2011年11月13日

さとなお:ペリカン(ストックホルム)

伊藤さん、すいません、10月末から11月頭までほとんど死んでました(多忙中の多忙で)。独立してから会社員当時よりさらに忙しくなり、ほとんど「心を亡くして」います。ダメですね。

でも、好都合なことに1年以上前から仕込んでいたプロジェクトで東京を抜け出すことができ、いまスウェーデンはストックホルムにいます。

まぁこっちに来てもネットでいろんな案件が追いかけてくるのだけど、物理的に環境が変わるというのはやはりイイですね。ストレスがどんどん抜けて行っています。

今日は、ちょうど昨晩行ったばかりのストックホルムのレストラン「ペリカン(Pelikan)」を書きたいと思います。

伝統的なスウェーデン料理の店で、こちらでもかなりの老舗。

泊まっているホテル「やすらぎ」のスタッフの方(日本人)に「スウェーデン料理が食べたい」とお願いしたら、即座にここを教えてくれました。

いやー、いい店です。
前の晩に行った「Gondolen」もいいレストランだったけど、旅行者にはどちらかと言えばこちらを勧めるかな。クラシックなビアホール系の造りで、カジュアル。でも、客層はとてもよく、落ち着いたいい雰囲気。

名物は伝統的スウェーデン料理の中でも一番有名なミートボール「Pelikan's meatballs」(182クローネ)。でかいミートボールが4つ。これが非常にうまい。まぁここのを食べれば他のを食べなくてもいいのではないか、という美味しさ。

あとは、これまた有名なニシンの酢漬けもとても美味。
すっぱいの好きなボクにはたまらない味です。この2皿で日本人ならおなかいっぱいになるかも。

多人数で行くなら、巨大なアイスバイン「Boiled knuckle of pork」も良さげ。隣のヒトが食べていたが、胃袋大の肉の塊。シェアするならアリだと思う。あとはニシンのフライである「Fried Baltic Herring」もイイらしいです。

全体に照明が暗く、雰囲気がとてもいい店。
ストックホルムに来たならまた来たい、と思った店でした。
posted by さとなお at 16:12| 海外のうまい店 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年09月26日

いとう:親親小吃店(台北)

>伊藤さん、食いしん坊はわかりますが、そろそろエコノミーの
>機内食はやめた方がいいっすよ(笑)

ありがとうございます。本当にごもっともな意見で十分に気をつけます。
ただね、エコノミーの機内食をスパッとやめてしまえるのは、やはり旅行上級者かと思うんですね。

ぼくも、1年に4〜5回は海外に行くのでそこそこ上級者の部類に入るのかもしれませんが、エアラインを変えたら多少変わるんじゃないかとか思うし、前から順に運ばれてくると、今度こそはと一抹の期待を抱いてしまいます(笑)。

さて、台北〜大阪〜京都〜名古屋と動いて、いろいろと食べてきました。台北については、たくさんの食情報をいただきありがとうございました。

台北は実は初めて。台湾の方は皆さん穏かで優しく親切だし、料理も安くてウマイすばらしい街でした。また、東京にある「台南担仔麺」や「青龍門」などの台湾小皿料理店に比べると、随分軽い感じで化学調味料の不快さも比較的少ないのが意外でした。

いっぽう、どこのコンビニでも大量にビールを売っているのに、レストランではビールも(水やお茶すらも)ほとんど飲まないのには驚き。だから塩も化学調味料も控えめなのかもしれません。

また、台北に駐在する日本人の友人が日本語堪能な台湾女性を連れてきてくれたんだけど、クイクイとビールを飲むのでイケル口かと思いきや、紹興酒は一度も飲んだことがないと言うんですね。で、その理由は「大陸の酒だから」とのこと。中国と台湾の関係の根深い一面も垣間見ました。

で、いろいろとご教授くださった中から、下町の一膳飯屋風ながら大変感激した「親親小吃店」を紹介します。

タクシーで地名を告げ言われるままに降りると、なんのことはない普通の店構えで(そんな店でも有名店は多々あるんですけど)、昼時なのに行列もしていない。ここかなあと逡巡しつつ覗くと、お店のオヤジさんが実に感じがいいし、意外と清潔感もある。

そして、推薦いただいた「蛤のスープ」や麺類は本当にすばらしかった。特に「蛤のスープ」は今回台北で食した中でもダントツ。(実はさとなおさんが書いていた砂鍋も行ったのですが、同じ土俵で比較するのは、ちとつらいかな)

日本の蛤のお吸い物でも若干白濁してますが、スープは全くの透明(フシギでしたが理由は解明してません 汗)ながら、化学調味料をほとんど感じることなく、なおかつショウガや薬草系の複雑な味と香りが立ち上るイメージ。蛤の身は半生といってもいいぐらいプリプリでぷっくりと。
ダシとは別に火を入れ、絶妙なタイミングで合わせているのかもしれません。

なにしろこれが40元(日本円で140円程度)。台北市民は幸せです。

日本円で350円を使ってタクシーで「親親小吃店」に行き、140円の「蛤のスープ」を食す。さとなおさんも推薦していた茶屋で3500円のお茶を飲む・・・。なんだか金銭感覚がおかしくなりそうでした(笑)。
posted by 伊藤章良 at 12:03| 海外のうまい店 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年09月10日

いとう:柳寿司(ハワイ)

>同行者たちが「フレンチですか…。面倒だな」と後ろ向きで、

ご存知でしょうけど「アランウォンズ」はフレンチではないですし(メインデッシュの時に白飯が食べたいといえば持ってきてくれるし、その昔メニューにお茶漬けもありました)、東京にも進出した全米高級ステーキチェーンの「ルースズ・クリス」よりもたぶんカジュアルですよ(笑)。今度はぜひご家族で。

それにしても、北イタリアは相当道が入り組んでいるようですね。そんな中でおいしい店を見つけたときのギャップと喜びは格別かと。「ポレンタのポルチーニのせ」とか「マスカルポーネのムース」なんて、シンプルかつまさにイタリア。技巧にとらわれた皿ではなく、そういった料理こそ現地で体験する喜びもひとしおですね。

では、ぼくはもうちょっとハワイを続けて・・・。
オアフ島にある寿司店「柳寿司」です。今回のハワイ滞在最終日、どうしても寿司が食べたくなって、随分久しぶりに訪問しました。

カウンターに座ると「今日は日本からもうサンマが入ってるんですよ」との最初の一声で、地元の人と思われているんだなあと感じ(すごく日焼けしたのでそれもやむなしなんですが)、「明日日本に帰るんですよ」と言うと、「あ、単身赴任ですか」と。
「いえ、仕事の出張で来てます」ときり返すと、「建設関係ですか」と言われてしまいました(苦笑)。

「柳寿司」はハワイでの営業も長くザガットなんかでの人気も高く、一般にはハワイで一番うまい寿司店と言われています。ただ、よせばいいのに壁一面に日本の芸能人の写真やサインが張りめぐらされ、店内も雑然としていて、飲み物等の接客も昭和のおばちゃんたちで、決して高級感はありません。

以前うかがったのは10年近く前なので味をすっかり忘れていましたが、お寿司自体は(3週間日本を離れていたという贔屓目は多少あるとしても)かなりおいしく、なおかつ技術も高いと感じました。

基本的には、いわゆる有名漁港近くの観光客用寿司(笑)でデカネタなんだけど、そのタネがとてもいいのと、すし飯とのバランスもぎりぎりのところでちゃんと残してくれているんですね。

特にハワイで獲れる魚は絶品。マグロの赤身は日本近海のものと遜色ないねっとり感と滋味タップリだし、日本の鮨店ではほとんど食べたことがない(シーチキンの原料でもある)Albacore(ビンナガ)や、ハワイではなぜかシュウトメと呼ばれるメカジキなんかがすごくウマイ。タイもハワイ島での養殖とのことでしたが、こちらも多少淡白なものの旨味十分。とにかくハワイ近海の魚を使ってのにぎりの完成度が高いのです。

また、東京の高級店にも匹敵するぐらいに職人の仕事ぶりが丁寧でしかも手か早い(奥にテーブル席がいくつもある大きな店ということもありますが)。ぼくの前の二番手と思われる方に、日本での修業経験があるのかと思って尋ねたら、ニューヨークやLAの「Matsuhisa」にもおられたとのこと。ただ、修業はすべてアメリカだそうでアメリカの寿司店でも先輩はかなり厳しく修業は大変でしたよと言われてました。

親方も、のほほんとしたハワイっぽい方ですが、定期的に日本に戻っては東京のイマの鮨を研究しておられるんだろうなあと感じさせる話も出ていました。

まあ、観光客もほとんどおらず地元ローカルの面々が刺身居酒屋として利用している向きは強いものの、これだけのにぎりがいただければ、日本に戻ってからも当分はスシスシと思わないで済むなあと満悦でしたが、支払いは東京の高級鮨店と遜色なく普段着で通える店ではないかなあ。といいつつ、ローカルの客は皆さん普段着利用の様子で、ハワイ在住の日本人金持ちが集まってきているんだろうなあと拝察した次第です。
posted by 伊藤章良 at 17:58| 海外のうまい店 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年09月06日

さとなお:Trattoria San Basilio(イタリア:ヴェローナ)

伊藤さんもお帰りなさい。
ハワイ、いい旅だったようですね。某所で読みました。

「アラン・ウォンズ」は前回ハワイに行ったとき、最後の最後まで行く気満々だったのですが、同行者たちが「フレンチですか…。面倒だな」と後ろ向きで、ついに行けませんでした。現地コーディネーターも「もう過去の店だと思います」と。まぁなんというか、ハワイまで来て肩の凝る料理はイヤっていう感じもわかるし、もっと違う店を紹介したい気持ちもわかるからいいんですが、でも、やっぱり無理矢理にでも行けば良かった。いま後悔しています。

じゃ、ボクもハワイの店を。
と思ってつらつら思い出そうとしてみるに、んー、もうひとつだなぁということで、今回は行ってきたばかりのイタリアの店を1店だけご紹介します。

北部ヴェネト州(ヴェネツィアの上)にあり、ロミオとジュリエットの街として知られるヴェローナの街のトラットリア「Trattoria San Basilio」です。「サン・バシリオ」と読むのかな。ここ、いい店でした。ヴェローナの街にある、と言っても城壁の外。東側の入り組んだ道にあります。辿り着くのに相当迷い、諦めかけたときに偶然通りかかって見つけた感じ。

ここはミシュランに載っている店(無星だけど)。ヨーロッパでのミシュラン・ガイドはそれなりに信頼できるのでわざわざ出かけたのだけど、それだけのことはありました。
天気がよかったせいもあり、緑の生け垣に囲まれた中庭のテーブルに通され、シェフ(フルーツ柄のパンツがド派手)自ら英語でメニューを説明してくれました。とても親切で明るいシェフ。もうひとりメートルみたいな人がいるんだけど、彼はどちらかというとお澄まし顔。うちのテーブルはシェフがついてくれて良かったな。給仕も全部シェフがやってくれました(もしかしたらシェフしか英語がしゃべれないのかも)。

料理がいいですね。
ボクはここで食べた「ポレンタのポルチーニのせ」とデザートの「マスカルポーネのムース」が忘れられないです。激うま。あ、同じくデザートでもらった「ラズベリー、ブラックベリー、ブルーベリーなどのフルーツ盛り合わせ」も絶品。地物のベリー類の実力を知った瞬間。
他にも「ほうれん草とリコッタのカネロニ」「タレッジオ味のリゾット」「ラムのコートレット」「鳥のベーコン巻ソアヴェ煮込み」など、どれもとても美味。パスタ類のオーダーに迷う我々を見て「いいよいいよ、少しずつ作って分けてあげるから食べたいのを複数オーダーしたらいいよ」とフレンドリーに笑うシェフ。なんかとても気持ちよかったな。

リゾットだけちょっと塩が強かったけど、これは北イタリアの料理店で何度も経験したこと。これが本場の塩加減なんでしょう。
塩と言えば、「ラムのコートレット」のとき、シェフが「この料理は塩で味付けしていないから、これらの塩をそれぞれ楽しんで」と塩を4種類持ってきました。普通の塩と、デンマークのスモークした塩。ヒマラヤの岩塩。ハワイのレッドソルト。このうち、スモークした塩がとてもラムと合いました。この塩、ぜひ手に入れたいところ。

もし、なにかでヴェローナに行くなら、とりあえずオススメです。
posted by さとなお at 22:45| 海外のうまい店 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年09月02日

いとう:アランウォンズ(ハワイ)

さとなおさん、お帰りなさい。
イタリア旅行記を読んでいて寝不足です(笑。

かくいうぼくも、8月後半にハワイでの長期出張から戻りました。
日本が猛暑の時期に長くハワイに滞在できたことは幸いだったけど、日本の蒸し暑さと、しばらく隔絶していた人ごみに、未だ体が慣れません。

さとなおさんが前回紹介された「レストランHOKU」は未訪ですが、日常おいしい野菜にありつけない東京においては貴重な店ですね。メニューにあれば、エチュベもココット蒸しも必ず頼んでしまうぐらい好きなので池尻大橋じゃなければ、スグにでも行きたいなあ・・・。

ところでHOKUとはハワイ語で星の意味だそうで、ハワイ帰りのぼくには格別の「フリ」をいただきました。実はオアフ島のカハラ地区という高級住宅街にも{HOKU'S」という優れたレストランがあります。この店が紹介できればタイムリーなんですが、今回の滞在では訪問しなかったので残念ながら記憶があやふや。

ただ、3週間あまり滞在しグルメ本が一冊書けるぐらい回ってきました。ということでハワイで最もメジャーなレストラン「アランウォンズ」から取り上げてみたいと思います。

「アランウォンズ」は、ハワイのレストランに毎年授与される賞として権威あるハレアイナ・アワードやイリマ・アワードをずっと取り続けている、名実ともにトップのレストラン。
最近でこそ日本人観光客も多く見かけるようになりましたが、基本的にはローカルにも強く支持されています。

ここは、地元民が通う飲食店が密集するサウスキングストリートにあり、外見からは倉庫かオフィスか・・・と、何の変哲もない地味なビルの3階。ダイニングも決して広くありません(ただ何度も改装をしていて、なぜかちょっとずつ広くなっているような気もしますが)。テーブルも詰め込めるだけ詰め込んで、周りの声も丸聞こえ。ハワイを代表するレストランといっても、ムーディでロマンチックな雰囲気はありませんが、賑やかにさんざめいて、サービススタッフは皆さんツボを心得ていて、シェフソムリエのシシドさんセレクトは的確。そしていつもいつも、驚きと楽しさと喜びを与えてくれる料理・・・。

「アランウォンズ」には、オアフ島を訪れる毎にたいてい訪問するので、リピート回数は日本のレストランを合わせてもベスト5に入るぐらい。シグニチャーメニューはほとんど制覇しました。それでもまた行きたいと思う最大の魅力とは・・・。

日本はもちろん欧米では「レシピや伝統といった縛りを取り去り、シェフの経験と創造力が生み出す食べ手の五感すべてに訴える料理」が、イマの主流となっています。ミシュランも、何年か前からそういった優れた一皿の料理に対し星をつけるとの方針に変更しました。

例えば、そんなレストランの代表格である「カンテサンス」と「アランウォンズ」を比べた場合、どちらにも同じようにクリエイティビティを感じますが、ひとつだけ確実に違うと個人的に思うトコロがあります。それは、「アランウォンズ」は心が動かされると同時に間違いなくおなかもイッパイになるのです。

五感に訴えかける料理は、絵画や舞台などの優れた芸術に接したときと同様の大きな感動はありますが、それだけでは腹一杯にはなりません。感動させしかも満腹にさせてくれてこそが「料理」だと、だから「アランウォンズ」に足が向いてしまうのだろうと思います(同じく予約は取りにくいんですけど)。

なんだか抽象的になってしまいましたが、いくらでも書けそうなので別の機会に改めます(笑)。さとなおさんも次回ハワイに行かれることがあったら「アランウォンズ」にはぜひ。なお、舞浜のイクスピアリに同名の日本店がありますが、残念ながら中身は全く違うとしかいえません。
posted by 伊藤章良 at 18:15| 海外のうまい店 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年06月15日

さとなお:Pure Food & Wine(ニューヨーク)

伊藤さん、すいません。すっごく間が空いてしまいました。
急に忙しくなったのと、季節の変わり目か体調がいまひとつ。体調が悪い時って「おいしいもの」のこと、書けませんね。すいません。

まだ引き続いて体調最悪なのですが、つなぎとしてニューヨークで面白かった店をもうひとつ書いてみます。

「Pure Food & Wine」というお店。
ユニオン・スクエアのすぐ近く、Irving Placeにあるモダン・アメリカンです。マリオ・バタリの「Casa Mono」の隣と言った方がわかりやすいかもしれません。

いわゆる「RAW(生の) FOOD」の店ですね。
ビジネスカードにも「new york's raw organic restaurant」と書いてあります。

なんでも、新鮮なオーガニック素材を48℃以下の熱で調理をしているらしいのだけど、そう聞くとまずそうでしょ。でもうまい。そんなこと思わせない完成度と味付けで各皿それぞれに驚きがありました。肉も魚も使っていない。野菜と果物、ナッツ系、スパイス系のみでこれだけの料理を作ってくるか…と驚く感じ。

アフターシアターでラストオーダー寸前に飛び込んだのだけど、快く「Chef's Choice Five Course Tasting Menu」($59)を受け入れてくれました。
テーブル単位で注文してくれ、と言われたので一緒に行った4人全員テイスティングコースにしたんですね。当然4人同じ料理が出てくるかと思いきや、4人それぞれ違った料理を出してくれ、シェアして楽しめました。デザートを含めるとそれぞれ6皿。つまり24皿分楽しんだことになります。メニューにあるほとんどの料理は楽しめたのではないかな。ラッキー。

料理はどれも美しい盛りつけと意外と骨太な美味でとてもインパクトがあります。
バラエティに富む野菜を上手に組み合わせて繊細きわまりないながらもきちんと芯があるうまい料理に仕上げてあるんですね。やり過ぎも創作しすぎもなくハイセンス。デザートまでおいしい。オーガニックブームの行き着いたカタチかと。全体にインド料理やメキシコ料理の影響を受けているかな。和食の影響も少し。

この手の店は流行に左右されてすぐまずくなる場合があるけど、長持ちして欲しいレストランです。ちなみにアルコールはワインのみ。ビールは製造過程に加熱があるから使わないらしい(笑)。

店の奥には中庭があり、このテラス席はとても気持ちよさそう。サイトを見るといろんなメニューを確認できます。ぜひどうぞ。
posted by さとなお at 18:57| 海外のうまい店 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年05月17日

いとう:Town(ハワイ)

ぼくも、仕事でハワイに行っておりました。
その後もずっと仕事の現場が続いていて(日々弁当の悲しい食生活)、更新が遅くなりました。また、頑張っていつものペースに戻したいと思います。

momofukuの話、とても興味深いですね。長いことニューヨークに行っていないので、すでにさとなおさんの話を聞くと浦島太郎状態だなあ。

>all we had to do to make this record was add water

たぶん英語としては正しいのでしょうけど、個人的には「boiling water」にして欲しいなあ。アメリカ人がカップ麺に平気でぬるい湯を入れるのが許せません(笑。

さて、さとなおさんが「さなメモ」で書かれるように、アメリカの食べ物が美味しくないという定説の例外は、ニューヨークだけではなく今やハワイでもそうですね。というより、効率ばかりを追求する最近の日本の外食の方が、アメリカよりおいしくないのかなあと悲しく感じたりもしています。

アメリカには世界的に名高い料理学校もありますし、フランス料理や日本料理が歴史や伝統に縛られる中、自由にクリエイティブに、おいしければ・栄養価が高ければ・美しければ、それてオッケーな料理を考え作る彼らは、(ちょっと残念でもありますが)料理の世界でも21世紀の牽引していく状況ですね。

ハワイの特徴としては、訪問するたびに地産地消が進んでいるなあというのが実感。回りを海に囲まれて魚介類も豊富。また、少し車を走らせれば、すぐに畑や牧場も見えてくることから、新鮮な野菜や肉類にも事欠きません。未だにロブスターの爪の中に小指ほどの身しか入っていない観光客用の料理とも出会いますけど(苦笑)、きちんと店を選べば、「おいしい」以外にすべての言葉を失ってしまうような至福が待っています。

今回はとても忙しく自分の時間がほとんど持てないまでも、なんとかやりくりして訪問してきた「Town」がそんな一軒。ここは、サウスキングストリートと並び称せられる、ハワイローカルが集まるグルメゾーン カイムキ地区にあり、ワイキキから比較的近い(歩いては行けないですが)エリアながら、観光客はほとんど見かけない場所。

ワイアラエというメインストリートに面し、屋外のテーブルでもすでに夕暮れのビールを楽しむ人達で賑わっています。
エントランスの印象からするとダイニングは意外と広く、西洋のちゃんとしたレストランには定番のバーカウンターも付設。時間も早かったので窓際の明るい席に通されました。

メニューはタイピングされたものが回覧板のようなバインダーに挟まれて出てくる簡素なものだし、飲み物のコースターには、おそらく昨日までのメニューであろう紙を四角に切って使うという、まさにエコを主張したイマのレストラン。

料理は、地中海風と聞いていたんですが、メニューの下にはこう書いてあり「Local first, organic whenever possible, with Aloha always」、つまりは、アロハスピリットたっぷりのロコ(ローカル)の料理なのだと思います。

ここで食べた野菜も肉も魚も、食材がすべて唸るほどうまい。味付けは、いずれの皿にも上手に酸を効かせオイリーで重くならないように仕上げた、個人的にはまさにストライクゾーンなテイストでした。

しかも、ハンドカットのパスタの茹で加減もメインのハワイ固有の魚の焼き具合も、日本でもなかなか出会えないほど完璧。クリエイティブでも多少大雑把な印象は否めないネオアメリカ料理において、この絶妙さにも瞠目しました。

この店、先ごろホノルルのビジネス街にも「Downtown」とい二号店を出したそう。なかなかウイットにも富んでますね。
posted by 伊藤章良 at 22:50| 海外のうまい店 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年05月10日

さとなお:Momofuku Ssam Bar(ニューヨーク)

荒木町界隈、いいですよね。
最近では「よねやま」「酒音」、そして移転して初めての「八平」に行きました。
「八平」は相変わらずとても美味しかったけど、ご主人あんなに怖い人だったっけ、というのが感想。弟子やサービス人を怒るわ怒鳴るわ睨みつけるわで、カウンター席で落ち着かなかったです。

ええと、ニューヨークに一週間ほど行っていて、間がひどく空いてしまいました。すいません。
実質6日でミュージカルを9本観る旅を敢行したのですが、おかげでレストランはアフターシアター(つまり22時や23時から食べられる店)しか開拓できませんでした。でも、探すと意外とあるのですね。今回もアタリがいくつかありました。

今日はその中から「Momofuku Ssam Bar」を。
モモフク・ッサム・バー。

Momofuku、というのは日本語ですね。どうやら日清食品の故・安藤百福会長の名前からネーミングした店のようです。インスタントラーメンの祖である彼をリスペクトした店名。当然日本人がやっているのかと思いきや、シェフは韓国系2世のデビッド・チャン氏。彼はニューヨークの料理学校で基礎を学んだ後、東京のパークハイアットで修行をして麺作りを習い、まず「Momofuku Noodle」という店をイースト・ヴィレッジの近くに始めたんですね。
その後この店「Momofuku Ssam Bar」を開き、レストラン評論では一番権威あるNew York Timesの「2007年ベスト・ニュー・レストラン」に選ばれたそうです。もうひとつ開いている「Momofuku ko」も、数日前(5/7付け)のニューヨークタイムスで三つ星を獲りました。

ちなみにその「Momofuku ko」の店名の「ko」とは「son of」という意味だそうで、つまり日本語の「子」です。「百福の子」。ううむ、ここまでリスペクトしてくれるのはうれしいけど、ちょっと悔しい気もする(笑)

ちなみのちなみに、エルヴィス・コステロの最新CD(これも数日前の5/6にUSで発売)の題名が「Momofuku」です。

アマゾンの商品の説明を読むと「Well, obviously the title is a tribute to Momofuku Ando, the inventor of the Cup Noodle. Like so many things in this world of wonders, all we had to do to make this record was add water.」だって(笑)
続けてこの店にも言及されてます。
「Now, I understand that there is also a fancy eatery in New York City that has made the same connection with Ando-San. So, just in case anybody is inclined to mistake our record for something edible, we've added a disclaimer to the record jacket. I like saying, "record jacket" again.」ですと。

で、ジャケットを見るとこう書いてあるらしい。「レストラン・モモフクとは関係ありませんが、そこの料理はお勧め」


話が猛烈にズレました。
「Momofuku Ssam Bar」ですね。店名の「Ssam」とは「ッサム」、韓国語の「包む」という意味です。
最近、韓国料理でポッサム(bo ssam:ボッサムと書くけどポッサムと発音するのが近いよう。茹で豚肉やキムチや野菜を巻いて食べる料理)が人気になってきていて、専門店まで出来ている勢いですが、そのポッサムの「ッサム」ですね。サムというとサムギョッサルを思い浮かべるけど、あれは「sam gyop sal」でスペルが違うし料理としても違います。

料理はフュージョン。Korean-Americanかな。
韓国料理をアメリカ風にアレンジしたもの。日本料理の影響も少しあると思う。○○風茶碗蒸しとかもメニューにあったから。

んでもって、ここの名物が「bo Ssam」(この料理は予約制なので注意!)。
そう、ポッサムです。でもここのポッサムは少し特別。説明を読むと「whole butt, dozen oysters, kimchi, rice, bibb lettuce」と書いてあって、つまり豚のお尻肉と生牡蠣とキムチとご飯をレタスで包んで食べる料理なんだけど、これ、うまかった!

何が特別かというと、まず、豚のお尻がですね、超巨大。
お尻半分くらいの量が来ます。大きさで言ったらアメフトのボールくらい。いやラグビーボールくらいあるかな。
これを1時間以上かけて丁寧にローストしてあり、まぁ量のインパクトもすごいけど、味もとても良いっすね。意外と脂っぽくなくて、肉の旨みが凝縮された美味。

で、レタス(あっちでポピュラーなBibb Lettuce。チシャとはまた違うみたい)で包むんだけど、この豚の尻肉にですよ、生牡蠣を一緒に包むんです(!)。ヤンニョムやキムチやご飯と一緒に。
これがねー、ボク的にはいままで味わったことがない美味。茹で豚と生牡蠣、合います。まぁヤンニョムなんかと一緒にするから、というのもあるけど、これは新しい発見でした。

ただ、量がハンパじゃないので、日本人なら10人くらいで行った方がいいですね。値段もこの一品で200ドル(!)します(他の一品は普通の値付け)。
あと、しばらく食べてるとどうしても飽きます(笑)。これは味ではなく量の問題。半分くらい食べてあとはお持ち帰りさせてもらうのがいいかも。そういう意味では、現地在住の人を大勢誘って行くのが正解な料理かもしれません。少人数の旅人だけではこの料理は無理かもなぁ…。

他の料理は野菜を多用したヘルシーな韓国系フュージョン。
ワインもそこそこ揃っています。オシャレな外観で、韓国や日本の店っぽい雰囲気はないです。薄暗くてガンガンにロックがかかっている感じの店。会話するには少々うるさいかな。

この店、予約を取らないらしく、人気なので行列ができるらしいのですが、この予約制である「Bo Ssam」を予約するとテーブル予約ができるという裏技があるそうです。ただし前述したように大人数(最低でも6人以上)じゃないと食べきれないので注意が必要ですね。でも、機会があったら絶対のオススメです。

夜は23時までオーダー可能。2nd Ave.と13th St.の角にあります。
posted by さとなお at 11:38| 海外のうまい店 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年03月25日

さとなお:阜杭豆漿(台北)

じゃ、ボクも読みにくい名前の店で。
台湾は台北の「阜杭豆漿」。フーハン・ドゥジャンと読みます。って、読めるか!(笑)

先週、台湾に家族旅行で行って、おいしい店にいくつか当たりました。その中の一軒、朝ご飯の店です。
台湾人って朝に豆漿(豆乳スープ)を飲む人がとても多いらしいのです。豆乳と焼餅(釜で焼いたナンみたいなパン)か油條(揚げパン)で朝ご飯を済ます。ふーんって感じで「そんなのおいしいのかな」と思っていたけど、一度食べると病みつきになります。こりゃうまいわ。この店も朝しかやっていない店で、イートインの人とその倍くらいテイクアウトの人がいます。ここで買ってオフィスで食べるんですね。

ボクは豆乳がそんなに好きではないのだけど、まず、ただの豆乳、つまり豆漿がうまい。へー、って驚きがあります。しかも砂糖を混ぜた豆漿があるんだけど、これがいいんです。豆乳の新たな魅力を発見した気分(何も言わないと砂糖入りが出てきます)。

で、「鹹豆漿(シェンドゥジャン)」という、豆乳に黒酢を入れておぼろ豆腐状になった食べ物が名物なんだけど、これがまたべらぼうにうまい。特に二日酔いの朝なんか身に染み渡るだろうなぁ。これを二日酔いの朝に食べたいがためにわざわざ二日酔いを目指してみたいほど。

そしてそして、サイドディッシュ的なメニュー、厚焼餅(夾蛋:卵焼入)、焦糖舐酥餅(キャラメル焼餅)、蘿蔔絲酥餅(大根切り焼餅)なんかがまたうまい。アンが入った甘いヤツやネギが入った餅もあるんだけど、そっちもうまい。思わず翌日も行って食べたくらいです。ボクって二日連続で行くことあまりないんだけど、ここはどうしても食べたくて。

特に厚焼餅(夾蛋)のうまさ。
窯の内側に生地を貼って厚焼餅を焼くんだけど、そこに薄焼きの卵焼きを挟むんです。生地はうまいし、卵焼きはよく合うし。シンプルだけどうまいはぁ。

MRT板南線善導寺駅5番出口真ん前のおんぼろビルの2階にあるんだけど、店もまさにおんぼろ。
カウンター前は大行列。内用(イートイン)と外帯(テイクアウト)の列に分かれているので、旅行者は内用に並びます。で、カウンターの左端に日本語メニューが置いてあるので、それを指さしながら注文すると良いです。

鹹豆漿が20元(70円ほど)、厚焼餅(夾蛋)も20元。だから150円くらいで大満足できます。
ボクの中のベスト・オブ・アサメシのひとつとなりました。
posted by さとなお at 18:59| 海外のうまい店 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年06月24日

さとなお:La Esquina(ニューヨーク)

伊藤さん、お帰り。
ハワイ、当初バカにしていたタタリか、全然行く機会がありません。食的には相当おもしろいと聞いているし、なんだかんだ言って気持ちいい島なので(ずいぶん昔に一回だけ行ったことがある)、また行きたいと思っています。その時はレストラン情報、頼りにしてます。

日本の「NOBU」の引き抜きの話は面白い話を知ってますが、ここで書くのは憚られる(笑) さらっと流します。

ということで、「NOBU」つながりで、NYのレストランをひとつ書きます。

メキシコ料理の「La Esquina」。ラ・エスキーナ。
ここ、「くまのあな」のメンバーに教えてもらった店なんですが(笑)、NYで去年から今年にかけて旬になっている隠れ家レストランで、セレブも毎晩のように来ているらしいですね。いや、セレブ的には旬を少し過ぎ、かわりに一般人の旬になってきている感じかも。

何よりも驚かされるのはそのエントランス。というかアプローチ。
ソーホーのLafayetteとCleveland Placeの交差点にあるしょぼくて小さなメキシカン・デリがそれなんです。
で、そのデリに臆せず入っていくと、秘密のドアから地下に降りれて、地下に意外にも広大なレストランスペースが広がっている、という演出。本当に隠れ家です。

入るのはデリの中の従業員専用ドアみたいなところ。
そこに、ドア番なのか客なのかわかりにくいごつい店員が座っており、そいつに予約の名前を言ってドアを開けてもらい、暗い階段をドキドキしながら降りるんです。そうするといきなり厨房なんですね。で、料理人が殺気だって働いている中を躊躇せず通りすぎると、今度は突然暗くて騒がしい異空間が現れる。そこがレストラン・ホールです。そんなアプローチ。

なんつうか古城の地下室みたいな空間で、馴れない旅行者だとちょっとビビルかも。真っ暗だし。こんなところで犯罪にあったら闇に葬られそうです。まぁ今のNYは安全きわまりないので大丈夫ですが。
地上部のシャビーな店からは想像できない広い空間。大音量のロック(懐かし系)がかかっている。オシャレで怪しげな人々が100人くらい、立ち飲みを含めてトグロを巻いている。奥の方ではテーブルでは業界人がいっぱい集まっている。濃厚に絡み合ったカップルもいる。そんな感じ。バケツがいっぱい用意してあるのは、雨漏りのためらしいです。そういうのも秘密の穴蔵っぽくて良いでしょ?

この意外なアプローチを含めた隠れ家感がNYでは人気みたいです。

こんな隠れ家&シチュエーションのくせに(くせに?)料理がわりと良いのがまた魅力です。セビチェもタコス系もグリル系もよいです。サボテンのサラダやグワバ味の豚グリルとかうまかったな。メキシカン・ビアとワインでちょい辛系の料理をワイワイつつく感じ。ただし大音量なので声を張り上げて話さなければいけないのが難かも。大人数で行っても話ができない(声が届かない)ので、2〜3人で親密に行く店ですね。

深夜26時すぎまでやっているし、アフターシアター、もしくは2軒目にはいいかもしれません。
話のネタにどうぞ。いかにもNYな感じだし。
posted by さとなお at 17:50| 海外のうまい店 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年06月22日

いとう:イマナス亭(ハワイ)

ぼくもハワイに出張しており、間が空いてしまいました。
10日ぐらいすぐ経ってしまいますね。しばらくは東京にいるので、もっとがんばって更新します。

>今回は札幌のイタリアン「SABOT」です。
>「アズーラ」と四谷の「岩井食堂」を足して2で割って「アロマフレスカ」グループと同じ方向性に楽しくした食堂な感じ(笑)。

ううむ。東京にいて、まだ見ぬ店に対する形容としては、かなり絶大ですね。岩井やアズーラの雰囲気は好きだし、かつアロマフレスカのグループとは・・・。
最近とみに、北海道に行くチャンスを逃していて(ついこの間もあったのに、海外への出張と重なってしまいました・・)、友人も転勤していたりして、相当行きたいモードです。


>最近すっかり地方と海外ばっかりのご紹介になっておりますが、今日もそんな感じでスイマセン。東京の店もたまっているので書きたいのですが…。

ぼくも同じですが、ハワイに出張をしてきたこともあり、一回だけハワイの店を。

最近多くの雑誌でハワイの特集記事を組んでいて、ハワイがリニューアルみたいなうたい文句が並んでいます。とはいえ、2年ぶりに行った感覚では、さほど変わったわけでもないかなあとの印象。というか、まだまだ建築はラッシュで今後もワイキキ周辺は変わってきそうです。

その中で、ずっとオープン以来変わらずハワイローカルの日本人に一番愛されている和食店に、「イマナス亭」があります。
場所はちょっと分かりにくく、ワイキキのメインストリートからは5〜6本北側で、地元ではグルメストリートとして名高い(「アラン・ウォンズ」等もある)King Streetの外れ。しかも、建物の中に奥まっていて看板も見えにくいのに、この場所で成功を収めておられるのは、たいしたものだなあと感心させられます。

内容は、極めて純日本風居酒屋料理。名古屋出身の方が営んでおられるとかで味噌カツとかもありますが、ポキやロミロミサーモン等、いわゆるローカルフードは出さないようです。魚の煮付けにしてもかき揚げにしても、とてもポーションが大きく少し濃い目の味付けで、大食い・大酒飲みのぼくにとっては、ぜひ日本にもあってほしいと願うタイプの店ですね。

次々に日本発のレストランがオープンする中で、古くからあるハワイの和食店が閉店したり、日本の和食大手との合弁に切り替えたりと、変化しつつありますが、「イマナス亭」は、そんな逆風にも順調のようです。

そういえばワイキキに「NOBU」ができていて、今一番の注目となっているみたいですね。ワイキキの「NOBU」がどうこう言うよりも、パリ、ニューヨーク、東京の食の三大都市(と、ネーミングは適当だけど)にレストランを持っているのは、アラン・デュカスとノブ・マツヒサだけじゃないかなと。そういう意味では凄いことです。

あ、そんな、ワイキキの「NOBU」には、実は今日紹介の「イマナス亭」から料理人が引き抜かれたとのこと。何か、日本のケースでも同じような話を聞いたような(笑。
posted by 伊藤章良 at 13:08| 海外のうまい店 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年05月20日

さとなお:タベルナ・ダデリア(ポルトガル)

天健、行きたい!
とても惹かれます。暑くなりすぎる前に行こっと。

さて、ポルトガルはこの辺にしようかな、と思いつつ、最後の一発。
ナザレにある「Restaurante Tipico Taberna D'Adelia」(Rua das Traineiras,12,2450.196 NAZARE/262-552-134)をご紹介しときます。この"Restaurante Tipico"というのは郷土料理を出す店、という意味みたい。ティピカルから来ているのかな。なので店名は「Taberna D'Adelia」だと思われ。

ナザレはリスボンから北に行ったところにある大西洋沿いの港町。
もうね、アジの干物が網に干してあったりして「ここは沼津かい!」って匂い満載の小さな町です。あの魚臭い匂いが充満している。レストランも店の前で魚を炭火焼きしていて、煙がモクモク上がっています。魚好きの日本人にはたまらない町でもありますね(だから人気があって、ポルトガル行った人の多くはナザレも訪れています)。

観光地だけに観光客用のレストランも多いのですが、町を一周二周するころにはいくつか選択肢が狭まってきます。海沿いの景色がいい店はパス(観光客用)、細い路地にあって地元客で混んでいそうな店、店の前で炭火焼きしている様子がいい店、できるだけ古っぽい店……って感じで選んでいって、辿り着いたのがこの店。ガイドブックには載ってないけど、味はとても良かった。

特に印象的なのはタコめし。アローシュ・ド・ポルヴォって言うんだけど、タコの雑炊というかリゾットというか。この店のそれは実にうまくて、娘がこのごろ珍しいほどの食欲を見せました(でも大量に来るので注意)。周りの席を見てもカタプラーナやカルディラーダなどの鍋もおいしそうだし、炭火焼きの魚類も実においしいし、まぁなんてことない店なんだけど、おいしかったという事実からオススメしておきます。当日イワシはなかったんだけど、旅行者ならまずはイワシ(サルディーニャス)でしょう。

つうことで、ポルトガルは、これで4店ご紹介したのかな。
最後になるけど、ポルトガルにこれから行かれる方へのオススメとして、絶対ポウサーダ(ポサーダ)に泊まってください。スペインで言ったらパラドール。つまり古城とか古い修道院を改築して使っている国営ホテルです。
ボクたちが行った中では、オビドス、ベルモンテ、アライオロスのポウサーダが実に良かったです。大オススメ。それらのホテルではそのポウサーダでディナーもとったんだけど、ベルモンテのが素朴でいい味でした。オビドスはクラシックすぎ、アライオロスはモダンすぎ。まぁおいしかったけど。

そんなこんなで、ポルトガル・シリーズはおしまい。
でも来週ニューヨークに行くので、次はニューヨーク・シリーズが始まってしまうかも。興味ない方にはつまらないと思うので、途中に東京のレストランも混ぜますね。
posted by さとなお at 18:29| 海外のうまい店 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年05月07日

さとなお:タスカ・ド・マネル(ポルトガル)

連休を挟んでえらく間があきました。すいません。

> 個人的には現在のところ「ロマンティコ」に軍配かな。

「ロマンティコ」、行きました。
いいですねぇ、あの店。気に入っちゃいました。また行こうと思います。二軒目が近いのもイイ(笑)。
最近伊藤さんが紹介してくれた中では他に「コッレツォーネ」「リストランテ・バルカ」に行きました。「コッレツォーネ」は少し合わなかったかな。「リストランテ・バルカ」は実に良かったです。深夜にああいう店が選択肢としてあるのは素晴らしいですね。

さてと、今日も細々とポルトガルの店を紹介しようかと思います。
今日でオシマイか、もう一軒だけ紹介するか、です。「もういいよ」かもしれませんが、備忘録的に書かせてください。

ポルトガルで感心した料理のひとつに「アローシュ・ド・パト」というのがあります。アローシュは米。パトは鴨。まぁ日本人は「鴨ごはん」とか「鴨炒飯」とか呼んでいます。

で、これ、ポルトガルの中西部バイラーダ地方あたりの料理なのですが、どうやら週末に食べる料理らしいんですよ。日本人の口に異様に合うし、実においしいので普通に食べたいんだけど、意外とメニューに載らないらしいのです(観光客相手の店は別)。
で、リスボン在住の方がいろいろ調べてくれて、平日でも食べられる地元の店を紹介してくれました。それが「Tasca do Manel」という店です(Rua da Barroca,24 Bairro Alto/21-346-38-13)。リスボンのバイロ・アルト地区。ファドのメッカとして観光客にも有名な地区でもあります。

入店した瞬間、お、いい店かも、と思わせる雰囲気。
地元の大家族がランチをとっていて、観光客は皆無。こういう店がいいんですね。

とにかくポルトガルでは「地元客相手」の店がいいんです。
さなメモにも書きましたが、ポルトガル人って「ポルトガルは田舎じゃないもん、都会だもん」みたいなコンプレックスがある料理人が多いらしく、フランス料理とかイタリア料理とかの薄っぺらいマネをしたがるらしいんですね。つまり「田舎料理だけど、充分うまいくせに、妙にモダンに見せたがる」わけ。しかも見た目だけ。だからリスボンみたいな都会のレストランはたいていまずい、という式が成り立つらしいです。

そういう意味で「田舎料理でいいのだ、地元客相手なんだし」っていうレストランならまずくない、と。
この店はリスボンでは貴重なそういう店ですので、前に紹介した「Tico Tico」と合わせてご紹介しておきます。この店では前出「アローシュ・ド・パト」を是非。うまかったなぁ。もう一度食べたい料理のひとつです。それとジビエ系も売りみたいですね。野ウサギや豚などの料理もお勧めみたい。
posted by さとなお at 06:33| 海外のうまい店 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年04月16日

さとなお:ティコ・ティコ(リスボン)

「えん」、良さそうですね。あるブログで読んで「行きたいなぁ」と思っていました。しかも〆はわさびめし! ぜひ行ってみたいと思います。

>ポルトガル料理は、マニュエルかマダレナでしか食べたことがない
>(東京の人はだいたいがそう思いますが)のですが、

そうですね。ボクもそうでした。
もっと増えても良いなぁと思います。日本人の舌にとても合うし。

ちなみに前回紹介した「タスキーニャ・ド・オリヴェイラ」は、ボクが行った一週間後にあの栗原はるみさんも行ったらしいです。あるルートから聞きました。別にボクのを読んで行ったのではなく(笑)、やっぱり誰かのオススメみたいです。「行った」だけで「おいしいと思ったかどうか」は知りません。

さてと。ええと今回はリスボン在住の人から教えてもらった「観光客は絶対来ない」レストランを。

「restaurante Cataplana & companhia o novo Tico Tico」(rua Ferreira Borges,193-A/21-386-52-69)です。よくわかんないけど、訳すなら「カタプラーナ専門店 ティコ・ティコ」でしょうか。「新ティコティコ」かな。リスボンにあります。

東京のポルトガル料理店「ヴィラ・マダレナ」や「ヴィラ・モウラ」には「カタプラーナ・コース」というのがあって、カタプラーナが名物になっています。ここはそのカタプラーナの専門店。リスボン在住の人に言わせると「地元では有名な店だけど不便なこともあって観光客は絶対来ない。ガイドブックにも載っていない。でも味は保証付き!」らしいです。

カタプラーナというのは、鍋のこと。
銅製の特製鍋を指すんですが、二枚貝のように対になっていて、閉じて煮込むんですね。短時間で煮込む圧力鍋風。でもキッチリ閉まっておらず、隙間もあり、蒸気がほどよく逃げていきます。それが逆にイイとも聞きます(魚介とかが柔らかくなるとか)。その辺のアバウトさもこの鍋の魅力。「簡易圧力鍋風煮込み鍋」って感じですかね。

魚介鍋が一般的ですが、実はいろいろ種類があり、豚やら羊やらのもあります。基本的にトマト味。
ちなみに、煮込むときにワインも塩も水も加えないという素朴な料理。でもなぜか実にうまいんです。味的にはブイヤベースとトマトシチューの中間を想像してください。

この鍋の白眉は「雑炊」。激うまいです。
前記の「ヴィラ・マダレナ」などでは、具を食べた残りの汁にご飯をぶちこんで雑炊にするけど、リスボンのこの店では最初から米が入ってました。だから最初からアローシュと同じような「雑炊料理」って趣きでした。料理的には、炊いておくかおかないか、の違いですね。

地元客に人気の店というだけあって、一階も地下も満席。みんながみんなカタプラーナを食べています。素朴な佇まいのレストランだけど、地元のマスコミ系業界人やタレントもよく訪れるようで、その日もそれ風の人がいろいろ来てました。場所は市場の近く。リスボンの西北西のあたり。

まぁなんつうか、鍋と雑炊なんで、日本人にはとにかくうれしい。胃も心も満腹になります。とりあえず、リスボンに行くならオススメの一店ですね。あ、そうそう、デザートのポルトガル伝統菓子もおいしいです。
posted by さとなお at 07:09| 海外のうまい店 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年04月08日

さとなお:タスキーニャ・ド・オリヴェイラ(ポルトガル)

伊藤さん、すいません。
ポルトガル旅行、帰ってきてからの仕事、葬式、と、身辺に余裕がありませんでした。そろそろ落ち着けそうです。

せっかくポルトガルくんだりまで行ってきたので、ここ数回はポルトガル報告をします。
少しだけ「ポルトガル行ったら行けよ!」系のレストランを書いておきますね。

まずはリスボンの東、車で1時間ちょいのところにあるエヴォラという都市の「Tasquinha do OLIVEIRA:タスキーニャ・ド・オリヴェイラ」(rua Candido dos Reis,45-A/266744841)というレストラン。

ここは今回トップに近いかも。
日本のガイドブックにはまず載ってないんだけど、現地在住のグルメライターや日本からポルトガル料理を習いに行っている人から「絶対行け!」と言われていた店なのです。

料理だけを取ると、「あそこのタコめし!」「あの店の鴨ごはん!」「カタプラーナがやっぱり!」とか他にもいろいろあるんだけど、いろんな意味でバランス良く、インターナショナルな視点で見ても上位にくるレストランとなるとやっぱココかなぁ。

この店、名物は前菜(お通し?)の小皿なんですね(コベルトです)。
テーブル上にずらりとこれでもかと並ぶ。手を付けなければお金をとられない仕組みなんだけど、どれも実においしそうだから全部手を付けてしまいます。エヴォラがあるアレンテージョ地方(最高!)の料理を中心に、ポルトガル伝統料理が並んでいて、味付けが実にいい。ポルトガル料理って味付けが少し塩からいんですが、ここのは塩が抑えめで、味の落とし所がすばらしいんですね。

マリネ系だけで、タコ、パプリカ、マッシュルーム、チキンと4皿。他に、ラムのカツ、バカリャウ(干し鱈)のかき揚げ、デイツのベーコン巻き揚げ、チキンパイ、地の生ハム(イベリコ豚と同じ黒豚)、蟹の身をほぐして和えた物、それにリコッタや羊のチーズ……。
どれもこれもおいしいんだな。それに「ここ一軒くればほとんどの名物料理は食べられちゃうかも」という効率性も旅人にはうれしいですね。

この小皿たちで充分お腹一杯だけど、メインに頼んだ「Arroz de pombo)ハトの雑炊」がこれまた絶品でした。ハトが半身丸ごと入っていて、脂もふんだんなのにすっきりさわやかな後味。滋味溢れる名品。

Arroz(アローシュ)とは米の意で、雑炊とかリゾットとか炒飯系とかいろんなバリエがあるんだけど、ポルトガル料理は特にこのアローシュがうまいと思ったな。日本にアローシュ専門店を作りたいとちょっと思ったくらい。
タコのアローシュ(リゾット系)、鴨のアローシュ(炒飯系)など、忘れられないアローシュがいっぱいあります。で、このハトのアローシュ(雑炊系)もうまくてうまくて。水から煮出してあって、ミント味もきいていて、付け合わせのクレソンも合うし、言うことなしでした。

厨房は奥さん。ホールが旦那さん。14席、7テーブルのみの小さな店です。
この旦那さんのサービスが行き届いていて絶品。極上のサービスでしたね。行き当たりばったりの個人旅行で張りつめていた気持ちを優しくほぐしてくれました。素朴な笑顔でいろいろ話しかけてくれるし、食後酒もサービスしてくれたし、最後までとても優しくしてくれましたね。

ただ、小皿のほとんどに手を付けてしまうと意外と高く付くので、その点は注意です。
3人で15000円程度。これは物価安めのポルトガルとしてはちょっと高めです(子供もいたし)。でもまぁ日本で考えたらド安いかも。アレンテージョの地ワインもうまいし、チーズはちゃんと店で熟成させているし、次にポルトガルに行ったらまた行きたい店のひとつです。

ちなみに食べ方を工夫すればひとり3000円くらいで済みそうではあります。
posted by さとなお at 19:20| 海外のうまい店 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年11月28日

いとう:12thAve Grill(ハワイ、ホノルル)

>「カナユニ」、ぜひいっしょに行きましょう。来年の2月くらいになれば仕事が一段落しそうです(笑:それまでは激忙ということが判明)。

来年の2月ぐらいには、また新たな仕事が発生していそうな気がしますが(笑

三鷹天命反転住宅では、不思議というかすばらしい体験をされたようで、おまけに「好好」にも行かれて、さすがのフットワークですね。ぼくも武蔵境という土地にあまりなじみがありませんが、行くとしたら「好好」は第一候補のような気がします。うらやましい。特に麻婆豆腐は奥が深いですし。

ずいぶん以前ですが、武蔵境にある居酒屋で「がらしゃ亭」という店に行ったことがあります。ここは、ぼくの友人のお母さんが営んでおられる店で、そのお母さんは子供が成人した時点で自分は居酒屋をやりたいと言い出したそう。大学生だった自分の子供が当時行きつけの店で数年間修業をし、晴れて今の場所に店を開きました。素敵なお話です。

ホノルルに行ってきたので、少しハワイのお店などを。
ハワイは小さい社会ながらも、民衆の力によるきっちりした仕組みが出来上がっているコミューンで、さまざまな分野に信頼できるアワードが存在します。音楽の分野でのナホク・ハノハノアワードなんかも有名ですが、レストラン関係では、ハワイの新聞社「ホノルル・アドバタイザー」のイリマ・アワードと 「ホノルルマガジン誌」主催のハレアイナ(ハワイ語でレストランという意味です)・アワードがあります。ま、グランプリの常連は「アラン・ウォンズ」だったり「ロイズ」だったりするわけですが、ハレアイナでは、新人賞みたいなアワードもあり、2005年、その新人賞の銀賞だった店が、今回取り上げる「12thAve Grill」(前置きが長くてスミマセン)。

場所は、サウスキングストリートと並ぶ地元のグルメエリア「ワイアラエ」。ここには女優葉月里緒菜が数週間だけ結婚した寿司職人の店などもあるけど(笑)、ワイキキから車で20分ぐらいはかかるので、ほとんど日本の観光客の姿は見かけません。

「12thAve Grill」は、ワイアラエから一本裏に入った道沿いにあり、ここは以前モンゴリアンバーベキューの店だったような・・・。ところが雰囲気は一変してモダンアメリカン。シンプルだけどムダがなくてカッコいい、今を感じさせるレストランになっていました。

料理はスモールプレートと称する前菜と、ビッグプレートなるグリルもの。どちらの皿も素朴なつくりながら、フリットにドライトマトのソースをかけたり、ポークチョップを焼肉のタレのような甘辛い味付けでグリルにしたりと、現代的な工夫を凝らしたソースや調理法で楽しませてくれます。

価格も手ごろだし、なによりここは日本の代表的観光地ハワイではなく、アメリカ合衆国50番目の州であるハワイを感じる、地域性と活気とホスピタリティに溢れていました。オススメワインに2004年のボージョレーヴィラージュがあり、ヌーボーヌーボーと大騒ぎの日本と違うよなーと頬が緩むもボトルで25ドルと聞いて大納得。一年落ちとはいえ、ボージョレーの値段なんて本来そんなもんですよね。
posted by 伊藤章良 at 18:43| 海外のうまい店 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年11月05日

さとなお:Scalini Fedeli(ニューヨーク)

ごめんなさい。更新とまってしまいました。異様に忙しい時はたまに予告なしでこうなっちゃいます。すいません。

ところで「黒尊」ってどう読むの? コクソン?
最初、フォントがつぶれてて黒幕(クロマク)かと思った。黒幕の老中なんて怖いなぁ、とか(笑)。

さて、今日はどうしようかな。日本に帰ってきてから未だ東京の店に一軒も行っておらず(多忙すぎて会議室でおにぎりとか囓ってます)、なんかネタがないので、NYの店でごまかします(笑)

「Bouley」があったところで営業しているイタリアン「Scalini Fedeli」。トライベッカです。
NYのイタリアンの雰囲気って、「Il Mulino」に代表されるような雰囲気の店(暗い、狭い、喧噪、活力)か、カジュアル全開な店か、に大きく分けられると思うのだけど、この店は珍しく本格的なグランドメゾン(この言葉のイタリア語版を知らないので一応)。まぁ「Bouley」の跡地であの雰囲気そのままに営業しているのでどうしてもそうなるのだけど、Zagatの点数(2006年版で26点)だけを見てなにげに出かけると、その雰囲気に気圧されると思います。ドレスコードはないけれど、オシャレしてないと相当浮きますね。靴とかにも気を遣って出かけた方がいい店でしょう(いい靴はいていればジーンズ&ジャケットでもオシャレと見なされがち)。

料理はどっしり系。塩もきっちり効いていて、焦点がぼけていない素晴らしい料理群でした。パスタには不満が残りましたが、メインのポークも羊もヴィールもそれぞれ押し出しが見事。印象に残るメインでした。地方としてはどちらかというと北かな。限定はしてないみたいでしたね。
サービスも親切丁寧。ワインリストは超充実。インテリアは最上級。NYっぽくないけど、とてもいい店だと思いました。そのうえ、わりと大箱なので予約も取りやすい(早い時間なら特に取りやすい)。

NYのイタリアンは「Il Mulino」にしても「Il Giglio」にしても「Babbo」にしても「Lupa」にしても、とにかく高得点店は予約が取れません。電話すらつながらない店があるくらい。そういう中で急にイタリアンに行きたくなったら、この店を覚えておくとよいです。ただしそれなりにオシャレを。ジャケットは着た方がいいかも。
posted by さとなお at 11:05| 海外のうまい店 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年10月31日

さとなお:CRAFT(ニューヨーク)

さすが伊藤さん、全員食べてるんですね。
ちょうどボクが行った週の「TimeOut」の特集が「The SuperStar Chefs」で、4大シェフが表紙。んでもって、修行したヒトの系譜とかが詳しく載っていて、そのほかにいま活躍中のシェフたちの経営する店がすべてチャート図で載っているんです。これ一冊見るといまのNYのレストランの流れが掴める感じ。今度会うとき持って行きますね。ちなみに日本人シェフはNobu MtsuhisaとMasa Tkayamaが載っていました。Nobuからの系譜としてはMasaharu MorimotoとChie Shirahataがチャートになっています。後者は知りませんでした。

「Lupa」、ボクも今回トライしましたが、取れませんでしたね。
代わりにと言っては何ですが、「CRAFT」が取れました。ここのシェフも載ってます。Tom Colicchio。「Gramercy Tavern」のシェフだったようです。ガイドなんかにはNYで一番セレブに会える店とか書いてますね。まぁ数年前にオープンした店なので今はそんなことないとは思いつつ行きましたが、予想以上に良かったです。

まずインテリアがいい。天井が高く、奥行きもあり、全体にゆったり作ってあります。壁は皮や煉瓦などの素材が効果的に使われていて、照明によって陰影が美しく出るよう計算されている。M字のフィラメントの裸電球がたくさん使われているのだけど、その配置から長さから明るさから絶妙。この手のモダンさはNYにしかないなぁと感嘆するインテリアでした。

料理はニューアメリカンキュイジーヌ、かな。フュージョンなのだけど、アメリカ料理寄りな印象。
で、特徴的なのはサイドディッシュの充実です。メインにあわせて別皿でサイドディッシュをいろいろ取ってシェアして楽しむ形式。ステーキハウスのそれとは違って、サイドディッシュとはいえそれぞれが独立した料理になっていて実に美味なんですよ。日本人にとっては野菜もたくさん取れるしいい感じ。季節のきのこ盛り合わせと黒トリュフとかをとって、ジビエ(うずらや鳩)と牛(30日間熟成)に合わせました。うまかったなぁ。前菜はいろいろあるのだけど、オイスターやらフォアグラやら注文。どちらも絶妙でしたね。

サービスもとってもいい。カジュアルで親密。ソムリエも誠心誠意対応してくれたと思います。
個人的に面白かったのはワインリスト。アメリカとかオーストラリアとかチリとかのワインを「new world」とか表現するじゃないですか。で、ここもそう表記してあるのだけど、ふるってるのは、フランス産やイタリア産のページに「old world」と表記してあること。ボクはこのパターンは初めて見ました。でもニューアメリカンキュイジーヌの誇りが感じられて、なんだか可笑しかったっす。

「CRAFT」みたいな店は東京はもちろん、パリでもロスでも存在しにくいでしょうね。マンハッタンならでは。隣に「Craft private dining」というスペースがあり、ここがまたオシャレなんだけど、たぶんここは特別なセレブかパーティ使用なのでしょう。
なお、同じ経営(シェフ)で「'wichcraft」というサンドウィッチの店がNYにいくつか出来ていました。なかなか評判なようです。
posted by さとなお at 01:55| 海外のうまい店 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年10月26日

さとなお:Casa Mono(ニューヨーク)

こんにちは。NYはわりと寒いです。寒くて暗い。なにやらNY史上一番雨が多い10月になったようですよ。

和が全世界的に流行っている(というかオシャレ)なのはいたるところで感じます。いまわりとスノッブなデザインホテルに泊まっているのですが、メインダイニングが「Koi(鯉)」という和食ですもん。「和食がメインダイニング」というだけでオシャレ感があるわけです。でも、和の本質というより、和の演出で止まっているレストランばかりなのは残念ですが、まぁそんなもんなのでしょうね。逆に日本の外国料理レストランもそういう感じなのでしょう。

さて、今日はアーヴィング・プレイス(17st.)にある「Casa Mono」です。
NYの4大カリスマシェフといえば、Jean-Georges、Alain Ducasse、Daniel Bouloud、Mario Bataliの4人なのですが、その中のMario Bataliがやっている店です。
Mario Bataliは日本では無名ですよね。参考までに彼が手がけた店を書き出してみると、「Po」「Babbo」「Lupa」「Esca」「Otto」「Casa Mono」「Bar Jamon」「Bistro du Vent」「Del Posto」(今年11月開店)で、日本ではどれも無名ですもんね。

数日前、その中の「Casa Mono」にいってきました。
スパニッシュのタパスのレストランです。隣にウェイティング・バー代わりに「Bar Jamon」があり、これがまた小さくて親密で楽しいワインバーなんです。ここで軽く飲みながら(立ち飲みオッケー)待って、「Casa Mono」に移ります。

狭い店に客をギューギューに詰め込んでありながら、少しも不快感がないのはNYのレストランでよくあるパターン。入るなり素敵な夜が期待できます。小さくてカジュアルでウッディで暗くて賑わっていて楽しくて…と、雰囲気からしてすでに美味。サービスも親密でよく訓練されており、ワインのセレクトを褒めたら、帰りに頼みもしないのに頼んだワインをすべて書き出して持ってきてくれたり、服にソースが飛んでしまっても即対応してくれたり、細やかかつカジュアルないいサービス。こんなサービス、10年前のNYでは夢のまた夢でしたからね。NYってここ数年、本当にサービスの質が上がりました。腰掛け的ワナビー族(「私がやりたいのは本当はこんなことじゃないの。ウェイトレスをしてる私は本当の私じゃないの。私には違う夢があるのよ」的態度で給仕する奴ら)が減ったのでしょう。

料理は典型的タパスなのですが、どれもバランスが良く、安心して食べられる美味。スパイスの使い方とかとっても上手でした。グループで行っていろいろ取ってわいわい楽しむには最適なレストランだなぁ。とはいえ日本にあるタパス系レストランも味的には負けてないとは思いました。

それにしても・・・こういう感じの店があったら日本なら20代の若者に席巻されちゃうでしょうね。こういう店で40代や50代がしっかり楽しんでいる姿がNYだなぁと思います。客の質が上がるから店も鍛えられてどんどんしっかりしてくる。日本の40代50代ももっとレストランとかで遊ぶ習慣があると、日本のレストランもずいぶん景色がちがってくると思うのですが(まぁ日本の40代50代は忙しすぎて時間がないし、子育てでお金がかかる時期だし、難しいのもわかりますが)。
posted by さとなお at 18:59| 海外のうまい店 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年10月22日

さとなお:Asiate(ニューヨーク)

ニューヨークでもっと頻繁に更新しようと思ったのだけど、今回はジェットラグがすごくてなかなか落ち着いて書けませんでした。やっと脱出模様なので書いてみます。

初日の夜にマンダリンオリエンタルのメインダイニング「Asiate」に行きました。
このフレンチ・レストランはコロンバスサークル(59丁目)に数年前に出来たふたつの高いビルの35階にあり、すぐ横のセントラルパークを見下ろすことが出来(ただし夜は真っ黒なだけ)、ロケーションは抜群。開店した当初から話題の店で、1年半前に2ヶ月近くNY出張していたときも、NY在住の数人の食べ好きから「あの店はとても美味しいからぜひ行くように」と勧められていたのでした。あっという間に各種ガイド誌でもトップランクに入ったり。でも当然予約なんか取れるはずもなく、前回涙をのんだレストランのひとつです。

店にはいると1000本を軽く越える数のワインが壁を飾っているのがまず目に入り、壮観(一応棚がガラス張りのセラーになっていて温度管理はされている)。高級レストランの趣だし、実際に高級ではあるのだけど、ホテルのメインダイニングでもあるので、子連れファミリーなども受け入れてくれるし、サービスはホテルのそれ。ドレスコードもありません。

この店のシェフは日本人。スギエノリユキさんという方。
前回(1年半前)にわかったのだけど、NYは食分野の細分化が進んでいて、たとえばイタリアンでも「イタリアン・イタリアン」「アメリカン・イタリアン」「ジャパニーズ・イタリアン」と、それぞれはっきり個性が分かれてきていました。和食もジャマイカの影響を受けた「ジャマイカン・ジャパニーズ」とかあって面白いんです。
で、この「Asiate」は明らかに「ジャパニーズ・フレンチ」でした。こういう繊細かつ複雑な工夫とジャパニーズなプレゼンテーションがニューヨーカーにすごく受けたのだと思いますね。アートセンスもあり、最先端なモダンさもあり、こういうのが大好きな人々にはたまらない店でしょう。

でもまぁもうおわかりだと思うのですが、普段日本で日本人が作る日本のエッセンスが入った「ジャパニーズ・フレンチ」を食べ慣れているボクたちの舌からすると、この店の料理は逆に普通っぽかったです。和のテイストや工夫・創作の方向性、盛りつけの演出などもその意図が透けて見えてきてしまう感じ。もちろん、これらがニューヨーカーに受けるのはわかるし、マンダリンオリエンタルのコンセプトにも合っているし、そういう演出を続けないとNYの期待に応えられないという事情もわかります。NYで生き残っていくためには強い個性を出さないといけないし。だからまったく否定はしません。きちんとしたコンセプトと工夫溢れる料理を出すいいレストランだと思います。ただ日本人がNY滞在中にわざわざ行かなくてもいい店かなとは思いました。

というか、開店当初はこちら在住の日本人をも驚かす料理の数々だったようです。食べていて少し感じたのは、変化球を意識するあまり直球の強さがなくなってきているのではないかということ。地元の優れた素材を使っているのに、さまざまな工夫と味付けでその良さを逆に消してしまっている印象でした。競争の激しいマンハッタンだからこその苦悩も想像できるので難しいところなのですが…。

でも、小さな工夫をしすぎているフレンチは日本でも多いですよね。楽しくてうれしい反面、メインなんかはド直球が欲しくなったりします。その辺もバランスの取り方次第なのでしょう。
posted by さとなお at 22:19| 海外のうまい店 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする