2008年04月29日

いとう:鈴なり(四谷三丁目)

>では、ボクも神楽坂。割烹の「弥生」をご紹介。

神楽坂ってやはり「割烹」というイメージがしますね。
特に小説家に愛される店は、さとなおさんが言われるとおり、わがままな要求を様々にこなしてこられた歴史があるんでしょう。さとなおさんは、最近そういった店にもちょくちょく行かれているようですが、ぼくはなかなかその域は遠いなあ・・・。

>なんかこういう店で完成度の高いその手の料理を食べるって
>楽しくない?

そうです、そうです。意外と大阪ではそういった店も様々に経験してきたんですが、東京では余裕がないかもなあ。その店のスペシャリテを食べたい、という欲求が強いからかもしれません。

ということで、ぼくは、東京で神楽坂に似た風情も持っている四谷三丁目、というか荒木町から、同じく日本料理の「鈴なり」です。

ぼくはこの荒木町界隈が大好きで時々ひとりでふらつくんですが、交通至便な場所ながらみんなで食事をするにはなんとなく選択肢に入れにくいところがあります(いい食事処にいいバーもあるのに)。そんなこともあってか、最近は夜歩いていても人通りが少なくて寂しい限り。

ただ、荒木町の大人の雰囲気を好む若い料理人が逆にココに集まりつつあるウレシイ傾向も感じていて、「鈴なり」もそんな一店。

いわゆる杉大門通りを入って右に折れ、やくざ映画のロケセットのような細道に入る。「こくている」やさとなおさんも以前書いておられた「羅無櫓」を見ながらもう少し進むと、真新しい和風の壁が見えてきます。

ただ、ココまでの完璧なアプローチを経て店内に入ると、少しガッカリ。ホームページの写真で見るイメージよりかなり雑然としており、テーブル席のコンパ風男女を含んでカウンターもずらっと女性ばかり。デートなどで気合を入れて行くと肩透かしになる可能性は大かな。

そのカウンター席は、幅が狭く様々なモノが鎮座し、椅子が高く(背もたれがなく)少々落ち着かない。と、それも分かるのは、「鈴なり」のコースは4500円からというグッドバリュー。それを一流の日本料理店で修業をした料理人が、八寸やお造りなど鮮やかかつ豪華な盛付けで提供します(カウンターが狭すぎて、その盛付けが今ひとつ生きないんですが 笑)。

コースの流れもきちんと練られてブレがなく、もっと落ち着いた内装のゆったりした店で提供されたら10,000円近い請求をされても納得できそうなというと(言いすぎかな)。カウンターの幅が狭い分板場との距離も短く、料理人の息吹が伝わるライブ感もいいし、照れながらも丁寧に客と応対する板長のキャラもすばらしい。

ただ、安価なだけに客層の乱れは否めなく(多くのフリーペーパー系にも出ているようで)、そのバランスが今後の課題かなあ。最初から大きく構えた割烹にしなかったというのも店主の意図でしょうから、今後の成長や展開も楽しみです。
posted by 伊藤章良 at 22:27| 和食(小料理・割烹・郷土料理)

2008年04月25日

さとなお:弥生(神楽坂)

>「ラリアンス」。ここは昔、パラパラの殿堂とかいわれたディスコ
>「ツインスター」があった場所ですよね。

お、そうなんですか?
神楽坂のディスコには行ったことないし、パラパラが流行っている時はとっくにディスコ引退してたので知りません。でもそう言われると店の造りにその名残が感じられますね。

では、ボクも神楽坂。割烹の「弥生」をご紹介。
神楽坂の坂を上がっていって、中程(セブンイレブンの前あたり)を左に入っていったところにある店です。

ここは故山口瞳をはじめ、作家系や出版系の常連さんも多い店で、そのせいなのか、普通の割烹より遊びがあって面白いです。
きっと作家さんたちの「シチューが食べたい」とか「アジフライを食べさせろ」とか「賄いを出せ」とかいう我が儘にニコニコ応えているうちに、そういうのもメニューに載ったのではないかな、という感じ。いわゆる懐石コースもあるんだけど(12000円〜)、そういう懐石からはずれた遊びの一品もとてもおいしく、楽しいです。

その手のメニューは、ボクが試しただけでも、テールシチュー、イワシフライ、アジフライ、魚介のブイヤベース風、アスパラのバター炒め、あとは何を食べたかな…。なんかこういう店で完成度の高いその手の料理を食べるって楽しくない? 創作料理は嫌いですが、きちんと腕がある和食の職人さんが作る洋食とか、意外と好きです。

いわゆる懐石的一品ももちろんイイ。
焦点がちゃんと来ていておいしい。特に印象に残っているのは丸鍋(一人用の小鍋で出してくれる)。スッポン他の具の使いはシンプルなんだけど、ダシがよく、ちょうどいい加減にうまいんです。飲んだあとにちょこっといいですね。

前の店からほんの数十メートル移転して新しくなったのだけど、前の店を知っている人からすると「ちょっと趣がなくなったかな」という感じらしいです。まだ新しい作りで確かに少し「神楽坂的趣」に欠けるかも。でも広いカウンターはゆったり落ち着けるし、料理はおいしいし、なかなか好きな店です。テーブルと個室もあって使い勝手もいい感じ。
posted by さとなお at 09:21| 和食(小料理・割烹・郷土料理)

2008年02月29日

いとう:ほりこし亭(恵比寿)

>じゃ、博多続きで、居酒屋「久米」を。

>雰囲気は居酒屋ですが、料理は限りなく小料理・割烹に近い
>レベルの店です。

こういう店ってぼくも好きです。
東京にも何軒か知ってますけど、東京の場合お値段も限りなく割烹に近かったりするので、つらいんです(笑。

「甘めに濃い」福岡の味もいいですが、やはりバランスは大切で、
「久米」は覚えておくべき一軒ですね。

ではぼくは東京に戻って、居酒屋というか小料理というか・・・、の「ほりこし亭」を。

書いちゃていいのかな、と一部のファンに叱られそうですが、恵比寿駅から徒歩2分の至便さ、表の少々入りにくい雰囲気に比して店内の穏かな空気、女将さんの料理に対するこだわりと人柄。こういったタイプのお店に共感していただける同輩には、ぜひオススメしたい一軒。

と書くと、さとなおさんが先日書いておられた「すだち」みたいなトコロかと想像されるかもしれません。が、同じようにステキな店でもポジション的には対極かなと。

恵比寿に店を開いて15年目だそうで、並びにあった長蛇の行列で有名なラーメン「山頭火」と同期オープンと聞きます。すでにその「山頭火」は去り、向かい側にあったフランス料理の名店「レトワール」もなくなり、二軒隣りにテレビでも話題の鯛焼き店ができても、ずっと変わらず同じペースで営業を続けてこられました。

店内はL字のカウンターのみ。ところが、前出の「山頭火」をイメージして入れば意外に広い感じ。少し雑然としている点が逆に恵比寿っぽくなくて落ち着きます。キッチンには女性がおひとり。話してみるととてもサバけた方で、典型的な小料理屋の女将とは少し異なるモダンな印象。

ですが、つかず離れずの接客や様々な話題でのちょっとしたつっ込みなど、とてもテンポがよくてすがすがしく、その日一日の灰汁がススーと落ちていくような安堵感があります。

料理はちいさな黒板に。
すぐになくなってしまう煮込み、季節のお刺身、サラダ、焼き物など、ごくごく普通のメニュー。しかもすべておひとりでまかなうため種類も多くないですが、一品一品とても丁寧に作られていてどの皿も大盛り(これがうれしい)。
「ちまちまと皿に盛るのはキライ」だそうですけど、この量でこの値段!と大感激してしまうグッドバリューも魅力かな。

黒板には〆めの炭水化物系は載っていませんが、ご希望の方は勇気を持って尋ねてみると、裏メニューがあるかもしれません。
posted by 伊藤章良 at 23:23| 和食(小料理・割烹・郷土料理)

2008年02月25日

さとなお:久米(福岡)

>ここは、福岡に出張する際さとなおさんから薦められたような記憶があるんですが、
>今回の取材対象には入っていなかったようで・・・。有名店ですからねえ。

有名店ですよね。
今回も候補に入れていたのですが、「吉冨寿し」を気に入ってしまい、博多の鮨は打ち止めにしました。
ちなみに「取材」ではありません。下見で食べに行っただけです。その辺ボクの中では全然違うことなので、よろしくお願いします。

じゃ、博多続きで、居酒屋「久米」を。

雰囲気は居酒屋ですが、料理は限りなく小料理・割烹に近いレベルの店です。
博多って全体的に味が濃くてはっきりしている印象があります。辛めに濃い東京とは違って甘めに濃い感じ。そこに博多食文化のベース「とんこつ」が加わり、なんか博多っ子の「人情の濃さ」みたいな濃厚な味を感じることが多かったです。

そういう意味でちょっと喉が渇く料理が多かった気がしますが、この店は濃すぎず薄すぎずちょうどいいバランスをもった料理を出す店として記憶に刻み込まれました。うまいです。
玄界灘のすばらしい魚たちはもちろん、肉や野菜の品揃え・仕入れもよく、メニューを見ていて楽しくなります。親切なお母さんと見ていて気持ちいいくらいよく動くご主人(佇まいが格好いい)に見守られつつ、心からくつろいで食べられるいい店ですね。

お洒落な店ではありません。蛍光灯がまぶしいし、かなりオヤジ的な居酒屋。
でも、ある程度の歳の人にはこういう方が落ち着けると思われます。地元民の常連さんが気持ちよく溜まっている感じ。

「小丸ふぐ」「テールの塩焼き」とか、刺身とか野菜ものとか、料理はどれも美味でした。
特筆すべきは〆の「中華そば」。これがうまかった! 鶏ガラスープの優しい味。とんこつに少々飽き気味の舌におだやかな主張をしてくれます。半分食べたところで柚子胡椒を少し入れるとまたうまい。この中華そばを食べるためだけにまた行きたい感じ。小サイズもあるので是非。

博多の警固小学校の並びにある古い一軒家。ちょっと入りにくい雰囲気はありますが、入っちゃえばくつろげます。ボクはひとりでカウンターに座りましたが、「料理はだいたい二人前あるので、一人前用にアレンジしますね」と少なめに出してくれました(博多の店はそういう店多かったです)。

1階はカウンターとテーブル、2階は座敷があるようです。さりげない店ですが、近所にあったら通うだろうな、という感じ。
posted by さとなお at 17:44| 和食(小料理・割烹・郷土料理)

2008年02月15日

いとう:蘭〈あららぎ〉(新潟)

>じゃ、ボクは土鍋ご飯つながり、そして京料理つながりで、
>「祇園さヽ木」(京都)を。

お、いいなあ。「祇園さヽ木」に行かれたんですね。
ぼくも随分むかーしに一度だけ訪問したことがあります。
たぶん前の場所・・・。その時はあまり劇場といった感じはしなかったけど、今はまさに、祇園のすべてを舞台にしてしまう佐々木氏の演出が効いているんでしょうね。

>京都の割烹って意外と真面目すぎる店が多いんだけど、

ぼくは関西人だからかもしれませんが、京都の割烹が真面目そうだとは思わないなあ。どちらかというとアイロニック。トウキョウの店の方がずっと真面目です(笑。

では、地方の日本料理店つながりで。
新潟の「蘭(あららぎ)」を紹介します。

ここ「蘭」は、コツコツと全国各地の日本料理店を食べ歩いている友人に教えていただいたとっておき。特に冬の鴨の季節が最高とのことで、その時期を狙って行ってきました。新潟の一部の地域では鴨を網で獲るそうで、散弾銃で撃ったものに比べ肉に損傷がなく血が回っておらず、たいへん上質。「蘭」のご主人曰く、骨が痛んでいないことも透明で良質なスープを取るための必須条件だそうで(ご主人の流儀では、料理は常に澄んでいる必要があり、濁った瞬間からおいしくなくなるとのこと)、この新潟地方の網獲りは肉も骨も最適な状態なのです。

さてお店の話に戻しますと、こちらは新潟駅から徒歩5分ぐらいのホテルの1階にあります。が、ホテルの経営するダイニングとは違うようで、すでにこの地で20年以上も日本料理店を営まれています。

店内は、そんなフリの客用に広めのお座敷もありますが、ぼくたちが陣取ったのはもちろんカウンター。不要なものは一切置かれていない(ちょうど昨今はやりの鮨店のような)潔さに、期待感は高揚。

ぼくが「蘭」ですごいなあと瞠目したのは2点。まずはそのコースの流れの斬新さ。

いただいたものはこんな感じ。
(実際にメニューを確認したわけではないので料理名はあやふやです)
ふぐ白子の茶碗蒸し
佐渡の蒸し鮑
海老しんじょ
鴨ロース炭火網焼き
鴨鍋
ずわい蟹
お造り(鯛、烏賊、ホッキ貝、甘エビ)
焼き魚(ノドクロ)
佐渡牡蠣汁
鴨雑炊
ほうじ茶のアイスクリーム

このコースだけを見ると、基本は新潟の地物を中心にした郷土料理風。ところが、まず普通の日本料理のお椀のあたりにて、ご主人の前には網焼き用の炭コンロと鴨鍋用の炭コンロが登場。その後、用意された分がなくなるまで他の料理と並行してロース肉が焼かれる。また、ご主人が見守る鍋から各自の小さな椀に配られる鴨スープは、鍋に少しずつ鴨のスープや野菜を継ぎ足しながら最後の鴨雑炊まで椀が空になるたびに延々と注がれます。

そこでご主人曰く、日本酒に一番合うのは実はスープではないか、とのこと。
これはスゴイ。鴨スープと酒の相性はまさにおっしゃるとおりで、少し脂分を含んだスープの柔らかな味わいを口に残しながら日本酒で追っかけると、液体同士が絡みあいすっとキレていく様に唸ります。なおかつ水物をずっと取り続ける結果、悪酔いすることもないわけ。

そして、流れの斬新さで言えばお造りも独創的。まず刺身用の皿とそれに載ったツマとワサビが準備されます。最初に皮目を炙った鯛がおおぶりに切られて2キレ出るのでそれで終わりかと思いきや、その後鴨ロースを焼きつつスープを追加しつつ、ささっと次の魚を切って刺身用の皿に。段取りが分からず最初にツマやワサビをすべて食べてしまったぼくたちは、その後何度も付け足していただく始末。こちらもいわゆる刺盛りではないんですね。見た目の豪華さを重視しつつ鮮度や味が落ちるのであれば、せっかくカウンターなんだから一種類ずつ出せばいい、とそんな発想かと思います。

繰り返しますが新潟でずっと20年。王道の懐石料理とは違うストーリーながら、料理をおいしく最良の状態で提供するにはどうすればいいのかを追究し続けたひとつの姿かと感じました。今では、京都の「川上」や「菊の井」で修業をした息子さんが厨房に参加され、さらなる新しい展開も期待できると確信。再訪を誓った次第です。
次回はさとなおさんもご一緒にどうですか(笑。

願わくば、新潟でもあるしもう少し地酒の種類があればなあ。この地の酒が「鄙願」だけではちょっと寂しいですね。

それと、聞けばここ「蘭」は、お取り寄せの世界では結構名の知れた店だそう。この店独自のレシピによる持ち帰りメニューは数多く揃っており、料理関係の有名人が書いたお取り寄せの本にも何点か紹介されていました。
posted by 伊藤章良 at 18:24| 和食(小料理・割烹・郷土料理)

2008年02月12日

さとなお:祇園さヽ木(京都)

じゃ、ボクは土鍋ご飯つながり、そして京料理つながりで、「祇園さヽ木」(京都)を。

予約が取れない店としては京都随一ですね。有名店です。16席あるそのカウンターは、いまやプラチナ・チケット化しています。

祇園町北側のわかりにくい場所にあった小さな店から建仁寺近くの一軒家に移ったようですが、わざわざ移る価値がある立地だと思いました。
訪問した当日は月夜だったんですが、明かりの少ない八坂通りの坂上に五重塔(八坂の塔)が見え、その上に月がかかるという幻想的な景色でした。いまは幕末か、と思えるようなその雰囲気に、入店する前からすでに夢見心地気分でしたね。まぁ祇園ですし、和食料理人が一度は夢に見るような立地でしょう。

中に入ると丁寧な出迎えを受け、奥に進んでカウンター席に到着します。
カウンター席は意外とモダン。カウンター内中央にドンッとピザ釜が置かれてます(ピザ釜を和食に応用して使っているようです)。奥に個室もありますが、この店の楽しさはカウンターでこそなので、是非ともカウンターへ。

18時30分に16席すべてが埋まるまでコースは始まりません。客が全員が揃っていっせいに作り始める方式。
これは厨房の効率もあるとは思いますが、実は「一番おいしい状態で饗する工夫」でもありますね。自分のペースで食べたい人もいるでしょうが、ここでは佐々木さんのペースに乗っかって食べていく方が楽しいし、おいしいと思われます。

訪問当日はラッキーにも佐々木さんの目の前の席でした。
料理が創られていく過程がすべて目の当たりに見られて楽しいです。そのうえ、彼と話したりジョークの連発に笑ったりするのもこの店の味のうちなので、一等席と言えましょう。とはいえ隅の方の席が差別されていることはありません。佐々木さん、隅から隅まで行ったり来たりして気を遣っているので大丈夫。

和を基調としつつ、うまいもんならどんな料理でもして出す、みたいな自由闊達さがここの料理の魅力ですね。ピザ釜もそういう姿勢から導入されたもの(あまり使ってないようだけど)。また、高い素材を惜しげもなく出すし(当日はキロ16万円する丹波の松茸だった)、さりげなく使われた器も超高級品(数百万する塗り椀とか)。高いだけでなく、センスも良いです。

料理は、シラザ海老とホタテの上海蟹内子ソース、小カブの銀杏ソース、戻り鰹の握り、笹鰈の焼き物あたりが印象に残ってます。あ、それと、丹波松茸とぐじのホイル焼きも。ホイルを開けた途端、メガネが松茸香の蒸気で曇る。あぁ松茸メガネ。思わずメガネをとって曇った部分を嗅いでしまうような鮮烈な香り。

〆はサンマご飯と栗ご飯。そう、土鍋の炊き込みご飯です。
これは季節ごとに炊き込む素材が変わってくるそうで、それを楽しみに通う人も多いと聞きます。名物なんですね。サンマご飯、最高でした。

洗練された伝統の和割烹とは言えないかもしれないけど、「確実にうまいもんを、見事にうまそうに出す」という点で実に優れた店です。饒舌な佐々木さんの料理の出し方がうまさを倍増させてくれます。

京都の割烹って意外と真面目すぎる店が多いんだけど、このくらいあっけらかんとうまそうに演出してくれるのは実に楽しいし、再訪したくなりますね。

割烹というより、佐々木劇場。
あまり小難しく考えず、素直にそれを楽しみたい店です。
posted by さとなお at 17:34| 和食(小料理・割烹・郷土料理)

2008年02月08日

いとう:明日葉(銀座)

「古母里」知りませんでした。
小堀さんが、お名前の当て字で古い母の里とする時点で、粋を感じます。
興味があったので色々と検索をかけてみたら、和食版「キャンティ」と書いておられる方がいました。なるほど、分かりやすい。

>メインはやっぱりここの名物「しゃぶしゃぶ」かな。

となるところが、大物系に受ける所以ですね(笑。
霜降り肉が苦手のさとなおさんが絶賛するんだから、ちょっと食べてみたいです。

>〆は「日本一の卵かけご飯」。いや、そうメニューに書いてあるんです(笑)

それにしてもさとなおさんは卵かけご飯に造詣が深いなあ・・・。(しつこいね)

ということで、ぼくも、銀座でかれこれ20年になる「酒房 明日葉」を紹介します。ここを検索すると、ぼくが以前書いた記事が一番にヒットされるので恐縮ですが、わりと定期的に通っている店。

銀座1丁目の雑居ビルの3階にあって少々入りにくい雰囲気(小さなドアからは中が全く見えないし)ですけど、価格的にも味的にも、いつも大満足。また、店主野村さんのキャラが相当個性的。大声の関西弁で客と語り合いながらも、決して手が止まることはありません。厨房での野村さんの動きは、大雑把なようで緻密、適当なようで機能的。ゆるいようで素早い。まさに熟練した料理の職人ワザを感じさせてくれます。

先日食べたブリシャブでも、鍋のダシは取り置きではなく提供する直前にキチンと厨房で作り、しかもテーブルに土鍋が運ばれると、まずはフグのガラを数個放り込んでダシの旨みが増す工夫をするなど、そんな感じ。

それともう1つ唸るのが、土鍋で炊かれた〆のご飯。
小さな厨房で全ての調理をこなしつつ、いつ準備したのかと不思議になるほど完璧な仕上がり。少しアルデンテ気味の米に季節の食材のエキスが吸い込まれてツヤツヤ。ああもうすぐ春なんだなあ・・・と、しみじみいただきました。

なお、「明日葉」にはアラカルトメニューがありません(ビルの1階にはフリの客用にコース料金だけは出しています)。店のスタイルから多少のアラカルトはあってもいいかなと思うこともあります。でも、すべてお一人で料理する環境や、今の時期ならブリ・カニ、もう少し季節が進むとタケノコ、そして鱧や鮎など、季節感を重視する「京料理」としてのベースを守るためには、コースしかないと理解しています。

以前のぼくの記事で、店主はチェーンスモーカー、店内もあまり清潔とはいえない・・・と書いたんですが、あれ以降、タバコの本数もひかえておられるようだし(やめたわけではありません 笑)、トイレも改装されました。
posted by 伊藤章良 at 18:16| 和食(小料理・割烹・郷土料理)

2008年02月04日

さとなお:古母里(赤坂)

> それにしてもさとなおさんは銀座に造詣が深いなあ・・・。

伊藤さん、いま風に言うと「ちょwwwおまwwww」って感じですよ(笑)
ボク程度で造詣深いなんて言ったら、世の銀座好きが怒ります。ボクなんてまだまだ奥深い銀座の入り口にようやく立った程度です。勘弁してくださいよ。マジで。

じゃ、今日は割烹つながりで赤坂の「古母里」(こぼり)。
小堀さんというご主人がやっているのでこういう店名だそうです。赤坂でも古い店で、わりと大物系(先生系、芸能界大物系)の常連客が多く、独特の雰囲気を漂わせています。

赤坂で古い割烹で大物系というと、すごい門構えの料亭っぽい店を想像させますが、この店はその対極にありますね。
まず門らしい門がない。玄関らしい玄関もない。雑居ビルの階段上がって「ここが入り口?」と不安になるような普通の引き戸をあけるといきなり店内です。20畳ほどの昭和っぽい空間にテーブルが4つほど並び、奥に座敷(上階に個室もあるみたい)。調理場との境目もいきなりで、なんだか普通の古い家みたいな感じ。着物の女将さんをはじめとしたサービス陣もその辺に所在なげに立っています。机の上にはメニューを貼った分厚い板。そこら中に千社札が貼られていたり。

ただ、女将さんのお世辞系トークは堂に入っていて「やっぱり赤坂だなぁ」と妙に感心しますね。社用族が古くから使い倒した店なのだと思われます。

で、使い倒すだけの理由はやっぱりあるわけで、料理がなかなかおいしいんですよ。
それも料亭的なおいしさではなくて「おいしすぎない、どこか家庭的な美味」なんですね。接待され疲れた大物系が喜ぶ味と言い換えてもいい。そういう料理が程よい量で出てくる上にどんなカスタマイズ(わがまま)も言える感じ。こりゃ赤坂の地で長く流行っているだけのことはあるわ。

最初にネタ箱に魚を盛って持ってきて、「今日あるお魚です」と料理法とともに全部教えてくれ、客に選ばせるところから始まるんですが、大きい魚から小さいのまで、どんな要望にも応えられる品揃え。大きさも個数もすべてカスタマイズできます。
で、それをアテに酒を飲んでいると、次はメニューを見せてくれるんだけど、これがまた豊富で膨大。目移りしまくりますね。どれもホッとする味。

メインはやっぱりここの名物「しゃぶしゃぶ」かな。
一枚単位で頼める大きな霜降り肉です。霜降り肉が嫌いなボクでもしゃぶしゃぶなら大丈夫。ここのしゃぶしゃぶはうまいなぁ。素材も別格級。

〆は「日本一の卵かけご飯」。いや、そうメニューに書いてあるんです(笑)

ご主人、赤坂の料亭出身のようで、そのルートでしょうか、素材はとても良いものを置いてます。で、それを自由自在に調理してくれるし、カスタマイズは効くし、どこか家庭料理の雰囲気を残しているし、お世辞トークは流石なものだし、昔の家みたいなカジュアルさがあるし、と、大物系が癒される要素を満たしていますね。

大物じゃない我々自腹客にとっては、値段と味と雰囲気が多少アンバランスに感じます。すごい高いというわけではないけど、こういう店を自然に使いこなすためにはある程度の年月と経験は必要かも。とはいえ、何かの時のために(どんな時だ?)、ひとつ手持ちカードとして持っておいてもいい店かな、とは思いました。
posted by さとなお at 06:32| 和食(小料理・割烹・郷土料理)

2008年02月01日

いとう:輝咲(御徒町)

>関西つながりということで、銀座で気楽に京都のおばんざいが
>食べられる店「すだち」をご紹介します。

あっ、先般金春通りのバーの帰りに話しておられたトコロですね。
そんなにいいお店なんですか。
それにしてもさとなおさんは銀座に造詣が深いなあ・・・。

>すべて、カウンター内で仕切っている店主(お母さん)の魅力
>から来ています。

「すだち」という名前からして、すだちの名産地徳島県出身の方でしょうか(四国から仕入れをされているようだし)。ということで、ぼくも関西出身の女将さんでつながってみます。

御徒町の「旨いもん割烹 輝咲(きしょう)」
御徒町自体、食にはあまりなじみのないエリア。まして御徒町で降りたとしても、ほとんどは湯島側に移動して、とんかつやそばやカレーを目指す感じ。でもここは湯島とは反対側。宝石の問屋を眺めつつ静かな下町の街並みへと入り、人どおりがほとんどなくなった辺りにポツンと灯りが見つかります。

L字のカウンターとテーブル、そして個室風に仕切られた小上がりがひと部屋。店内は御徒町とは思えない上品で落ち着いた雰囲気。そこを着物姿の女将がひとりで仕切ります。

この女将さん(といっても30代半ばぐらいか)は、聞けば大手の飲食オペレーション会社にもおられたそうですが、たいへんかわいらしく素敵な女性。店名の「輝咲」のイメージにもピッタリの印象。戦略的な意味合いもあるでしょうけど、完璧な関西弁(大阪と京都の間ぐらいの町出身とのことで、とても上品なしゃべり)で接客します。そのやさしい響きが店内にコダマして、自分が大阪人でありながらも「ああ、関西弁はいいなあ」としみじみ癒されるのでした(笑)。

料理は、関西風に特化したものでもないように感じたし(普通に旨いもので)、酒類も標準的な品揃え。御徒町という土地柄も、なんとなく日常に埋もれてしまいそうなんですが、女将さんの個性がとても「程の良い」空間をデザインしていて、遠方からでも通いたいなと思ってしまいます。おまかせコースも4,000円からあり、御徒町価格でサイフにもやさしいですし。

最後に、お店のロゴやお名刺をはじめ毎日のメニューなどに個性的な筆運びが見られますが、そちらも女将の手によるもの。多芸に秀でた方なんだと改めて感心する次第です。
posted by 伊藤章良 at 11:32| 和食(小料理・割烹・郷土料理)

2008年01月30日

さとなお:すだち(銀座)

大阪のフレンチ、元気ですよね。ガツンとしてるし、なにより安い。あんな安価合戦をしていて共倒れにならないか心配になります。

今はなき「ジャン・ムーラン」、懐かしいです。
意外と濃い味でムラがあり、ボクとの相性はあまり良くなかったのですが、ボクもあそこは魚(特に瀬戸内)料理というイメージがあります。それとパティシエが良かった記憶。デザートがかなりおいしかったな。あそこで修行したのなら、わりと鍛えられていそうですね。

ええと、ボクも遠いつながりですが、関西つながりということで、銀座で気楽に京都のおばんざいが食べられる店「すだち」をご紹介します。

正確には「くいもんや すだち」

カウンターとテーブル席ひとつの小さな店ですが、カウンターにズラリと並んだ大鉢に盛られたおばんざいの「程の良い」ことと言ったら。
ここより凝った京都家庭料理を出す店はいろいろありますが、全体の程の良さでは一番です。言い換えればバランスが良い。高級すぎずカジュアルすぎない。敷居が低い味なんだけどちゃんと焦点が来ている。京都風薄味なんだけど東京でも馴染む程度の薄味に仕立ててある。などなど。あ、銀座なのに高くない、というのも付け加えようかな。

すべて、カウンター内で仕切っている店主(お母さん)の魅力から来ています。
料理もすべてこの方が作っていると思うのだけど、料理の進行から客席への目配りまで常に動き回ってチェックしています。一見ちょっと無愛想っぽく見えるのだけど、話せばこちらの誤解とわかります。ちょっと表情が乏しいタイプのお顔なんですね。でも実際は超親切で優しいです。

季節の先取り感もなかなか。
少しずつ先取りして、「へぇ、もうそんな季節か」とか思わせてくれます。とはいえ初冬に「早堀りタケノコ」が出たのには戸惑いましたが…(まぁ四国で採れるんですが)。

大鉢のおばんざいはどれもこれもおいしいので、追加追加としているうちにほぼ全部取っちゃうことが多いですね。
最近行ったときは、「菜の花」「ふき」「聖護院かぶら」「筑前煮」「肉豆腐」「南蛮漬け」「アスパラ焼き」「水菜のハリハリサラダ」「蟹クリームコロッケ」「牡蠣フライ」など。ここの名物に「すだちを振ったアジフライ」がありますが、アジフライ評論家としてはもう少し(笑)

大鉢以外に豊富なメニューがあり、達筆で書かれたそれはどれもこれもまた旨そう…。煮付けや焼き魚などをはじめ、おいしそうな料理が並びます。そして〆はぶぶ漬け。お茶漬けやおにぎりなど。ホッとしますね。

銀座8丁目という立地上、同伴客が多く、19時台や23時台はそういう方々で埋まる可能性があります。狙い目は21時くらい。わりとすいていることが多いようです。
お好みコースみたいのもあり、5000円からという値付けがされているのでもわかるとおり、比較的安価です(銀座としては)。よっぽど飲まなければ1万もあったら十分です。いや、7〜8000円程度かな。そういう意味で、銀座で持っておくと良いカードのひとつですね。
posted by さとなお at 12:57| 和食(小料理・割烹・郷土料理)

2008年01月23日

さとなお:壽屋(金沢)

> といいつつ、沖縄そばは4軒ですか!

沖縄そばはハシゴできますからねぇ。でも2日間の昼ご飯に4軒だからたいしたことないです。数年前は4軒くらいいっぺんにハシゴできたのに、最近は3軒で青息吐息になってしまいます。2軒がちょうどいいかな。歳とりました。

さて、蕎麦つながり、でもないのですが、ボクは金沢の「壽屋」(ことぶきや)をご紹介します。
ここ、大正10年創業の老舗料亭なのですが、コースにもよりますが、「韃靼蕎麦」を楽しませてくれるんです。なので一応蕎麦つながり。

数日前に一緒に会ったシャオヘイさんもこの店のこと言ってました。覚えてますか? そこです。

江戸期の町家を利用しており、雰囲気は抜群。
外観がまずイイ。いかにもおいしそうだし、センスはいいし、なんだかわくわくする外観です。店内も太い梁が美しく交差して趣あります。

個室はそれぞれ、江戸末期の座敷、明治の書院造りの座敷、大正初期の茶室、昭和初期の大広間、蔵を改造したテーブル席など、バラエティに富んでいて、いろんなタイプが楽しめるんだけど、それもウケを狙った感じではなく、とてもいい感じ。庭もさりげなく美しく、着物を着たサービスの人たちの所作もよいです。

料理は精進料理。金沢では珍しいらしいです。
老舗なのに、時代に合わせて努力を怠らず、精進料理にはない新しい感覚を常に取り入れている感じ。
季節ごとにいろんなコースがあり、トムヤンクンなどを取り入れたコースなんかがあったりします。時代におもねっているのではなく、とても真摯に新しい素材や調理法に取り組んでいる空気が感じられるのがいいですね。

ボクがいただいたのは昼のコース(3150円)。
座敷料を315円払うと個室にしてくれます。一通りの懐石で、いただいた中では「牡蛎と貝柱のしんじょ」「京人参と金時草とカボチャ餡のお椀」「むかごご飯」 「黒胡麻と和三盆のおしるこ」が印象に残ってますね。あと「韃靼蕎麦」。どれもきちんとした美味で、なんだか背筋が伸びる感じでした。内容に比してとても安いです。他にもっと安いコースもあるし、コースの選択肢が多いのもうれしいところ。

金沢はいい料亭が多いんですが、格式ある料亭ほど肩が凝らず、気軽に利用できる程の良さがこの店にはあります。気楽に懐石料理が楽しみたい方にオススメかも。
posted by さとなお at 19:52| 和食(小料理・割烹・郷土料理)

2007年11月17日

さとなお:沖縄倶楽部 源さん(新橋)

>それにしても「かにめん」のめんは麺のことですか

いえ、漢字では「蟹面」と書くみたいで、香箱のほぐしたのを蟹の甲羅(面)に入れたものです。

>最近よく「対談は地方の店ばかりですね」と言われることが多いので

あら、そうなんですか?
ボクのせいですね(笑)。まだまだ京都・金沢・軽井沢・名古屋と書きたい店がいろいろあるのですが、じゃあゆっくり小出しにすることにします。

ええと、それじゃ、東京は新橋の沖縄料理店「沖縄倶楽部 源さん」を紹介しましょう。

沖縄料理っつうのは、なんでも混ぜてしまうところがあって、混ぜるとどうしても「洗練」からは程遠くなります。なかには那覇の「琉球料理乃山本彩香」みたいに、一品一品の洗練を究めていくタイプのお店もありますが、基本的には混ぜ、つまりチャンプルーやら混ぜ煮込み系の、「洗練」からは遠いものが基本料理となります。

で、何が言いたいかというと、混ぜちゃうのが基本なので、飛び抜けて美味しい物もできないけど、あまりマズくも作りようがないんですね。

なので、沖縄料理店は(誤解を恐れずに言えば)そんなに腕がなくても開けます。
チャンプルー(混ぜ炒め)、ンブシー(炒め煮)、イリチー(炒め煮)あたりを一通り学ぶだけで、メニューの大半はカバーできます。あとはテビチとラフテー、それに汁物を揃えると立派な沖縄料理店なのです。

ということもあって、レベルの低い沖縄料理店も多く、ボクは東京ではあまり沖縄料理店に期待しないことにしているのですが、最近この店にはよく行きます。特にランチ。

炒めが上手ですね。しなだれたチャンプルーが横行する中、シャッキリしたとてもいいチャンプルーが食べられます。ゴーヤーチャンプルー定食以外だと、沖縄そばの上にそうして炒めた野菜を大量に載せた野菜そばがいいですね。野菜補給にも最適だし、沖縄そば自体も水準的な味をしています。日替わり定食もなかなか。

夜は一回しか行ったことないけど、黒板にオススメが書いてあって、意外と凝った沖縄食材を使用したいい料理が出ます。決して広い店ではないし、わりとごちゃついているけど、店員さんも元気だし、店内ライブもあるし、なかなか楽しい雰囲気。なんとなく那覇にありそうな居酒屋イメージで良いです。

泡盛は、請福や瑞泉、北谷長老など、ボクの好きなのも揃っているし、自家製の薬膳酒なども揃っています。値段も安いし、良心的で良い沖縄料理店だと思いますね。
新橋駅を西に出て、線路沿いを南(浜松町方向)に歩いていった右側。駅から数分です。昼はわりと行列しています。
posted by さとなお at 23:13| 和食(小料理・割烹・郷土料理)

2007年08月29日

いとう:和び〈熱海〉

下北沢。随分長いこと行ってないです。

以前は代田に住んでいたこともあり、また、本多劇場へ頻繁に通っていたので、下北沢で飲み食いすることが大変多かったんですが、最近は「安寅゛」ぐらいかなあ。

「千真野」、知りませんでした。きっと本来の大人の街としての土壌があり、昔ながらもファンもきちんと残っている証左ですよね。下北沢では、まだまだ風情のある店が発見できそうな気がします。

ではぼくも同じ和食店で、熱海の「和び」です。ここはご存知の方も多いかと思いますが、アロマフレスカグループが手がけている和食店で、「アロマフレスカ」のインテリアやお花〈今思い出しても、広尾時代の「アロマフレスカ」の花はすばらしかったです〉を担当していた女性が女将。また、広尾店ができた当初からずっとグループのサービスの要である植野さんがマネージャーを務めます。

ぼくは、サービスマンとしての植野さんの大ファンで、麻布十番の「アロマフレスカ」にすっかり興味がなくなったのも、植野さんが抜けてしまったからに他ならない感じ。

「和び」は、熱海の山側といいますか、高名な「大観荘」のさらに上に位置し、
細い山道をうねって上がったところなんですが、タクシーの運転手さんにグーグルマップで出力した地図を見せてもさっぱり要領を得ず、無線でセンターに聞いてもチンプンカンプン。まだまだそんな状況のようです。

細い道の傍らにやっと「和び」との行灯を見つけて下車。そのまま階段を下ると、風情のある玄関に迎えられます。お部屋は、玄関と同じフロアに二間とお茶室、さらに下の階に厨房ともう一間。なおこの部屋にはお風呂〈熱海の温泉〉がついていて、プラス1万円とのこと。しかし、例えば男女で訪問して、この風呂に入った後食事をするというのは、チと恥ずかしい雰囲気ではありました。

食事のコースは、8000円と少し素材をアップして〈私が行った日は、伊勢えびと鱧が追加〉12000円。酒は、麦酒・日本酒・焼酎・葡萄酒が数種。

料理は、「アロマフレスカ」の完成度を基準にしてしまうと、まだまだですね。
特に椀物の出来が今ひとつで、中に組み込む具と出汁との調和にもう少し気を配るべきかと思いました。ぼくは日本料理に対する評価が辛口ですが〈と個人的には思う〉、植野さんもおられるし、なんといっても「アロマフレスカ」なので今後に期待といったところ。

ただ、熱海の山側急斜面に立つ風情や窓からの眺め、緑におおわれた静けさなど、時が止まったような和室でつかの間の休息を取るには絶好の場所。
都会を抜け出したいけど、なかなか一泊まで時間が取れない方などにオススメです。
posted by 伊藤章良 at 15:29| 和食(小料理・割烹・郷土料理)

2007年08月28日

さとなお:千真野(下北沢)

ハワイ、相当過酷だったようですね。
でも、日本も「息してるだけで過酷」だったです。暑すぎて。なにせ日本記録もんですから。

そんな酷暑の中、ボクも数軒収穫がありました。
その一軒が「千真野」。せんまや、と読みます。思わず、せんまの、と読みたくなるけど。

下北沢にある京都割烹。というか、おばんざい屋さんかな。
下北沢は年々若年化が進んでいて、いまや完全に若者の街なんですが、その中でも貴重な大人の小料理屋です。

ご夫婦ふたりでやっている、カウンターとテーブル席3つほどの小さな店なのですが、まだ若い無口なご主人が集中して丁寧に作る料理がいちいちおいしいかったですね。

茗荷を利かせたもずく酢から始まって、焼鮭のポテトサラダ、里芋とずいきの冷鉢、いわし南蛮、いろいろ野菜の白和え、タコの柔らか煮。

こういうおばんざいがどれもこれもひと工夫あって、焦点もちゃんと来ていてうまいんです。お、なかなか、と深く頷きながら食べる感じ。基本がしっかりしたお料理ですね。家庭料理の枠は大きく出て、創作料理みたいな浮ついたこともせず、ちゃんとおいしいおばんざい。意外と難しい技だと思うです。

焼き物に移って、さんま塩焼きと豚の西京焼き。これも良かったな。
このころには客が立て込んできたんだけど、慌てず騒がず段取りよく進めるご主人の動きになかなか見惚れました。奥さんもそつなく給仕してくれます。

そして〆には、だしの効いた昆布茶漬け。
これまた絶妙。うみゃうみゃ。どの料理も焦点が来ていて加減がいいですね。下北ではマジで貴重です。しかも安い。どれもこれも一皿数百円なので、お酒さえ飲みすぎなければ、ひとり5〜6000円で上がるのではないでしょうか。

メニューを見る限りでは、お酒の揃えも良かったです。
敢えて言えば、たまたまかもしれないけど、喫煙率が高かったのが厳しかったですね。土地柄かなぁ。せめてカウンターだけでも禁煙にしてほしいと思いました。せっかく繊細な料理を作っているのに、その真ん前数十センチで吸われたらかなわん。料理に煙がつくではないか!
posted by さとなお at 22:57| 和食(小料理・割烹・郷土料理)

2007年08月16日

さとなお:蜂巣(京都)

広尾のあの辺はすっかり「深夜メシ」地帯になりましたね。

でも、多くのヒトがそれを知っているみたいで、夜中に行って数軒回ってもなかなか座れません。
でも、座れないことによって「じゃ、仕方ないから今日はお開きにしますか」と諦める場合もあり、深夜にフレンチとかイタリアンを食べる愚(健康的に)をおかさずに済むという利点もあります(笑) あまり旨い深夜店が出来るのも困りもんです。

さて、お盆で間があいてしまいましたが、お盆中に行ってよかった店をひとつ。
京都の「蜂巣」です。
ある方に紹介してもらったのだけど、紹介がなくても大丈夫な気軽なおばんざいの店。京都っぽい「古い暗さ」がないのが旅行者には物足りないですが、一見さんでも気楽に入れてそれほど高くなく食べられる店を一軒京都で持っておくと安心です。カウンターでおばんざい数品に日本酒、という感じなら3〜4000円で上げられるかも。おまかせコースでも5000円。安心でしょ。

枝豆山椒、さんま有馬煮、賀茂なす煮、京揚げと小松菜、きんぴら、南蛮漬け、手作りごぼ天、と、魅力的なおばんざいが並ぶのですが、すべてのおばんざいにひと工夫ある上に、その工夫が創作料理的になっていない。きちんと基本を守った味でとてもおいしいです。当日は食べなかったのですが、魚や肉もいろんなメニューもあり、食指が動きました。ちょっと通ってみたくなる店ですね。

冷酒に店名の「蜂巣」を頼んだら竹の器に入ってきて、とても涼しげ(店名の由来は聞きそびれましたが)。
ご主人も奥さんも気さくで気持ちよく、お客さんも肩の力を抜いて楽しんでいます。照明をもうちょっとだけ暗くしたらもっと雰囲気出るのになぁと思いましたが、明るいのもこの店のよいところかもしれません。そんな感じのお店です。

京都国際ホテル、もしくは京都全日空ホテルの裏手にぽつりとあります。
posted by さとなお at 06:36| 和食(小料理・割烹・郷土料理)

2007年05月25日

いとう:こがね八祥(岐阜)

さとなおさんは今ごろニューヨークですか。
ニューヨークでは、ミュージカル以外にレストランも多数予約しているとうかがいました。ポルトガルの次は、ぜひニューヨーク特集でお願いします。

でも、ポルトガルの食は本当にいい感じですね。食べることの原点、醍醐味、喜びみたいなものをたくさん吸収できそうです。特に、食先進国の料理は、満腹感よりサプライズ感にシフトしている気がして、最初は驚くけど、どんな料理だったか説明してと聞かれたら、説明できるほど食べていないよ、みたいな回答が多いですから(笑)。

さて、ぼくも今回は東京を離れて(といっても国内ですが) みます。
先日出張で岐阜に行ったとき訪ねた店で「こがね八祥」という和食店。岐阜は日帰りの出張だったんですが、名古屋に夜10時に着けば東京へ帰れるので、6時過ぎに仕事が終わった後ぜひ岐阜の名店をと思い立ちました。

岐阜で手伝ってくれた地元スタッフやタクシーの運転手さんの話によると岐阜のいわゆる柳ヶ瀬エリアに「たか田八祥」なる名店があり、そこの料理長高田氏は料理の鉄人にも出演。地元を代表する日本料理店とのこと。岐阜に来られたらぜひその料理をとの触れ込みでした。ただ本店は予約&座敷の個室のみの高級店で、ひとりでしかもケツカッチンには不向きだろうと、タクシーの運転手さんが気を利かせてそのディフュージョン店の割烹「こがね八祥」に連れて行ってくれました。

飛騨牛、能登のマス、琵琶湖の稚鮎、高山の山菜天ぷらと、地のもののうまさはまさにうなるばかり。
特に山菜の天ぷらは、毎年東京でも好んで山菜の天ぷらを食べるんですが、そういったハウスものとは異なる苦味と香りが強烈で感動しました。 逆にそれ以外の刺身や椀物などは「エッ」という感じの普通さ。料理に緩急がありすぎです(笑)。

また、仲居さんはとてもフレンドリーで、時間のないぼくにあれこれと世話を焼いてくださったんですが、料理や食材の質問をすると「てんちょー」と毎回。あまりそういう質問をする客はすくないでしょうね。というのもぼく以外の客は、女性二人の従業員の関係者風一組をのぞいてすべて水商売の女性をともなった同伴。ほとんどつまみしか召し上がっていません。和食店の需要は、まだまだこういった層に支えられているんだなあと感じた次第です。
posted by 伊藤章良 at 23:33| 和食(小料理・割烹・郷土料理)

2007年04月11日

いとう:えん(西麻布)

ポルトガル料理は、マニュエルかマダレナでしか食べたことがない(東京の人はだいたいがそう思いますが)のですが、個人的には、おいしくて食べやすくて(しかも廉価で)、ワインに合う料理とのイメージが強いです。
その中にも、イタリア料理やスペイン料理とも違う独自性や、日本の食文化に対する影響もあり、大変奥行きの深い印象も持っています。

>日本のガイドブックにはまず載ってないんだけど、現地在住のグルメライターや日本からポルトガル料理を習いに行っている人から「絶対行け!」と言われていた店なのです。

現地のグルメライターとか日本から習いに行っている人とか・・・。
すごい説得力のあるネットワークですね。毎回楽しみにしています。
(といっても、遠い国ではありますが・・・)

ということで、ぼくの方は、さとなおさんの大ネタに関連性をつけるのもショボイので、最近気になった店をぼちぼちと。

さとなおさんとも以前一緒に行った「霞町一」。肩の力が抜けたいい感じの雰囲気でおいしい「めし」がいただける良店ですが、現在ずっと休んでおられるようですね(原因はぼくもよく知りません)。あの界隈だと「眞由膳」や「一即多」なんかも秀逸。でも、実は「霞町一」があるビルの一階奥にも、すばらしい酒肴とごはんがいただける「えん」なる店があるのです。

この店の噂は、西麻布界隈のバーマンや料理人からも聞いていて、皆さん仕事が終わってからホックリしに訪れたりするらしく、地元民の信頼も厚い。「えん」という名の店は、意外と様々にあるのですが(検索すると分かります)、ここのママさんが遠藤さんなので「えん」なる屋号のようであります。

店内はL字のカウンターのみ。その奥に、多少雑然としていて決して広くも美しくもないキッチン。でも、料理は全てが手づくりで、注文を受けてから野菜を切り刻むなどせっせと遠藤さんが作業を始め、どれもがうまいし酒も進みます。1人でやっておられるので、注文が立て込むとさすがにつらい部分はありますが、それでも料理の一つ一つ手を抜くことなく丁寧に作られる姿に心を打たれます。

例えば、豆腐を注文すると揚げたシラスが大量に振りかけられていてとてもおいしいんですが、そんなシラスも注文を受けてから揚げるといったこだわりです。

カウンターだけの小さな店なので、多種の酒はありません。でも酒に詳しい人たちにも受け入れられるような小さな工夫(レアなもの)が随所に感じられます。

そして締めには「わさびめし」。いわゆる「つず久」の名物と同じで、山わさびの摩りおろしを大量にご飯にまぶして醤油をかけたもの。メシとしても酒のつまみとしてもたまらないラストになりました。
posted by 伊藤章良 at 18:59| 和食(小料理・割烹・郷土料理)

2007年02月14日

いとう:だっせ(銀座)

三連休もあり、なんとなく、あっという間に日が過ぎてしまいます。遅くなってすみません。

>おとといご一緒した「ウォンシュ」でごまかさせてください。ワイン飲んだし(笑)

あ、ぼくも「熊の穴」のメンバーであるとバレてしまいましたか(笑)。

>業界人・芸能人・スポーツ選手がわりと来ているバー。そういうバーってちょっと品がない荒れた雰囲気になりがちなのだけど、ここはそういう感じになっておらず、客もどこか抑制して飲んでいる空気があります。

そうですね。ギリギリの線かな。と同時に近隣の皆様が応接代わりに使っておられる向きもありますね。なので雰囲気を大切にしておられるのでしょう。

ところで、週末たいへんウマイらしいチヂミを食べに連れて行っていただくので、そこをチヂミつながりで紹介しようかと思ったのですが、またまた延びてしまいそうでしてひとまず・・・。

うーん。めっちゃ遠いですが、郷土料理つながりで、東銀座の「だっせ」を。ここはぼくの知る限り、東京で唯一、大阪の郷土料理であるくわ焼(串に刺した食材を鉄板に載せ、上からアイロンのようなコテで押して圧着させて調理する料理)を食べることができる店です。意外と関西人も知らないんですが、大阪にはくわ焼を出す店が数軒あって(「たこ政」「たこ坊」「海千山千」など)、大阪の郷土料理として折に触れて雑誌等で紹介してきたんですが、東京では、数年前まで新橋にあった「たこ坊」が閉店し、いまや「だっせ」だけになりました。

勘のいい方はお分かりかと思いますけど、「だっせ」とは典型的な大阪弁の語尾をとったもので、いかにも大阪らしい店ですよね。

東銀座の相当うらびれた場所にありますが、すでに10年以上この地でがんばっているかと思います。その日は何年かぶりに会う大阪出身の友人との食事に選びました(が、ちなみに彼はくわ焼のことを知りませんでした 笑)。

鉄板に圧着させて焼くので、普段は揚げ物でしか難しい、レンコンやピーマンの肉詰めが独特のおいしさで定番メニュー。座ってまっ先に注文するも、どちらもないとの答え。エッ。
しかも、渡されたメニューにくわ焼は記されておらず、ごく普通の居酒屋と同じ・・・。もしや業態転換をしたのかと驚きましたが、訪ねると、ちゃんと別にくわ焼のメニューを持ってきてくれました。

くわ焼の定番メニューもないことから想像されるごとく、見渡してもどのテーブルでもくわ焼を食べてる人はおらず、皆さん普通の居酒屋利用。後半で少し居酒屋メニューもいただいたところ、なかなかうまかったので、安くてうまい居酒屋として、東京人にはインプットされてしまったようで残念です。

ぜひ、「くわ焼」指名で、行ってみてください。
肉詰め以外におすすめは、ピーマン、マグロ(しょうが焼き)、エビ(ピリカラ焼)、とんぺいなどでございます。
posted by 伊藤章良 at 13:26| 和食(小料理・割烹・郷土料理)

2007年01月15日

いとう:水神月(四谷三丁目)

「千とせ」は知ってましたが、「釜たけうどん」は知りませんでした。
これはとてもありがたい情報と、週末関西にいたので早速訪問してきました。ところが、行ったはいいんですが、閉店時間の一時間前に到着したのにすでに終わりとのこと。一応「東京から来たんですが・・・」と粘ってみましたが(笑)、「また来てくださいね」と軽く言われてしまいました。

ま、閉店後に来た客に対して、また来てくださいとマニュアル的に言われるのはいいんですけど、東京から来たと表明しているぼくに「また来てくださいね」と気軽に言われてもねえ。ちょっと残念。

で、追い討ちで書こうとの目論見は破れてしまったので、四谷三丁目の「水神月」という日本料理店にします。ここは2006年10月ぐらいにオープンしていたようで、ランチをやっているので早速入ってみたら、なんと和惣菜を一枚の大きな皿に、イタリアンのアンティペスト盛合せのごとく並べて出てくるのですね。

出し方といい、大きな皿を見ているだけでも感じられ満腹感といい、加えてそれぞれの素朴な味わいといい、食べ好きの心をつかんでいる店主だなあ・・・、と感心。たまたまパリ在住の友人が来日して四ツ谷に泊まっているとのことで、和食がいいだろうと夜に再訪しました。

夜ならではの照明が生きて内装もぐっと品よく、とても対応のさわやかなスタッフも増えていていい感じ。今の時期鍋のコースもあるようですが、なんとなく昼の惣菜をイメージしつつアラカルトで注文。

夜も同じような惣菜盛や刺身盛があるようなので期待すると、いわゆる和風のしつらえ(別にガッカリするところではないんですが、なんとなく失望したりして)。で、店主に聞けば、日本で15年ほど修業の後、イタリア北部にて、立ち上げから始めて5年間、和食店でシェフをしておられたとのこと。

「鴨の赤ワイン煮バルサミコソース」など、メニューのところどころにイタリアンテイストがあるのは、大皿盛の手法も含めそれが要因なんだなと気づきました。でも奇をてらった創作和食を出すわけではなく、盛付けや味付けは素朴ですが、ちゃんと日本とイタリアの特徴を知り使い分けた展開はなかなかのもので、食べることに貪欲なイタリア人に5年間も向かい合ってこられた気概と経験を感じました。

まだまだ変えていくべき点もあるとは思いますが、リーズナブルだし応援したい店です。それにしても、個人的には四谷三丁目・荒木町界隈は大好きなのに、昨今はかなり寂れた感じがしてとても残念です。
posted by 伊藤章良 at 17:43| 和食(小料理・割烹・郷土料理)

2007年01月03日

さとなお:甚五郎(大阪)

伊藤さん、あけましておめでとうございます。
今年も楽しく食べましょうね。

> 2006年イタリアンを「ヴォーロ・コズィ」で締めくくろうカナとも思ったのですが、
> 今年を象徴する店として語りつくされている感があるし、
> すばらしいすばらしいと絶賛するのももういいかな、
> と思ったので、大阪続きでいきます。

そんなこと言わずに「ヴォーロ・コズィ」書いてくださいね。ボクまだ行ってないし。

じゃ、新年一番、ボクも大阪つながりで行きます。

今日は北新地の「甚五郎」
四つ橋筋から新地本通りを入ってすぐの左側に、素晴らしい木彫看板の古い一軒家割烹があるのですが、そこです。昭和4年からそこでやっている老舗なのに、意外と知られていないんですよね。ボクの周りでも入ったことある人少ないです。

ここ、雰囲気が本当にいいんですよ。
古いけど清潔な店内。趣がある設え。白いカバーつきのイス。よく手入れがされた厨房。佇まいがとてもいいんです。そして接客はおばあちゃんたち。料理人はおじいちゃんひとり。サービスはあまり気がつかないし、料理の出も決して早くないけど、なんだかゆったりほんわかしていて、とてもくつろげます。

カウンターとテーブル。
カウンターでひとり飲んでると時の流れを忘れますね。

ちなみにこの店、「キュウリ巻き」発祥の店らしいです。
もともとのもともとは屋台の鮨屋だったらしく、そこで初代が編み出したのがキュウリ巻き。
だから登録商標を持っているんですね。「他の鮨屋もマネして作りはったんやけど、キュウリ巻きという言葉を使えんで、困って苦肉の策で『カッパ巻き』という言葉をひねりだしはったんやねぇ」とご主人が語ってくれました。
カッパ巻きという言葉もこの店あってのものだったんですね(笑)

ちなみに話の流れで店名についても聞いてみたら、店名は伝説の職人「左甚五郎」から取ったらしいです。例の日光東照宮の。あの名人甚五郎のように器用に料理が作れるように、という初代の願いが入っていると言っていました。
余談ですが、カッパ(河童)って左甚五郎が創造した人造人間だという伝説が残っているんですね。カッパ周りに縁がある店だなぁ(笑)

料理は野菜の炊き合わせや煮魚みたいなのがとても上品でうまいです。
「炊いたん」と「煮たん」ですね。
もともと鮨割烹だったと聞いたので鮨も頼んでみましたが、タネも酢飯も大振りで武骨な鮨でした。屋台っぽい昔味でしたが、現代ではバランスはもうひとつ。だからここは「炊いたん」と「煮たん」がオススメ。あ、刺身や寄せ鍋も良いです。

発祥であるキュウリ巻きは、海苔を一周半使うので多少食感が悪いんだけど、素朴でよいです。特にその歴史とともに食べるとうれしい感じですね。

きちんとした歴史ある割烹で、雰囲気も抜群なのに、本当に気軽で楽ちんな店。大阪っぽくてとてもいいなぁと思います。値段もそんなに高くなく、5000円〜8000円くらいで収まります(もちろんいっぱい食べたら知りませんが)。

ネットで検索しても書いている人が全然いないのがとっても意外な店のひとつです。
posted by さとなお at 22:00| 和食(小料理・割烹・郷土料理)