2017年07月31日

いとう:Osteriaあんじゅ(西麻布)

「カフェ・オニヴァ」、すばらしいですね。
読んでいて絶対に行きたくなりました。
徳島って、テレビがNHKと民放一局しか入らないので、それが不満な県民によって一気に新しいインフラが広まったと聞きました。

実は、ぼくは2年ほど徳島に住んだことがあるんです。
そのときは、保守的な県民性を感じながら(例えば阿波踊りのような、爆発的な踊りの文化があるエリアって保守的ですよね)、一太郎のジャストシステムや大塚製薬が生まれる土壌で、すごくワクワクする将来性を秘めていたように覚えていました。

さて、懐かしい徳島の話が出たからではないですが、都内での懐かしい思い出から。
さとなおさんと同姓同名の方がスタッフにおられた、西麻布のポルトガル料理店。
一度、さとなおさんに連れ行っていただいたかと記憶しています。
対談でも姉妹店を紹介されたりしてました。

先日、新しくできた西麻布のレストランにお誘いいただき、地図をたどりながら行ってみたら、なんと、あのポルトガル料理店があった場所。というか、まさかここではないだろうとの先入観が強くて、なかなか目的の店が見つからず右往左往しました(笑。

この7月にオープンしたばかりのここは「Osteria あんじゅ」
オステリアというぐらいだからイタリアンだろう、あんじゅってフランス語かな、となるとフレンチとイタリアンの融合、ということか・・・。などと思い巡らせながら入店。

種明かしをすると、もともと桜新町で「あんじゅ」という日本料理店を営んでいた料理人に加え、自由が丘にある気鋭のイタリア料理店「mondo」で修業したシェフ、そのお二人による競演、いや饗宴が、実は「Osteria あんじゅ」となった訳です。。
「あんじゅ」という名前も、料理長の名前が安住さんで、子供のころからアンジュと呼ばれていたのかもなとか、これは全くのぼくの想像ですが。

最近時々、違うカテゴリの料理人が二人共同でお店を始めるという形態も出始めてますよね。例えばご兄弟だったりとか。今回の「Osteria あんじゅ」は、お二人とも同郷、鳥取県出身とのこと。

まずなにより、この店のデザイン、厨房の造りが素晴らしいんです。
大きなまな板があって冷たいものを用意する場に日本料理担当、鉄板やコンロなど、火を入れる厨房機器の前にイタリア料理担当がそれぞれ立って、彼らを囲むような形でゆったりとしたカウンター席が設けられています。
さとなおさんの記憶にあるポルトガル料理店とは、まったく違うレイアウトです。

そして客は、フルオープンキッチンの中で、時には離れて別の時には重なり合って動く二人の料理人の仕事ぶりを観つつ、次々と出来上がってくる料理に舌鼓を打つという趣向。エンターテイメント性のある楽しい空間で、客も一緒に参加しているような臨場感を味わいながら、時間の経過を忘れます。
とはいっても、昨今の似非劇場型(笑)みたいな、過剰な説明やトークはありません。というか、今はまだそんな暇はない、といった感じでしょうか。

コース料理は、最初ゆっくり日本料理でスタートし、お造りや八寸的なものも登場。時折りその中にイタリアンのエスプリも感じてハッとしたり。後半に至るにしたがって、スープ〜バスタ〜魚料理〜肉料理と、畳みかけるようにイタリアンのテイストが加わり、料理はどんどん洋風へと変化していきます。初めあっさり後半がっつり、日本人の最も好むパターンかなと思える展開。さすがにすごい量となるので(ぼくは満足でしたが 笑)、前菜だけをコースにし、あとはアラカルトでメインを選ぶことも可能。もちろん料理のキャラクターに合わせた自然派ワインも日本酒も完備。

もう一つ特筆すべきは、冒頭にも書きましたが店全体に流れるデザインのすばらしさ。変則的な形のカウンターだけではなく、カウンター席とテーブル席の間仕切りや天井など細かいところまで木を多用。持ち味である温かみがふんだんに放出され、料理人・ソムリエールの人柄と重なります。

加えて器。こちらも、店のデザインとうまく調和しつつ、時には強い色合いで全体を引き締める役割も果たしています。見た目と異なり驚くほど軽やかなものもあるので、ぜひ手に取っ手いただきたいです。
優れたデザインがここまで寛ぎに結びついていることに改めて嘆息。超一流のプロの仕事だよなあと感心しきりでした。

二人の料理人のぶつかり合いや融合は、まだ始まったばかり。多くの引き出しを持つであろう二人の今後がさらに期待できそうです。
posted by 伊藤章良 at 21:10| イタリアン | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年01月31日

いとう:メゼババ(亀戸)

2017年、一回目ですね。今年もゆっくり続けていきましょう。
昨年の暮れにさとなおさんが書かれていることは、逐一納得ができて、自分自身も、おおかたの期待を裏切りながら(笑、まさに同じような感覚のお店選びになりつつあります。

「美食家」という言葉にも、挨拶代わりに「どこが一番オススメ?」と聞かれるのも、そこに軽い嘲笑が入ってると感じることも多く、そんな自分たちは確かにマイノリティなんです。

で、さとなおさんが言う「今日の気分に合う数店」。実は2017年の今、そんな店の確保が一番難しくて、ガイド本やサイトも皆無。ただぼくとしては、今日の気分に間に合う店(今夜の予約が当日取れる店)をどれだけ知っているかが最近の一番の関心事だったりします。

と同時にぼくは、予約が全く取れなくなってしまった店は興味も失います。答えは単純で、予約が取れなくなった時点でお店はその場に安住し自分のスタイルに疑問を持たなくなり、変化や発展、進化は見込めない可能性が高いからです。
もちろんそれを責めているわけではなく、逆に頂点に至るまでの過程はすばらしいと思うし、イチローのような強靭な精神力の持ち主ではない限り、そこまで自分に厳しくはなれないでしょう。

ただ、一年ぶりに行った「メゼババ」は進化をしていて、持論に自信を失いました。亀戸のイタリア料理店「メゼババ」もご承知の通り大変な人気店。さらに、客を選んでいる食べログ掲載も拒否と、外敵というか他からの意見すら耳にしない状態。にもかかわらず、きちんと体系だってイタリア料理の情報入手や勉強を続け、イタリア本場からの仕入れの工夫をし、提供するワインについてもかなり入念にセレクトしている様子を感じたんですね。

「メゼババ」は自著でも紹介をしているお気に入りの店だったものの、ここまで予約が取れなくなると行く機会もないかなとあきらめていたところ、ひょんなことでお誘いをいただき訪問。相変わらずシェフひとりで、慌てず動じずマイペースでしたが、逆に客に迎合しないご自身の流儀での仕事ぶりが、進化につながっているのかなあと気づいたんです。

「メゼババ」は、皆がいうところのイタリア本場な塩辛さ(それが正しいかどうかは別として)が特徴の一つでした。過去には頬をすぼめるぐらいの塩辛さに驚くこともあったけど、その個性は守りつつも、胡椒、唐辛子、ハーブ、カラスミなどを使って塩味を起点とするベクトルがさまざまな方向に伸び、すでに塩辛さにすら気づかない完成度になっていました。

なんだかすごくうれしくて、そして、予約の取れない店にも労をいとわず行くべきだと自戒。さとなおさんにもお伝えしたいと思った次第です。
posted by 伊藤章良 at 17:00| イタリアン | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年06月30日

さとなお:ラ・チャウ(田町)

伊藤さん、またまた魅力的な店のご紹介、ありがとうございます。

とはいえラストオーダー1930ってw
まぁでも住宅街ですもんね。

これからはレストランも地域に溶け込んで地域で機能するカタチが理想だと思いますが(そしてそういう店がじわじわ増えている実感がありますが)、東京近郊の場合、どうしても勤めで都心に出る人が多いので地元の専業主婦たちのたまり場になり、雰囲気が ”そちら側” に偏っていく傾向にあると思います。奥様ウケする料理や盛りつけになるというか・・・

まぁそれはそれで需要ですからいいと思いますが、その延長線上にトウキョウ・イタリアンとかがある気がします。芯の太いそのお店の料理が百合ヶ丘という住宅街に根付くかどうか、注目したいです。

では、ボクも芯の太いイタリアンを。
田町の「ラ・チャウ」です。

ここはね、まずシェフの見た目が太いw
これは良い意味です。昨今、こんなに美味しそうなシグナルを発しているシェフはあまり記憶にありません。もちろん太ったシェフは多いのですが、なんだかホント、美味しそうなんです。しゃべり方も笑顔も。

そして、ヒマがあると客席にすぐ出てきます。

ホールを任された男性のサービスも「やって当然のことのひとつ上を行くサービス」で、実に目端が利いていてそのうえジョークもしつこくない程度に入れて、本当に感心したんだけど、そんな彼の後ろからシェフが頻繁にニコニコ出てくるんです。このダブルのプッシュは効きました。料理の味と楽しい時間を二倍にも三倍にもしてくれます。

実は味についてはそれほどの期待はなかったんです。
田町の海側、あまり美味しそうな匂いのしない地帯にあるせいもあって、まぁ美味しいだろうけどどうかな、と、期待せず出かけました。で、その甘い予想は見事に裏切られます。うまい。ひ弱なトウキョウ・イタリアンではなく、芯の図太い土着イタリアン。いい意味でびっくりでした。メニューも多くバリエも豊富。そしてどれを頼んでも裏切られないレベルの高さ。

店名の「ラ・チャウ」は、鍵という意味らしいです。
シェフがピエモンテ州の「La ciau del Tornavento」で修行したらしく、そこから取ったみたいですね。シェフが少しチャウチャウ犬に似てるのでそこからと誤解してたのは秘密ですw

一階にはよりカジュアルな「Vineria La Ciau」があります。
ある日のこと、地下の「ラ・チャウ」の席が取れず、一階のその店にしたんですね。そしたら地下からサービスの人やシェフが様子を見に来てくれただけでなく、「料理、地下にオーダーしていただいても持ってきますので!」と。

そういう、なんというか、さりげないサービスがうれしいお店です。


posted by さとなお at 17:13| イタリアン | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年05月31日

いとう:トラットリア ピッツェリア クチーナ イタリアーナ ウルグス(百合ヶ丘)

なるほど、ザーサイがペアリングの相手ですか・・・。
「ふーみん」のザーサイがどんなテイストだったか、今はもう記憶にないんですが、そこまでさとなおさんに言われると、ザーサイ目的で「ふーみん」に久しぶりに行きたくなりました。

そしてぼくもさらに、ペアリングと言えそうな面白い体験はなかったかなあと、考えを巡らしていたんですが、先日、それよりも先に(笑)お伝えしたい店と出会ったので、そちらを先に紹介させていただきたく思います。というのも、場所が飲食をするには相当外れていて、店舗はもっと奇想天外(なんでここに)。さらなる驚きはそこの料理にアリというわけでして・・・。

場所の説明からしますと、小田急線の百合ヶ丘、もしくは新百合ヶ丘からタクシーでしょうか。あの界隈ってかなりの高級住宅街なんですが、大きなお屋敷の塀を見ながら、タクシーは細い道を巧みに走っていきます。途中、東京の都心がすべて見渡せそうな高台もあり、なかなか眺めはいいですよ。
ぼくが乗ったタクシーは、実はお店のことをご存知でした。お迎えの車の依頼がけっこうあるのだとか。なるほど、帰りもお願いしますといいつつ(笑、店に到着。

坂の中腹といいますか、もともとはガレージだったという話も聞く、そんなお屋敷の一角にある不思議極まりないスペース。入口こそガレージっぽいけど、店内に入ると天井が高くて厨房も広くピザ焼く薪窯も見えたり。意外と席数もある快適なダイニング。ギンガムチェックのテーブルクロスや壁に掛かった絵画のセンスも抜群で、はるばるやってきた感は一瞬で吹っ飛び、その反動と長年のカンで、ここでは間違いなくおいしいものと出会える確信が芽生えてきます。

そんななか、さっきまでサッカーやってました!みたいな感じの青年が一人。彼が「ウルグス」のシェフ。彼ひとりきりでこの店と広い厨房を切り盛りしています。聞けば、シチリア最大の町、パレルモで修業をしたとのこと。
以前、パレルモ近郊の空港からレンタカーでパレルモの中心に向かった際、そのあまりの混沌ぶりと全く英語が通じない環境に青ざめ、いったん空港まで引き返そうかと思った、そんな記憶がよみがえってきました。

まずなんといってもメニューが魅力的。
シェフの手書きゆえ、その文字のクセに慣れるのに少々時間がかかりますが(笑、読み解くにつれ、えええっ、そんな料理がここで味わえるのかと相当アガること間違いなし。イタリア語メニューの横には日本語でも表記されているものの、イタリア語をローマ字読みして注文したくなる、そんな臨場感なのです。

シチリアでとかパレルモのとか、解釈が付け加えられているメニューを目ざとく探して、しかも魚介中心にピックアップしていきます。ブリのカツレツを見つけてシェフに聞くと、本来シチリアならカジキマグロで揚げるところだけど、それをブリでやってみました、という。日本にある食材を工夫しつつも現地のママの味を届ける柔軟性も見えてきます。

最初に瞠目したのは、ピッツァ。
ピザよりはパスタ派で、東京の有名店すべてを網羅するほどピッツェリアは体験してませんが、最初の一口でウマイ!と叫び、その味は過去に東京で食べたどの店よりも好印象。具が載っている辺りの生地が特に薄く仕上げてあり、ソースや具材とのバランスがちょうどいい。薄くて軽い分、食べるピッチもどんどん早くなります。
我こそはピザフリーク、そして「ウルグス」のピッツァを未体験の方はぜひトライしていただきたく。ランチは、ピッツァの週とパスタの週とを交互に行っているそうで、ランチでもこの味は堪能できそうです。

トータルとして、野菜を多用することなく色彩に富む皿でもなく華美なデコレーションもない。まさにトウキョウイタリアンと対極の、小手先や手数でのアレンジは加えない出来栄え。写真に写してもあまりおいしそうには見えないんだけど(笑、食べるととんでもなくウマイ。しかも、これはぼく自身がシチリアで実感したんですが、本場シチリアの料理って意外と塩が強くないんですね。
そして「ウルグス」もまた、塩を利かせるというよりは、ハーブやソースのうま味で食べさせるといった、そんな幸せな仕上がりなんです。

いやはや、久しぶりにあらゆる面で驚きました。
突然、亀戸のイタリアンが流行るような時代。
情報にのみ貪欲な魑魅魍魎の餌食にはならないでと願いつつ、
真のイタリア料理好きには、ぜひぜひオススメです。
なお、シェフ一人の店なので、予約は必須。
そしてラストオーダーが19時30分ゆえ、ご注意のほど。


posted by 伊藤章良 at 17:34| イタリアン | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年01月31日

いとう: オストゥ(代々木八幡)

もう年明けから1ヶ月がたってしまい、おめでとうという感じは遠い昔ですね。
ここ最近も、対談を通じてさとなおさんから新しい刺激をたくさんもらっています。常に思考を止めない、いや刻々と変わるご自身の立ち位置に沿って思考を柔軟に変化されていくといいますか。食べ手としての次の段階を自分も模索している状況なので、今年もどうぞよろしくお願いします。

「ヴィノテカ・キムラ」、ずっと行きたい行きたいと、行きたい店リストの上位にいるんですが、未だ訪問叶わず。場所もいいので早々に訪問してみたいです。

ほくも、ニューヨークの「バスタ・パスタ」に行ったことあるなあ。東京の「バスタ・パスタ」にも、何度となく行きました。そういえば昨年でオープン30周年だそうですね。記念パーテイがあったらしく、そこに出かけた何人かに「バスタ・パスタ」に行ったことがあるの? と聞くと、誰もその存在すら知らなかったという。なんだかなあ・・・と、パスタ・バスタファンには悲しい感覚です。

ではぼくもイタリアン続きで「オストゥ」です。
ここは代々木八幡(メトロだと代々木公園)が一番最寄駅ですが住宅街の延長線上にポツリとあり、原宿から代々木公園沿いをぶらぶらと歩いてもたどり着く、なかなか得がたいロケーション。ぼくはかねてより、決してレストランの店内で待ち合わせはせず最寄駅から歩き、その間も食事の前哨戦として楽しんでほしいと言い続けてきました。そんな意味でも「オストゥ」へは、まずはアフーローチも含めて楽しんでいただきたいところ。

それとぼくは、ランチに格別に適したレストラン情報も密かに集めています。それはディナーの予習的な意味合いとかリーズナブルだからという観点ではなく、その店の個性や立地がランチに訪れたいと思うかどうか、という条件。
これも意外となくて、それこそビル内、特に地下の店は難しいし銀座や新宿等、人が多く行き交う場所も雰囲気的にきついかなと思うわけです。

「オストゥ」は、この二つの条件ともにぴったり合う、例えば立春の柔らかな日差しを浴びなから、原宿駅より代々木公園沿いを散策しつつたどり着けば、静かな住宅街の角、ガラス張りの店内にそそぐ陽光が絶妙のライティングとなるレストランに巡り合うんです。

もちろん、ただロケーションだけではなくて料理のすばらしさは言うまでもありません。最近のイタリア料理店は、やっとトウキョウイタリアンの縛りから脱却し、それぞれがキチンとイタリアの地方色を出してくるようになりましたが、「オストゥ」も、シェフが修業したピエモンテ州の料理と今月の料理の二本立てコース。まあ今月のコースもピエモンテの香りがプンプンする硬派な構成になっています。

ランチに最適、陽光きらめくコージーなレストランというキャッチを作ってしまうと、どちらかという女性向きとも受け取られがちなんだけど、特に夜のコースは、ここ最近のイタリア料理店の傾向と比較しても、嬉しいことに一皿の量がたっぷり。この「食べたなあ〜」感は個人的にはイタリアンに最も求めたい要素なんだけど、トウキョウではその現地的醍醐味がなかなか味わえず、皿の上の美しさ健康指向ばかりが求められるゆえか、どうも不本意だったんです。
ゆえ「オストゥ」のコースは、前菜にしろメインの肉にしろテーブルに置かれた瞬間おおっと心の中で快哉を叫びたくなるぐらいの幸せです。

肩肘張らない適度に個性や意志のつまったワインリストも好感。サービススタッフのバリトンボイスが、そんなワインと響き合ってます。
posted by 伊藤章良 at 18:02| イタリアン | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年12月31日

さとなお:ヴィノテカ・キムラ(古川橋)

「ダ・ディーノ」の次の店、「ダディーニ」!

それはむちゃくちゃ行きたいです。
おっしゃるとおり、当時とても好きでした。
あの店がなくなって恵比寿に行く回数が減ったくらいは。

そうですかー。
ちょっと遠いけどいいなぁ。生きていく楽しみが増えましたw

さて、ではボクもイタリアンを。
古川橋の「ヴィノテカ・キムラ」です(白金高輪と言った方がわかりやすいかな)。

このお店、ここ2年くらい、わりと行っています。
好きな要素が揃っているんです。

お店なんかありそうもない路地にひっそり灯りがともってる外観の感じ。
ウッディな内装とその小さな規模の感じ。
カウンター中心で厨房の動きを見ながらゆっくり食べられる感じ。
ご夫婦でやっているとても親密な感じ。
ワインの揃えもよく良心的な感じ。

そしてシェフがフェイスブックをやっていて、日々の動向が伝わってくるのもうれしいです(ブログだと見に行かないといけないけど、FBだと日々の息づかいがさりげなく伝わってくる)。

ちょうど一昨日行ったのですが、シェフのフェイスブックで年末の余り物を心配してたので、年末の食材処理班として立候補したんですw
で、「余り物をおまかせで」ってお願いしたんだけど、逆に「いや、これ、余ってないでしょ」のオンパレード。いままではアラカルトで頼んでいたんだけど、これからもずぅっとおまかせにしようと決心するくらい、どれもこれもうまかったなぁ。

伊藤さんが引用したように、最近「相手の流れにただ乗って流されていく外食」が好きなんですけど、なんでしょうね、いままでは食べたいものが明確にあるときが多かったのだけど、最近は相手の世界観にゆったり乗っていたいんです。もうある程度食べたいものは食べた、という実感があるからかもしれません(生意気な言い方ですが)。

そんな流れのなか、「白トリュフのリゾット」(まぁ鉄板ではあるけど、これはマジでのけぞるくらいうまかった)、「牛頬の煮込み」(普段あまり頼まないんだけど、いやーうまかったなぁ)は、年末を飾る至極の逸品でした。

シェフの木村さんはニューヨークの「バスタパスタ」にいらしたことがあるらしく、ボクも2004年に二度ほどお伺いしててとても美味しかったから、そんな話も盛り上がりました。

パスタをお得意とするみたいですが、わりと話も合って、個人的にはとても楽しい店なのです。

ということで、2015年も月いち(いつも更新忘れがちですいません)ののんびり更新が終わりましたね。
伊藤さん、来年もよろしくお願いします!

posted by さとなお at 18:07| イタリアン | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年11月30日

いとう:トラットリア・ダ・ディーニ(白山)

「今彩」、すごくいい感じですね。
神楽坂、最近かなり頻繁に行ってるのですが、なかなかこちらまで足が伸びませんでした。
さらにロブション出身者の新たな展開は、かなり注目です。フランスで店を開いたツワモノもいますし。大きな厨房ですから優れた料理人も数々排出するわけです。しかも皆さん、あまりロブション風をふかさず、そこに基軸のみを置いて、ご自身で個性的な展開を求めておられるところもかっこいいです。ロブションの名声にぶら下がって、やたらと高いレストランをやってる面々もいますが(笑。

さて、今回のぼくは、少しだけ矛先を変えてイタリア料理店にしてみます。
「トラットリア・ダ・ディー二」。
この名前でさとなおさんがピンときたらさすがですが(笑、そう、この対談で2007年にさとなおさんが紹介されていた、恵比寿の「リストランテ・ダ・ディーノ」のシェフが奥様と白山にオープンした店なんです。
と書くと、さとなおさんむちゃくちャ行きたいでしょ。
「ダ・ティーノ」お気に入りだったからなあ。

なぜか、最近文京区がいいんです。なんというか、形より質、な感じのレストランが文京区に続々と集まってきています。いずれの店も小さくてしかも少人数でのオペレーションですが、さまざまに個性やコンセプトや熱意がこもっていて、文字通りハッタリは一切なし、みたいな店ばかりです。
「ダ・ディー二」もまさにそんな形容がふさわしい一軒。一見すると本当に商店街の中に溶け込むふつうの喫茶店のようで(というか、この店が入る以前は本当に喫茶店だったのかも)、母娘が普段着で来てパスタ食べてコーヒー飲んで帰るとか、遅い時間に女性の一人客がカウンターで寛ぐ姿を見かけたり、まさに今のところは、近所使いがメインなのかもしれません。

でも、間違いなく「ダ・ディーノ」の料理は健在です。食材に対する焦点の当て方、味わいの引き出し方。付け合せのルーコラひとつひとつにまで、こまやかな気持ちを行き届かせた完成形へのこだわり。いやいや、久しぶりに本格的なそして気骨あるイタリア料理に相対したなあと嘆息するぐらいの、すぐれた皿の数々でした。

さとなおさんの前回の言葉、肉たっぷりのうはうは系ってオモロイなあ(笑。
「ダ・ディーニ」でその言葉を借りるなら、メイン久々に牛肉を頼んでみましたが、パチパチと炭の弾ける音が店内に響くあたりからもう待ちきれない。まさにうはうは。色、焦げ感、塩加減、歯触り・・・。
バスタまでの繊細さに加わる大胆さ。唸りました。

ワインも安価で、グラスやカラフェも豊富。ただ、最初にカラフェを頼んで後悔しましたが(笑。

さて、なぜ冒頭に「まさに今のところは、近所使い」と書いたかといいますと、先ごろぴあから発売された「東京最高のレストラン」冒頭、ニューカマーのコーナーで、選者の皆さんが絶賛されてるんですよ。なので、都内一円からイタリアン好きが訪れる日もあっという間かもしれません。
でも、あのシェフの、そしてマダムのスタイルは変わることはないとも確信します。

ところで、前回のさとなおさんの、相手の流れにただ乗って流されていく外食、というのが好きなので、という表現も、すごく気になりました。ぜひ次回はこのテーマで飲みましょう。
posted by 伊藤章良 at 15:50| イタリアン | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年07月31日

いとう:地中海料理「オリーヴァ」〔学芸大学〕

さとなおさんが前回書いておられた店、実はとても興味がありました。このごろ日本の料理人と接していても、ヴーガンを自分の店のメニューの一つとして取り入れたいとする意欲的な話を意外と聞くんです。
さとなおさんが書かれるように、ちょっと「肩凝りそう」とか「宗教的?」みたいな解釈が、いかにも日本人的だなあとも言えますが、食材を絞った結果生まれる面白みも、確実にあると思うんですよね。

それから、さとなおさんが語っていたもう一つのキーワード。レストランにしても人間にしても「自己模倣」が一番の成長の敵。本当にその通りです。そして今回は、その点に最大の個性を感じるといいますか、模倣せず名声にも拘らず、ごく自然な新しい立ち位置からスタートしたレストラン。

具体的に書くことがシェフの本意ではないかもしれないので〔検索すれば分かることですか〕詳しくは書きませんが、新感覚、最新の技法で高い評判や名声を得たイタリア料理店が東麻布にありました。変幻自在で知られる動物の名前を店名にしたところも料理の志向と合致。マスコミ相手にも気を吐く料理人で論争も絶えなかったような記憶があります

そんな料理人があっさり店を閉め、改めて世界中の料理を食べ歩いたと聞きます。そして、そんな店もあったなあと世間の印象もすっかり思い出と変わった今、学芸大学駅からすぐの好立地に、地中海料理と銘打った料理店「オリーヴァ」をオープンしました。

メニューを見ただけでも、エスプーマだの液体窒素だのといった〔記憶はすでに詳細ではありませんが〕過去のスタイルとは決別し、180度振り切ったといいますか、原点に回帰したと表現するのが適切なのか、まったく当時の片鱗を感じさせることはなく、骨太と形容するしか例えようのないドカンとくる地中海の料理。もちろんイタリア料理がベースですが、その殻まで破りたいというコンセプトでしょうか、地中海料理と称する点にも、昔の料理に対する決別を感じます。

くじらのフリットやお魚のミートソース、シンプルなメニューながら、食いしん坊ならたまらず食指が伸びるタイプのメニュー構成。メインは炭火焼ですが、でっかいウルメイワシには、本当に日本の焼き魚とは一線を画する、これぞヨーロッパというか、彼の地でムシムシと白ワイン片手に食べた極ウマなイワシを思い出しました。

この場所の店舗とはご縁もあったと思いますが、以前のカウンターの店とは違い、細長いダイニングエリアからは厨房が見える席も限られていて、多くのシェフが最終系としてカウンターの店を選ぶ傾向が顕著の今、そのスタイルも真逆。

でも、ぼく自身にしてみると、シェフの至った到達点に改めてご一緒できるという同時代感覚が、例えようのない心地よさだったりします。でもシェフは、そんなめんどくさいことをいちいち考えず、ストレートに素直に受け止めてくれという気持ちなのかなとは思いますが。



posted by 伊藤章良 at 23:39| イタリアン | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年07月30日

さとなお:カジーノ(広島)

伊藤さん、一ヶ月あいてしまって本当にすいません。

あちゃー6月をあけちゃったー、と思ってからすでにまた1ヶ月。なんでかしらないけどこのところ余裕がなくて申し訳ありません。でもこれは続けましょう。って「お前が言うな」って感じではあるけど。

ええと、前回の伊藤さんが地方だったので、ボクも地方に行こうかな。
先週、シャオヘイくんたちに連れて行ってもらった広島の「カジーノ(CA'GINO)」にします。

肉中心のうまいもん屋、という、オヤジたちにはたまらないレストラン(一応区分としてはイタリアンかな)。たぶん伊藤さんも好きですよ。で、店内の感じも男たちが数人で食べるのにぴったり合う感じ。こういう店、いいですね。

料理はそれぞれドカンと迫力あって、味付けもシンプルで力強くて余計なことをしていない。何も言うこと無し。

いわゆるシャルキュトリー、「加工肉盛り合わせ」からのスタートだったのだけど、どれもこれも地元の肉を使った自家製でなかなか上手。あぁこの店は何を食べてもきっと美味しいんだろうなあと、その時点で安心してくつろいじゃいました。

特に印象的だったのは「和牛のドイツ式生コンビーフ」と「もみじ豚のアイスバイン」。それに「もみじ豚スネ肉の低温ロースト」もよかったなぁ。

生コンビーフはでかくて丸い形状で、深いうまみがあって感心したし、くどくなりがちなアイスバインは逆にシンプルで飽きが来ない味。うまみ凝縮。スネ肉は肉の香りが実によかった。

他にも「生マッシュルームとチーズのサラダ」もよかったし、付け合わせの焼きポレンタやクミンシードのポテトなんかもちゃんと美味しい。うーん、いい店だ。

ワインが残念ながらあまり印象に残ってないんだけど、品揃えはいい感じ(あんまりくわしくリストを見てないんだけど)。気の合う仲間とわいわい「肉を喰らう」という日にうってつけだと思うです。

広島だから東京からは遠いし、せっかく広島行ったら他にもいろいろ食べたいものがあると思うけど、変化球としてぜひ覚えておいてください。

posted by さとなお at 10:06| イタリアン | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年09月02日

いとう:JOJO(西麻布)

更新、随分時間が経ってしまってすみません。
ハワイに仕事で3週間いまして、日本に先週戻ったのですが、しばし軽い浦島太郎状態でした。

ハワイ、という小さな島においてでさえ、海や空はもちろん、道路もクルマもビルも部屋もオフィスもメシもアメリカサイズのでかさ。加えてヒトとしても大きく穏やかなハワイローカルの民に触れて過ごしていると、日本のあまりの狭さに、しばらくは心も身体もあちこちぶつかってばかりいました・・・。

戻った途端での国内の仕事の忙しさもあり、ようやく体調も気持ちも日本人に戻りつつあります。

最初は東京から離れた場所繋がりで、またまたハワイのレストランを書こうかと思ったんですが、長い間空けてしまったお詫び(笑)といいますか、まったくつながりはないながら、未だ食べログにも登録されていない、西麻布の「JOJO」を、紹介します。

「JOJO」は、ソムリエの城倉隆氏が新たにオープンしたレストラン。
当初「JOJO」なる名前だけを耳にして、ぼくはすぐにマンハッタンにある、ジャン・ジョルジュの最初の店「JOJO」を思い出しました。マンハッタンの「JOJO」は本当にカッコよく料理も極めてクリエイティブ。個人的にはミシュラン三ツ星の「ジャン・ジョルジュ」よりも好きかなと思うぐらい。

ニューヨークでの仕事も長かった城倉さんが「JOJO」なるネーミングのレストランを始めたとのことで、なんとなくマンハッタンの「JOJO」にインスパイアされた感じだと面白いなあと期待しつつ出かけました。

ま、基本的には全く違いましたけど(笑)、さすがにスタイリッシュながらどこか温かみのある店舗を手掛けてきた城倉さんなりの居心地、使い勝手の良さはバツグン。

場所は、西麻布好きなら誰もが「ああ」と言いそうな、ビストロ通り広尾寄りのガーデンヒルズ側にある3階建てのビルで、「グットドール○○」としてずっと密かな人気を博していたスペース。中華の「エピセ」なども入っている建物。

城倉氏の店というと、代官山「カノビアーノ」の地下のバー(名前失念)の記憶から、真っ暗な印象があるんですが、確かに効果的な間接照明が光るものの真っ暗ではなく、ゆったりとしたテーブル上にはきちんとスポットが来ています。

オープンしたばかりでメニューもワインリストもない、との説明。ゆえ料理やワインの解釈をしてもヤボな気がしますが、おまかせコースのみ8,500円。ワインは7,000円前後でしょうか。ただ、なんとなくこのままメニューもリストもない店として続けていくような雰囲気もありますね。

コースは、前菜、パスタ、魚、肉、デザート、コーヒー。パスタと肉は選択制です。うまくまとまっているなあと感じる皿もありますが、パスタの茹で加減を含めオヤッと思うものもあり。サービス陣はさすがに落ち着いてますが、厨房のバタバタがまだ料理から漂ってくるところはありました。

お得感とは対極にあるけど優越感・昂揚感には確実に浸れるレストラン、でしょうか。リッチそうな人たち(というか何で稼いでいるのか分からない感じの人たち 笑)で、その日も満席の盛況。

辞する際「JOJO」の由来を聞いたところ、城倉さんがご友人からそのように呼ばれているとのこと。確かジャン・ジョルジュの愛称もJOJOだったはず。
posted by 伊藤章良 at 16:59| イタリアン | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年02月02日

いとう:ピエモンテ(荻窪)

「コントワール・ミサゴ」。実は行きたい店メモの上位にランクしているまま、未だ訪問叶わず。なかなかいい感じですねえ。網獲りの鴨、ウラヤマシイなあ。

そうそう、シェフは「ブラッスリー・マノワ」出身とは存じていたんですが、寿司店から今はなき「レリノス」へと移られたんですか。なんかアメリカンだなあ。「レリノス」は、東京でもカリフォルニア料理が華やかだった時代のトップランナーの一軒だったので、昔はずいぶん通いました。懐かしいです。

ということで、コントワーなフランス料理店としては、ぼくがあちこちで書いて絶賛している「Bistro Yebisu」があるんですが、紹介しすぎの感もあるので、今回は、ぐっと歴史あるカウンターイタリアン、荻窪の「ピエモンテ」にします。

この店は、さまざまに語られているように、日本のイタリアンの元祖的位置づけ。客船内のレストランで料理人をし、その後もイタリアで修業を重ねて、1976年豊島園に「ピエモンテ」をオープン。1985年に、現在の荻窪に移転したそうです。

齢80歳になるというシェフ。数年前にずっとお二人で営んでこられた奥様が他界し、一時店を閉めていましたが、「息子が戻ってきてくれた」とのシェフの談にもあるように、今は親子で切り盛りをしています。

文字通り船内のような細長いカウンターと奥にテーブルが一卓のみ。キッチンもそのカウンターに付随したスペースしかないので、かなり手狭ではあります。ただ、30年以上に渡る営業の中で、こつこつと集められたと想像する調理器具が所せましと並んでいて、それを見るだけでも圧巻。

父子で営んでいる、との前情報から訪問すると、息子さんも当然ながら貫録十分で「子供」という感じではありません。でも、シェフであるお父さんがキッチリ目を光らせていて、イタリアにて長く修業されたという息子さんも、ずっと「ピエモンテ」のレシピを守り続けていることが分かります。

料理は、一言でいうと「限りなく重厚」そのもの。特に最近のトウキョウイタリアンを例に挙げれば、まさに対極。同じ国の料理とはとうてい思えません。
重厚なのは、パスタやメインデッシュだけではなく、デザートもしかり。というか、あんなにどっしりとしたデザートと久しぶりに接し、逆に新鮮でした。

一度友人の料理人が、日本で初めて出版されたイタリア料理のレシピ本に基づいた料理を作る、という面白いフェアーを実施したことがありまして、丁度その時のことを思い出しました。

パスタ料理がメインディッシュの後(つまり、炭水化物は最後に食べる日本人的習慣を重視)という、昨今のイタリアンでよく見かけるスタイルだったのですが、すでに「ピエモンテ」で確立されていたんだなあと、改めて感心しました。

最寄の荻窪駅からは、タクシーを利用した方がベターなほどの距離があり、コース料金も決して安くない(といってもそれに見合った食材は使われています)ものの、西麻布や恵比寿のイタリアンに行き飽きたら、また訪ねたくなる、と、そんな風に想いが募るレストランです。
posted by 伊藤章良 at 11:34| イタリアン | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年05月27日

いとう:トラットリア・イルフィーゴ・インゴルド(六本木)

>これ、「あらこ」と読みます。

あらこ、ですか・・・。
普通に読むと「あんらく○」みたいに読めちゃいますよね。
ま、それはそれで居酒屋の到達点みたいではありますが。

九州の白身魚は、マグロ偏重の東京と異なり頭一つ抜きん出ているような印象。白身や光モノの好きなぼくにはうらやましい限りです。本にまとまるのも(ぼくを含め全ての出張族が)楽しみにしています。

さてぼくは、同じくお店の名前を話題にした流れをくみつつ(笑)、めちゃくちゃ覚えにくい店名のイタリア料理店にします。「トラットリア・イルフィーゴ・インゴルド」です。

ここは、いまや超人気店「トラットリア・デッラ・ランテルナ・マジカ」が、白金台に出した、こちらも最近全く予約が取れなくなってしまった「アンティーカ・ヴィネリア・ジュリアーノ」に引き続いて展開する3店舗目。

「ランテルナ・マジカ」は、いわゆるトウキョウイタリアンとは対極にありボナセーラ系とも言われる、「イル・ボッカローネ」や「ビスポッチャ」を生み出した株式会社オライアン出身のメンバーで構成されていますが、「イルフィーゴ・インゴルド」も、店長・シェフともどもオライアン出身とのこと。しかも店長は、イタリアでサービスの学校に通ったり現地のレストランでサービスの経験を積んだりと8年間修業をしてきたツワモノかつイケメン。シェフも料理人というよりは役者風の容貌。オジサンにとっては肩身が狭くなるぐらい女子率が高く、あちこちで嬌声が上がっています。インゴルトで「隠語るどぉー」と意気込んで行ったんですが、あまりハシタナイ話はできにくい雰囲気。

でもね。ここは男子も行くべしです。
「ランテルナ・マジカ」はオープン当初に紹介をした経緯があり、「アンティーカ・ヴィネリア・ジュリアーノ」にも足を運びましたが、その2店舗よりさらに進化しつつも、個人的感覚では何割かお財布にも優しい感じ。

ワインのチョイスを概ねスタッフに頼みトータル5本飲みましたが、ほとんど全て3000円台前半の価格設定。それでいて、軽いものから徐々にしっかりとしたタイプへとの流れも作ってくださり充分満足。加えてこの系列店名物、食後酒のワゴンサービス。ぼくはレモンチェッロ(@500円)にしましたが、コレが清涼感抜群で甘みとキレのバランスも最高のすばらしさ。

お酒の話から入って恐縮ですが、トラットリアならではのキラクさとボリュームのある料理も「特に男子」に魅力的。テーブル各人に対する取り分けや皿の量の加減も気軽に応じていただけるし、スタンダードメニューとその日の特別メニューとの違いが際立っていてチョイスしやすいところも嬉しいです。

また、さとなおさんが「安楽子」にて「カウンター上の冷蔵ケースの中がキレイで、どの魚も実においしそう。」と書いておられたごとく、「イルフィーゴ・インゴルド」では、本日の魚をワゴンに乗せてプレゼンテーション。一昔前はこんな料理店もけっこうあったんですが、最近はほとんどお目にかかることがなく新鮮。そして魚の色艶も新鮮そのものでした。

なお、付け加えるとデザートもワゴンサービスなんです。イタリア8年の店長が「手前味噌ですが、ここのティラミスよりうまいティラミスを食べたことがない」と言い切るように、デザートの充実ぶりも甘党男子には眼が離せません(笑。
posted by 伊藤章良 at 19:18| イタリアン | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年04月09日

いとう:ペレグリーノ(西麻布)

>さてと、ボクは鴨から鴫に行きます。

あ、いいですねえ。
ぼくは今シーズン鴫を食べてないなあ・・・。
というのも昨シーズンに田鴫・山鴫を含め何度かトライしたんですが、いずれもあまり感心できる状態ではなく、ちょっとだけ失望していたんです。輸入制限が相当厳しいとも聞いていて、果たしてその品質はどうなのかと、考えてみたりして。

ただこの「ベッカッチャ」との冠の店でも、常時山鴫があるわけではないみたいですね。訪問当日はさとなおさん含め皆さん召し上がらなかったのでしょうか。といっても、珍しくメニューのひとつひとつを書いておられるので(笑)、きっとウマかったんだろうなあ。前は時々通るんですが未訪ゆえ、ぜひ行ってみます。

ではぼくは、イタリア料理つながりで「ペレグリーノ」です。
西麻布グルメブロックの丁度外れ辺り(なので意外とタクシーでは行きやすかったりして)。何度かレストランが入れ替わっている印象が強い(といってもこの界隈はどこでもそうですが)物件。

この場所は「ラ・コロンバ」の復活で一時話題となっていたんですが、さとなおさんの紹介文からも落胆のイメージが伝わってきて、結局ぼくは行かなかったんですね。

で、「ラ・コロンバ」は拠点を豪徳寺に移されたようで、新たにスタートした「ペレグリーノ」は、イタリアの食都と言われるパルマで修業をしたシェフの店。さとなおさんが書いておられたような古臭さはなかったので、ダイニングは大幅にリノベーションされたのでしょう。グッと照明を落とした店内や壁面のテクスチャーが本場っぽくて、トウキョウアレンジではなく、きちんと修業先の文化を伝えようとの意欲が感じられます。

特に、パルマと言えば生ハム。4980円のベーシックなコースでは、前菜での生ハムはマストアイテムの様子。注文を受けてからダイニングの真ん中にドンと置いてあるスライサーで一枚一枚丁寧にスライス。素朴な味の小さな揚げパン「トルタ・フリッタ」を添えて提供されます。

スライサーを使うゆえ、メチャ薄い(悪い意味ではなく)、フワフワトロリといった食感でさすがにおいしく、トルタ・フリッタと合わせて食べるとさらに旨味が増します。コースが一通り終わった後、生ハムをおかわりしようかと、テーブルで真剣に協議したぐらい。

コースのプリモピアットはラビオリだったので、悪くはないんだけど、やっぱりロングパスタも食べてみたいなあと、こちらも後を引く感じ。

ワインの値ごろ感もよく、生ハムには赤白両方で試してみたいとのリクエストも快諾してくれて、女性のやさしいサービスに好感が持てます。

西麻布のこの界隈ではとてもリーズナブルながら、ワイガヤでもデートでも使えるバランスの良さが光っていて、末永く頑張って欲しいなと思う次第。唯一今後に期待したいのは、店の活気かな。




posted by 伊藤章良 at 09:55| イタリアン | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年04月04日

さとなお:リストランテ・ベッカッチャ(青山)

日本料理店って、日本酒を思わず飲み過ぎてしまって勘定時にビックリ!ということがよくありますよね。高い値付けの店が多すぎる気がします。一時期のワインみたい。もっとリーズナブルに飲めるようになるといいのですが…。こう考えてくると、すべてのお酒を500円で飲ませてくれる広島の居酒屋「むろか」の良心的さが際立ってきます(そのかわりお酒は店側の都合優先になるけど、プレミアムがつくようなお酒でもすべて500円程度)。

さてと、ボクは鴨から鴫に行きます。
甲偏から田偏へ。「しぎ」ですね。山シギ。フランス語だと「ベカス」ですが、イタリア語だと「ベッカッチャ」。青山一丁目からほど近いリストランテ「ベッカッチャ」です。

地下にある小さな隠れ家風の店で、12人も入ったら満杯。
飾り気もなく素朴な感じだし、内緒な会話も周りに全部聞こえちゃいそうなこぢんまりさなんだけど、逆になかなか親密な空気を醸し出していていい感じ。デートというよりは「美味しいもの好きな男同士」の方が似合いそうな雰囲気かも。

料理はトスカーナの郷土料理。コースもあって(7500円程度〜)そちらの方がお得だけど、なんとなくアラカルトでいただきました。以下のようなメニューが印象に残ってます。山シギという店名からわかるようにジビエに力を入れてます。

イノシシのパンチェッタとウイキョウのサラダ
ホワイトアスパラガス・半熟玉子のせ
下仁田ネギの蒸し焼き・ゴルゴンゾーラソース

ピィチ・フレッシュトマトと唐辛子のソース
ピンチ(太いピィチ)本日のジビエのラグー
山シギのラグーのパッパルデッレ
黒トリュフのカルボナーラ

木の実を食べた骨付きイノシシのビステッカ
骨付仔羊ロースの炭火焼き
ひな鶏のロースト

いい冬黒トリュフを使っているようで、他のテーブルでそれが出ると店中香ってました(まぁそのくらいこぢんまりした店だということでもあります)。

ボクは特にパスタ系が気に入りました。注文を受けてから手打ちするというピィチ(ピーチ)の歯ごたえの気持ちよさ。柔らかめなのに芯がしっかり粘る。これは是非ものの美味です。山シギのラグーのパッパルデッレのバランスの良さも印象的でした。

メインは炭火焼きやビステッカ(ステーキ)など、比較的シンプルな料理がほとんど。食べたイノシシは印象は特に強くなかったけど、丁寧に焼かれていて、火の通りも塩胡椒の加減も申し分はありませんでした。丁寧で素朴。そんな印象。

素っ気ない内装の素朴な店らしく、サービス人も男性。でも過不足なく気持ちいいサービスでした。
彼はどうやらシェフと兄弟らしいです(兄弟でやっているとなると中目黒の「イカロ」を思い出させますね)。ちなみにシェフはトスカーナのリストランテ「ラ・キウーザ」にいたらしいです。
posted by さとなお at 22:12| イタリアン | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年01月16日

いとう:アルバロンガ(大阪 心斎橋)

さとなおさん、こちらこそよろしくお願いします。
忙しいときもヒマなときもきっとお互い様なので、ぼちぼちと続けていきましょう。

さて、ネタ的には正月らしくもないんだけど、今年一回目に行ったレストランを取り上げてみます。

ぼくは年末年始は必ず大阪の実家にいます。今までの人生で年末年始に実家で両親と過ごさなかったことは一度もありません。なんかここまでくると生涯続けてみたいし、年末年始に顔を見せることが最低限の親孝行とも思っています。

と同時に大阪出身のぼくには、現在でも大阪で頑張っている友人が多くおり、そんな連中と会う、というのも年末年始の楽しみなお約束。大学を卒業してから2010年の今まで、欠かさず毎年始に会っている旧友も何名かいて、今回はその中でもU君夫妻が1月2日に連れて行ってくれた、大阪は心斎橋のイタリア料理店「アルバロンガ」を紹介します。

ところで、心斎橋のランドマークだったソニータワーや戎橋のキリンビルがなくなってしまったことは、東京にいても知ってますが、心斎橋そごうが大丸になっている、という驚愕の事実は未だ信じられません。♪大丸そごうを東へ〜50歩歩いてナニワ というコマソンはいったいどうなるのでしょか(笑。といってもそんなモノも今はきっと流れていないんだろうなあ。

「アルバロンガ」は、鰻谷と呼ばれている心斎橋大丸から50歩ぐらいのエリアにあります。その昔、御堂筋を隔てて反対側にアメリカ村があったので、対抗してヨーロッパ通りと称されてたこともあった場所。大阪在住の時はそれこそ毎日のように通ってましたが、今は行きつけのバー「バタースコッチ」に行くときぐらいかな。まだ明るい鰻谷を歩くのは本当に久しぶりでした。

ほとんど、というより、完全と表現しても誤解がないように思うぐらいすっかり変わってしまった鰻谷の風景。そこに、いかにも東京銀座風の真新しい飲食ビルがあり、エレベーターに吸い込まれて2階へ(上はミシュランで星を取ったフレンチらしい)。

ホテルとかじゃなく、キチンとした街場のイタリア料理店が1月2日からオープンしていることにまず拍手と感謝。普段のメニューは存じませんが、その内容も正月を感じさせない充実のラインナップにまた感激。そして、スタッフの皆さんも、年始だからみたいな気負いやこだわりはなく、普段の一日のように自然体。

「アルバロンガ」は鮮魚が特徴のイタリア料理店ということで、メニューをみてすぐに飛びついてしまったコチのカルパッチョ。季節外れの魚と思いきや、ちょうど「洗い」のような食感で「西」を確認。パスタも正月らしいゆるさや甘えは微塵もなく、完璧なアルデンテでにんまり。メインには「京都美山産の小鹿」がありこちらも迷わずトライ。大人の鹿はこの時期頻繁に口にしますが、小鹿はあまり記憶になく、大人の鹿とはまったく違うテイストに驚きました。

なによりも、いい意味でとても人なつっこい女性のサービスが快適。なにを聞いてもポンポンと跳ね返ってくるトークが絶妙で、ワインもよく勉強されていて、価格も手ごろ(ぼくが行った時期だけかもしれませんが、エッと思うほど安価なものもありました)。

何より東京と比較してもトータルで遜色なく、しかも西の特徴も出している料理で、価格的には2〜3割お手ごろな感じ。近くにあったら通いたいんだけど、そーもいかない悔しさです。
posted by 伊藤章良 at 17:49| イタリアン | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年08月28日

いとう:しゅうご(神楽坂)

>これはある高級繁華街での話ですが、その地域一安い居酒屋
>というところに行きました。

先日繁華街を歩いていたら、生ビール290円という貼紙を見つけました。もしかしてココかあ・・・とか、一瞬(笑。

では、ぼくも後味の悪い店を続けます。トータルとして決して悪い店ではなかったので店名は伏せずにいきます。

先日、都立大学にある中国料理「わさ」を紹介しました。ぼくの文章にもかなり熱が入っていたのか、読んでリピートしてくださった方も多く、概ね好評をいただいてます。

で、その「わさ」の店主Y氏からぜひ行ってみてくださいと紹介されたイタリア料理店「しゅうご」。これは行かねばと、たまたま飯田橋界隈で所用があったときに早速訪問。

地域は神楽坂と言えますが、いわゆる「らしい」エリアからは外れていて、どちらかというと飯田橋からの延長線上みたいな意外な場所にあります。

下世話な通り沿いなんだけど、ロケーション的にもこんなところにイタリア料理店があるとは思えず、その驚きも含めプラスの印象。店内はカウンターとクロスのかからないテーブルが数卓。カウンターの奥に料理人が2人とソムリエ兼サービスの男性が1人。店内規模からすればギリギリの布陣でしょうか。

メニューを見ると、どれもリーズナブルでおいしそう。シェフはクラッティーニ系で修業をされたとY氏から聞いていて、パスタもバリエーション豊富で魅力に溢れ、修業先の定番ともいえる桃の冷製パスタもあります。

そして、運ばれてきたそれぞれの料理も決して悪くないんです。が、店自体の居心地がよくないというか、仕事が全体的に雑なんですね。
「わさ」のY氏が、度が過ぎるほど丁寧な仕事ぶりなので余計に感じたのかもしれません。

ワインを紹介してくださいと頼んだら、料理の価格帯とは釣り合わない高いものを一本だけ持ってきて、有無を言わさず抜こうとする。前菜からすごく時間があいてやっとパスタが出てきたと思ったら、すぐに次のパスタも運んできて、小さなテーブルがいっぱいに・・・等、もっと細かいことを挙げればキリがありません。

では、なぜ後味が悪かったか。
上記のような雑な対応は、それこそ店が混んでしまってどうしようもないときには(あまり許せることではないけど)ありがち。その都度でもチェックの時でも詫びればいいこと。

ところが、会計の際にぼくが「今回は「わさ」のYさんからぜひにと薦められて来たんですよ」と言うと、「えっ、だだだいじょうぶだったでしょうか・・・」と極端にうろたえた返答。つまり店側は、ぼくという客への対応が万全ではなかったと自覚されていたようなんです。

ぼくが紹介で来たと最後に話したのも悪いのですが、「ああ、しまったなあ・・・」みたいな顔をあからさまにされると、後味悪いですよね。

できれば、どんなお客様に対してでも全力で対応していただきたく願います。
posted by 伊藤章良 at 17:48| イタリアン | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年03月19日

いとう:イル・マンジャーレ(麻布十番)

さとなおさん、お久しぶりです。といっても先日お目にかかったばかりですが。
仕事の方は峠を越えたようですね。

さて、さとなおさんが季節ぎりぎりのカキだったので、ぼくも続いて季節はずれのカキつながりにします。訪問したのは少し前ゆえ、今行ってもカキは食べられないかと想像しますが、それ以上にすばらしいトコロも多々あり。ということで、麻布十番のイタリア料理店「イル・マンジャーレ」。「リストランテ・キオラ」等でシェフを歴任したな鵜野氏がオーナーのレストランです。

本当によく店を変える鵜野シェフなんですが、今回の「イル・マンジャーレ」で取りあえず落ち着きそうな気配。場所は麻布十番一等地ながら、ビル内の店もしょっちゅう変わっている(笑)ユニマットの建物。

入店すると、意外と広めのダイニングに先客は一組。カーテンを隔てた奥の半個室では大人と子供がアニメソングを大合唱。入った瞬間イヤな予感です。

メニューは大変面白くて食べてみたい料理が並んでいるも、乱筆。標準的なスプマンテを1本頼んで(といっても、極めて標準的な泡3種しか選択肢はありません)解読にいそしんでいると、気づかない間にナミナミと注がれていた。

まあいいか、と、一口含むとナマヌルい。

すぐさま冷たいものと交換するようにお願いするも、セラーから出したばかりだから冷たくないのはしょうがないとイイワケばかり。じゃ、なせテスティングをさせないんだと詰めると、謝罪もないまま、マネージャーらしきスーツの人物は萎縮して遠くに行ってしまう・・・。
(その間も子供の泣き叫ぶ声が店中に響く)

普段なら間違いなく席を立っている状況なんだけど、このところ個人的には納得いかなかった鵜野シェフの料理を、どうしてももう一度食べておきたい、との気持ちが勝りました。というのも、すでに10年以上も前ですが鵜野シェフは新宿のワインバーに一時料理人として在席したことがあり、そのワインバーでワインそこのけで毎回食べるパスタが、それはもうウマカッタのです。

やっと料理が運ばれてきました。そこで前菜に選んだのがカキの冷製(お待たせしました)。一番おいしく食べられる最良の状態に火を入れて一旦冷まし、プリン状のホタテのフランの上にどっかりと載せる。イヤー、先ほどまでの不快な思いが100パーセント飛び散ってしまうぐらいの味わいで、自分の単純さにも呆れました。

続いてパスタを冷・温あわせて3皿いただきました。
こちらも自分の気持ちを抑えて待った甲斐アリ。といいますか、ここ数年ずっと技巧にこだわっていたシェフが、ふりだしに戻って王道で勝負!みたいな感じです。食いしん坊なら誰もが好む、イタリアらしい情熱溢れるテイスト、しかも大量。

コース料理8500円のレストランとしては、まだまだ問題山積ではあります。でも、おいしいパスタをおなか一杯食べたいときなら、選択肢として最有力です。
posted by 伊藤章良 at 10:30| イタリアン | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年12月07日

さとなお:イル・ペンティート(代々木)

いや、伊藤さん、イカネバの娘って(苦笑) まぁオヤジ対談なのでいいですけど。

「カピトリーノ」、閉店ですか。
草分けとしての敬意は深く持ってますが、実はここ10年以上行ってません。
ちょうど東京に面白いイタリアンが続々と出来はじめた10年ちょっと前に行ったとき、なんだかとても古く感じてしまったんですね。その印象が強くてそれ以来再訪していないのです。でも、逆にいま行ったらまた印象違うんだろうなぁと思います。あのころは無闇に「新しいイタリアン」が食べたかったし好きだった。ほんと、出始めでしたから。いまは逆にそういうイタリアンには食傷気味なので、「カピトリーノ」のような王道が食べたいです。一周してこれから逆に時代に乗る店になるかもしれないのに、惜しいです。

んー、じゃ、ボクもイタリアンにしようかな。
ローマ風ピッツァの「イル・ペンティート」(代々木)にしてみます。

ナポリ風ピッツァ大流行の東京で、ローマ風ピッツァで気を吐く店として有名ですね。
モチモチで分厚い生地のナポリ風に対して、カリカリの薄生地のローマ風は、昔は王道だったのに、最近はあまり見かけなくなってしまいました。

でも、こうしてちゃんとレンガの四角い釜(釜もナポリとは違う)で焼くととても美味しいですね。なんでも有名なメーカーの窯らしく、職人を呼んで相当本格的に作ったらしいです。

名物はタマネギだけ使用した「チポッレ」と、マスカルポーネとグリーンペッパーの「ペンティート」。
2品とも実にうまいです。特に前者が好きかも。さくさくのトロトロのカリカリ。いくらでも食べられる感じ。一軒行った後の締めとして行ったんですが、満腹のはずのお腹にすいすい入っていきました。
あとはオリーブのフライも美味ですね。夜中にこういうのをとって、安ワインと一緒に胃に流し込むシアワセといったら。

釜もテーブルも椅子も調度品もすべてイタリアから運んだせいもあるのか、店内は日本離れしていてまるでローマの街角の店にいるようです。天井が高かったり、照明が適度に暗かったり、テーブルが詰め詰めだったりするのも、その雰囲気を後押ししてますね。ホント、壁際に座るとトイレに行くのもままならないくらいテーブルが詰め詰めなんです。でもそれが逆にいい感じ。この雰囲気、得難いなぁ。

欠点としては、テーブルが詰め詰めなのも手伝ってかサービスの目と手が届かないこと。
あと、値段が高めなのも難ですね。釜への投資が莫大だったのかもしれませんが、もう少しだけ安めにして気楽に食べられるピッツェリアになるとよりうれしい感じです。まぁでも値下げしなくても大はやりなので、この価格でいいのかもしれませんが。
posted by さとなお at 10:31| イタリアン | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年12月03日

いとう:カピトリーノ(西麻布)

「ICARO」ですか! さとなおさんも早い早い。「ロマンティコ」に若い料理人の方がおられたのはよく覚えています。でも「ICARO」が彼のお店だったとは知りませんでした。さっそくイカネバの娘ですなあ・・・。

さて、ではぼくも引き続いてイタリア料理店です。といっても新生ではなく、王道中の王道「カピトリーノ」を。もうすでにご承知の方も多いかと思いますが「カピトリーノ」は年内で営業を終了します。とても残念だし、今書くなよと言われてしまいそう。ただ、まだ1ヶ月あることと(といっても予約は相当困難になっています。ファンの方が何度も来られているとか)、なんといってもトウキョウイタリアンという名の何なのかよくわからない料理が増殖し続ける中、一皿の力のみでイタリア本国に思いをはせることのできる経験はとても貴重でしょう。

「カピトリーノ」は「アルポルト」や「アクアパッツァ」ができるもっともっと以前から西麻布にありました。西麻布がこうしてイタリア料理店過密地帯に発展したのは、「カピトリーノ」が吸い寄せたといっても過言ではありません。

日本人として最も早くイタリアに渡り修業した吉川シェフは、帰国して開いた「カピトリーノ」を通じ、「トリッパの煮込み」「本場のカツレツ」「サルティンポッカ」「カルボナーラ」「ブッタネスカ」などのクラシックなイタリア料理をぼくたちに伝えました。

野菜を多用し皿の上に色鮮やかな造形を施しながらあくまでも軽く少量に仕上げる・・・。「少量?」以外は(笑)こういった料理もぼくは大好きで頻繁に食べにも行くんだけど、はたして「イタリア」を食べてるんかなあ。久しぶりに「カピトリーノ」のテーブルに着くとそんなことを考えます。

例えば、定番のひとつ「プッタネスカ(娼婦風。黒オリーブ、ケッパー、アンチョビを使ったトマトソースのスパゲティ)」は、まず大量。これほどの量のパスタがシンプルな皿の上にドカンとのっかっていると、ただそれだけでニンマリ。さらにメチャあつあつ。最初の二口ぐらいは熱くて熱くて、フーフーしないと口の中に運べません。自分が「食べること」の原点に立ち戻ったような、そして、イタリアを旅し食した過去の記憶がぐわーっと「カピトリーノ」のパスタとシンクロして体中をよぎっていくような、そんな感覚。

また、お皿がまったく見えないぐらい詰め込まれた前菜の盛り合わせも、付け合せは炒めたポテトのみの力強い肉料理も、流行のトウキョウイタリアンとは、まさに対極に位置しますが、対極があってこそのいいバランスなわけで、それがなくなる・・・というのは本当に寂しいことです。

最近はほとんど食べずにガマンしているデザート(しかも「ティラミス」)にもトライしましたが、これがまた涙が出そうなほどうまかったことも追記しておきます。

食事が終わった後、「カピトリーノ」の吉川シェフから最近のイタリアについていろいろな話を聞きました。あまり長居も失礼なのでそろそろ辞する旨を伝えたところ「大丈夫ですよ、今から大ちゃんが来て食事をしますから」と。

大ちゃんとは「ヴォーロ・コズィ」の西口大輔シェフ。「カピトリーノ」が終わると知り、こうして若い料理人がぞくぞくと食べに来ている様子。仕事が終わって遅くにやってくる料理人を温かく迎える吉川シェフの姿にも感銘を受けました。ぼくたちが日常接しているビジネスの世界ではなかなかお目にかかれない文化の継承ですね。

posted by 伊藤章良 at 21:00| イタリアン | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年11月29日

さとなお:ICARO(中目黒)

「アッラ・バーバ」、先に行かれてしまいました。
ちょっと前から「行こう行こう」と思っていたところ。さすがに早いですね。

じゃあ、イタリアン&白金つながりで、「ICARO」にしてみます。
正式には「ICARO miyamoto」かな。イカロと読みます。ギリシャ神話のイカロスからのネーミングらしい。今年の春にオープンしたばかりの新店です。

レストランの場所は中目黒なんですが、なぜ白金つながりかと言うと、ここ、白金の「ロマンティコ」で半年ほど修業した宮本シェフの店なんですね。
この前「ロマンティコ」に行って「今年の夏、ベネト州とかトレンティーノ・アルト・アディジェ州に行ってきたんですよ」とシェフに話したら、「ボクのところで働いていた若者がトレンティーノの料理を作っているので行ってみてください」と勧められたのでした。「ロマンティコ」ってずっとシェフひとりかと思ったら、弟子がいた時期があったんですね。中山シェフの元で修業したあと、トレンティーノ・アルト・アディジェ州で7年修業して、帰ってきて店を中目黒に開いたとか。とはいえ、あっち行っている間もドロミテ(アルプスのイタリア側の山脈)でスノボーばかりやっていたという噂も(笑)。
ドロミテ、行ったことありますか? あそこに行ったら冬はスノボーしかしないのはよくわかります。ま、夏に行った興味もあって、勧められた翌週だかに行ってきました。

お兄さんがホールでサービス担当、弟さんが厨房で料理を担当している兄弟営業の店です。
弟さんが「ロマンティコ」出身。さっそく「ロマンティコの中山シェフに言われて来てみました」と告げたら、「中山シェフがしゃべりかけるなんて珍しいですね」と。確かに無口なシェフですもんね。弟さんとも話しましたが、おふたりとも外見はともかく内面はかなり男っぽい感じで好ましかったです。

メニューは聞いたとおりトレンティーノ・アルト・アディジェ州の料理が中心。ワインもその州のものが多かったかな。ベネトなんかの周辺や南の州のももちろん、フランスワインも数多く揃えてありました。4500円〜6500円あたりを多く取り揃えているので安心です。ワインリストをいま作り替えているとかで、リストにないワインもいろいろありました。相当ワインを重視している模様。ラストオーダーが深夜1時なので、ワインバー的に使うのもありかもしれません。

やんちゃっぽい硬骨漢という外見の弟シェフの料理は、その外見をいい意味で裏切る繊細でやさしい感じ。もっとガツンと来るかと思ったら、すぅっとやさしいので逆に印象深かったです。「ロマンティコ」のような追い詰めたシンプルさはないけれど、味の感じは似てるかなぁ。ちょっと謙虚で引っ込んでいる。でもちゃんと滋味がある。そんな印象でした。

いただいた中では、名物らしい「熊本産馬肉のタルタル」が美味。「パッパルデッレ 蝦夷鹿の煮込みソース」は手打ちでこれまた美味。メインで取ったローストもとても美味しかったな。量もしっかりあるので、ふたりで数品とってシェアしてちょうどいい感じ。この辺は親切な女性のサービスの人に相談して決めるといいですね。ちなみにおまかせコースは5000円で前菜、パスタ2種にメイン、デザートと多皿系のようでした。

店内は奥に喫煙席が個室っぽく設けられていますが、メインのダイニングは禁煙。落ち着いた色調の店で、カジュアルイタリアンの明るさはないけど大人っぽくていい感じです。
場所は中目黒駅の南側の「びーふてい」がある商店街を奥に入っていって、路地を右に曲がった左側のビルの4階。通りかかってふっと入店する、というタイプの店だけど、通りかかってふっと入店するような立地ではないですね。ホントは近所で普段使いするようなタイプの店です。近所にあったらうれしいだろうなぁ、と。そんな感じ。
posted by さとなお at 18:00| イタリアン | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする