2010年01月27日

いとう:ひまり屋(吉祥寺)

>ホント、最近札幌って加速度ついて美食の街になってきているのだけど、
>今回行ったのは古い居酒屋。「味百仙」。

札幌が美食の街にどんどんなっていってる・・・、同感です。美味しそうな話をたくさん聞きましすし、お誘いもあります。でもなあ、以前なら年に何度かは札幌に出張してましたが、最近はさっぱり。ぼくの仕事の現場は、ほとんど首都圏か大阪に限られた感じ。

「味百仙」、未訪です。札幌の居酒屋名店はできる限り回っている方なんだけど・・・。「いい店オーラ」があまり出ていない店にさとなおさんが入ったくだりはちょっと微笑みました。

さて、同じ居酒屋でも都心からは(若干)離れた繋がりで、吉祥寺の「ひまり屋」を紹介します。前にも書いたかもしれませんが、ぼくが東京に出てきたころは、吉祥寺は東京でもっとも関西人に優しい街といわれてたんですね。あそこだけは関西弁が通じる、とか。ほとんど唯一で最大の理由は近鉄百貨店があったことのようだけど、今はそれもなく関西人には「冷たい」街となってしまいました。

そんな吉祥寺の北口から、歩くと意外と遠く距離があるにもかかわらず(店のキャッチフレーズは吉祥寺の端っこですし)、その一角だけはポツポツと飲食店がかたまってあり、その中でも一番目を引く外観が「ひまり屋」です。

軒の低い引き戸を開けて入ると、小さな三和土で靴を脱いで上がるシステム。田舎の台所のようないい感じの厨房を囲んでカウンター席。そしてその周りにもテーブル席がちらほらと。

そして飛んでくる明るい掛け声。この店は「ひまり屋」と看板等にありますが「向日葵屋」が正式屋号のよう。ショップカードにも大きな向日葵の写真が描かれています。店内は、もちろんヒマワリ畑のようなイメージではないけど(笑)、目にもやさしいオレンジの灯りが程よく、カウンターにはどっさり新鮮そうな野菜が置かれ、それらと肉や魚とを合わせバツグンのツマミとして提供します。

また、なにより特筆すぺきは日本酒の品揃え。渋い通好みの地酒がストックされ(特に広島の酒が多いのもウレシイ)、客側の要望を聞きつつ最適の一本を、「ひまり屋」らしく元気よく出してきます。

確かに端っこではあるんですが、吉祥寺が最寄で日本酒が大好きな方なら、間違いなくローテーションの一軒となるでしょう。吉祥寺とはあまり最寄ではないぼくでも最訪問したい気持ちは相当強い、とそんな後を引く魅力もある店です。

余談ですが、別の日に訪問した友人からの話で、ウェブサイトに載っていた鰤シャブを頼んだらダシがぬるかった、との報告がありました。ツマミ用にコトコト弱火で煮込んで・・・と、酒飲みを対象とした料理へのコダワリを鍋にも出しているようだけど、しゃぶしゃぶはやはり沸騰したお湯じゃないと、と思いました。
posted by 伊藤章良 at 23:46| 居酒屋 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年01月23日

さとなお:味百仙(札幌)

そうですね、ボチボチとおつきあいください。今年はまた尋常でなく忙しい年になりそうな予感がするので、先に謝っておきます。すいません。忙しいと、書く時間も減るけど、新規店開拓がおろそかになっていくんですよね。書く価値のある店に当たる確率も少なくなってくるし。まぁでもボチボチと。

先週札幌に行ってきたので(いや違う、あれは今週頭か)、札幌の店をご紹介しようと思います。
ホント、最近札幌って加速度ついて美食の街になってきているのだけど、今回行ったのは古い居酒屋。「味百仙」

この店の特徴はなによりもその日本酒の品揃えのいいこと。
マニアックかつ良質なお酒がずらりと壁の品書きに書いてあります。あぁ迷うなぁ。北海道の酒も含めて日本全国から良酒を厳選してあって、ご主人の目の確かさがよくわかります。お、天の戸だ。冬花火もあるじゃん。おっと、ダルマ正宗の古酒もある。とか、酒好きなら楽しい楽しい。

ここで「開運」の杜氏の名前を冠した「波瀬正吉」があったので飲んだけど、これ、うまいですねぇ。
去年亡くなってしまったとかで、もうこの銘柄は造られなくなるかもとか。大事に大事に二杯いただきました。

料理は、マンガ「美味しんぼ」に取り上げられた「じゃがいものバター煮」が有名らしいので、予約時に予約していったのですが(予約が必要な料理らしい)、まぁでもこれはそんなにビックリしなかったかな。
それよりも、シメ鯖とポテサラという「いい居酒屋かどうか見分ける二大ポイント」と思っている二品が実に良かったです(これにアジフライを入れると三大ポイント。アジフライはなかった)。メニューは盛りだくさんだったけど、どれをとってもなかなかの味。うまいなぁ。

店内は短いカウンターとテーブルが少々。そして座敷がLの字に広がっています。
ご主人は物静かな感じで、カウンターから出てきませんが、お酒を注いでくれる女性店員さんたちがなかなかキリリとしていていい感じ。しばし見惚れる。

ただ、この店、「いい店オーラ」があまり出ておらず、通りがかりだと絶対入らないタイプの店なんですね。雑居ビルの地下にあり、外見も内装の感じも普通。たぶん評判を知らなかったら入りません。それでこれだけ繁盛しているのを持ってして、いかに地元にも愛されているかがわかる感じです。
posted by さとなお at 17:12| 居酒屋 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年12月21日

さとなお:浄水ろくしき(博多)

そうか「アバスク」の前は「レストラン大越」でしたね。なんで思い出せなかったんだろう。あの立地で24年間はすごいです。まぁあそこのすぐ近くでなんと1967年から42年もやっている戸川昌子さんの「青い部屋」には負けますが(笑)

ええと、先週福岡に行ってきたので、ちょっと書いてみたいと思います。
まずは「浄水ろくしき」
居酒屋ですが、料理レベルは割烹に近いかな。

浄水(じょうすい)というと、関西で言ったら芦屋、東京なら田園調布に近い高級住宅地だそうです。
駅で言ったら薬院大通。その近くにこの店はあります。

博多って甘くて辛い濃い味つけが多く、最初はともかく、食べ続けているとちょっと飽きてくる部分がある印象です(個人的には)。
全体にハッキリクッキリしている味。なんか「しゃーしぃ!」みたいな感じで、薄味の細かい味付けなんか喜ぶのは博多っ子じゃない!みたいな雰囲気を感じる(笑)。そんなちまいことしとると、きさん、ぼてくりこかすど!みたいな(←適当な博多弁ですいません)。

また、玄界灘の魚介類も豪快に調理してあるものが多く、若者にはとてもいいけど、ボクくらいの年齢になってくると「もうちょっと薄味で繊細な料理も食べたいな」と思うことが多々あったりするんですね。

で、この「浄水ろくしき」ですが、ここ、博多の居酒屋としてはかなり薄味です。
ほとんど独学で料理を学んだというご主人(まだ若い)が言うには、料理を教えてくれた人が「もっと薄味に」と繰り返したそうで、それを守っているだけ、とのこと。なにか基準があるわけではないんですね。でも独学のわりにと言ったらとても失礼なんだけど、味がちゃんとまとまっていて、きっちりピントが来ているのがなかなかすごい。

最初に菜っ葉のお浸しが突き出しで出たのですが、これの薄味ピントがツボで、実に良かったです。
それと「大根と里芋の昆布茶煮」。実に繊細でカラダが喜ぶ料理。「赤ムツの煮付け」は前回(去年も行った)よりも味が濃い方に転んでいたけど、「そうして指摘していただかないと少しずつ濃くなっていってしまう」みたいなことを言ってました。次回は薄味ピントの煮付けが食べられるかな。
そしてもちろん、玄界灘のお刺身はとっても良かった。

雰囲気は浄水だけあって高級め。カウンター8席くらいとテーブルひとつ。照明も暗めで落ち着いた空間です。でも値段はとてもリーズナブル。東京のだいたい半額感覚。博多の中では高めの部類なのかもしれないけど。
ご主人まじめでいい感じ。ちょっと寄ってカウンターで軽く飲んでさっと帰る、みたいな使い方をしたいいい店でした。
posted by さとなお at 09:15| 居酒屋 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年07月21日

いとう:豚に夢中(外苑前)

>「西尾さん」ですか(笑)

電話が鳴るたび、ご本人が「ハイ、西尾さんです」と出るので、なんだかおかしいです。

「よろにく」も、考えてみたら面白いネーミングですね。なんとなく「さとなお」や「おさにち」と通じるものを感じるのはぼくだけ(笑。

ぼくはただ、「ジャンボ」や新橋の日本料理「京味」といった店は、東京人の焼肉神話・京料理コンプレックスを逆手にとって関西人が大もうけしているような気がして、同じ関西出身としてはなんとなく気恥ずかしいんです。「よろにく」の店主はどちらのご出身かは存じませんが、なんとなく同じ匂いを感じちゃったなあ。だって焼肉って、本来ガハハなものじゃないですか。

さて、さとなおさんが「名前系の面白い店名つながり」に行くとは思いも及ばず、ちょっと迷ってしまいましたが、同じ焼肉・ホルモン系でもあるので(というか、この手の店は面白いネーミングばかりですが)、「豚に夢中」を紹介します。

場所は、青山三丁目交差点を西麻布方向に下り、スキーショップジローも越えてしばらく行った右側。前々から渋い店が散見される一帯ですが、最近では「カンテサンス」の二番手が独立してこの界隈に店を出したりと、ちょっと注目もしているエリアです。

「豚に夢中」は、いまや一大モツ焼チェーンとなっている「い志井グループ」の一角。ココの拡大ぶりは、新丸ビルや東京ミッドタウンにまで出店するイキオイで、それだけ大量に新鮮なモツが確保できるのかどうかいささか疑問ではあります。が、「豚に夢中」もチェーンのコンセプトを踏襲する、食材の豊富さ新鮮さとレトロな内装(「オールウェイズ三丁目の夕日」をモチーフにしたとか)はそのままに、接客もかるーい今風。

と書くと元来いとうの好みではないのですが、「豚に夢中」は青山の底の底にある渋いロケーションが客層を含め功を奏しているのと、お酒のラインナップがとてもすばらしく、チェーン店特有のあざとさを忘れさせます。モツにはやはり焼酎が合うかなと思いますが、そんな焼酎のリストが秀逸。隠れた名品、レアなブランド(ちょっとお高めな「春雨ゴールド」とか)など、数々並んでいて目移りします。

というのも、お酒の豊富さでは都内でも白眉の名居酒屋「ひじり亭」のオーナーとここの店主が親戚だそうで、お酒については「ひじり亭」に監修をしていただいているとか。さとなおさんが以前絶賛していた「村祐」もさりげなくメニューに載っています。といっても「村祐!」と注文すると店員に「はぁ〜」みたいな顔をされてしまって残念でしたが。

それとシメにいただいた、牛スジを煮込んだダシで作ったうどんがうまかったなあ。いつもあるメニューではないようですが。

posted by 伊藤章良 at 23:30| 居酒屋 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年07月10日

いとう:西尾さん(新宿)

「江ど間」、前を通ったことがあるんですが、こんな個性的なコンセプトの店だとは想像しませんでした。嗅覚がかなり鈍ってきたかなあ(泣。ただ、「鉄板焼き」とのタイトルの店にほとんど興味がわかないので、その文字が見えて興味を閉ざしちゃったのかもしれません。

ウェブサイトも面白いですね。しばし読んでしまいました。異業種交流(出会い系?)まで仕掛けておられるようで(笑。

さて、ちょっとつながりが遠いんですが、ぼくも同じように志の高い居酒屋を紹介します。新宿の「西尾さん」。ここも小さい店ですし、人にあまり教えたくないと訪れた誰もが思ってしまうんですが、結局「王様の耳はロバの耳」じゃないけど、今ではすごい数のネット情報に溢れていて、整理の意味でも書いてもいいかなと。

新宿のはずれ、といってもそんなに外れていないわりには外れ感アリアリの三角州のようなエリア。画材の世界堂の隣りで新宿高校の向かい側というとイメージしていただけるでしょうか。そこの裏路地の狭い階段を降りた地下1階にあって、火事でも起ころうものなら絶対逃げ遅れるだろう(笑)と思うほどいろいろと物が置かれた入口からやっと入ります。そうそう、このエリアには「あいうえお」という新宿ではちょっと名の知れた居酒屋があるんですが、今やすっかり「西尾さん」にお株を奪われた感じ。

ここの店主西尾さんは、「汁べゑ」「くいものや楽」等を展開する楽コーポレーション出身で、イキのいい接客・オリジナル料理・アイデアとメッセージにあふれたポップなメニューなんかも修業先譲り。ただ、何よりすごいのは、店主たった1人でこの店をキリモリしている点なんですね。

さとなおさんはコミュニケーションデザインの専門家ゆえ釈迦に説法かもしれませんが、「西尾さん」では、1人で店を運営する場合どうすればお客様に失礼はないか、また上手にお客様とコミュニケーションが取れるかというアイデアが、あちこちに満ち溢れているんです。

サラダやおでんといった、食べ放題にできたり簡単に数が申告できる(わざとおでんを串刺しにしてあるところもニクイ)ものについては全てセルフで支払いも自己申告。また瓶ビールや焼酎のロック等もセルフにして、自分はできるだけ厨房の同じポジジョンから動かなくてすむように工夫。いっぽう、「八代割り」という炙ったイカの入った焼酎カクテル等、オリジナルの酒はササッと作って手渡す。

料理も、当日の仕入れや「西尾さん」独自のメニューについて、それぞれ丁寧に説明をされるのですが、注文は全て自分で紙に書かねばなりません。そしてなにより、自分1人で相手しきれない不足分については、ありとあらゆる形で文字にして視覚に訴えます。

メニューには、当然ながら料理名だけではなく様々な注釈が書かれているし、店中に「これから暑くなります」とか空調が効きにくいことのいい訳があったり、トイレの中の貼紙(一度入るとナカナカ出られません 笑)、そして最後の会計伝票に至るまで、あらゆる形でしたためられた西尾さんからの様々なメッセージが、客の心をなごませ虜にします。

仲間とでもデートでも工夫された料理や酒を安価で楽しめますが、人を雇わず奥さんやお母さんの手も借りず、自分ひとりで店を開こうと思っている方がいれば必ず行ってみるべきでしょう。

ただ、予約はなかなか取れません(飲んでいる最中もひっきりなしに電話がかかってきますが、その一つ一つにすごく親切に対応されています)。コツは大半の予約客が7時半スタートなので、なんとか時間を作ってオープン直後の5時過ぎに入り予約客が来るまで過ごす・・・。

西尾さんは、その客の動向まですべて読みきっておられるかのように、店の入口には「本日は予約で満席です。わざわざ来ていただのに申し訳ございません」と表記し、横に小さく「7時半までならお席あります」と書かれていることが多いです。
posted by 伊藤章良 at 18:22| 居酒屋 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年07月08日

さとなお:江ど間(五反田)

「七草」は、少し評判が一人歩きしすぎている気はしました。
というか、ああいう「カラダにひたすら優しい家庭料理を出す店」って、ここ1年やけに増えた気がするので、相対的に普通っぽく見えてしまうということかもしれません。ちょっと前なら「素晴らしい!」「こんな店、他にない!」だったのが、いまだと「他にもこういう店あるなぁ」という印象になってしまう感じ。東京ってトレンドへの反射神経が鋭いので、あっという間に似たような店が増えてしまいますね。その辺、家庭料理って不利かも。追いつかれやすいというかなんというか。

ということで、今回は「これからのトレンドになりそうなコンセプト」(もう一部ではとっくにトレンドだけど)として、地産地消を取り上げてみたい思います。

といっても、この店自体は、別にトレンドを狙った店ではなく、真面目に地産地消に取り組んでいるんです。
でも、すぐに「お江戸の地産地消」という考え方をマネする店が出てきそうだなぁ。

五反田にある居酒屋「江ど間」です。
店名横に「江戸野菜居酒屋 おでんと鉄板焼き」と書いてあります。地産地消を志す江戸野菜の店ですね。

江戸野菜、って京野菜のようにはポピュラーではありません。というか超マイナー。東京生まれ東京育ちのボクでもあんまり知りません。
有名なところでは「谷中生姜」とか「練馬大根」とかかなぁ。あと「小松菜」も江戸野菜ですね。
この店で初めて知ったのは「馬込半白胡瓜」。瓜に近い食感と香りでなかなか良かったです。「しんとり菜」も初めて。昭和中期には江戸川区の方でたくさん作られていたものらしいけど、いまではほとんど流通してないとか。あと北区の方で作っている蕪もおいしかったな。ま、実際、そんなに著名な野菜はないのですが、この店はそれらを苦労して仕入れて、特徴を活かして料理してくれます。

行く季節によって出る野菜が違いますが、行った日は「きゅうり食べ比べ(馬込半白胡瓜と普通の胡瓜の食べ比べ)」、「谷中生姜の豚肉まき」、「蕪焼き」、「小松菜おひたし」、「しんとり菜胡麻和え」、「ぬるぬる元気夏野菜」など、どれも鮮烈な味でした。
味的には特に「谷中生姜の豚肉まき」が印象に残ってます。谷中生姜の先っぽに豚肉が巻き付けてあってそれを鉄板で焼いているんですが、これ、相性が非常にいいです。この店一番の人気メニューだそうでした。

厨房に大きな鉄板があるので、鉄板焼きが多いですね。シンプルに野菜の味が出てくるので良いと思います。
鉄板があるせいで(居抜きだったのだと思われ)、お江戸な店なのに、〆には大阪風の「お好み焼き」があります。千住ネギを使うそうですよ。あと、「生太麺の焼きそば」も名物なようで、これには品川の製麺所の太麺を使用しているとか。あとはおでん。千住ネギとか小松菜とか馬込三寸人参とかが煮込んであります(もちろん普通のおでん種もある)。

当然東京出身のご主人かと思ったけど、出身は愛知県だそうです。
個人的にはそれも好ましかったです。がちがちの江戸っ子がストイックにやっているより、なんか客観的で気楽でいいじゃないですか。だからお好み焼きがあるのもなかなかいいなぁと。こういうコンセプトの店だからこそ、ストイックになっちゃいけないと思います。楽しくなくちゃ。

もちろん江戸前の魚も出ます。江戸漬け物とか「並木藪蕎麦のそば味噌」とかも出たりします。ビールも「小江戸ビール」という地ビールがあったり、日本酒は澤乃井や千代鶴、嘉泉、喜正など、東京都のお酒が揃っています。焼酎も東京都中心のめずらしいもの。この辺の一貫した感じはいいですね。

いかにも居酒屋然とした店内は清潔で気持ちいいです。カウンター中心でテーブルがひとつあったかな。小さな店です。
五反田駅前ながら「こんな方に飲食店があったっけ?」というエリアにある店ですが、ご主人の宮城幸司さん含め、全体にとても気持ちのいい店でした。値段もリーズナブル。季節ごとにチラリと行って、江戸野菜をぐるりと食べ切りたいと思います。
posted by さとなお at 08:34| 居酒屋 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年06月12日

いとう:机(外苑前)

>自由が丘にある、ひな鶏唐揚げの店「とよ田」です。

世界中どこにいっても、フライドorロースト・チキンは必ず一度は食べるほどの鶏好きですが、不覚にもこちらの店は知りませんでした。今すぐにでも行ってみたいけど待つのは苦手だしなあ。しかもココは夜しかやっていないんですね。ハードル高い・・・。
でも立石の「鳥房」で1時間近く並んだこともあるし、食べたいと思えば動かないといけませんね。

さて、高カロリー&塩分ゆえいけないと思いつつも、居酒屋・洋食屋等で「唐揚げ」「フライドチキン」のメニューを見ると発作的に頼んでしまうぼくですが、その中でも記憶に残った店を今回は紹介します。鳥料理の店ではないんです。ごめんなさい。

そこは、南青山にある居酒屋で「机」。外苑西通りをスキーショップジローの方に下っていく途中の右側のビルの2階。広めのカウンターと3卓ほどのテーブルの小さな店ですが、青山らしい垢抜けた雰囲気で適度な隠れ家感もあり大人が訪れるに最適。

ヘルシーな鍋料理を考案したらそれがマスコミに取り上げられ、一気に女性客が増えて面食らいました、と語るご主人。少々居酒屋の店主らしからぬ方で燻し銀を売り物にするのではないけど、節度を守りながらも大衆におもねない男気が感じられ、とても楽しく心地良いです。

料理は居酒屋メニューが並びますが、いずれも手間ひまを惜しまない様子がよくわかる納得のおいしさ。中でも「鳥の唐揚げ」は、下味のバランスがよく、何ともいえずジューシーで、硬くなりすぎず少ししっとりした衣が鳥肉のウマミを引き出します。おひたしや野菜のザクザクづけといった軽い箸休めも印象的で、硬軟いずれを頼んでも酒が進みます。

お酒は、西の焼酎と北の日本酒が中心。数を誇るでもなく適度に選びやすいラインナップ。ただ、芋焼酎の「伊佐美」が良心的な価格で出ていたので、ずっとそればかり飲んでました(笑。

ぼくは終電までには引き上げましたが、深夜遅くまで営業をしているようですしメモっておいて損はない一軒です。でも深夜の鳥カラは危険だ・・・。
posted by 伊藤章良 at 22:09| 居酒屋 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年06月06日

いとう:亀屋(八広)

>最近仕事ばかりしていてプライベートが疎かになっています。

ぜひぜひプライベートも大切に。お誘い待ってます(笑。
さて、先日恵比寿を歩いていたら、「伊勢うどん」なるノボリを発見。東京で伊勢うどんが食べられる店を見つけました。といっても、カフェor無国籍系料理店のメニューの一つのようで、うどん屋さんではありません。でも思わず飛び込んで食べてみました。

場所は、さとなおさんも紹介していた「農家の台所」の裏です。ま、「伊勢うどん」の味自体を忘れてしまっているので。懐かしい・・・としか言及できません(汗。そういえば、「農家の台所」横にも「鶴越」なる神戸うどんの店が出来ていました。ココはちょっと西のテイストを誤解している感じの甘すぎるダシで、改善の余地ありですね。

>浅草の「ぬる燗」。

浅草の居酒屋ですか・・・。なかなか行く機会がないのでうらやましいです。というか、うちよりずっとさとなおさんの方が浅草から遠いのに、意外とよく行ってますね。さすが江戸っ子か。

>「次に紹介する店が思いつかない」ということもありました。

同感。というか、ぼくもそんなこと、よくあります。つながりを考えながら対談を続けるのは面白い反面、見つからないとツボにはまります。逆に今回のような居酒屋は、ありすぎて困るなあ(笑。

今回は追悼の意も込めまして、八広の「亀屋」を紹介します。京成八広駅を基点とするこの界隈は、のん兵衛の間で「酎ハイ街道」と呼ばれ、むかしむかし近くにある置屋へと遊びに行く前に一杯引っかける店群として発展したそうです。

「酎ハイ街道」の特徴は、点在する各店がそれぞれオリジナルの酎ハイを持っていること。といっても、甲類焼酎と各店秘伝の素をブレンドした琥珀色の(得体の知れない)液体を炭酸で割る。多くはジョッキも炭酸水も液体もキリキリに冷やしておき一気に注いで混ぜ、氷を入れないのが基本。見かけはまさにウイスキーで作ったハイボールです(「亀屋」の素はサントリーウイスキー角瓶のボトルで保管されています)。

軽くて口当たりよくほんのり甘い。どの店もほとんど一杯250円。あまりに飲みやすく安価なので調子に乗って杯を重ねると、泥酔&二日酔い確実。まさにせんべろ(千円でベロベロに酔うという意味ですね)。おつまみは各店とも家庭料理の域を出ない(そうではない店もありますが)んですが、焼きそばやインスタントラーメンなど炭水化物系のメニューが必ずあって、食事処としての面も持っています。

「亀屋」は、「酎ハイ街道」でも老舗の一軒。なぜ追悼かといいますと、先ごろこちらの名物ご主人が亡くなられました。体調を崩れていることは伺っていて、5月に訪れたときは二人の息子さん(昼間はビジネスマンだそうです)と奥様で切り盛りされていたんですが・・・。

ぼくは「亀屋」に初めてうかがった際、なぜかこちらのご主人からお店で使っているロックグラスをいただいたんですね。そのグラスはとても使いやすく気に入って、家飲みの時は必ずそのグラスを愛用していました。

なんだか宝物になってしまって、もう使えない感じ。
なお、残念ながら「亀屋」酎ハイの秘伝レシピは、ご主人が天国へと持っていかれたそうです。
posted by 伊藤章良 at 23:33| 居酒屋 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年06月03日

さとなお:ぬる燗(浅草)

あぁ…。伊藤さん、なんだかあっという間に2週間経ってしまいました。申し訳ない。最近仕事ばかりしていてプライベートが疎かになっています。もうちょい何とかします。

「超渡邉」、なにより名前がすごいですね。ちょうわたなべ。
伊藤さんのを読んでいると鶏天ぷら自体は「普遍性」を感じるのですが、この店名とかダイニングバー的展開とか、全体に「ニッチ」な方向を狙っているのが残念です。奇を衒うことないのになぁ。

さて、2週間あいてしまった理由のひとつに「次に紹介する店が思いつかない」ということもありました。鶏つながり、九州つながり、天ぷらつながり、恵比寿つながり、、、んー。

結局思いつかなかったので、まったく関係ない居酒屋をご紹介します。
浅草の「ぬる燗」

知り合いに教えてもらった小さな居酒屋ですが、雰囲気も良く、味も良く、なかなかでした。
場所は雷門から見て浅草寺の裏側。言問通りからほんの少し入った路地にあります。浅草という立地も、ぬる燗という店名も、ぼんやりと提灯が灯る古くさい外観も「酒好きには堪らない感じ」なんですね。そして内容もまさに堪らない感じです。

まずは日本酒の品揃えがいい。
なかなか凝った品揃えで、店主のオススメとか聞きながら飲んでいるとどんどん進みます。途中からはもうお任せで次々もらっていました。この店のオリジナルおちょこでぐいぐいと。もちろんぬる燗もいいですが(絶妙なつけ具合)、冷酒や常温もあります。あ、焼酎とかも充実してました。

次に料理がいい。
いただいた中では、すじ煮込み、ポテトサラダ入りだし巻き、うるめ、豚と春キャベツなんかが印象的だったかな。
あ、それと、〆に食べた「牛すじカレー」!
すじ煮込みがうまかったので「さては…」とオーダーしてみましたが、結果的にはおかわりしちゃいました(笑)。気に入りましたね。いい味でした。ボクの脳内ではすでに「日本酒と牛すじカレーの店」だったりします。

そして雰囲気がいい。
カウンターでひとりでポツポツ飲むのに最適な雰囲気です。高級でもなく大衆的でもなく、でも素朴さは残していて。ちょっと薄暗くて、ちょっと雑然としていて、適度に入り組んだ作りも落ち着けて。料理数品と日本酒で数十分。常連になったら楽しいだろうな。

常連になってみたい理由はもうひとつあって、それはここの店主ご夫婦。
これがね、超クールなんです。笑わない。お世辞を言わない。寄ってこない。無表情で淡々と仕事をこなします。決してぶっきらぼうでも不親切でもなく、ホスピタリティはいいんです。でもクール。特に着物姿の美形な女将さん(?)。笑わないんですねー。でも、よくよく観察していると、常連さん相手にたまにほんの少し口角が上がるんです。それがうらやましくて(笑)

ちなみに一見(イチゲン)差別的では全くありません。単にご夫婦ともにシャイなんだろうなと思います。なんとなく「あの女将さんから微笑みかけられてみたい」という「クエスト欲」が出る店なんですね。ボクにとって。
posted by さとなお at 06:48| 居酒屋 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年04月28日

いとう:67餃子(広尾)

>世界中で東京でしか食べられない独特のフュージョン料理。
>全世界の料理エッセンスを取り入れながら東京風家庭料理になっている感じ。

とても同感。そして、こういったモノは料理の分野だけに留まらず、今や東京が世界に発信する穏かな日本人らしい文化の一つかなあとも思います。

さて、かのSTREET。やはり餃子ですね。「焼き野菜の黒ごまサラダ」だけじゃなくてホッとしました。最近は焼鳥もホルモン焼にも出向く機会がありますが、ただ一軒、そこそこ高名なバーだけがちょっと自分のテイストには合わないかなあ。

では餃子で続けます。広尾は「67餃子」。この場所も比較的通り道の一つ(ナナメ前の洋食屋によく行くので)なんですが、以前はこんな店が本当に広尾にあるんだろうか?というぐらいフツーで狭い中華料理店でした。あの窮屈な店がどのように餃子店になったのか、興味は募るもいつも混んでいて並ぶ覚悟でイカネバならず、季節もよくなったしなんとか時間を作って訪問。

餃子の店なんだからソコソコ回転は早いだろうと思ったのが間違いで、人生最長の2時間待ちにてやっと入店。しかも自分達のすぐ前に並んでいた男性二人組みが出ての交代と、恐ろしいくらいの回転の悪さです。

でもそれは座ってみて納得。餃子の店という看板ですが居酒屋ですね(客もほとんど居酒屋利用です)。ちょっとした酒肴系のつまみがやたらウマイ。酒は安い。そして、何気なく置いてある調味料(ミソ、ポン酢、ゆず胡椒)と料理との相性がバツグンで、ますます「飲み」が加速します。

ここはオープン当初ビラを配っていたころにも通ったことがあり、元横綱武蔵丸のプロデュースは知ってました(営業中の代わりの場所中とか書いてあったりします)。店名は、武蔵丸が第67代横綱だからということで「67餃子」になったそう。カウンターの中にいる男性4名はすべて相撲経験者。そのうち二人は実際に武蔵丸と同部屋だったらしいです。

ところが、そんな大きな人が強烈に狭いカウンター内に4名もいるんだけど、なぜかあまり閉塞感はない。というのも、彼らの腰の低さ、人懐っこさ、会話のセンス等々、どれもとってもすばらしいんですよ。さすが日本の相撲道、というか礼節の原点を感じました。

最後に(笑)餃子ですが、そんな大きな体躯の彼らが作るにしては、小さくてカラッとしていてやさしくて食べやすい。人柄が出てます。前述の三種類ある調味料を餃子のタレにも使いますが、それもまたよしです。バリエーションでトンコツスープで煮た「炊き餃子」もあるけど、これは「67餃子」らしいストレートさに多少欠けていて違和感を憶えました。

なお、広尾店はたいへんたいへん狭いんですが、恵比寿のラーメン「アフリ」の隣りぐらいに2号店が昨日オープンしたようです。こちらは行列しないことを祈ります。

posted by 伊藤章良 at 15:58| 居酒屋 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年03月30日

いとう:すし居酒屋松ちゃん(六本木)

さとなおさん、今は本当に忙しい時期かと思いますが、ぜひご自分のペースを確立してください。待ってます(笑。

伊勢情報、それにしてもスゴイですねえ。あの整然とした門前町に、そんなにいろいろと秀逸な店があること自体、想像がつきません。というか、ほとんど赤福と伊勢うどん店しか覚えてないなあ・・・。個人的には我が両親の新婚旅行先でもあって想い入れは強いんですが。

さとなおさんの最近の話を聞いていると、居酒屋は地方にこそ見出すべきとよく思うんです。それこそ、地の魚、地の酒、そしてその地方を具現化するオヤジ。残念ながら東京は全国の寄せ集め。名店と言われる居酒屋も、全国選りすぐりの魚や酒が名物となっているだけで。

そんなことを考えていたら、いかにもトウキョウ的な居酒屋を思い出しました。六本木の「松ちゃん」です。

ここは正式には「すし居酒屋 松ちゃん」。いわゆる居酒屋メニューにプラス寿司ということですね。

で、なにがトウキョウ的かと言いますと、六本木の住宅街奥深くに潜んでいて、その場所が「いかにも」なんです。さとなおさんなら、フレンチの名店「オーシザーブル」最寄りといえばピンとくるかと思いますし、意外と隠れた名店が散見するエリアではありますけど。

「オーシザーブル」隣りの「汁る角」の角を右に曲がり奥に進んだ辺り。普通の家の玄関をいくつも通り過ぎるんだけど、そこには「静かにしろ!(もう少し丁寧な表現ですが)」みたいな貼紙がたくさんしてあって、そろそろだなあと予感します。

入口は「権八」風のどデカイ構え。中はどんな感じなんだろうかと予想がつかないものの、入ってみればダダっ広く、最低限のシンプルな椅子・テーブルのみで構成。客が埋まらないと若干殺風景ですが、なにせたいへんな賑わいゆえ違和感はありません。

さらにトウキョウ的なのがサービススタッフ。渋谷のセンター街から出張してきたようなカラフルな若者ばかり。話しかけるのも躊躇する面々もチラホラいるけど、呼び止めてみると、とても人懐っこくて気使いもナカナカ。配膳にはトレーを使わずワゴンをガラガラ引いてくるので、その姿もサマになっています。

そして最大の特徴は、やたらと安いんです。
生ビールが280円(曜日によっては180円の日もあり。といいますか、値段はかなり流動的なようです)。その他、居酒屋系のつまみもグッドバリューで多品種&量も十分。ただまあ、すし居酒屋といいつつ、お寿司はお愛嬌かな。江戸なんだし、もう少し酢を効かせてほしいです。

営業は朝9時までとか。そこも六本木らしいけど、「静かに」との近隣(店内も含め)の多数の貼紙もさもありなんですね。
posted by 伊藤章良 at 17:48| 居酒屋 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年03月28日

さとなお:虎丸(伊勢)

伊藤さん、全体に更新遅くてすいません。仕事量が激増し、ちょっと翻弄され気味なのですが、もう少しで馴れそうです。ちょっとお待ちを。それと鵜野シェフ、前の店「ボスケッタ」がもうひとつだったので、独立して快調なのは良かったですね。サービスが落ち着いたらいい感じの店になりそうです。今度行ってみたいと思います。

さて、ボクは、伊勢神宮に行くならココに行け!の名居酒屋「虎丸」をご紹介しましょう。

場所は伊勢市の河崎。伊勢駅を外宮の逆側に出て10分も歩くと、川沿いにちょっとお洒落な店が点在する地域に出ます。そこが河崎。いい古本屋とか雑貨店、バーなど、蔵を改造した店がポツリポツリと並び、散策するにとても楽しい地域ですね。女性が特に喜びそうな地域です。

「虎丸」はそんな一角にあり、蔵を改造した作りで雰囲気いい居酒屋です。少し入り口がわかりにくいのですが、脇から入っていきます。中に入るとカウンターとテーブル席。天井が高くていい感じ。

居酒屋と名乗ってはいるものの、料理は割烹レベル。仕入れが特に抜群で、伊勢湾を中心に近海天然魚に絞っているみたい(冷凍・養殖は使わないそう)。その日に仕入れた魚のみの扱っていて、いい魚が入らない日は休むとか。まぁ寝かした方がうまい魚もあるとは思うけど、仕入れのいい地元の鮮魚をふんだんにいただくのは旅行の醍醐味。存分に楽しみたいですね。

ボクが行ったとき食べたのはまずは刺身の盛り合わせ。これがまず素晴らしい。
アイナメ、ブリ、グレ、シマアジ、アオリイカ、メカジキ。いや〜抜群の質。思わず唸りました。伊勢志摩は魚の宝庫ということは知っていたものの、この店はひとレベル違うのが食べてすぐわかる感じ。
一品物も良かったです。カキフライやコロッケ、真珠貝の貝柱塩焼きなど。フライも焼きも上手。カニの春巻きもお勧めみたい。そして、ゴマとシソとガリを混ぜ込んだ「手こね寿司」(伊勢志摩名物)もいい塩梅。どの料理もハズレなしでした。

そしてそして。デザートもいいんです。特に杏仁豆腐がかなりのオススメ。壁のメニューに「杏仁に命をかけた男 竹内俊記作」とあって、聞いたらカウンター目の前で忙しそうに働いていたお兄さんの名前でした。メガネの竹内さん。彼が作った杏仁豆腐が本当にうまいんだから参ります。とろとろでプニプニ。香りも高い。これだけで商売になりそうな出来。

料理やお酒が盛られる器もとてもいいですね。地元三重県伊賀の伊賀焼の作家物を多く使っています。また、ここまで来ると当然ですが、お酒も伊勢の地酒を揃えていて、「風の宮」「伊勢錦」「八兵衛」などどれも美味しかったです。つまりは三拍子揃ったいい店、ということ。

店主(大西秀樹さん)は常に難しい顔をしていて少々近寄りにくい感じですが、多分シャイなだけでしょう。これだけサービスいっぱいのメニューを提供しておいて根っこから気むずかしい人はいません。旬と産地を見極め、とにかく真面目に美味しい物を提供しようとしてくれているのがよくわかります。店内完全禁煙なのもその流れから来るのかと(とてもうれしい)。

カウンター15席くらいとテーブルが6つくらい。まぁまぁ広い店なんですけど、予約で一杯になるので、予約は必です(電話は夜でないと通じにくい)。それと、壁に貼られたメニューがどんどん売り切れていくので、どうせなら開店直後を狙った方がいいかもしれませんね。

ちなみに、「虎丸」のすぐ近くに「珠家」という蔵を改造した素敵なバーがあります。着物姿の女将がやわらかく迎えてくれます。ここも是非。
また、伊勢駅周りには「向井 酒の店」「一月屋」という居酒屋の名店もあります。「オステリア・ラブラ」という鄙にも稀なイタリアンの佳店もあります(青山の「カアンジェリ」出身のシェフがやっている店)。伊勢はいろいろおいしい店が多く、楽しいですよ。今度は伊勢うどんのまとめも書いてみたいと思います。
posted by さとなお at 22:12| 居酒屋 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年01月11日

さとなお:囲炉裏(高知)

そういえば「ブラッスリー・オザミ」、ボクも行ってません(笑)
あのビルだと、系列の「ヴァンピックル」の丸の内店は行ったんだけどな。「オザミ・デ・ヴァン」も最近行っていないな。ええと、オザミグループって他に何があったっけ、と思って検索してみたら、今はすごい展開なんですね。ちょっとビックリ。

オザミ系だと丸ビル店(「オザミ・トーキョー」)には最近数回行っています。東京駅前にして24時までやっていて無休。35階で景色はいいし、雰囲気も料理もなかなかいい。使い勝手がいいですね。ああいう新ビル系はめったに行きませんが、この店は縁があってちょこちょこと。

さて、どうしようかな。ジビエの記述があったので、高知の「囲炉裏」にしましょうか。

店名は囲炉裏と書いて「ゆるり」と読ませます。四万十川を中心に川の物・山の物を食べさせる店。
高知は鰹のたたきを中心に海の幸を食べさせる店が圧倒的に多いんですが、ここは土佐の山川の幸を豊かに味わえる得難い店です。

店名通り店内に囲炉裏がいくつも切ってあり、客は囲炉裏を前にあぐらで座って素材を焼いてゆっくり食べていくスタイル。となりの囲炉裏とはパーテーションを切ってあったりするので個室感覚もあるし、山奥の民家で少人数でくつろいでいるような雰囲気が味わえます。店内も適度に燻された感じに黒っぽくていい感じ。

この店でのオススメはやはり四万十川の幸ですね。
「高知に来たんだけど、四万十川へ行く余裕はないなぁ」という人なら、まさに最適な店です。

まず珍しいのは「セイラン」。四万十川上流でしか採れない幻の川海苔。
海苔の小さい切れ端みたいな見た目ですが、囲炉裏の炭でさっと炙ると鮮烈な煎茶系の香りが立ち上がります。火を上手に通すと香りが増し実にうまい(火を通しすぎるとすぐ焦げるので注意)。そして下流の「青のり」。これは玉露の長いのみたいな見た目ですが、炙ると抹茶の香りがプーンと立ちこめます。

他には四万十川の川エビ、大和手長海老、ゴリなども珍しいしおいしいんだけど、この店に来たらなんといっても天然鮎やアマゴ(アメゴ)を食べたいですね。
これに限ってはご主人自ら囲炉裏で1時間かけて遠火で焼き上げてくれるので、予約時に「何時に行くからそれまでに焼いておいてください」と頼むこと(予約時に「食べる場合は先に言ってください」と聞かれる)。頭から尻尾まで骨まで全部食べられるように柔らかく焼いてくれ、これが絶品なんです(一尾1000円〜)。
季節じゃなくても急速冷凍した素材を使うので大丈夫。最近の冷凍技術は進んでいるので旬に遜色なく楽しめると思います。

で、ようやくジビエつながり。
ジビエの季節はまずイノシシ鍋ですね。これも1時間前に言っておくと煮始めておいてくれます。イノシシ以外にも鹿、鴨、雉などの鍋があってどれも天然もの。土佐の山の幸です。土佐は土佐ジローという地鶏が有名ですので、当然「土佐ジロー鍋」もあります(これは年中)。残念なのは「ひとり鍋」はなく、どれも2人前からなこと。ひとり旅だと鍋は諦めざるを得ません。

他に、佇まいの渋いご主人が採ってくるという山菜もいいし、山菜餃子やらゴリの卵とじ、田楽、土佐ジローの内臓刺身、自然薯、山菜チャーハンなど、いろんな一品も充実しています。土佐の地酒もちゃんと充実しています。

普通の雑居ビルの2階なんですけどね。山小屋にいるような異空間です。
BGMは懐かしい唱歌のインストゥルメンタル。でもテープが伸びきっていて微妙に音程が変わるんです。これがまた異空間具合を高めます。なかなかいい店ですよ。

高知ではたくさんいい店に出会ったので、また折を見てご紹介します。
posted by さとなお at 10:28| 居酒屋 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年11月17日

いとう:ざんぐり(恵比寿)

>仙台の「一心」。
>今年の春に一回行って、つい先週再訪しました。

ううむ。今度は仙台ですか。仙台も久しく行っていないなあ。
「日高見」はいいですね。東京でもそこそこ見かけるようにはなってきましたか、お膝元で飲みたいなあ。

お刺身を、ドンと突き出しとして提供するのも自信のあらわれでしょうか。きっと、最初にビールを頼んでいると後悔しそうです(笑。

では、ぼくは、もう一軒東京の日本酒の店「ざんぐり」を紹介します。ここは恵比寿と広尾のちょうど中間ぐらい。カリフォルニア料理のパイオニア「フミーズグリル」の地下といえば、なんとなく地理的にはご理解いただけるでしょうか。

普段頻繁に通る道ではないんですが、ああ「フミーズグリル」の地下の焼鳥店の名前が変わったんだな・・・、外に置かれたメニューを見るとウマそうな酒にありつけそうだ、と目を付けていて、先日飛び込みで入ってみました。

入った瞬間かなりの違和感。焼鳥店とは思えないキラキラ系の女性に迎え入れられ、端正で寡黙なご主人とカウンターを挟んで向かい合う。メニューを見ると、ナント焼鳥店ではなかった・・・(汗。

店の入口に掲げられたメニューに純系名古屋コーチンの文字が躍っていたので疑うことなく階段を下ったものの、朝獲りの名古屋コーチンをつぶして、一羽丸ごと調理するのがウリのよう。となれば、気持ちを切り替えて、お刺身、つくね、炙り等を注文してみます。

さて、酒はどうしようかと思案中、たまたま同席者に「今冬用に注文していた悦凱陣が今日4本届いたんだよ」としゃべっていたら、突然ご主人が「凱陣はなにを買われましたか。ウチにもイイのがあるんですよ」と、相好を崩して会話に参加。

となれば、そこからはもう酒談義が止まりません。無口に見えたご主人も、珍しい・うまい・そして食中にこそ飲むべき日本酒を次々と出しては、楽しそうに解説。

悦凱陣は「攻めブレンド」を体験。その他にも新聞紙に巻かれた「長珍」、「旭若松」などを薦めていただくままに。それと、東京にもうまい酒があるんですよと「喜正(銘柄不確か?)」も。

料理も、先ほどの純系名古屋コーチンのバリエーション、そしてワタ入りスルメイカ、アンチョビ入りのポテトサラダなど、強烈に日本酒がススむものばかりチョイス。入店当初はちょっとシンプルに見えたメニューも、日本酒とともに味わうとなれば、あれもこれも注文したいものが後を絶ちません。

聞くところによれば、「ざんぐり」はもともと恵比寿の代官山側で営んでおられその後麻布十番に移転。今も十番での営業もされていますが、恵比寿の店を愛してくださったお客様からの帰って来いコールに応えて、料理人のご主人だけが恵比寿に小さな店を再び出されたとのこと。

まあ、その経緯でも理解できるとおり、相当個性と趣味性の強い店だよなあ・・・と思っていたら、深夜近くに常連とおぼしき面々が続々と現れ、梅酒やコーチンのスープで作ったラーメンなどをどしどし注文。

なんだ、それほど強面の店でもないんだ、と、気持ちを軽くしながら店を後にしました。
posted by 伊藤章良 at 16:59| 居酒屋 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年11月13日

さとなお:一心(仙台)

じゃ、ボクももう一軒、日本酒の名店をご紹介します。

仙台の「一心」
今年の春に一回行って、つい先週再訪しました。再訪してみたくなるような店なんですよこれが。

「酒盃」が秋田の地酒なのに対して、こちらは宮城の地酒の名店です。
とはいえ、「酒盃」が秋田の地酒のみなのに対して、「一心」は宮城の酒を中心に、東北地方全般に強い。いや、全国の銘酒もそこそこ揃っています。お酒のメニューを見ていると楽しいですよ。

仙台の繁華街、国分町の端っこのビルの地下にある店なんですが、ビルの地下1階に下りると、「一心」(本店)、「一心 加減 燗」(別館)、「光庵」(離れ)と3店あるんですね。どれがどれなのか初心者にはわかりにくいのが難ですが、一番手前左にある「一心」が本店です。

カウンターと小上がりふたつの小さな店。
全体に黒っぽい木造で雰囲気はとてもいいです。カウンターの中が見えにくい作り(カウンター前の仕切りが高い)なのが一人客には多少さみしいですが、まぁそれはそれで落ち着けるとも言えます。

お酒のメニューを見てどれを飲むか決めてオーダーすると(時間をかけてゆっくりやりたいところ)、突き出しが出てくるんですが、これがほとんどメインディッシュのような一品。マグロとボタン海老とホタテの刺身三種がドンッと出てくるのです。しかも突き出しにありがちな乾いたような刺身ではなく、三種がどれもこれもおいしいのです。ボタン海老など活けでびたびた暴れる新鮮さ。まずはそれを肴に一杯楽しむ趣向です。

他にも「ばくらい」「十穀みそ」「厚揚げ」「珍味盛り合わせ」「穴子白焼き」「茹でダコ」「野菜の炊き合わせ」など、どれをとっても美味美味。酒がうまい上に料理がうまいとくるとたまりません。しかも酒が進むようにかどれも少し塩がきつめ。

いただいた日本酒の中で印象的だったのは、「一心」のラベルがついている「伏見男山 純米大吟醸 中汲み」ですね。この店でしか飲めないらしいこの酒の鮮烈なこと。それと「日高見 純吟 愛山」。このフルーティさはたまりませんでした。

店内はオススメの品書きがいろいろ貼られています。多少この貼り紙の多さをうるさく思う部分もありますが、逆に「おいしそう」と酒が進む部分もありますね。サービスの女性(女将?)は親切でいろいろ教えてくれます。
まぁ敢えて言えば全体に少し高いかな。料理も酒も質が高いので仕方ないかもしれないけど、仙台ではかなり高めの店だと思います。銀座なら普通だけど、という感じ。

居酒屋放浪の先達、かの太田和彦氏はこの店を「東の横綱」と呼んでいます。それもよくわかります。
仙台に行かれたら、ぜひ一度は寄って下さい。
posted by さとなお at 09:27| 居酒屋 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年11月07日

さとなお:酒盃(秋田)

「ラ・シャッセ」は暗いですね。でも「ジョージアン・クラブ」ってあそこまで暗かったでしたっけ? 適度な暗さ、っていうイメージと、ホールへのあの階段を下りてくるドレスアップした女性たちの姿が記憶の中でキラキラしていて、そこまで暗かった印象がないなぁ。記憶って都合のいい方に書き換えられてしまいますからね。

「ル・レカミエ」は25年前(!)に一度行ってます。大学4年のとき、卒業記念みたいな感じで。
25年前って自分で書いてビックリしました。めっちゃ昔だなぁ。あの頃行った一軒家レストランってその造りから空気感、料理まで意外と覚えています。「ル・レカミエ」「マダム・トキ」「ラ・コロンバ」…、学生にしては相当勇気のいる、贅沢な夜だったから異様に印象深いんでしょう。

じゃ、ボクも暗い店つながりで。

秋田の「酒盃」です。

秋田で日本酒を楽しみたいなら必訪の名居酒屋ですね。
「酒を楽しむ店」というよりは「酒を味わう店」です。秋田の地酒を味わうなら日本トップの名店でしょう。

暗いというか、全体に黒っぽいです。黒くくすんで、なんだか暗い。でもとても落ち着ける。
古民家を改装して使っているような店で、玄関で靴を脱いで上がるのですが、全体に凛とした空気が漂い、空間全体、ちょっと居心地悪いくらい完成度が高いんです。そのうえBGMは静かなジャズ。なので「わいわいと居酒屋で楽しもう」と思って来店した人はびびるかも。

秋田の地酒を中心に、50種類以上の日本酒が最高の状態で保存され、料理メニューも酒が進む系ばかり。
坊主頭に作務衣のご主人はニコヤカだけど、どこか近寄りがたい雰囲気を醸し出しています。知ったかぶりをせず素直に日本酒の感想などを言うとニコヤカに応えてくれますが、ちょっとでも半可通を気取った会話をするとすぐ見透かされる感じ。

ただ、決して気むずかしいご主人というわけではなくて、秋田の酒を愛し、それをおいしく飲んで欲しいという情熱が一挙手一投足に感じられてボクは好きですね。たぶんご主人の作り出す流れに気持ちよく身を任せてしまうのがこの店を楽しむコツなのだと思います。

料理は、まず6種の小鉢がお盆に載せられた突き出しが素晴らしい。酒が進むものばかり。
一品もハタハタの飯寿司や燻りがっこ、比内地鶏、きりたんぽやしょっつるなども厳選されて揃っていて、どれも美味。どこか他の料亭にわざわざ行って秋田の郷土料理を食べなくても、この店ですべて味わえます。しかも最高のコンディションの地酒と合わせてくれる。文句なし。

また、秋田名物の貝焼き(かやき:一人前の鍋料理)がちゃんと貝殻を使って給されるのがうれしかったです。他の店でも「かやき」を食べたけど、たいていは一人用鍋を使ったものでした。ここのは語源通り貝を使ってくれます。ちょっとしたことだけど、意外と印象深いんですね。

酒は「半合おまかせ」というコースがあり、少しずついろんな地酒を試したい人には打ってつけ。ちょうど冷やおろしの時期に行ったのでどれもこれもおいしかったし、秋田でしか流通していないような小さな蔵のものも多くあって実に楽しく飲み比べしました。

こういう日本酒の店は、ご主人も日本酒好きが多く、カウンターの向こうで酔っぱらったりしていたりしてどこかベタッとした距離感の店が多いんだけど、この店は素っ気ないくらい客観的。ある意味都会的なあっさりした距離感。ボクにはこの距離感が気持ちよかったです。
秋田っぽい店かと言われるとたぶん違いますね。旅の地での暖かさに触れるとかではなく、ちゃんと酒と料理に向き合う感じです。東京にあったとしてもトップクラスの居酒屋として知られることでしょう。

ちなみに店員さんは秋田美人でした。見惚れるくらい。
そういう意味では秋田っぽいか(笑)。ほの暗いあの空間。また行きたいな。
posted by さとなお at 06:10| 居酒屋 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年03月22日

いとう:和楽(渋谷)

>まぁそれはそれとして、ちょっと前に再訪したのですが、
>美しさはそのままに、料理は強くなっていました。

そうなんですか。
ぼくも以前の美しくて線の細い印象をずっと持っていたのでが、変化しているんですね。ミシュランもちゃんと見てるなあ(笑)。ミシュランという迷惑な巨大台風が通り過ぎて、星を取ったもののナントカ今までどおり踏みとどまっている店と、少し別の方向に曲がってしまった店があるような気がします。ま、そんなことはいずれ書いてみるとして、

ぼくも、もう少し読みにくい店名で引っ張ってみます(笑。
渋谷にある「和楽」。これで「わく」と読ませます。
漢字なのでフランス語などよりなじみもあるし、和に楽しいと書いて・・・、などと伝える方法も簡単。また、「わらく」なら同名の雑誌があったり飲食店にもありそうで、それを嫌ったのかもしれません。でも、やっぱりちょっとつらいかなあ・・・。

さて「和楽」。実は「なごみダイニンク」とのキャッチフレーズがついていまして、ぼくが一番苦手なダイニング系。自主的に行くことも友人が連れて行ってくれることもなかったはず。ただ、仕事で付き合いがある方は、ほとんどがぼくの食べ好き本性を知らず(ただのノンベイと思われているようで)、こういった機会にタマに恵まれることもあるのです。

で、この「和楽」。予想に反してといったら失礼ですがとても居心地のいい店でした。場所は渋谷の桜丘方面。前回も書きましたが(笑)スクランブル交差点を渡ることなく(歩道橋と坂道は少々つらいですけど)、坂を半ば上がりきったところを折れた一角。

表には大きな看板も出ておらず、知らずに行くと別のレストランに入ってしまいそうなほどの細い路地を進んで左。「ここだよ」と連れられた瞬間、その看板のロゴ(いかにもなデザイン)を見てダイニングバーか・・・と逡巡。入口は小さく隠れ家的ながら中は狭く感じない(天井高もそこそこある)ワケアリの空間。しかも、ラウンジ風の白い椅子だったり、入りくんで個室が作ってあったりと、典型的なダイニング仕立て。

ところが、カウンターに陣取って食事をスタートさせるとそんな気分も一変。とても気骨のあるシンプルな(中には一工夫凝らした)居酒屋料理(板さんも男っぽい人ばかり)、温かい女性のサービス、十分すぎる焼酎のラインナップ(ま、色のついた甘いロングカクテルも数多くメニューにはありましたが 汗)、そしてとても安価。
渋谷にして、下町の正統派居酒屋でオッサン同士腹を割ってじっくりと飲んでいるような、不思議な高揚感に見舞われました。

日付が変わっても営業しているようだし、ここは渋谷の隠し玉として知っておくに足る良店だと思います。「和楽」の料理やソフト面とは違和感のある内装も、店全体を居抜きで借りたので、こういう形でしか打ち出さざるを得なかった(渋谷ということもあるし)のかなあと解釈もできそうです。

なお、「和楽」にはとても充実したウェプサイトがあり、更新頻度も高く頑張っておられるんですが、このウェブサイトからもぼくが実際に訪れて感じた「和楽」の魅力は伝わりにくいかなあ。コミュニケーションの手法にはまだまだ改善すべき部分があると、今回も痛感してしまいました。
posted by 伊藤章良 at 16:35| 居酒屋 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年12月16日

さとなお:東京バルバリ(京橋)

おおっと、ごめんなさい。金沢とか行っていて、一週間以上あいちゃいました。もっとお互い3日おきくらいには更新したいですね。すいません。

じゃ、行ってきたばかりの金沢の店を、と思ったけど、「また地方かよ」と読者の方々に言われそうなので、金沢ネタは少し取っておきます。10月12月の2回の金沢行きで25店ほど開拓したので、ネタはたくさんあるんですが…。

ということで、「シェ・イノ」の京橋つながりで「東京バルバリ」を。
(ちなみに、ボクも最近、クラシカルなフレンチが食べたくて仕方ありません。繊細かつ懐石的なモダン・フレンチに飽きているのかなぁ。「シェ・イノ」は以前の場所のときは悪い印象が勝っていたのだけど、現在の場所に移ってから行ったときはとても良かったです。また行きたい)

この店、もともとは「日本橋ぼんぼり」の京橋店だったそうですね。本店はまだ日本橋蛎殻町にありますが、ここは「東京バルバリ」と改名して一線を画したみたいです。改名前を知らないのですが、鴨のバルバリ種から店名をとっているらしいので、炭火地鶏焼きの「ぼんぼり」よりも洋風に方向転換したのかもしれません。

1階はカウンター、2階はテーブル席のようで、1階のカウンターに座りました。
適度に暗い店内はなかなかオシャレだし、ドア近くの席には膝掛け毛布なども用意されていて、気遣いも行き届いています。かといってオシャレすぎず、いい意味での「男っぽいガサツさ」も残してあって、ボクには魅力的でした。

ここはメニューがすばらしいですね。
「これはどういう料理かな?」とか「これ、食べてみたいね」とかいうメニューがずらりと並んでいます。しかも通常メニュー以外に手書きのおすすめメニューがあり、もう迷いまくり。でも一皿のポーションが大きいので、そんなにたくさんオーダーできないのが残念。あれもこれも食べてみたいから、近くにあったら通うんだけどなぁ、と嘆息する感じの店です。

よくよく見ていくと、イタリアン系ですね。イタリアン系創作居酒屋洋食?(わけわからんか)。つか、フレンチのテイストも入っているなぁ。まぁちょっと前なら無国籍料理と分類されちゃうタイプの店かもしれません。

そして肉が多い。鴨やあぐーや短角牛などが特に惹かれます。火加減が上手なので香りも良く、満足度高し。魚系もぶ厚めに切ってあり、これは4名くらいで来ていろいろ頼むのが吉、と思いました。

そして〆のご飯類と麺類も、どれもこれも食指が動くメニュー。あぁこの店は危ない。際限なく食べちゃいそうだ(笑) 

がっつり系で、イタリアンやフレンチのテイストがあり、肉もおいしく食べられる居酒屋、という、ありそうでなかった店ですね。よく「今日はイタリアンにしようか、いや居酒屋でもいいな、居酒屋でもいいけどワインが飲みたいな」みたいな迷い方をしますが(日本人特有のボーダレス)、いろいろ兼ね備えているので、迷った日はオススメかも。酒類もワインから焼酎までよく揃っているうえに、ちゃんと安めでおいしいのも用意されています。

個人的には創作料理店は好きではないのだけど、この店は楽しさが勝っているので気に入りました。客を楽しませよう、という意志を強く感じる店でした。
posted by さとなお at 11:20| 居酒屋 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年11月11日

いとう:須弥山〈吉祥寺〉

>ボクも先月、友人に連れられて半信半疑うかがったのだけど、なんと
>今年101歳になるおじいさんがいまだ現役で店に出ている居酒屋なのです。

すごいなあ。78歳でも相当驚きましたが、101歳ですか・・・。
居酒屋で、カロリーが低くて栄養価の高い食材の賄いを食べておられるからなんですかねえ、とバカみたいなことを考えてしまいました。

そういえば、最近おいしいおでんも食べてないことを思い出しました。「かにめん」うまそうですね。香箱は有名な相方よりも好きだったりします。それにしても「かにめん」のめんは麺のことですか。

ところで、最近よく、「対談は地方の店ばかりですね」と言われることが多いので、都内の居酒屋を一軒紹介します。
吉祥寺の「須弥山」、しゅみせんと読みます。吉祥寺に長く住む方かに連れて行っていただいて、とても感動しました。

吉祥寺は、近鉄百貨店があるので関西人お気に入りの街(笑〉として有名でしたけど、個人的にはあまりなじみがなく、ピンポイントで著名な店を何軒か渡り歩いたことがあるだけでした。

ところで、ここ数年自分の中での居酒屋の位置づけが変わってきています。まず、うまい魚は鮨屋でいただくことが多くなったので〈魚なら魚だけしか取り扱っていない鮨屋にはかなわないと思うんで〉、居酒屋で刺身を食べることはほとんどなくなりました。

となると、居酒屋では魚ではなく肴、つまりすばらしい日本酒とそれに合う酒肴を店主の主観で取り揃えていて、その店主とのベクトルが合ったとき、自分のお気に入りとなるのかなあと。

「須弥山」は、香りや華やかさに頼らない、重厚で真摯な作り手の酒が並んでいて、提供の方法も的を得ています。逆につまみには、匂いや個性を大切にして、日本に拘らず西洋の食材やレシピも使いながら、日本酒との相性を探ります。

最近のぼくの中では、チーズを工夫して日本酒のつまみとして置いている店は秀逸との経験知ができつつあり、「須弥山」のカニ味噌をアクセントにしたチーズは忘れがたいです。

「須弥山」は、吉祥寺にあり、若いスタッフで構成され、一瞬一瞬の店の雰囲気や喧伝のされ方もダイニングバー的な部分が見え隠れして少し残念なんですが、実は相当気骨ある居酒屋。
ぼくは居酒屋に名物おやじや女将を求めてしまうところもあるけど、
「須弥山」では不思議とそれを感じさせない謙虚なパワーにも溢れています。
posted by 伊藤章良 at 22:25| 居酒屋 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年11月05日

さとなお:大関(金沢)

年齢で来ましたね。年齢なら金沢の居酒屋「大関」を。
って、ボクも先月、友人に連れられて半信半疑うかがったのだけど、なんと今年101歳になるおじいさんがいまだ現役で店に出ている居酒屋なのです。
いや〜、ホントに店に出ているよ〜、と、ちょっと驚きつつ。
白衣に高下駄。裏口のドア前にどっかと座って、必要があれば板場にも立つんですね。その下駄のまま金沢の街を闊歩するとかで、とても粋なおじいさんとして有名だとか。

このおじいさんが初代なのだそうだけど、創業は昭和32年。老舗の部類ですね。
そしてまた素晴らしいのが、そのおじいさんを筆頭に家族経営なところ。
板場にお父さん。洗い物担当が長男。揚げ物担当が次男。店全体の取仕切がお母さん。んでもってフロア担当がおばさん(お父さんのお姉さんらしい)。親子三代が温かく迎えてくれるその雰囲気が良いです。

全体に古くて素っ気ない造りの大衆割烹系居酒屋だけど、こういう店は落ち着きますね。
横に長いカウンター内ではおでん鍋がぐつぐついっていて、名物の「かにめん」がなかなかです(香箱の身を甲羅に詰めて蒸したものを注文がきてからおでんだしに沈めて煮るもの)。ちょっと甘めのおだしも美味。素朴なおでんで飽きません。
新鮮な魚もいいし、焼きも上手。蓮蒸しやだし巻きも人気みたい。加賀治部煮もうまかったな。

カウンターの常連さんに混じっておでんをハフハフ食べていると、地元民になったようで楽しいですね。
お座敷もあって、若者が宴会していたりしますが、それもまた地元っぽくていい感じ。
雪の降る寒い日にマフラー巻いて手をこすり合わせながら「こんばんわ〜」と101歳のおじいさんに挨拶して店に入るような、そんな極楽な絵が思い浮かぶ感じです。
posted by さとなお at 04:32| 居酒屋 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする