2014年07月30日

さとなお:太田なわのれん(横浜)

伊藤さん、前回は書けなくてすいませんでした。最近なかなか修羅場が多く、ゆっくり食事のことを書けません。そんなことじゃいけませんね。ペースダウンしないと・・・

そんな中、縁あって横浜は野毛にある「太田なわのれん」を訪ねました。

ご存じかと思いますが、1868年(←イヤロッパ、つまり明治元年)創業の伝統ある店で、すき焼きの原型と言われている「牛鍋」が名物の店。

横浜は港町なので、開港以来、外国人の肉食の影響を受けたそうで、和洋折衷料理としての牛鍋が明治の始めに大流行したらしいんですね。この店もそういう流れの中、鉄鍋を使った牛鍋を出して人気になり、それから約146年続いているというわけです。

牛鍋というと吉野家的なイメージを持つ方もいると思うけど、ここのは高級料理です。
大きな玄関がある一軒家で、二階の座敷に通されました。受付前のスペースには横山隆一の「フクちゃん」の原画が飾られ、フクちゃんはこの店のシンボルにもなってます。

さて、牛鍋。
想像してたものとずいぶん違います。味噌なんです。

仲居さんが全部やってくれるんですが、七輪の上にすき焼きに使うような鉄鍋を乗せ、その鉄鍋に分厚く角切りした牛肉を並べ、その上に大量の味噌を乗せるんですね。そして豆腐やネギ、シイタケなどを加えて煮ていくもの。

で、できたら溶き卵で食べます。
味噌に卵に牛肉ですからね、伴侶はまさに白いご飯! まだまだビールは残ってるけど、やっぱりご飯が合います。味噌、卵、肉、ご飯!

そしてまた牛肉のうまいこと。
柔らかい肉は別に好きではないのだけど、分厚く切ってあるので満足感あります。味噌との絡みも素晴らしい。

普通の牛鍋コースに牛肉1.4人前に増量した「梅コース」(10800円)を頼んだせいか、牛肉の量は十二分にあり、ご飯がどんどん進みました。

あっという間にコースが終わっちゃうので、その後は野毛の街(くわしくはないけど、ゲイのメッカらしいです)に飲み直しにでないといけませんが、満足感はなかなか。

横浜の古き良きハイカラさが感じられる、いい夜になりました。

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2010年12月12日

さとなお:牧野(稲荷町)

伊藤さん、「東京百年レストラン」の出版おめでとうございます。
伊藤さんがようやく一冊目だなんて信じられませんが、でも一冊目ってうれしいですよね。ボクは「うまひゃひゃさぬきうどん」っていうふざけた本でしたが、あのころのドキドキは今でも忘れません。きっと伊藤さんもドキドキなのでしょう(笑)。そのうち出版お祝い会をしましょう。

ところでカレーバルっていいですね。〆のカレーって妙に好きです。
「タワシタ」も〆にカレーがありますよね。この前行った「國松又左衛門」というフレンチ風焼き鳥の店も、〆にサプライズのカレーがあって楽しかったです。まぁカレー好きということもありますが、最後の最後にカレーが控えていると思うと気分が盛り上がります。

さて、〆というとラーメンを思い浮かべる方も多いと思いますので、〆ラーメンが秀逸な店をご紹介します。

浅草は稲荷町の「牧野」です。

この店、ふぐでよく知られている店ですね。
濃い目のヒレ酒とともに、てっさはもちろん、ふぐの煮こごり(辛子をつけて食べるのが珍しいですがとても美味しい)、もみじ下ろしをたっぷり載せた焼きふぐ(これがまた絶品)、塩加減のいい白子焼きなど、どれも実に美味です。

で、当然この後はてっちりとなるわけですが、実は「絶対こっちの方がいいよ!」と同行者たちに勧められて「毛蟹大根鍋」を頼みました。そしてこれが実に個性的で独特な鍋で、美味しかったのです。

主役は大根。
大きな鍋に半月に切った大根がたっぷり。そのうえに毛蟹の足がどっさり乗っています。具はそれだけ。シンプルな鍋なのです。

味は濃厚な白味噌。ダシは蟹からたっぷり。そしてその上にバターもたっぷり。これらが大根に染みこんで、それはもう大根がうまいうまい。しかもバターの膜で熱が閉じ込められるせいか、かなり熱々のほくほく。あ〜大根がうますぎる!

塩は振ってないらしいのですが、バターからでしょうか、かなり塩味が出ていて、鍋の後半がかなり塩辛くなるのが難点ですが、でも、でもでも、この「白味噌バター(蟹ダシ)塩きつめ」状態に、ラーメンをどっちゃり入れて煮るとこれがまた! もういい加減お腹一杯なのですが、入る入る。

ふぐで始めて、ふぐを存分に味わったあと、てっちり→雑炊、と行かずに、毛蟹大根鍋とラーメンで〆る、という、なんかハイブリッドなシアワセが味わえる店なんですね。

てっちり→雑炊も超シアワセですが、なんか予定調和的で落ち着いちゃうところがあるでしょ。それがなく、なんか「よし!次!」という力が湧くような、そんな〆でした。ちなみに毛蟹大根鍋を食べる場合は、予約時に告げておいた方がいいらしいので注意。
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2010年10月28日

いとう:上燗屋 富久(新宿)

さとなおさんが地方にある名店を取り上げると、次にどこを書こうかとしばし悩んでしまいます・・・。先日青森県黒石市にある「すごう食堂」で、ここが元祖といわれる「つゆやきそば」を食べたので、それを紹介しようかなあと思うも、三行ぐらいで終わりそうゆえ断念(笑。

そこで、地方の名店と肩を並べるべく、新宿三丁目にありながら、まったく東京都心とは思えないおでん屋「上燗屋 富久」を書いてみます。ここは、いわゆる末広亭エリアといいますか、新宿界隈でも一番飲食店の密集している場所。古くは「どん底」「ぼでごん亭」から最近のチェーン店まで新旧が入り混じって、共存しています。

「上燗屋 富久」は、もちろん古い側の最右翼。靖国通りに近い方にあるので、まわりはいくぶん静かですが、それでも眼前のビルは全て居酒屋か?といった風情です。

ただ、店内に入るとガラリと一転。くたびれた感じは全くないピカピカに磨きぬかれたカウンター。そこを年配の夫妻が二人で仕切ります。もちろんメインディッシュはおでんですが、刺身や焼き物、そして目の前に並んだ「おばんざい」系の料理にも、グッと惹かれます。

まずはそういった大皿料理からセレクト。いずれも控え目の味付けで、夫妻が西の人であろうことは、この辺から分かってきます。そして、おでん。おでんは極めて薄い色のダシに浮かんでいますが、食べてみるといずれもしっかりと味がしみこんでいて、仕込みの丁寧さに感動。そこに強烈に辛いカラシが添えられて提供されます。

そして清酒は「日本城」のみ。東京ではほとんど見かけることのない和歌山の酒。それをおでんと同じ湯煎でスズの特大徳利に入れて温めます。お燗番とおでんの担当はお父さん、それ以外の料理はお母さんという役割分担ですが、後半になるとお父さんが疲れてきて動きが少し遅くなるので、お母さんのヘルプがまた頼もしい(そのころにはサイドメニューを頼む人も減ってくるし)。

そんな理由からも、夫妻は和歌山県出身のよう。そういえば、くじらの料理もいくつかありました。

上燗とは、人肌よりすこし上の温度のことと言われ、おそらく「富久」ではずっとその温度で提供することをモットーとしておられたと拝察しますが、さすがに忙しくなってくると、燗の温度が注文の都度違うのは少し残念。それと、予約を入れたにもかかわらず席が確保されておらず、たまたま空いていたのでラッキーだったのですが、その後に来た予約のお客様には席がなく、「電話したんですが・・・」と何度も訴える女性客には少し気の毒でした。

お孫さんとか、若い衆で「上燗屋 富久」を手伝う人とか現れないかなあと、あの店のすばらしさを知る一人としてそんな期待もしてしまいます。
posted by 伊藤章良 at 23:18| 和食(鍋・おでんなど) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年07月25日

さとなお:大やきいも(静岡)

お、お得意のハワイですね。
「伊藤さんはコーディネーターよりくわしい」とよく友人から聞きます。ハワイのレストラン・ガイドブック、書いて欲しいなぁ。

ボクは地味に地方がくわしくなっていっていますが、地方は奥が深くて大変ですね。まぁでも楽しいです。今日は最近行った中から、静岡の「大やきいも」を書いてみます。

ここ、店名通りやきいももめちゃうまいのですが(大学いもも良い)、基本的に「おでん」が名物です。静岡おでん(しぞーかおでん、と発音するらしい)。

静岡おでんの特徴は黒スープに黒はんぺんです。
黒スープは濃口醤油をベースに継ぎ足し継ぎ足した歴史のせいだそうです。黒はんぺんは焼津産が主。静岡ではんぺんというと黒はんぺんのことらしいですね。サバやアジ、イワシなどを原料として骨ごと潰してすり身にしたもの。風味が強くて白はんぺんより好きだったりします。

そして具がすべて串にさしてあり、青のりとだし粉(けずり粉)をかけて食べるところも静岡おでんの特徴。あとは牛スジでしょうか。また、静岡で「おでん」と言うと、食事というより駄菓子に近い感覚の食べ物らしいです。駄菓子屋におでんって東京ではあり得ない組み合わせだけど、静岡ではそれが普通だったとか。

静岡人はおでん好きで、戦後すぐにはおでん屋台街が青葉公園通りにあったらしいのですが、都市開発で姿を消し、いまは青葉おでん街を中心に点々と残っているのみと聞きました。ここ「大やきいも」は歴史ある人気店のひとつらしいです。

で、この店、まさに昭和な雰囲気そのままで、そういう感じが好きな方は入店したと同時に「わー!」と声あげてしまうくらい。もう昭和30年代がそのまま残っています。土間にデコラのテーブル、丸椅子、焼き芋の蒸し釜、木の壁、テーブル、などなど、まさに映画のセットのような空間。

大きく目立つのはやきいもの蒸し釜で、おでんは土間の片隅に小さくぐつぐつ煮えています。
牛スジが一本100円な以外はすべて一本60円。すじ、糸こんにゃく、さつまあげ、昆布、白やき、静岡名物黒はんぺん、ごぼう巻、じゃがいも、こんにゃく、たまご、だんご、というラインナップ。季節によってはタケノコなんかもあります(うまかった)。どれもこれもシンプルで懐かしい良い味。慣れている人はセルフサービスで取って、青のりとけずり粉をかけて勝手に食べてます。精算は串の数でするようですね。

ボクたちは慣れないのでおばちゃんに取ってもらい、何度かおかわりをして長居しました(安く長く楽しめる!)。
やきいもと大学いもが、またうまい。やきいもは芋によって数種類。おばさんに聞いて食べるといいですが、焼きたてのホクホクのうまいこと!

他にもおにぎり売ってたり、牛乳売ってたり、ジュース売ってたり、アイス売ってたり、ところてん売ってたり、花売ってたり、と、元々の駄菓子屋な雰囲気がちゃんと残っている店でした。

おばさんたちも親切で、居心地が実によい。こういう雰囲気を喜んでくれる相手とぜひ行ってみてください。楽しいっす。
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2008年12月28日

さとなお:うずら(白金)

ココット料理、いいですね。
特にストウブ社の鉄鍋は熱が均等に伝わるし、ビタクラフトみたいに効率的に味と栄養を閉じこめて美味しいらしいですね。今度行ってみよう。最近では「クロ・ド・ミャン」に久しぶりに行ってココット料理を楽しみました。周りのお客さんはみんなココット料理を頼んでいました。はやってるのかな。いや、単に冬だからかな。

まぁココットはアメリカで言ったらキャセロール、日本で言ったら「鍋」ですね。
という無理矢理の結びつけで、移転した「うずら」を書いてみようかと思います。

この7月に麻布十番から白金(というか四の橋)に移転して、今年の11月にすごく久しぶりに行ったんですが、なんか印象としては前よりおいしくなっていると思いました。特にハリハリ鍋。クジラ料理が盛んな大阪に勤務していたころ「徳家」「西玉水」はもちろん、いろんな店でハリハリ鍋を食べましたが、いま現在、ボクは「うずら」が日本一おいしいと思っています。あまりにうまかったのですぐ再訪しました。今年だけで3回行っているかも。

クジラの皮でとった濃厚なのにくどくない上品なダシ(生姜がきいています)。そこに油揚げがたくさん投入されていてコクとアクセントになっています(もともとクジラの代わりに油揚げを使う「キツネ鍋」があるくらいなので、相性はいいんです)。そして水菜をたっぷりと入れる。これは関西でも経験がなかったくらいなたっぷりさ。もう山盛りですね。ダシとのバランスだそうだけど、この辺かなり研究されたとのこと。そこに胡椒と片栗粉で品良く下味つけたクジラの赤肉。これが香りがあってうまいんです。あぁまた食べたくなってきた。

ダシも肉も大阪の「西玉水」がトップだとずっと思っていましたが、「うずら」を経験すると「西玉水」はもう少し素材寄りというか、クジラの香りが単独で前面に出ていた印象です。「うずら」のは全体のバランスが素晴らしく、料理としての完成度が高いと感じました。鍋の中でどんどん完成されてくるダシが本当にうまい。〆のうどんか雑炊もたまりません。

それと仕入れ自体がかなりいいですね。
クジラの尾の身の刺身をいただきましたが、これが絶品でした。んー、これもいままでのトップかなぁ。

クジラ以外の一品も(ご存知とは思いますが)とてもおいしいですね。最近ではここで食べた渡り蟹が印象に残っています。刺身とか野菜系の一品とか、どの料理もまずハズレがないです。

内装の壁はフェイクの板張りだし、テレビはつけっぱなしだし、蛍光灯ギンギンだし、雰囲気はざっくばらんです。でも、逆にとてもくつろげる。無口なご主人は一見怖そうですが実は優しいし、奥さんがとても感じがよく、このご夫婦の感じもこの店の魅力のひとつ。あ、それと、日曜に営業してるのも何かの時に便利です(そのかわり土曜が休み)。

ご主人は「電話に出てると仕事にならないから昼間は出ない」と言っていて、営業時間中しか電話に出なかったり、入り口には常に「準備中」の札がかかっていたり(これは「よくわからないお客さんに入ってきてほしくないから」だそうで、基本的には誰でも入れます)、とっつきにくい店ではありますが、鍋の季節の大定番にしたい一軒ですね。

来年早々、また行こう。
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2008年04月17日

いとう:ちょうちん(神楽坂)

「ラリアンス」。ここは昔、パラパラの殿堂とかいわれたディスコ「ツインスター」があった場所ですよね。ディスコは構造的に奥行きがあって天井が高いので、レストランにリニューアルしてもゴージャスな感じは演出できそう。

また、結婚式対応が目的ながら、料理にもちゃんと焦点を当てているところもウレシイですね。結婚式の料理に接することで、たいていの日本人がフランス料理嫌いになる、とはよく言われていることですから。

では、ぼくは神楽坂つながりで、一転しておでんの店「ちょうちん」です。そうそう「ちょうちん」への訪問時も「ラリアンス」の前を通りましたが(笑)、ここは飯田橋から毘沙門天へと上がるメインストリート神楽坂ではなく、並行に走っている軽子坂沿い。神楽坂界隈も飲食店が本当に多い中、この坂にも秀逸な店が軒を連ねていることは、よく知られています。

「ちょうちん」と書かれた大きな提灯に迎えられて入店。後ろに人が通れないぐらいの狭いカウンター席と、その奥にテーブル・小上がり。お一人様からカップル、グループまで対応できる構成ながら、その実体は相席させまくりの玉石混交状態。しかも、カウンターが空くと相席者を移動させようとする(おそらくこの店の接客ポリシーかと思います)ので、せまい空間で人が入れ替わったり注文に齟齬が生じたりと、まさに混沌としてゆっくり酔えない(笑)。

でも、ほとんどのお客さんはそれを意に介すことなく各々のペースで楽しんでおり、お店のスタッフも真面目で一生懸命な対応ぶりなので不思議と居心地がいいんです。

メニューは日替わりのようで女性スタッフから逐次説明を受けますが、それがイマイチよく分からない。しかも肝心なことを聞くと、答えられなかったりします。また「新しく来られたお客様と相席よろしいでしょうか」とお願いをされたので、「タバコを吸わない方ならイイです」と答えたら、ものすごい悲しそうな顔をして「少々お待ちください・・・」とつぶやいたまましばらく戻らず。で、結局ぼくたちがカウンターに移ることになりました。

カウンターの奥では、いかにも和食板前風男前の店主が大声を出しながら孤軍奮闘。料理も酒も接客も、店主ご自身は十分に分かっているのに、なかなかそれが店内全域に行き届かず申し訳ありません、との気持ちが表情からにじみ出ます。

季節の春野菜を様々な形で料理して盛合わせの前菜にしたり、刺身も生だけではなくいろいろと仕事がしてあったりと、良質廉価なメニューには顔もほころび酒も進みます。でも、頼んだお酒がなかなか登場せず、お猪口が空になる時間が長かったのはつらかったなあ。
肝心のおでんですが、かなり強めのコブダシで味付けもしっかり。
ここに一番東京の居酒屋らしさを感じました。

個人的には、もう少し客席数を減らして、料理やお酒が注文どおりキチンと回るように工夫されたらもっと行きやすいとは思うけど、ぐちゃぐちゃな中に自分の居場所を見つけ安価に飲み食いする今の環境もまた魅力なのかもしれません。
posted by 伊藤章良 at 11:46| 和食(鍋・おでんなど) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年01月07日

いとう:南進(大阪)

あけましておめでとうございます。
というか、さとなおさんは喪中でしたね。
さとなおさんからの年賀状は毎年楽しみなので、
今年は少し寂しい思いです。

さて、タイトルが同じ「ル・ジュー・ドゥ・ラシエット」だったので、しばらく更新されているのに気づかず(笑)、そのまま大阪の方に帰省してしまい、PCと無縁の生活を送っておりました。
(せっかくもう少し書くようにしようと宣言してくださったのにすみません)

>伊藤さんも基本的にそういう嗜好みたいなのに、でもこの店は
>合ったんですよね? んー、そうか、再訪してみようかな……。

はい。その通りです。
フレンチはもちろん、イタリアンに対してもメインの重要性を求めてしまうタイプ。ただ「ル・ジュー・ドゥ・ラシエット」では、多皿少量平板系にあってメインへのこだわりや高まりが、ぼくには感じられたんですが・・・。さとなおさんは、同席された方々との会話が楽しすぎたからじゃないですか(ちょっとうらやましいメンバー)。

>年末は伊藤さんとふたりでしっぽり「ふぐ福治」に行けて良かったです。

こちらこそありがとうございました。
「ふぐ福治」決して安くはなかったですが、でも相当うまかった。おいしいことと同時に、高品位というか高級魚らしい「矜持」を実感しました。

で、大阪に帰省時に、また懲りずに「南進」(フグ料理)へ出かけたので、そのご報告を。「南進」は、大阪のフグの店としては全国区で、よく知られているかと思います。ただ、名店というほどには高級感はなく、狭めの個室には昭和の香りが漂いつつもお運びさんはアジア系。隣の部屋からは子供の泣き叫ぶ声も聞こえ、なんとも庶民的。

いっぽう、ミナミの一等地にありながらフグのシーズンである10月から4月までしか営業をしておらず(そういった関係でちゃんとしたスタッフも雇えないのかなあとも思いますが)、反面新年は1日からオープン。正月の店選びには欠かせないのです。

「ふぐ福治」と同じく天然のトラフグのみしか使わないことを標榜しながらも、価格は「ふぐ福治」の3分の1強。そのリーズナブルさには瞠目しますが、福治直後のぼくの舌には、これは果たして天然なのかなあ・・・と感じてしまうトコロもありました(というか、新年に天然のトラフグをどうやって提供するのかとの疑問も 
笑)。

でも、ゆっくりと新年からフグを堪能できる空間は貴重で、別の意味で大変贅沢。2軒目にバーでもと思いつつも、どこも知った店は開いておらず(当たり前か)、すごすごと帰宅したのは残念でしたが。

ところで、大阪にはミナミという有名な繁華街がありますが、実際には、その界隈の地名は南区から中央区に変わっていて「南」と呼ばれる箇所はどこにもないんですね。なのに「南進」のごとく、お店の名前に南という言葉が付いていると強烈に惹かれるものがあります(大阪人ならでは)。例えば西麻布と呼ばずに霞町と名乗っている、と、そんなイメージかな。
posted by 伊藤章良 at 17:51| 和食(鍋・おでんなど) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年12月22日

いとう:阿じ与志(福山)

>「前割り」もいいなぁ。それは絶対うまいと思う。
水割りって難しい飲み方ですからね。本当にうまい水割りって作るの難しいし。

いや、ホントうまかったです。
東京でもきっとやっているお店はあるんでしょうけど、まだ探せていません。

>ボクが覚えている範囲だと、「すごくうまい水割り!」だと思ったのは銀座の「クール」のウィスキーの水割りと、大阪はお初天神の「C.C.ハウス なかしま」のC.C.の水割りです。

洋酒なら、ぼくの場合水割りじゃないんですが「神戸ハイボール」のハイボールかなあ。もちろん瞬間的にウイスキーにソーダーを入れるんですが、それこそ「前割り」のごとく、ずっと以前からすっかり混ぜ合わさっていたような絶妙さでした。
ここのつきだしに出る、カレー味のピクルスもよく憶えています。
でも、こちらの店も、今は残念ながら存在しないんです。

さて、ぼくの方は、もう一軒広島、というか福山の日本料理店「阿じ与志」
あじよし、なんて店名こそ新興居酒屋風ですが、福山の老舗だそう。とてもすばらしいホームページも愛読していて、機会があれば、とずっとチャンスを狙っていました。

生まれて初めて福山に行ったのですが、静かでとても和やかな街。それと、なぜだか凄く飲食店が多い(興奮)。「阿じ与志」は、駅前から徒歩10分ほど。飲食店が立ち並ぶエリアのちょうど途切れたあたりに見つかります。

東京にあったら完全に臆するであろう、小さい看板が出ているのみの純和風料亭の趣。店内は、さすがに東京と違ってとてもゆったりとした間取りで、大きなカウンターに板場。奥にはお座敷もたくさんあるようです。

今の時期はフグONLY。山口は南風泊港で揚がった天然の3キロ以上のトラフグのみを活けで入荷し、閉店後深夜にさばいて一日寝かした状態のものを翌日の夜に出す(魚の状態によって変わることもありますが)とのこと。

こちらのふぐ刺しは、いわゆるてっさと南風泊というオリジナルメニューがあるとのことで、一応オリジナルを試してみることに。サッと湯どおしした肉厚の身をぶつ切りにして野菜や湯引きにした皮とともにドカンと盛付けます。加えて生の白子もゴロゴロと。その凄さに一瞬息を呑むと、「いやいや、田舎料理ですけんねえ」とご主人。

とてもおいしかったのですが、あまりにも簡単にぺろっと食べてしまってフグの繊細さがつかめず、改めててっさも頼みなおし(汗)。てっさは、コリコリした歯ごたえの強いタイプではなく、程よく硬く、咀嚼するほどに甘味とほんのり粘り気も出てきて、肉質の強さが口内に伝わってくる感じ。味に深みがあるので、ほとんどポン酢をつけずにサラサラと食べられます。

フグの昆布〆め、白子酒(絶品)などをいただいたあと、フグ鍋へ。刺身もそうですが、この鍋が本当にすごかったです。火を入れた魚としては生涯記憶に残る逸品。魚を食べているとは想像できない弾力と力強さ。噛むとあふれ出る充実したスープと肉の旨み。なによりもフグ鍋用の身は、皮付きのものなども混ざっていて下処理仕事がとても美しく、フグを最良の状態で食べさせるすべを熟知した職人技でした。

強烈に満腹だったので雑炊を断腸の思いで遠慮すると、「ダシを残してもしょうがないけん、お茶漬けでもどうですかいの」と言われ、フグ茶漬けで仕上げました。

東京で過去4度ほど正真正銘という天然のトラフグを食べたことがありますが、そのいずれよりも優れていました。また、東京で食べるのと、「阿じ与志」までの往復交通費と食事代を足したものがだいたい同じ金額です。
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2006年09月05日

さとなお:楽ぜん(芦屋)

> 根底には店側が少しでもソースを節約したいという大阪的発想があるんじゃないかと(まったくの私見ですけど)

それもあると思います。
というか、それが理由だと関西勤務時代に先輩たちが普通に言ってました。

そんでは関西つながりで。

8月の末に神戸に一泊で行ってきたのですが、そこで行ったおでん屋がなかなか秀逸でした。

芦屋の「楽ぜん」

住吉にあった「エスパス」というケーキ屋でパティシエをやっていた方が突然やめて開いた異色のおでん屋で、阪急芦屋川駅から線路沿いを西に数分歩いたところにあるプレハブで営業してます。

パティシエがおでん? 芦屋でプレハブ?
ううむ、と思いつつ入ったのですが、ここがなかなか素晴らしかったです。

おでんって、料理人でそんなに差がつく料理じゃないと思いこんでいたけど、ここのは差が出てましたね。

印象的なのを上げると、まずは卵。
おでんにすると卵って外はダシが染み込んでるけど中の黄身はパサパサで口の中でもそもそするじゃないですか。ここの卵は外は染み込みつつ中はきちんと半熟めなんです。しっとりほくほく。香りも高い。卵自体も特別配合した安全な餌と山の湧き水だけで育てた純国産の鶏のものらしいです。うみゃい。

次に牛すじ。
神戸牛のすじ肉のみを使用したものらしいのですが、そんな能書きよりも味がよいのでうれしいですね。プリプリでやさしい味なのに香りが強い。しつこくなくて上品。清らか。とてもグッド。

トマトもいい。
夏はおでんにしたトマトを冷製にしてくれるのですが、一品目に取るとさわやかで胃が生き返ります。

プリプリする手練りのエビ天や、めちゃでかい特製ひろうすなども印象的。定番の大根もちゃんとうまいのに、他のおでん種の工夫が素晴らしい分だけ普通に見えてしまう感じ。

なんというか、全体に「食べると口の中が清らかになる」ようなおでんなのです。心が清々しくなります。こういうおでんも珍しいですね。

お酒もいいのが揃っているし、ご主人なかなかシャイだけど笑顔が素敵だし、プレハブとは思えないいい雰囲気の店内だし、とってもいい店です。
元パティシエとしての腕はデザートのプリンに活かされているようです(未食)。

ご主人は食材選びの努力や料理法の研究をたゆまず続けているみたいなので、また年月を置いて訪ねたら新しいメニューが出来ているのだろうなぁと楽しみになりました。

ま、欠点があるとするといったん外に出て行くトイレかな。これはプレハブだから仕方ないのだけど、女性にはちょっとキツイかも。

posted by さとなお at 12:40| 和食(鍋・おでんなど) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年08月15日

さとなお:ちゃんこ谷川(苗場)

夏休みで苗場に家族で行ってました。
行った経緯や旅程はさなメモにかきます(ました)が、まぁ安い契約施設があったのでたまたま行ったといった感じです。小学生くらいの子供がいるなら、レンタカーを使って周辺そこそこ楽しめます。

でも、基本的にスキーリゾートなので、メシは全く期待できません。
そんな中でも一軒だけマトモでおいしい店があったのでご報告しましょう。

「ちゃんこ谷川」という店。
苗場プリンスに入っていくアプローチの脇にあり、苗場プリンスから歩いても行ける距離。

ここ、クルマで通りかかって「感じがいいなぁ」と直感が働いて飛び込んだのですが、入ってみてビックリ。毎年ユーミンが訪れる店なんですね。
店内はユーミンのサインがたくさんありBGMもユーミン(笑)。ボクが行った日の一週間前にもユーミンが来ていたようです。

で、食べてみてわかった。ユーミンが常連になっている理由が。

うまいんです。マトモなんです。
もちろん「苗場周辺に他に店が少ない」ということも理由のひとつでしょう。でも、ここはなんか常連になってしまう魔力があります。卑近な例ですが、佐藤家は三日連続で夜メシ食べに行きました(笑)

新潟の地の魚の刺身がまずいいし、一品ものの「もつニラ炒め」「自家製コロッケ」「田舎煮」「ナス漬け」などもなかなか。すっごく凝った料理ではないけど、家族連れのささやかな夜ご飯にちょうどいい、みたいな味付けなんです。子供にも大人にも楽しめる、みたいな。そして具だくさんのちゃんこもなかなかのもの。〆はうどんも雑炊も両方試しましたが、雑炊の方がオススメですね。
酒は八海山がほとんど揃い、端から飲んでみたくなります。サービスはいっぱいいっぱいですが、おねえさんとか優しいし良かったなぁ。

ま、苗場では有名な店みたいで、客はひっきりなしに来てました。冬のスキーシーズンだと開店前から外に行列ができるそうです。

刺身はちょっと乱雑だしワサビも練り物。一品ものだって完成度が高いわけではありません。だからこういう場所で都会みたいな質を求める方は「いまいち」とか言うかもしれない。でもメシ屋があまりない苗場では福音のような店だし、繰り返しになるけど家族連れなんかにはとても「程が良い」店ですね。値段はひとり2000円〜4000円ほどで済むと思います(酒を飲む量に寄る)。

苗場周辺で困ったら覚えておくと良いですよ。
025-789-2277/木休(12月〜5月初旬無休)
posted by さとなお at 22:55| 和食(鍋・おでんなど) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年03月11日

いとう:小やなぎ(麻布十番)

ちと、忙しい日々が続いています。沖縄では大収穫があったようですね。よかったです。

さて、「山本屋総本家」と「山本屋本店」。
この違いすら意識していませんでして、レベルアップ計画と先日の対談ブロクを読みながら、早く行きたくていてもたってもいられない状態です。いよいよ気温も上昇してきたし、味噌煮込みを食べてホッとできるのも後数日かもと思うと、よけいに焦ります。ぼくも、せっかくの八丁味噌が卵の甘みでゆるくなってしまうのか残念で、余熱で固まらせる派でした。でもそれをご飯に載せるとは思いもよらなかったなあ。早く試してみたいです。


今日はとても天気がよく(多分沖縄と気温は変わらないんじゃないでしょうか)、外でバーベキューでもしたい感じなんですが、実はこれから鍋の予定。それと、先月まだ極寒の2月に、1日だけ極端に寒さがゆるんだ桜でも咲きそうな日があったのですが、その日も鍋、しかも東京のふぐ店では超有名な「小やなぎ」でした。

鍋好き・ふぐ好きのぼくは、関西はもちろん高額な東京でも旬の季節に何度か行きますが、その中でも東京で一番頻繁に足が向くのは、やはり「小やなぎ」ですね。てっさやてっちりは、関西のそれなりの店に行ったほうが唸るケースは多いですけど、唐揚げと雑炊については、うまさと個性の両方が楽しめる「小やなぎ」が特にイチオシです。

先日も唐揚げのおいしさは格別でしたが、雑炊は(女将さんのいつもの長い解説も含め 笑)なんとなく多少しつこく感じられました。ひとつのメニューとして超ユニークだし初めて食べたときは驚愕したけど、何度も食べるうちに、一度ぐらい「小やなぎ」でシャバい雑炊も挑戦してみようかな、とか天邪鬼にも思ったりしました。

話は変わりますが、その日はスーツ姿の男性団体客が2グループおり、チェーン居酒屋並みに煙草が煙っていて、繊細なふぐ料理を食べるという環境からは程遠いものでした。話の内容から推察するに2グループとも外資系の広告会社(外資なのに喫煙率高し)。しかも営業接待ではなく部内の食事会のようでした。

ぼくは、さとなおさんと何度も食事をしていて、さとなおさんが経費を一切使わない人であることをよく知っていますが、やはり広告会社というのは、部内の飲み会レベルでも「小やなぎ」に行くことができるんですかねえ。というより、それだけの経費が使えるなら、「小やなぎ」ではなく、フランス料理店とかもう少し他のレストランに目を向けていただければ、日本の食文化全体も向上すると思うのですが。
posted by 伊藤章良 at 15:04| 和食(鍋・おでんなど) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年01月06日

いとう:もつ擴(恵比寿)

こちらこそ、おめでとうございます。
年末の激務、そして年初からのリニューアル作業・・・。いくらマルチタスクな人と言えども、いつ寝ているんだろーと(「さなメモ」を欠かさず読んでいるぼくの母も)心配しております(笑。

サイトリニューアルお疲れ様でした。わりと断片的にお話をうかがっていたとはいえ、大変な労作ですね。ぼくだったらどうかなあ、とか、自分と置き換えて読んでみましたが、まったく考えがまとまらず、方向性も見出せず・・・。

さて、蕎麦屋の話。
蕎麦屋を居酒屋として使う感覚は、きっと江戸的なもの(独断ですけど)だと思うのですね。大阪にいるころからずっと憧れていて、東京に移って来てすぐも、上野や浅草の藪蕎麦に行っては、蕎麦屋の肴をつまみに一人酒している大先輩を眺めていました。そんな時の自分はビールも注文できないもんなんですねぇ。

「泰明庵」「よし田」も昼たまに行くのですが、テーブルの片隅で一人酒を傾けるお爺さんが必ずいて、東京の古き伝統を感じます。
そうですか、七草の時期に「せりそば」はいいですね。来週はぜひ行こう。

さとなおさんと違って12月は飽食三昧だったぼくはイロイロとネタがありますが(笑)、今回はもつ鍋の「もつ擴」

ここは、恵比寿と広尾のちょうど中間辺りというか、もつ鍋ブームを再燃させた雄「蟻月」から徒歩30秒に位置していて、「もつ擴」「蟻月」同様九州からの参入。まさに恵比寿のバス通りを挟んでガチンコ勝負の様相です。

もつ鍋ということで一度帰宅して着替えて行ったのですが、店内は妙に明るく清潔(オープンして間なしということもあるけど)で、しかも匂わないのです(「蟻月」でも中目黒の「鳥小屋」でも店の外半径50メートルぐらいまでプンプンするのに)。

その理由は、もつ鍋のスープにありました。鍋のメニューは、鳥の水抱き風澄んだスープ(「蟻月」でいうところの金)のみ。スープに強い味とニンニクの匂いがついているのではなく、炊いたもつを酢ダレと柚子胡椒につけて食べるのです。あっさりとして上品ではあるけど、着替えまでして気合十分で行くと(苦笑)意外とガッカリ。

「もつ擴」は、サイドオーダーや焼酎の品揃えも多分に道の反対側を意識。レバニラ炒めがあったので、道でビールのタダ券を配っていたころの「蟻月」にてその強烈な旨さに感動したことを思い出し注文するも平板(「蟻月」も最近味が落ちたとの話ですが)。ちっちゃな博多餃子が8個で850円なのに驚愕。焼酎も高くて、もつ鍋以外のもので儲けようとの戦略を垣間見、つらいものがありました。

それを理解したうえで、デートや女性同士の訪問なら、かなり利用価値もあると思います。
posted by 伊藤章良 at 22:12| 和食(鍋・おでんなど) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年09月22日

いとう:だるま(麻布十番)

「玉ゐ(たまい)」、全く知りませんでした。ぼくもその空間に気持ちよくだまされてみたいです。しかもかなり美味しそうですね。ぼくのクライアントに、世界中の食い物の中で「櫃まむし」が一番ウマイと豪語してやまない方がおられるのですが、その人をぜひ「玉ゐ(たまい)」に連れて行きたいです(笑)。

さて、ようやく季節も秋めいて、朝晩涼しくなったから、ということではありませんが、仕事仲間からしゃぶしゃぶでもどうですか、との声がかかり、麻布十番の「だるま」に行ってきました。元来しゃぶしゃぶなる料理は、肉の質さえ重視すれば家で食べても外食しても同じというのが私の見解。どうももったいないような気がして、自らすすんでお店に行くことはありません。ただ、仕事の打合せの延長線上で鍋を囲むのもいいなあと快諾しました。

麻布十番のちょっとコジャレた店は、「いかにも」といった怪しげな人種が集いますが、「だるま」も典型的なその筋の空気が漂い、奥に行けば行くほど、迷路のごときレイアウトになっていて、縦横の壁が他の人の視線を遮ります。

しかも、混んでいるんですねえ・・・。驚きました。
まだまだ暑いだろうし大丈夫ダヨとフリで入ったら、一番戸口側のテーブル席のみしか空いておらず(ぼくたちはけっして怪しげな人種ではないので、その場所でいいのですが)なんとなく損した気分。

肝心のしゃぶしゃぶは、といいますと、久しぶりながら、やっぱりわざわざ店に来て食べるほどのモノではないなあと改めて思った次第。肉の脂が落ちて適度に柔らかく軽くなっているし、野菜も十分に取れるし、残ったスープは格別で、麺や雑炊として最後までいただける。確かに合理的な料理ではあるのですが、店側からは、調理もサービスも不要ながら素材の質だけで高額の設定をされてしまうと、「料理」と「料理人」が好きなぼくとしては、不完全燃焼でした。
posted by 伊藤章良 at 18:18| 和食(鍋・おでんなど) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年05月19日

いとう:作作(お好み焼)

広島つけ麺にコメントをしようと思ったら当ブログにはコメント欄がないことに気づきました。とのメールをいただきました。すみません。でも、あのような硬い麺を使用するには、いわれや理由があると思います。ぜひ教えてください。

最近、中目黒への出没頻度がかなり高いのですが、「藤八」には行ったことがないのです。まだまだ行きたい店がいっぱいです。

今日は「作作」というお好み焼店。お好み焼って、関西出身者の共通意見として「東京にはウマイ店がない」のですね。あれだけ月島がにぎわっていることから、欲している潜在層はかなり幅広いと思うのですが。
東京に移って以来「うまいよ」と聞くたびに出かけているのに、未だ「うまいなあ」と感じた店はほとんどありません。「やきやき三輪」なんかもいいと思うけど、高いしなんとなくしっくり来ないんです。

というか、うまい店は唯一調布にあるのですが、焼いてる人は関西人でその人がその店にいつまで勤めるかわからないので、ここでの紹介は控えます。それと、いいのか悪いのか、大阪の名店に数えられる「きじ」が東京に進出するそうで微妙。
といいつつ、神戸に本店のあるお好み焼「作作」の東京店@麻布十番に行ってきました。

ここを運営するオペレーション会社は、サンタモニカのプライベートエアポートにあるスシレストラン「The hump」の東京店もやっているのですが、そのあまりの勘違いぶりに驚くばかりか悲しくなって、果たして「作作」は大丈夫なのかなあと、一抹の危惧はありました。

麻布十番駅から少し歩く仙台坂沿い。この通りを象徴する「ひむか」「十六夜」といった店と同じような佇まい。麻布十番らしい怪しい人種や外国語の飛び交う店内。雰囲気は「やきやき三輪」風でもあるのですが、それよりはすべてにゆったりと作ってあり寛げます。メニューやオペレーションの方法も「やきやき三輪」と酷似。ただ、どちらが先なのかは詳しく知りません。

でも、焼き物、とくにお好み焼はなかなか美味しくいただきました。
山芋で膨らせるタイプだけではなく、チヂミ風な食材重視の焼き物も多数。明石焼スタイルで出汁につけて食べるものもありました(ただ、それにもあらかじめお好み焼ソースがぬられていたのはナゾ)。
4人で(うち飲んだのはほぼ3人)ワイン2本を空けたけど、トータル金額は想像したものより少し安く、改めてお好み焼のリーズナブルさを体感しました。
posted by 伊藤章良 at 12:37| 和食(鍋・おでんなど) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年05月13日

いとう:桔梗

そういえば、最近さとなおさん「若くなったあ!」

「バードランド」系は阿佐ヶ谷時代に一度行っただけ。「すきやばし次郎」横に移ってからも、店主と親しい編集者の方に誘っていただいたりしてチャンスはあったのですが未訪です。焼鳥って必要以上に塩がキツイし、それに見合った強い酒を飲む傾向にあるので、個人的には味覚より食感重視かな。

以前料理王国で、「東京は焼きの文化・大阪は揚げの文化」というコラムを書いたことがあります。大阪は、見かけがあまりよくない肉でも食べて旨けりゃいいんで、衣をつけて揚げてしまう。一方東京は、素材の良さを目で確認することで、価値や旨さを感じる、みたいなこと。
自分は、焼鳥でも串カツのような食べ方をするなあと、つくづく思います。

さて、昨日は、星条旗通りにあるバー「MileEnd」オーナー田部さんの導きで、高校時代田部さんのクラスメートだった女性がお母さんと営んでいる芝大門のおでん「桔梗」へ。田部さん曰く、高校時代は銀河鉄道999のメーテルに似ていたという美貌の同級生ですが、20数年を経た今も大変お美しい、はにかんだ笑顔がメーテルの憂いを髣髴とさせる素敵な方。

昨夜はかなり冷え込んでラッキーにもおでん日和。お店も超満員です。おでんは薄味で練り物種の種類が豊富。お新香やほたるいかの干物などちょっとした肴もおいしく、穏やかでやさしい母娘の雰囲気でとても温まりました。

その後「MileEnd」へ。ここはモルトの種類も豊富な本格バーなんですが、バーテンダーである田部さんが、中国・東南アジア外遊の経験を生かして作る特別料理「陳麻婆豆腐」がめちゃウマ(ただし、毎日はありません)。花山椒は本家以上に利いており相当辛いけど、ラー油を多用せずとてもコク深い味わい。豆腐やひき肉の食感もクリアで細かいところまで手をかけておられるのが分かります。さっきまでのやさし味から一変してヒーヒーしました。食べすぎ。
posted by 伊藤章良 at 11:38| 和食(鍋・おでんなど) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする