぼくは八幡浜ちゃんぽんの実態も味も知りませんでしたが、ふと見つけて入った店で、初めておいたちや存在その味を知りました。近頃の麺といえは、濃くて塩辛くて、極端な香り(中には魚の腐ったような匂いのする行列店もあり)、特定の好みの店以外は敬遠気味。かつ、その現状を憂いていたんですが、四谷四丁目交差点に最近できた「八幡浜ちゃんぽん 莢」にてローカルちゃんぽんを味わい、ああ、この味なら食べ続けることかできると、ホッと安心したのです。

長崎ちゃんぽんのスープは、ペースがとんこつで白濁しています。誤解のないよう書きますが、長崎ちゃんぽんのスープ自体は昨今のラーメン行列店のように塩辛くもクサくもなくおいしくいただいてます。ただ、八幡浜ちゃんぽんは長崎以上にスッキリで透明。これだけでも好みなんだけど、毎回大量の野菜を丁寧に炒めそれにスープを絡めて仕上げるので、野菜の旨味・甘味が透明なスープと混ざり合い、よりいっそうのふくらみを醸し出しています。

麺は、長崎と違い腰のないやわらかいものですが、麺自体も地元から取り寄せているそう。実は、この店の近くで鉄板焼店を営む店主が八幡浜出身とのことで、満を持して地元のローカルちゃんぽんの店を出しました。

店舗は、天井が高くとてもスタイリッシュ。一見するとバーのようで、およそ麺の店とは思いにくく、美人の女性スタッフもいて少しどぎまぎしますが(笑)、野菜も大量に取れるので女性にもオススメです。なにより店主の故郷の味を伝えたいという想いにはおおいに拍手です。
posted by 伊藤章良 at 22:24| ラーメン・餃子 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年07月30日

さとなお:太田なわのれん(横浜)

伊藤さん、前回は書けなくてすいませんでした。最近なかなか修羅場が多く、ゆっくり食事のことを書けません。そんなことじゃいけませんね。ペースダウンしないと・・・

そんな中、縁あって横浜は野毛にある「太田なわのれん」を訪ねました。

ご存じかと思いますが、1868年(←イヤロッパ、つまり明治元年)創業の伝統ある店で、すき焼きの原型と言われている「牛鍋」が名物の店。

横浜は港町なので、開港以来、外国人の肉食の影響を受けたそうで、和洋折衷料理としての牛鍋が明治の始めに大流行したらしいんですね。この店もそういう流れの中、鉄鍋を使った牛鍋を出して人気になり、それから約146年続いているというわけです。

牛鍋というと吉野家的なイメージを持つ方もいると思うけど、ここのは高級料理です。
大きな玄関がある一軒家で、二階の座敷に通されました。受付前のスペースには横山隆一の「フクちゃん」の原画が飾られ、フクちゃんはこの店のシンボルにもなってます。

さて、牛鍋。
想像してたものとずいぶん違います。味噌なんです。

仲居さんが全部やってくれるんですが、七輪の上にすき焼きに使うような鉄鍋を乗せ、その鉄鍋に分厚く角切りした牛肉を並べ、その上に大量の味噌を乗せるんですね。そして豆腐やネギ、シイタケなどを加えて煮ていくもの。

で、できたら溶き卵で食べます。
味噌に卵に牛肉ですからね、伴侶はまさに白いご飯! まだまだビールは残ってるけど、やっぱりご飯が合います。味噌、卵、肉、ご飯!

そしてまた牛肉のうまいこと。
柔らかい肉は別に好きではないのだけど、分厚く切ってあるので満足感あります。味噌との絡みも素晴らしい。

普通の牛鍋コースに牛肉1.4人前に増量した「梅コース」(10800円)を頼んだせいか、牛肉の量は十二分にあり、ご飯がどんどん進みました。

あっという間にコースが終わっちゃうので、その後は野毛の街(くわしくはないけど、ゲイのメッカらしいです)に飲み直しにでないといけませんが、満足感はなかなか。

横浜の古き良きハイカラさが感じられる、いい夜になりました。

posted by さとなお at 13:51| 和食(鍋・おでんなど) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年06月30日

いとう:喜臨軒(池尻大橋)

さとなおさんが一回休みということで、またまたいとうが登場します。
ただ今、仕事でハワイにおりまして、日にちの感覚が少々麻痺しており(汗。
今日がニッポンは月末ですよね。ハワイはまだ日曜なんです(笑。

さて、ずっと西洋料理が続いて来たんで、少し中国料理でも書いてみます。
そういえば、かなり前。
さとなおさんに対し、中華料理と中国料理は違うのだとして、自分たちがやっている中国料理を食べてほしいとのお誘いがお店からあり、ぼくも参加させていただきましたよね。
当時はまだ、中国料理の日本風アレンジとダイレクトな中国の料理との差異が不明確だったような気がしますが、今や「酢豚」などというメニューは中国料理にはないとか、様々なことが分かってきて、日本式にアレンジされた中国料理を中華料理といい、中国大陸本来のレシピで作られる中国料理との差別化もきちんと理解できるようになってきました。

さらに、モダンという言葉で乱暴に片付けてしまう程度しかまだ詳しくはないものの「文淋」や「ジーテン」などがきっかけと思うのですが、油や塩、ニンニク等を多用せず、素材の持ち味を生かしたやさしくて独創的な皿を提供する店も増えてきました。

今回紹介する「喜臨軒」もそんな中の一軒かと。
この店は、田園都市線池尻大橋駅から徒歩数分の好立地にあり、自分たちの料理に隠し事はないと胸を張る日式中華の定番(笑)オープンキッチンに、相対するカウンター、そしてそれらを囲むようなテーブル席。

ぼくが訪れた日唯一残念だったのは、ぼくたちが個室に通されたこと。
ぼくは料理店の個室には、特別の理由がない限り入りたくないんですね。個室だとお店の息吹がほとんど聞こえてこないのと、サービスの目が行き届かなくて後手に回されてしまうのも悲しい。
密談等の目的がないならば、個室で食べるのはホームパーティといっしょやん、と感じてしまうんです。

でも、予約の際ににも確認なく普通に個室に通されました。
また、個室としてしつらえが豪華ならまだいいのですが、ここは以前は倉庫か物置だったのでは・・・といぶかるようなチープな部屋なんです。こんなスペースをわざわざ作るなら、そもそも個室なんて必要ないと思うんですが、東京の民は個室がお好きなんですかねえ。

さて「喜臨軒」の料理は、自ら温故知新中国料理と称するように、最初に出される3種の冷製盛から、ハッとする未体験のものが出てきたり、麻婆豆腐のような定番料理も、豆腐の部分に他の麻婆にはない工夫がされていたり、焼売ひとつをとっても自信を持って提供するとメニューにうたうだけのことはある美味しさだったり。ポーションが比較的小さいので、多くの種類を食べることができるのも実はうれしかったりします。

食べ進むにつれ、どんどんと食欲に火がつくというジレンマ、というか本当は喜びなんだけど。
いつになったら満腹になるのだろうと不安が募るほど胃にもたれないのも、ニクかったです。
posted by 伊藤章良 at 17:30| 中国料理 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年04月30日

いとう:俺のフレンチ神楽坂(市ヶ谷)

「ラ・シャス」、ぼくも大好きです。
あのお二人はご夫妻ではないんですか。それもちょっと驚き(笑。
そして、さとなおさんは海鴨をいただいたんですね。ぼくが訪れた日は売り切れでした。メニューを眺めつつ、もうそこにしか目が行かなかったにも関わらず、ないと言われた時のショックといえば・・・。
そういえば、ぼくも夏に行ったことがありません。どんな感じなんでしょうね。またご報告ください。

さて、今回はちょっと変化球で「俺のフレンチ 神楽坂」
俺の〜チェーンというと、テレビでも何度も取り上げられ今や飲食業界の寵児ですよね。でも、さとなおさんもそうかと思いますが、自分はまったく食指が動くこともなく、というか、逆に並んでしかも立ってフランス料理を食べるというシチュエーションには、天を仰ぎたくなってました。
銀座の「しまだ」が俺の〜チェーンとすれば、ここだけは行ったことがありますが、それ以外の店には生涯行くことももないかな、と思っていたんです。

ところが。
これを聞くと、さとなおさんも一度は行ってみたい!と思うはず。
「俺のフレンチ 神楽坂」のシェフは、元「コム・ダビチュード」の釡谷さんなんですよ。
確かさとなおさんも、かなり中目黒の「コムダビ」ファンだったと記憶しています。あのフルオープンキッチンは本当に爽快でした。イマや焼肉店ですが・・・。

俺の〜シリーズといえば、著名なレストラン出身のシェフを起用して、肩書き好きの日本人にドンピシャのマーケテイングをしていますが、全てをチェックしたわけではないけど、正直、昔の名前の人や所属していた店が単に有名なだけの人ばかり。そんな中、ぼく個人にとっては、本当に実力のある料理人登場というわけ。

もちろん、俺の〜シリーズが予約できることも(ではなぜ並ぶのか)、予約はテーブル席であることも、そして110分で総入れ替え制も知りませんでしたが、その辺の段取りをうまく友人がやってくれて(感謝)、晴れて、久しぶりの釜谷シェフの料理と対面しました。

というか、まず俺のフレンチ全体の印象。サービスはかなり変です。
ボトルで頼んだシャンパンも白ワインも、全て栓を抜いた状態でテーブルまで持ってきます。もちろん、ティスティングもありません。また、今日の〇〇とか本日の××とかいったメニューではなく、グランドメニューの中にも品切れがたくさんあります。これはどーいうことなのか? グランドメニューですらも、あらかじめ出す皿数を限定しているのか。

そして、当然ですが自分たちは「俺の〜巧者」ではない、ということがよく分かりました。回りのテーブルにはどんどん料理が運ばれてくるのに、ぼくたちがフランス料理と認識してふつうに前菜・魚・メインと組み立てて頼んだ料理は、いっこうに運ばれてきません。

ほとんどすべての皆さんが、フライドポテトとかサラダとかを最初に数皿頼み、その後、牛フィレ肉のロッシーニ風をメイン、最後にデザートというパターンなんです。今まで「シェ・イノ」でしか食べたことはなかったですが、俺フレと言えばロッシーニ風ゆえ、ぼくたちも頼んでみました。するとぼくたちのテーブルには、最初にこれが運ばれてきました(笑。

店舗の形態や運営のみを取れば、自分が経験した店の中で一番近いのは「サイゼリヤ」でしょうか。

でもね。魚料理・肉料理は本当に素晴らしかった。ロッシーニ風をのぞけば、一皿のポーションはパリのビストロ並みなんです。特に羊肉などは何本も骨が付いた状態の塊で焼いてくる。でも、魚も羊肉も豚肉も、火の通し方が完璧なんですね。付け合せとかソースの塩加減も絶妙でした。
一同、うまいうまい以外は無言でひたすら食べ、塊の肉があっという間になくなりました。
予約の段取りとか全く分かりませんが、この料理をいただくためだけに再訪したい気分です。

それにしても・・・。
俺のフレンチが連日行列ができるほどの盛況なのに、ココでフランス料理の美味しさ・楽しさに気づき、他のフランス料理店にも行く人が増える、ということには決してならないのが、ニッポンなんですよね。
そこが、食の底辺を広げたいと切望してるぼくにはとても残念でなりません。
例えて言うなら、村上春樹の小説がむちゃくちゃ売れたとしても、日本の他の純文学が読まれるか、というと決してそうではない、というのに似ています。
posted by 伊藤章良 at 11:25| フレンチ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年03月31日

さとなお:ラ・シャッス(六本木)

板書が楽しい店、多くなりましたね。

1980年代は素っ気ないメニューの方が本格派みたいな感じがありましたが、1990年代の終わり頃くらいからでしょうか、フレンチでも食材の産地やら生産者やらをメニューに書く店が出てきて、その後ちょっと説明過多の料理名がはやり(これはボクはあまり好きではありませんでした)、近頃いい感じに落ち着いてきたと思います。

あと、板書の字も大切。
これがとっても雰囲気ある字だと、腹が鳴ります。

というわけで、板書、そしてもちろんメニューも「字がめちゃくちゃうまくて腹が鳴る店」をご紹介。

六本木のフレンチレストラン、「ラ・シャッス」です。
一度ここに書いたかな・・・? でもまぁいいか。ボクはジビエの季節(今日までですかね)には毎年1〜2度は食べに行きます。

というか、字がうまいなんて、この店のほんの少しの魅力でしかないですね。

シェフとホールの女性(マダムではないらしい。でももうずいぶん長いです。メニューの美文字もこの女性が書いてます)が自ら狩猟して捕ってくる鴨やキジ、イノシシやエゾジカなどがまぁうまいのなんの。

彼らが自ら捕ってくるから、メニューにはたとえばこう書いてあります。
「北海道で仕留めた蝦夷鹿」「佐賀有明海で仕留めた真鴨」「千葉で仕留めた日本きじ 胸肉のポトフ仕立てとモモ肉の炭火焼き」

ね、「仕留めた」と書いてある。
彼らの一人称なのですw すごいよねー。

でも、彼らが仕留めて下ごしらえをして、丁寧に調理して出してくれることに価値があると思うのです。殺すところも含めて、「命」をいただく過程すべてに彼らが関わっている。そんな彼らの調理やサービスは「調理するだけのレストラン」と少しスタンスが違う気がしてなりません。

いろいろと印象深い料理があるのだけど、たとえばボクはこの店の海鴨が忘れられません。
鴨なんだけど、ぐっと噛みこむと海の海苔の香りがする。海の香りと鴨の香りとジビエ独特の肉汁感とが混ざり合い、書いているいまでも陶然となります。

ここのヒグマも忘れられません。
熊は猟師から購入しているようだけど、小熊も親熊もいつもとてもいいものを仕入れていると思います。ここのヒグマを食べた夜は必ず朝3時くらいにドキドキと動悸がして目が覚める。そのくらいの強壮剤なのでしょう。

わかりにく立地にあり、ドアを開けるのも憚られるような雰囲気なので、以前は超隠れ家だったのだけど、いまではすっかり有名人気店になりました。

野菜料理がほとんどないのと、ワインの値付けが高めなのを除けば、(その薄暗い洞穴みたいな、ワインカーブみたいな雰囲気も含めて)とてもいい店だと思います。

そうそう、その字がうまい女性がまた美しく、気っぷのいいサービスをしてくれて、それも気に入っています。

ジビエの季節の定番レストラン。
そういえば夏に行ってない気がするので、今度は夏に行ってみよう。
posted by さとなお at 19:42| フレンチ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年02月28日

いとう:ルブトン(西麻布)

インフルエンザ、大変ですよね。
体調は戻っても、感染の可能性がある間は動けないし・・・。
ぼくは人生でまだ一度もかかったことがないんですが、いつかはその洗礼を受けるんだろうなあ。

軽井沢のフランス料理店、とても楽しまれた感じが伝わってきました。レストランを構成する要素は料理の味だけじゃない、ということを改めて認識します。

最近の東京のフランス料理のハヤリというと、ビオワイン、炭火焼、クラフトビール等々と、本来の手間や原価率がかかるという概念から、瞬間的に飛びつく目新しさの方に向いてる気がして、ちょっと残念に思うことがあります。それらをウリにしている店も決して悪いわけではなく(というか、それぞれに素晴らしくて)、ぼく自身は楽しんでいるものの、やはり同じような狙いの店ばかりがドンドン増えだすと、少し抵抗を感じてしまうんですね。

そこで今回は、個人的に今とても大好きなフランス料理店「ルブトン」を紹介します。
この店の位置づけもビストロなんですが、創造性あふれるシェフの個性でぐいぐいと押しまくるタイプ。そこに、標準化とか原価率みたいなビジネス要素が全く見え隠れしない、本当に料理を考えたり作ったりするのが大好きで、おいしそうに食べて飲んでいる客と接するのが一番幸せ、そんなシェフ。そして、温かくて柔らかい、けどワインについて押しは強いソムリエールの二人で構築しています。

場所は、西麻布から根津美術館へと上っていく坂の途中。外苑西通りを挟んだ六本木側が、昨今大衆化・チェーン店化していて昔のクオリティがどんどん下がっているのに対し、渋谷側は、ポツポツと興味を惹かれる店が相変わらずオープンしています。

「ルブトン」は路面店ではありますが、外観は渋い小物のセレクトショップを思わせる雰囲気もあり、初回訪問時は通り過ぎてしまいました。店内はカウンターとテーブルが2卓。できれば少人数で訪れカウンターに陣取りたいですね。

メニューは板書されたもののみですが、まーこれが楽しいこと。確実に上から下まで全て食べたくなります。また、そんな客の表情を知ってか知らずか、シェフからは、実はメニューに載せてないものも・・・、みたいな提案も出てきて、胃袋がいくつあっても足りません。
裏メニューは来店時のお楽しみとしても、凝り性のシェフらしく、例えば市販されているようなソースの類も全てオリジナルで作ってしまう。となると、そこから様々な副産物や展開が生まれてくるのです。

「ルブトン」のような店ほど、何か月も予約が取れない状況にはなってほしくない、思い立ったらすぐに行きたい店なんです。でもここは、ハヤリものに飛びつく人種や食べロガーが集まるような系統の店ではないと確信しています。
posted by 伊藤章良 at 17:38| フレンチ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年02月10日

さとなお:レストラン・トエダ(軽井沢)

伊藤さん、すいません、ちょうど1月末にインフルエンザになり、1月分の更新をできなくなってしまいました。申し訳ありませんでした。

すっかり治った、と言いたいところですが、咳が残り、しんどいです。
そんなこんなで遅くなりました。

というような体調なので、ここんところあまり外食に行けてないのですが、1月に出色のレストランに行けたので、そこを書こうと思います。

軽井沢のフレンチ、「レストラン・トエダ」

ここ、たぶん伊藤さんも好きですよ。

若いご夫妻がやっている、まだ開店して2年のフレンチなのだけど、おいしくて、美しくて、親密で、清潔で、温かくて・・・そんな「いいレストランに求められるもの」がすべていい感じに同居・調和しているんです。

決して高級ではありません。
なにせ夜のコース6500円からなので、どちらかというと安価ですね。

「キノコのコンソメ トリュフの香り」も「スモークサーモンと野菜のジュレ」も「柔らかく蒸し上げた蝦夷アワビの瞬間燻製」も「蝦夷鹿ロース」も「信州牛フィレ肉のロティ」も忘れがたし。

素材の味わいを消さず、オリジナルな創意工夫もちゃんと利いていて、そのうえ、お客さんがテーブル上で「わあ」とうれしくなるような見た目がある。これ、意外とありそうでないです。

それにプラスして、温かくて距離感のちょうどいいサービスがあり(奥さま)、清潔で親密な空間もある。軽井沢にありがちなファンシーさがなく、とてもモダンな空間でした。

なにより、楽しくていい時間でした。おすすめです。

posted by さとなお at 16:50| フレンチ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年12月30日

いとう:尾辰(銀座)

今年も最後ですね。
末長く、ぼちぼち続けて行きましょう。

「田中田」なんて文字を見ると、上から読んでも田中田、下から読んでも田中田、とか言いたがる世代です(笑。居酒屋、ぼくも大好きで頻度的には一番行くカテゴリかなとも思いますが、東京においても、どことも似てきている傾向ありますね。鮨屋もまた、若手が最近オープンする高級店は、残念ながらどの店もほとんど同じような内装に同じようなタネと風貌。チェーンかと思うぐらいです。

そして今回、築地の仲卸がオープンした魚料理専門の店を紹介したいんですが、一般的に、仲卸や問屋さんが始めた飲食店もどこか似ているように感じます。卸だからこそ、食材がとびっきり新鮮で最高級品であることを強調する。加えて安価も主張する。それは子供でも分かる「当たり前」なんだけど、客の立場からすると、さばいて高級店に卸した残りをうまく調理して使っていたり、高級というわけではないけど一般的にあまり出回らない希少品に出会えたりするのが、卸運営たる所以のような気もするんです。何より、料理人以上に食材LOVEな人や会社が運営をしていないと、卸直営の臨場感が出てきません。

今回取り上げる「銀座尾辰」は、築地の仲卸「尾辰商店」なる明治元年創業の老舗が母体ですが、飲食業界への進出は今回が初めての模様。飲食店が立ち並ぶ銀座の京橋寄りエリア地下。テーブル席、カウンター、そして掘りごたつタイプの個室と、なかなか使い勝手も良さそうなシンプル空間が広がっています。

使う魚を厳選しロスを出さないコンセプトでしょうか、10時までは三種類のコース料理のみ。ベースとなる5000円のコースは、最初に江戸野菜と数種の味噌ディップが出て、その後、刺身、焼き魚、煮魚、それ以外の酒肴、そしてご飯(ぼくの時は握りずし)。その構成の中で一番驚き惹かれたのは、一般的に好まれ喜ばれそうな高級魚・有名魚の類を多用せず、食材の質だけで勝負していること。そして、刺身、煮魚、焼き魚と、出される皿がそれぞれたっぷりで(刺身の切り方も分厚くて気持ちいいんです)、魚をたくさん食べてください、という情熱が伝わってくることです。もちろん割烹のように凝った料理を出すわけではないですが、煮たり焼いたりといったベーシックな調理がとてもキチンと施されていて、魚の旨味や持ち味が十分に引き出されます。

常勤の料理人やサービススタッフとは別に、仲卸の尾辰商店メンバーも顔を出して接客しておられるようで、そんな皆さんからの魚に対する豆情報が実に面白く、おいしさをさらに増幅させる効果絶大。

「銀座 尾辰」を訪れると、日本という国の周りがすべて豊富な漁場で、イワシやアジから、マグロ、クエといった高級魚まで、多くの種類を享受してきたという思いは錯覚で、もっともっと日常は目にすることのない(もしかしたら、あまり売り物にならないような)魚がさらにあって、実はそういった魚もとてもおいしいんだ、ということにも気づくと思います。
posted by 伊藤章良 at 17:00| 和食(小料理・割烹・郷土料理) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年11月30日

さとう:田中田(博多)

「黒毛七厘」、半年前くらいに行きましたが、やっぱり店名が違和感ありますよねw どう考えても焼き肉店としか思えない。メニューも店内の感じも全然違うので、わりと最後まで違和感ありました。

さて、なんかスペインかメンチorハンバーグつながりあたりで考えたのだけど、特に思い浮かばず。。。今回は博多の居酒屋にしようと思います。

博多はおいしい居酒屋の宝庫で、どこをとっても平均以上な街ですね。
とくに「たらふくまんま」系の居酒屋は、居酒屋レベルを越えている品揃えと味でアタリハズレなく美味しいです。「くーた」「柳町一刻堂」「平」そして今日ご紹介する「田中田」など、「たらふくまんま」系と地元で言われる居酒屋は、どこもレベル高く美味しいし接客も良いです(系列、正確に調べたわけではないので、もし違ってたらごめんなさい)。

逆に言うとどこも似てきてしまっているのが難かな。メニューも店の造り、そして雰囲気までとてもよく似ている。

「田中田」はその中でも人気店。予約困難な店のひとつ。
ボクは2回行ったけど、2回とも満腹の満足。よかったです。長いカウンターで食材見ながら食べるのが特に楽しいですね。

全体に博多特有の甘辛な味付けではあるのだけど、刺身から一品、肉もの、野菜もの、煮付け、ご飯ものに至るまで全部うまい。どれもこれもちゃんとおいしい。そしてカウンター前は食材のディスプレイもよく、思わずどれもこれも頼んでしまう、そんな感じ。〆のカレーに至るまで楽しめました。

入り口はちょっと高級割烹っぽいので、若い人はびびるかも。元気のいい接客もGOOD。あえていえば、料理にそつがなさすぎて少し無個性に感じちゃうのが問題でしょうか。とはいえ贅沢な悩み。居酒屋レベルを越えたいい居酒屋だと思います。

居酒屋のレベルが高い街は民度が高い、と勝手に思ってるけど、博多はまさにそんな街だと思います。ま、言うまでもないことですが。

posted by さとなお at 14:19| 居酒屋 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年10月31日

いとう:黒毛七厘(恵比寿)

さとなおさん、遅くなりました。

ケンタッキーフライドチキンまでが参入し、から揚げの店は大量に増えてますが、油の温度加減や素材のクオリティが要求される素揚げの店は本当に貴重ですね。しんみりと鶏の旨味も体感できますし。師匠筋の「とよ田」「うえ山」には行ったことがあるんですが、「ひな鶏そのだ」は未訪です。今度トライします。

ぼくは、おなじ素朴な揚げ物でも、ミンチカツの店を紹介しようと思います。
「黒毛七厘」です。

ここは恵比寿の東口側。渋谷から広尾に抜ける明治通りと並行に走る裏道。
たなびくノボリなどを見ていると「新橋商店街」とか書いてあるんですが、商店街と言われるほど多種な店はなく、ほとんど飲食店。もしかすると、以前は様々な商店があったのかもしれませんが、恵比寿が飲食の地として脚光を浴びて以来、すべてが飲食店に代わってしまったのかも。

恵比寿駅東口からの流れでは、「マサズ・キッチン」「海南鶏飯食堂」「クニオミ」といった渋い名店がポツポツとあり、グルメにはよく知られた通り。その終点ぐらいでしょうか。以前は鮨屋だった店舗がすっかり変化を遂げ、スペインバル&ミンチカツ・ハンバーグの店になりました。

「黒毛七厘」は、昔から名店をいくつか運営し現在はスペインバルのオーナーと、カリフォルニア育ちでアメリカナイズされたビジネスを展開する、三ノ輪「七厘」の経営者と、カメラマンの方と三名で開き、お店は、主婦ながら一念発起して料理人をめざし、スペインバルで修業された女性が一人で切り盛りします。

基本はスペインバル(メニューはタパスとかパスタとか)なんですが、最大の特徴は、三ノ輪の焼肉店「七厘」で使用したの上質の肉の切れ端をミンチにして作ったミンチカツとハンバーク。
特にミンチカツは、素材のよさはもちろんですが、「揚げ」に対する情熱もかなりのもの。「黒毛七厘」より何倍も高い洋食の名店のミンチカツを凌駕するコクと肉汁の味わいには瞠目します。冷めてもおいしいですとシェフが訴えるので、持ち帰り用に追加し翌朝食べてみましたが、アツアツとはまた違うテイストを体験でき、それは驚きました。

そんなに豊富なメニューがあるわけでもなくダイニングスペースも手狭ですが、それにしてはキッチンが広くて圧巻。料理に対する真摯な想いが客にも伝わってくる感じ。手ごろなワインもあるので、軽くタパスでスタートして、どっしりとミンチカツて占める、気に入れは、おみやでも頼んでみる。とそんな流れが黒毛七厘」の過ごし方かと。

唯一少しだけ残念なのは、「黒毛七厘」という店名。なぜこの名前にしたのか伺わなかったんですが、もちろん肉だけがウリの店ではありません。でもこの名だけを聞くと、当然焼肉店かと勘違いしますよね。
posted by 伊藤章良 at 12:56| その他欧州料理・洋食 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする