2006年01月18日

いとう:笹田(西新橋)

>特にメシのときは、食べる楽しさを知っている女性こそ「美女」です。

同感です。でもモデル顔の客観的美女と違って、そこが逆に難しいのかもしれませんね。

「中国料理 小花」ですか・・・。丸の内界隈にある「ビルヂンク」と銘打っちゃうような古い建物の地下食堂街は、昔からの隠れた名店があるんじゃないかと、いつも昼時にうろうろしてしまうんですけど。カキのシーズンももうすぐ終わりなので急がないとダメだなあ。そういえばセリ蕎麦も食べ損ねました。それこそ七草のシーズンはもう終わりでしょうね(笑)。

今日は西新橋にある日本料理「笹田」
ここのご主人笹田さんは、「鮨しみづ」の親方、清水さんと築地友だち。清水さんの強い推薦があってぼくものぞいてみるようになりました。清水さん曰く、笹田さんはとてもまじめな性格で研究熱心。自分が修業先で学んだ魚の扱いと異なる料理法も、どんどん質問し実践される柔軟性も魅力なのだそう。「鮨しみづ」の新年会も「笹田」さんでやるんですよ、と言っておられました。

場所は西新橋(最寄は内幸町かな)オフィス街の一角。もともと鮨屋だったという縦長の狭い空間ながら、カウンターは清潔でゆったり感もあり落ち着けます。鮨屋だっただけに板場もかなり狭いらしく、ハモの骨切りをするとひじが後ろの壁に当たるんですよと、ご主人。

客席の後ろはほぼ全面ドアとなっていて、ササッとつまむ鮨屋なら開放感もあっていいけど、懐石をじっくりいただく日本料理店では冬場は底冷えするのではとの心配がありました。ところが、客の足元にちゃんと暖気が届くよう、工夫してファンヒーターを使っておられ、そんな細かい気配りができるところも「笹田」ならではといえるかもしれません。

笹田さんは新橋の「京味」で10年修業。ただ、昨年末には200近く出るという「京味」のおせち作りを手伝いに行っておられたとのことで円満の独立なのでしょう。しかし凄い数字です。ひとつ10万で売ったとしたら・・・。春まで休業にしても十分オッケーではないのかなあ(笑)。「京味」は東京のお金持ちのための和食店との印象がありますが、笹田さん曰く、年中でもっとも高額な丹波の松茸が出回る時期が一番混むらしいです。

「笹田」は、もちろん「たん熊」「京味」の流れを汲む純粋な京料理ですが(新年には白味噌のお雑煮もいただきました)、前述したように、ご主人が築地通いで学んだ成果にも、若さや勢いが感じられていいバランスです。

ご主人の笹田さんは、奥様の女将さんもあきれるほどお酒に弱いそうで、そのせいか以前までの酒のラインナップには寂しいものがあったのです。ところが、どこで聞きつけたかフードライターの梅谷昇さんが取材に来て、笹田さんに長谷川酒店を紹介したのだそう。先日うかがうと酒のメニューが一気に、西大島の「輿兵衛」銀座の「小十」のようになっていました(笑)。これからは、呑んべいにも突っ込まれることはなさそうです。
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2006年01月07日

さとなお:嵯峨野(銀座)

> いつ寝ているんだろーと

ええと、寝てません(笑)。
年末年始はあんまり寝なかったですね。その疲れがいま出ていてフラフラです。
もつ鍋でも食べて元気だしたいですねぇ。でもこの時期どこも混んでるからなぁ…。

リニューアルについては、今度会った時にご意見など聞かせてくださいね。


さて。
年末に行った数少ない店のひとつに「嵯峨野」があります。

仕事帰りに連れてってもらった店ですが、銀座の割烹なのにとてもカジュアルで、見た目は居酒屋にしか見えません。居酒屋なのに割烹のクオリティ、といった感じでしょうか。オヤジさんもお母さんもとてもやさしいし、温かい。肩の力を抜いてくつろいで飲むにはとてもいいと思います。

当日あまりにくつろいでしまって、その後仕事に戻っても緊張感が戻らず困ったのを覚えています。

その夜いただいた中では「牛すじの煮込み」が特に印象に残っています。
他には「鶏だんごと白菜のスープ煮」や「ポテトサラダ」、「鯨の生姜焼き」や和え物、ぬたなどがとてもうまかった。あ、はたはたのぶりっこもネバネバで珍味だったなぁ。
全体に「嵯峨野」というだけあって、京のおばんざい系ですね。でも上品すぎず、優しく楽しい料理群になっています。煮物やおひたしがちゃんとしていて、焼き物と揚げ物のバラエティもある。きちんと仕事がしてあるけど、それを正面きって主張してない程の良さ。

決して「すごく印象的」という店ではないですが、安心してちょこっと飲める銀座の店として持っておいていいカードのひとつです。こういう肩の力を抜いて飲める店、って銀座の奥にまだまだ隠れていそうですね。

銀座7丁目の細い細い路地の2階にあります。日航ホテル前のヤナセから数寄屋橋方面に歩いていってすぐの細い路地をずずっと奥に入っていった右側です。
posted by さとなお at 11:26| 和食(小料理・割烹・郷土料理) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年11月14日

いとう:和味りん(新宿)

やはり「勇」「手打ち蕎麦 成富」の近くだったんですね。何度も歩き回ったんだけどなあ。残念。でもおいしい蕎麦が食べられたのであの日は満足でしたが。

「カナユニ」は、大阪で暮らしていたころから東京に行ったら必ず行く店リストに入っていて(「1stバーラジオ」とか「EST!」とか「琥珀」とか「クール」とか)、右も左も分からない東京生活黎明時に一度だけ行ったことがあります。30歳そこそこのぼくにはリストのなかでも最も敷居が高く感じた店(というか客がかっこよすぎて)、一人前の大人になったら再訪してやろうと思いつつすでに十数年がたってしまいました。

1966年(丙午)生まれの友人を連れて行き「ここは、あなたが生まれた年にオープンしたんだよ」と言いつつボルドーの66を開けよう、というネタをずっと隠し持っていたんですが、あーバレバレですな。

で、今日はそんな昭和中期の洋風モダンに想いをはせつつも、2005年9月末新宿にオープンした新しい和食店「和味りん」です。新宿?和食??、な感じはぼくも全く同じですが、「和味りん」は花園神社近く新宿三丁目交差点すぐにあって、「よくこんな場所に落ち着いたイイ店をつくったなあ」と感心するぐらい「新宿離れ」しています。

ぼくは、ここの若い板長を彼が以前務めていた下北沢の店で知り、料理に対して真摯で優秀な人と強く印象付けられ、「独立したら知らせてね」とお願いしていたところ、新しく出資者を見つけ独立したとの連絡をもらいました。

細い階段を降りて地下に入ると、カウンター、テーブル、個室と、狭いながらもうまく区分けされていて、カウンター席でも低めの椅子にゆったりと寛ぐことができます。寿司店と日本料理店で修業をしてきた板長は、サウスポーながら器用になんでも作りますが、長年築地に通い築地のいいところも悪いところも知った今、逆に産直の仕入れに力を入れているとのこと。

「しみづ」をはじめとした最近の若い寿司職人も、築地に頼らず築地の休みにもいい魚を仕入れられるよう、産地と交渉して仕入れを行っている方が増えましたが、「和味りん」の板長もそのひとり。ただ、いつもきちんと同じものがあるわけではないウイークポイントは、若者らしくブログを利用して毎日その日の仕入れを公開しています。忙しい中大変ですが、ずっと続けていただければうれしいですよね。

「和味りん」は、まだマスコミ等で紹介されたことはないと思うので、板長のブログをお知らせしておきます。新宿で静かにゆっくりと和食を楽しみたい方にはぜひ。
http://blog.wami-rin.main.jp/
posted by 伊藤章良 at 12:47| 和食(小料理・割烹・郷土料理) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年11月01日

いとう:黒尊(銀座)

「TimeOut」面白そうだなあ。ぜひ今度見せてください。
そういえば、友人がこちらにも掲載のMasaharu Morimotoを担いで先ごろオープンした東京のレストランに行ったそうなのですが、あまりにヒドくてコース途中で店を抜け出し別のところで食べなおしたそう。ニューヨークで受け入れられたからといって、ニューヨークの「空気」がない、楽しみ方を知っているニューヨーカーも存在しない東京では、残念ながら同じとはいかないのでしょうね。

「CRAFT」いいなあ。「Gramercy Tavern」がとてもステキだったので想像がつきます。ニューアメリカン御三家と言われていた「グラマシー」「ゴッサム」「ユニオンスクエア」の3軒は、料理もさることながら客をいかに快適に過ごさせるか、を心得てますよね。時おり「Gramercy Tavern」を参考にしました・・・、みたいなキャッチフレーズの店が東京に登場するのですが、いったいどこを見ておられるのかと悲しくなります。

さて今日は、銀座にある日本料理「黒尊」です。場所は電通通りとコリドー街の間の道沿いにあるビル地下。隠れ家っぽい階段を降りると、厨房を前にしたカウンターが広がり奥には座敷もあるようです。「黒尊」とは四万十川の支流だそうで、清流の美しさを銀座にも、とのコンセプトで作られました。四国の酒・魚を中心にした素材重視の料理が味わえます。

聞いた話では、日本料理の板長とフレンチ出身の息子が厨房に立つとのこと。いわゆる付き出しや絶品のカツオ、盛り合わせのお造りが出た後、クリーム系のソースを使った鯛や窒息鴨のローストなどが供され、〆は握り寿司と椀、そして最後に素麺まで登場します。こうして書くと変則的ですがそこは親子のコンビネーション。コースの流れに全く違和感や淀みはなく最後まで楽しめました。

また料理人だけではなく、男性ばかりのスタッフ全員がご家族ではないか、と思えるほど店全体のチームワークが抜群でタイミングも絶妙。銀座のど真ん中にありながら、ほっくりとやさしい気持ちにつつまれながら、快適な時間を過ごすことができました。

席を立つ際に板長の名刺をいただくと、肩書きの部分には「老中」と書かれておりびっくり。「社長(経営者)は30歳台で私より20歳も若いいんですよ。だから老中にしました」板長の言葉に、最後まで笑いの絶えない楽しい店でした。
posted by 伊藤章良 at 11:29| 和食(小料理・割烹・郷土料理) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年10月24日

いとう:OKONOMIYAKIのろ(広尾)

さとなおさんは「時差ボケ」という言葉の似合わない人だと思ってましたが、今回は人間らしく悩んでおられるようですね(笑)。先々週のぼくの場合も、特に出発直前は毎日昼夜ない生活をして時差ボケになりにくいハズなのに、睡眠はいざ知らず食欲中枢の方が完全に狂ってしまって、いくら食べても満腹感が得られない状況でした(いつでもでしょ、とも言われそうですけど)。

「Asiate」というフレンチ、興味深く読ませていただきました。で、思うんですが、こういったアプローチの店はニューヨーカーだけではなく、結局今はパリジャンにも受けているんではないでしょうか。特にパリの高級店にて「和のテイストや工夫・創作の方向性、盛りつけの演出など」さとなおさんと同じことを多く感じました。ただ圧倒的に違うのは、食材の質ですね。こればっかりは、日本はもちろんニューヨークも大きく引き離されているような気がします。だったら逆に、パリでこそその素材のよさがストレートに伝わる料理を食べたいですけど。

さて、そんな話題から一転してお好み焼へ。
広尾につい先日オープンした「OKONOMIYAKIのろ」へ行ってきました。ここは大阪お好み焼選手権で1になったメニューが食べられる大阪系の店。店主は元吉本の芸人、大阪にも店があるようですが、ここ東京店は島田紳助がプロデュースしたと聞きました。

場所は、なぜか最近「リトル大阪」となりつつある、天現寺交差点近くの明治通り沿い。概観や店内へのアプローチはダイニングバー的で一瞬引きますが、飾られている祝い花が「松本人志」「宮迫博之」など、吉本芸人ばかりなので、ここで間違いないと確信。

店内も広尾らしくゆったりと贅沢な空間に仕上がっていて居心地は抜群。カウンターに座りましたが、カウンターの椅子もラウンジで使うような肘置きのついたゴージャスなもの。鉄板を前にして、さすが元芸人だけある通りのいい声で迎えられ期待十分です。

選手権で1になったという「のろ焼にんにく」をスタートに、塩焼そば、とん平等々。最後にこれまた1になった「のろ焼かいわれ」で〆てみました。あまり期待せずに行ったのですが、ホゥーとうなるぐらいの旨さ。コテコテの接客に比して、巧みに山芋を使うことで全ての焼き物が軽く仕上がっており、ソースやマヨネーズの付け方も絶妙。パスタでもうどんでもそうなんですが、ダシやソースによって埋もれがちな「粉モノに求めたい粉の香り」が、ここにはきちんとありました。

支払いはさすがに広尾価格ですが、そこはお好み焼。広尾で格安系の居酒屋に行って同じぐらい払うよりは、格段に満足度も高いと思います。難をいえば、少しお酒の種類と量が少ないことかな。
posted by 伊藤章良 at 18:35| 和食(小料理・割烹・郷土料理) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年09月21日

さとなお:日本橋 玉ゐ(日本橋)

羽田沖は深いところはキレイだと本とかには書いてありますが、どうなんでしょうねぇ。ヘドロとかまだあるとは思うのだけど…。穴子とか泥に潜るので…。

とか思いつつ、やっぱ穴子のうまさには逆らえません。
穴子つながりで行くと、日本橋高島屋の裏筋に最近出来た古い店(どっちやねん)、「玉ゐ(たまい)」をご存知ですか?
昭和28年に建築した酒屋を改築して上手に店にしていて、一見「おお、日本橋のすごい老舗か!」とか思うのですが、れっきとした新しい店です。でも店内もホント上手に作ってあって思わず歴史を感じてしまいます。空間デザイナーもどんどん上手になっていってますね。ここは気持ちよく騙されようと思うくらい上手に作っています。

この店の売りは天然穴子。
というか、メニューは穴子しかないと言っても良い(マグロもちょっとある)。そしてすべて天然ものを使っているそうです。
オススメを聞いたところ、「うちの名物の穴子の箱めしがよろしいと思います」とのこと。サービスは丁寧&元気で気持ちよかったですね。どういう風に食べるかも、細かく教えてくれます。

箱めしは、いわゆる重箱を使用した穴子重なのですが、面白いのは仕上げが選べること。「煮上げ」と「焼上げ」。客が選んだ方法で仕上げた穴子がごはんに載って出てきます(ごはんはタダで大盛も可能)。ボクは焼き穴子の香ばしさを楽しみたかったので「焼上げ」を頼みましたが、炭火ではないらしく香ばしさはもうちょっと。でもね、普通においしい。なかなかのものでした。

ちなみに、食べ方もわりと細かく指定してあります(笑)。
まず、ワサビで一口食べろ、と。
その後、擦りゆずとネギとごまをかけて食べろ、と。
それらを楽しんだあと、別注文の出汁(穴子の骨汁)をかけて、お茶漬けのようにして食べろ、と。

これ、うなぎの櫃まぶしと同じパターンですね。
マネっこ?と思いつつ、でも、意外と完成度が高くておいしいんですよ。3つの食べ方も理にかなっています。特に出汁がうまく、穴子めしとよく合いますね。穴子の香りと出汁のホッとする感が同時に訪れる感じが気持ちいい。おおおと快感に思いつつ、ほわーと腰の力が抜けていく感じ。ボクは気に入りました。なかなか満足度高いです。

箱めしは小箱と中箱があるけど、夜なら中箱、昼なら小箱、でしょうか。
小箱は量が少ないものの食べ終わるとまぁまぁの満足度。お椀(味噌汁:うまい)と漬け物がついて小箱で1600円と高めなので、ランチで利用するなら小箱でいいかも(中箱は2800円)。出汁(200円)を足して1800円。昼としては高いですけどね。
他に穴子ちらしや天麩羅セットもあり、穴子ちらしも見た目おいしそうでしたね。でも最初は箱めしかなぁ。。。

全体に演出が見えすぎてしまうと思われる向きもあるかもしれません。
コマを揃えてますからね。古い建物。老舗風設え。明るいサービス。天然穴子のみ扱い。食べ方指定・・・
でも、まぁそういう演出に乗っちゃってもいいや、おいしければ、と思わせる部分はあります。雰囲気もふくめてなかなかいいので、もしまだ行かれてなければ一度行ってみてください。

p.s.
ちなみに、この店限定の「穴子キティーちゃん」がレジのところで売ってます(笑)。
これも演出見えすぎなんですが、笑えていいなぁ、と。
posted by さとなお at 18:13| 和食(小料理・割烹・郷土料理) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年09月12日

さとなお:赤城亭(神楽坂)

テレビの選挙特集とか眺めているうちに、すっかりココの更新が頭からすっ飛んでました。
すいません。

霞町と打とうとしたら、香住町と変換されて、思わず民宿「大蔵」の焼き蟹を想いました。朝からなんだか香ばしいです。というのはどうでもよくて、「霞町嵐」は行ったことないんです。今度食べに行った帰りにでも連れてってくださいね。

>ああいった小路のいいところは、
>早目に軽く切り上げることも、
>それなりにじっくりと腰を降ろすこともできる柔軟性かなあとも思います。

それは本当にそうですね。自由度が高いのが楽しさの一要因ですね。
立ち飲みとかも自由度高いけど、小路全体にその雰囲気が漂っているともっと楽しい。

ちなみにボクも鰻は地焼き派です。江戸の料理法も大好きですけど、地焼きの香ばしさはまた独特。銀座の「ひょうたん」が地焼きでしたよね?

先日、神楽町の赤城神社(地下鉄神楽町駅からすぐ)境内にある「赤城亭」へ行きました。
神饌料理(神饌=お供え物)ということで、お供え物用の米(新潟産・植酸農法で作ったこしひかり)、塩(日本海の海水100%から作った塩)、水(富士山から流れ出た水)を使った、とっても優しい料理を出します。
昼は「赤城おむすび膳」というのをやっていて、ふわっと握った塩むすびがなんだかうまくて好きでした。ギュッと握るよりふわっと握る方がボクは好きです。中まで均一に空気に触れている感じ&ご飯がつぶれてない感じ、が好きなんです。米のおいしさもこの方がしっかり出てくると思うし。でもふわっと握ってくれる店、意外と少ないんですよね。

そういう意味では、素材はうまいし、お握りもうまいし、なのですが、でも、この店の魅力は「味」というより、やはりそのシチュエーションです。

赤城神社の鳥居をくぐった左側にある昭和モルタル古民家を利用していて、境内にあるだけあってとても静か。鳥居をくぐるといきなり緑豊かになる感じがうれしいです。特に昼飯時の気分転換にはもってこいですね。センスよく整えられた座敷に座ってしばらくすると、ざわざわと仕事のことを考えていた頭がすぅと静かになる。食べ終わってから赤城神社に参拝したりすると効果倍増。胃の中に入ったお供え物と神様が呼応するような感覚になります。

7月に出来たばかりの店ですが、もう数十年営業しているような感覚です(建物古いから、というのもある)。喫茶タイムもあるようなので、いつか企画に詰まったらここに来ようと思っています。
posted by さとなお at 07:14| 和食(小料理・割烹・郷土料理) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年09月09日

さとなお:うなぎ むら上(大井町)

伊藤さん、おかえりなさい。いろいろありがとうございます。
南伊、楽しかったみたいですね。ナポリとかは行ったことあるけど学生時代だからなぁ。あのころよりは食事経験が増えたので、いままた是非行ってみたいなと思っています。プーリア州とか行ってみたい…。

伊藤さんがいない間、わりと忙しくて実はあまりめぼしい店に行ってません。いわゆる「ネタがない〜」状態。困ったな。これから数回は淡々といくつかの店に触れてみたいと思います。

昨晩、大井町の東小路で遊びました。平和小路、すずらん通りなどをあわせて、すばらしい小路ですね。迷路のような細道に店がいっぱい。しかもどこもよく客が入っている。若い人もいっぱいいる。これが素晴らしい。「永楽」「ブルドック」「肉のまえかわ」などの有名店以外にもすごく客が集まっているところがあり「あぁこのあたりはゆっくり開拓したいなぁ」と思わせる地域でした。数年かけて一軒ずつゆっくり食べ歩いてみようと思います。

で、昨晩は「むら上」
うなぎ専門の立ち飲み屋です。
メニューには「うなぎ」「肝」「ひれ」各1串150円。「あたま」1串100円。それにビールと日本酒のみ。
コの字型のカウンターにバットが並んでいて、その前に立つんだけど、注文しなくても自動的にどんどん串が置かれるですね。それを食べていって、食べた串はカウンター上に直接置いて、最後に本数で精算というシステム。バットは微妙に傾けられていて、うなぎのタレが片側に溜まっているんです。溜まっていない方に串を並べ、それを取ってタレにつける。お好みでカウンター上の唐辛子をつけてもいい、という感じ。食べてる途中で追加づけしようとすると注意されます(笑)

炭焼きされたうなぎは蒸すという工程を経てないからか、歯ごたえもあり、酒がすすみます。ガリボリとあたまを食べて、絶品のヒレを味わい、香り強いうなぎを楽しみ、とやっていると何回転もしてしまう。いいなぁこの店。とても楽しかったです。

オヤジさんとかの佇まいもいいし、客も大らかに楽しんでいるし、心底くつろいじゃいまいした。この店を起点に東小路あたりを回ってみようと思っています。
posted by さとなお at 12:12| 和食(小料理・割烹・郷土料理) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年07月12日

いとう:最上(赤坂)

「山路」、こちらを西麻布の鮨店と思っておられた方も多かったようです。鮨の話が出てこなかったけど・・・、と言った人もいました(笑)。西麻布の「山路」は故松田優作もひいきにしていたそうですね。

銀座の「山路」もなかなかの隠れた名店です。ぼくも最初は一見で行ったので、たぶん一見でも入れると思いますよ。というか、ランチもやってたような記憶があります(不確か)。昼飯ランクアップ計画にいかがですか。

今日は、大阪に本店がある串かつ「最上(もがみ)」の赤坂店。
大阪には「揚げ」の文化があるようなことを以前書きましたが、その最高位にある串かつ店の一軒です。ご承知の方も多いかと思いますが、大阪の高級(こういう書き方はしたくないのですが、便宜上)串かつのスタイルは、流れに任せて揚げていただいて、おなかがいっぱいになったところでストップをかけるシステム。

全てが小さい一口サイズだし、新鮮な食材と油を使っているので胃にもたれないし、衣の中身には毎回驚きがあって楽しい、いわば日本のビンチョス。子持ち昆布の串かつが出されて、確かに想像はつくんですけどエッと思うぐらい旨かったな。

「最上」のかつは、東京でも頻繁に見かけるようななった「串の坊」や、大阪では一大勢力を誇る「活」より、少し衣が厚く揚げ方が浅いように思いますが、その分ソース(にもとても個性あり)が絡みやすいのと、衣が柔らかくてフレッシュ感があります。

決して安くないんだけど、「最上」の赤坂店は、ホスピタリティも高く、椅子やテーブルなどの感触もとてもよくて、和食の一軒としてもおすすめです。
posted by 伊藤章良 at 16:28| 和食(小料理・割烹・郷土料理) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年07月10日

いとう:山路

1日飛んでしまいました。すみません。
今週末からまたジュネーブに行くのですが、現地の会社から大量に見積書が送られてきまして、その解読をするのに昼間えらく時間がかかり、夜はまたまた飲みに行ってしまいまして、1軒で帰るつもりが1軒に12時近くまでいてしまい撃沈。さとなおさんほどではないですが、ぼくもベットで寝るもパジャマには着替えていませんでした。

「ハンニバル」は、すばらしいとのお話を多方面の方から伺いながら、未だ訪問かなわずです。さとなおさんの言うように生活圏にない、というのも大きいですね。原宿にできた支店は最近の徒歩通勤路なので毎朝前を通っており、ブルーを基調としたとても感じのいいエントランス。一度入りたいなあと切望しています。それにしても「ハンニバル」とは世界史上の名将軍の名前だったかと思いますが、トーマス・ハリスの「羊たちの沈黙」や「ハンニバル」に出てくる博士(アンソニー・ホプキンスが好演)の名前がハンニバル・レクターで人喰い(Cannibal)ハンニバルと称されていて、なんかイメージが・・・。

週末、銀座にある「山路」に行ってきました。銀座の外れ中央通り沿いビルの地下にある隠れた名店。汐留界隈のお偉方や海外からのお客様も多いようで当日も満席。訪問は三度目ですが今回が一番よかったなあ。図らずもコースの大半は一週間前にいった京都の「千花」と同じ(テーマも鱧と鮎で価格帯も同様)。「千花」の印象が多少弱めだっただけに、鱧の梅肉、鮎の塩焼きなど「山路」のストレートなおいしさには感動しました。

ただ「千花」では、鱧を握りずしにしたり鮎を雑炊にしたり(しかもお刺身は鱸でした)と、かなり変形。おそらくはご主人が納得する鮎鱧の素材が揃わず、やむなくアレンジを加えておられた様子。逆に「山路」にて同じ食材と接することによって、それを教えられました。

こうやって、時を置かず同じ食材をリクエストして食事をすると、日々の仕入れによるおまかせコースを頼むのと違い、料理人の苦労や想い、そして実力も伝わってきます。「山路」でも、西日本で天候不順が続いたため前日まで鮎が入らないといわれていて、いざ鮎が運ばれてきたときには大感動でした。
posted by 伊藤章良 at 11:05| 和食(小料理・割烹・郷土料理) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年05月30日

さとなお:霞町一

先週、久しぶりに「霞町一(ぴん)」に行きました。
夜9時半くらいに行ったのだけど、女優とかあやしい業界人とかがまったり夕食をとっていて、独特の雰囲気。きっと彼らから見たらこっちも相当怪しい感じなのだろう、と同行者(男)と話しながら、ゆっくり楽しみました。

というか、あの店、ただでさえ出てくるのが遅いのですが、その晩は従業員がふたりしかいなかったので、最初のお皿が出てくるまで2.30分かかるし、お酒のお代わりすら5分くらいかかる始末。ちょっと遅すぎ。男ふたりなので酒や料理が出てこないと会話に詰まって困りました。
でも、そうやって異様にバタバタしているのに、あそこの女性たち(従業員は女性のみ)は、料理とかお酒を置いていくときに必ずなんか話していくんですね。「このほおずき、何かの味に似てるんですけど、どうしても思い出せないんですよー。当てたら何か一品さしあげます」とか「そう、よく姉妹?とかって言われるんですよ。もし姉妹だったらどっちが長女でしょう?」とか。忙しいだろうにゆったりと話していく。そんな会話があるからか、こっちもそんなに遅いことに腹立たない。いい循環でした。やっぱり店ってサービスで大きく変わりますね。当たり前ですが。

味は相変わらずホッコリしてて良かったです。
その晩は特に「ごはん」が良かったな。ええ、いつもいいんですが、今回は特にいいと感じました。うまい。味噌汁も少し赤味噌を多くしたと思う。前よりうまくなってました(というか好みの味に近くなった)。
丹念に素材を選んで、ゆっくり丁寧に作っているのが伝わってくる料理群。これからも折に触れ利用させていただくと思います。
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2005年04月26日

さとなお:赤坂潭亭

「おか田」ですが、「七蔵」の近くにあったという記憶はありませんが、シェフはホテル出身ぽい雰囲気ではあります。シェフ帽かぶってるし。肉はレアレアだし、同じ店かもしれませんね。

下井さんに会われたんですね。ボクもロス出張があったとき、アポ取ったのですが、ボクの仕事の都合でダメになっちゃいました。うまいスウィーツ、食べたかったなぁ。

昨晩は女優の室井滋さんと赤坂の沖縄割烹「赤坂潭亭」(たんてい)と四谷の焼酎バー「羅無櫓」(らむろ)をハシゴしました。どちらの店もボクは二回目。「赤坂潭亭」は以前は地下のみだったのですが、一階に建て増しして店が広くなってました。はやってるんですねぇ。

ボクの本「沖縄上手の旅ごはん」が文庫化されるのでその解説を書いてくださるということでお会いしたのですが、「どうせなら東京で一番おいしい沖縄料理の店に行こう」ということになったんですね。でも考えたらボク東京でほとんど沖縄料理店に行かないので知らない…。いきなり面目を失う事態に。つか、沖縄料理って東京で食べてもシズル感なさすぎてダメなんですよ、個人的に。で、室井さんのチョイスで、室井さんの事務所から近い「赤坂潭亭」になったんです。

ただ、このお店、沖縄料理というよりは、沖縄割烹(しかも相当高価)なので、本の解説対談としては不完全燃焼でした(個室は静かで話しやすかったけど)。やっぱ「ヤギ汁! ナーベラー! ジーマミー!…」と、大衆食堂系でウハウワ盛り上がりたかったなぁ。ボクが店を知らないからイケナイんですけどね。少し東京の沖縄料理店、研究しておこう…。「リトル沖縄」系列か「きよ香」系列か…それ以外、どこかなぁ…三田の「アダン」か……
posted by さとなお at 21:40| 和食(小料理・割烹・郷土料理) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年04月09日

さとなお:蔬菜坊

「カフェフレンズ」、穴場ですねー。知りませんでした。

花見の予定はないんですが、昨晩8年ぶりに行った目黒の「蔬菜坊」で机上で桜を感じました。
あそこは蔬菜7種和え盛りが最初に並ぶのですが、そこに必ず季節の花や葉を飾ってくれるのですね。それが枝付きの桜で、見事でした。全種類揃っている菊姫に花びら浮かせてゆっくり飲んでいると時間を忘れます。で、忘れすぎてさなメモみたいなことになったのですが…(笑)。

実は「蔬菜坊」のご夫妻の"濃さ"があまり好きではなかったんですね。ご主人の食材への凝り方や菊姫をズラリと並べる感じ、店の佇まいやサービスの有り様など、いろいろ少し肩が凝った。でも昨日8年ぶりに行ってみて、8年前とまったく変わらなかったその"濃さ"に少し感動を覚えました。そうか、8年ずっとこれをやってこられたのか…。だったら本物かもしれない。それは素晴らしいことかもしれない。
で、料理がきちんと進化してた気がします。わりとちまちました和え盛りって好みではないのですが、それぞれに完成度が上がっている気がしました。これもなかなか凄いこと。
んでもって、女将さんも相変わらず酔っちゃって…、面白い店です。好き嫌い分かれるでしょうね。ボクは以前はそんなに好きではなかったけど、今はわりと好きになった、そんな感じです。座敷にあぐらが大丈夫であれば、海外からのお客さんとかわりと喜ぶかもしれません。実際、前にお連れしたハンク・ジョーンズさんやポール・ニューマンの娘さん(名前失念)は、あぐらに閉口しながらもワオ!の連発でした。
「二葉鮨」「万歴龍呼堂」なんかと並んで外国人用として使えるかも「蔬菜坊」
posted by さとなお at 18:22| 和食(小料理・割烹・郷土料理) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年04月06日

さとなお:浜松 割烹「弁いち」

さなメモでも書いたけど、浜松の「弁いち」さん、とても良かったですよ。

素材を厳選して、丁寧に丁寧に作られているのが目からも舌からも鼻からも感じられる料理群。なんか久しぶりに「心を込める」とはどういうことか、思い出した気がします。こういうのに比べると鮨ってやっぱりインスタント料理だなぁとか、食感や味わいを複雑に組み合わせる割烹の凄みってやっぱりある程度の食経験が必要なんだろうなぁとか、もう少しインパクトをつける方法とかもあるんだろうけどバランスとか流れが崩れるんだろうなぁとか、まぁわりと初心者みたいな感慨をもう一度心の中に読み起こした感じ。うまく説明できないけど、なにか根本的なことを思いめぐらしたくなるようなお料理、ということです。
かすべの煮こごり、鱒寿司、蛤しんじょう、地のさより、ヒラメ、滋味溢れる煮物群、赤ムツ焼き、白魚の卵がけご飯など、すべてにホッコリ、心においしい。んでもって、ご主人、ビッグバンドジャズ出身のせいなのかどうなのか、いい意味で素材のアレンジャーに徹しているようなところがあり、ハーモニーも抜群でした。

「こういうお酒を出すと、お料理よりお酒の感想ばかりいただいちゃうんですよねー」と苦笑しながら料理に合わせていただいたお酒がまたすごかった。特に印象に残っているのは、宗玄、泉、村祐、八海山大吟醸(特別)、黒龍石田屋、達磨正宗23年古酒。あれ?全部かな…。翌日、万博会場をすげー歩かないといけない、という心の縛りがなければ思わず飲んだくれたであろう旨い酒群でござんした。個人的好奇心をくすぐられたのは村祐というワインとしか思えないお酒とオロロッソかポートか潮風モルトかを思わせる達磨正宗古酒。こういうのを飲むと鮮度狙いの日本酒ってどうなのかなとまた考えさせられます。チーズも出していただき、いろいろ合わせて楽しみました。

お座敷割烹が中心の店なんだけど、カウンターが4席あるので、板前さんと話ながら食事できます。伊藤さん、そのうちご一緒しましょう。
posted by さとなお at 12:01| 和食(小料理・割烹・郷土料理) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年04月05日

いとう:弁いち(未訪ですが)

朝からずっとブログの調子が悪く、なかなかアップできません。
いろいろな方に聞いてもブログサイトってこんな感じなんですかねえ。まあ無料で使わせていただいているので、偉そうなことはいえませんが。

さとなおさんから、オープン間もない「愛地球博」へ行くと聞かされたとき、誰しも「お仕事で大変ですね」と思うんだけど、実はお嬢さんの春休みだから。というオチはなかなかステキで、他でもちょっとネタに使わせていただきました(笑)。

「弁いちの板前日記」、ぼくもひそかにROMしていたんですよ。ブロクという習慣や言葉すらないころから、とても内容の濃い日記を書いておられて、いつもいろいろと教えていただいております。また、数年前こちらの日記で、普段はやさしく穏やかな語り口なのに、とても強い口調で書かれていて胸を打った思い出がありました。

とある週刊誌のグルメ記事が、京都の割烹「千花」「千ひろ」を取り上げ、感情的に茶化しているのに対し、強い憤りを訴えられていたのです。一部こちらに転載させていただきます。(「千花」は、フランスのヌーベルキュイジーヌにも影響を与えたといわれる京料理の名店。現在は、二代目の兄が先代から引き継ぎ、弟は独立して「千ひろ」を開いた)

「有象無象、匿名ネット上の愚にもつかないグルメ批評ならともかく、相当部数の全国誌でこういう名店を芸能人を批判するようにコケにするのはやめていただきたい。普段なら、どうでもいい安売り店をたいした取材も無く、取り上げるくらいが関の山の週刊誌なのにどうしたことでしょう。こんなひどい企画を堂々と載せてしまって。

私達職人は比較されるために仕事をしているのではありません。星の数や点数で店を評価するのにはなれましたし、心ある批評は職人の向上心を刺戟することはありますが、兄弟の店を取り上げてどっちがいいとか悪いとか比べるのはいかにも趣味が悪いものです。

「千花」さんご家族の心痛を思うといたたまれません。
日本の宝といってもいいほどの名店なのですから「千花」さんは。」

さとなおさんは、こちらの方とネット上でのお付き合いがあるとのこと、さすがです。
初訪問楽しみですね。ぼくも浜松に行く機会があったら、ぜひ訪れてみたいです。
posted by 伊藤章良 at 15:47| 和食(小料理・割烹・郷土料理) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする