2010年07月17日

いとう:稲葉(ホノルル)

>今日は本郷の蕎麦屋「森の」を書いてみます。

あ、ここいいんですよね、未訪なんですが。ウワサはよく耳に入ってきます。

といいますか、さとなおさんが、天ぷらや蕎麦、鮨なんぞを語るときって、いつも「やっぱりさとなおは江戸っ子やなあ」とつくづく感じます。お店に対する即決な判断とアプローチ、旬を待つ気性、宵越しの金は持たない食べっぷり(笑)ナドナド。

おっしゃるとおり、本郷ってちょっと場所的には足を伸ばしにくいのが難ではあります。

では、同じ蕎麦屋でも、もっと行きにくい場所ですが(笑)、ハワイはホノルルのそば店を取り上げてみます。「稲葉」といいます。ホノルルで、そんなに積極的に蕎麦が食べたかったわけではなかったものの、現地の仕事仲間がsobaがいいとのことで、大勢に押し切られてしまいました。

今、ホノルルでsobaといえば、日本から進出した「松玄」か「稲葉」なんですよと言われ、もとより「松玄」には行きたくないので(笑)、「稲葉」となったわけです。

ここは、mainland(アメリカ本土)で何店舗か日本料理店やそば店を営業をしているそうで、その流れでハワイにも進出したとのこと。で、「蕎麦は水がいいところではないとおいしく調理できない」と、アメリカにもそんな認識はあるらしく、オアフは水がいいんだよ、とローカルの面々に言われたものの、真偽の程は分かりません。

ただ、なかなかピュアで美しい仕上りに、コシや香りも予想以上。つゆはさすがに東京ほど辛口ではなかったけど、それでも旨味は充分。同じ麺系で、ホノルルには「ジンボー」という有名なうどん屋があるんですが、こちらは自分が子供のころ(大阪時代)を思い出すような、いい意味でノスタルジーな味なんですね。ハワイにてオーブン当初の味を忠実の再現してきたので、全く昔のまま、みたいな感じ。いっぽう「稲葉」がとても現代的な蕎麦なのには驚きでした。

ところで、この店のメニューにバッテラが名物とあったので、バッテラも頼んでみましたが、こちらは、まずいという訳ではなく別の食べ物でした。以前、一応パリで一番オイシイといわれている鮨店で食べたバッテラがとてもこれと似ていて、あの〆た味覚は、外国人には好まれないのかなあと感じた次第。

なお、「稲葉」はリカーライセンスを取得しておらず、酒は飲めません。現地スタッフのクルマで連れられたのに、ビールぐらい飲みたかったかな。
posted by 伊藤章良 at 19:31| 蕎麦・うどん | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年07月11日

さとなお:森の(本郷)

> たいへん大変時間が経ってしまいました。申し訳ありません。

いえ、いつもボクの方が時間あけちゃうので、お気になさらず。

「未能一」、気になっているけどまだ行けていない店のひとつです。
「未だ一に能わず」。気概も考え方もいいですね。でも、実はこういう格言や戒めやモットーを店名にしたり店内に貼ったり飾ったり、というのはあまり好きではありません。そういう考え方は立派だけど、表に出さず隠して欲しい。客に見せるものではないと思います。

特に「いかに苦労してこのスープを作ったか」みたいな言葉や、自分の哲学、かくあるべし論みたいなものを店内に貼ってある店とかは苦手です。なんというか、そういう苦労や哲学的なものって、食べる前から宣言されるべきものではなくて、食べ終わって客が大満足をした上で、客から求められてこっそり明かされるべきものだと思うのです(順序として)。

きっとこの「未能一」はそんなことないだろうし、もっと謙虚な気持ち、もしくは何かの由来で店名つけられたのだろうと思うけど。

さて。
今日は本郷の蕎麦屋「森の」を書いてみます。

ここ、ボクにとっては銀宝(ギンポウ、ギンポ)の店ですね。もう旬はほとんど終わりですけど。
4月のある日に「そろそろ旬だからギンポを食べに行こう」と、先輩と検索しあって偶然入った蕎麦屋なのです。まぁ捌くのに手がかかるギンポをちゃんと置いているという時点で悪い店ではないのがわかりますが、期待せずに入ったのに大当たり。とてもいい店でした。まず仕入れが素晴らしい。能登は七尾産のギンポでしたが、その身の厚みたるや、いままで食べたギンポで最厚でした。市場でケンカして仕入れてきたらしいですが(笑)、この時点で毎年ギンポの旬に通うのは決定!

で、そのとき「6月になったら江戸前産のが手に入ることがあります」とご主人に聞いたので、何度か電話で確かめてから、6月末に行ってきました(そのときの様子)。

これがまたおいしかったな。ギンポの天ぷら(1650円)。七尾産とは別物の香り。うーん、うまひ。あえて言えば衣が少し厚めだけど、でもちゃんと魚の香りがわかるいい天ぷらでした。

と、ギンポの話ばかりになっちゃいましたが、そんな店の蕎麦がおいしくないはずがないですね。
神保町「松翁」で修業した方がやっていて、香り高くしなやかな蕎麦。田舎すぎず都会すぎずのいいバランス。夏は冷や麦もあります。蕎麦と合い盛り(むぎめおと というメニュー名。1050円)でも頼めます。コシのある立派な冷や麦。夏に冷や麦おいている蕎麦屋、好きなんですよねー。

一品もどれもいいです。いただいた中では、鮎の焼き浸し、穴子の煮こごり、焼き茄子、焼き味噌、イチジクの胡麻酢味噌など、どれも過不足なくおいしかったですね。特に焼き茄子が良かったなぁ。最近の焼き茄子体験では出色。頼まなかった中では、鮎の風干しや馬肉のたたき、鴨団子の土瓶蒸しなど気になりました。

日本酒の品揃えもなかなか。「清泉」「出羽桜」「十四代」「鶴齢」などに混じって、「すぎなみき」「姿」「めぐりあい」「大倉」なども置いてあります。鮎をそのまま入れた鮎酒もある。いい感じでしょ? ちなみに日本酒を頼むとお猪口をたくさん持ってきてくれ、選ばせてくれます。

地下鉄の本郷三丁目駅から歩いて5分ほど。こぢんまりと落ち着いたいい店です。懲りすぎず、高すぎず、肩の力が抜けているのにちゃんとおいしい。ご主人と女将さん(?)の感じもいいし、近かったら、ギンポの季節に限らず、頻繁に通うんだけどな。
posted by さとなお at 08:57| 蕎麦・うどん | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年01月31日

さとなお:阿吽(仙台)

へー。吉祥寺ってそうでしたっけ?
地域的に遠く、あまり行かないのでニュアンスがわかりません。でも、そういえば近鉄百貨店がありましたね。今は昔。ずいぶん前のような気がします。
吉祥寺とか下北沢って本当に行かないなぁ…。とっても興味あるし、「ひまり屋」も是非行ってみたいけど、城南地区(品川方面)に住んでいるので、帰りを考えるとちょっと面倒なんですよね。残念。

さて、先週、仙台に行ってきました。
日帰り出張で、しかもちょうど昼ご飯の時間の講演だったので、昼も夜も食べられないままに東京に帰るのかなぁと諦めつつツイッターで「仙台に向かう新幹線の中」とか書き込んだら、ありがたいことに、小石原はるかさんから「壱弐参(いろは)横丁の『阿吽』の切り麦と伊勢うどんのセットが素晴らしいです、お時間があれば!」というツイートが入ったんですね。で、調べてみたら、この店、昼から夜まで通しでやっている! つまり、講演後の15時とか、中途半端な時間でも行ける! 素晴らしい!

なぜ仙台で伊勢うどん?(もしくは山形の麦切り?)とは思いつつ、お腹も減っていたので飛び込みました。「阿吽」。あうん、ですね。

もう店に一歩入っただけで「あぁここは当たり」とわかる感じ。おいしい店特有の匂いがプンプンします。1階はカウンターのみなんだけど(2階もある)、ご主人も奥さんもとってもいい笑顔で迎えてくれました。

メニューは「手打ち冷やし切り麦」と「伊勢うどん」。
ユニークでしょ? 切り麦(山形の麦切りと同意)はわかめが練り込んであるもので、緑の外見も美しく、コシも味も喉ごしも文句なし。うまひゃ、でした。特に喉ごしの素晴らしさ。むにむに〜〜と伸びて、歯で噛み切ろうとしても粘りまくります。この感触、実に独特。うまひー。上州の辛み大根との相性もとてもよいし、つけダシもバランスいい味。最後はダシの器に茹で汁を足してつけダシを飲ませてくれます。いやぁ大満足!

続いていただいた伊勢うどんもなかなか。
以前この対談でも書きましたが、ボクは伊勢で7軒ほど集中して伊勢うどんを食べたことがあります。だから多少は味の比較は出来る
方だと思うのだけど、ここで食べた伊勢うどん、その中でもトップクラスの味かも。もちろん、現地のよりも普遍的にアレンジしてあって、伝統的なクセある味とは少し違う食べやすいものになっているんだけど、味の調え方が上手でした。現地で言えば「起矢食堂」と「ふくすけ」に近いかな。もう少し「ちとせ」みたいなクセがある方が好きとはいえ、完成度が高くてとてもおいしい伊勢うどんでした。

なによりダシがいい。これなら伊勢うどん初心者が多いであろう仙台でも受けると思います。
これも茹で汁を足して、最後に飲ませてくれます。伊勢うどんで「ダシを飲む」というパターンは初めて。意外といいかも。「お好みで」と高菜を出されたので、伊勢うどんにかけて食べたけど、これまたうまい。いろいろ工夫してくれています。

奥さんに聞いたら、切り麦も伊勢うどんも先生に習ったというだけで、特に山形や伊勢が出身地とかいうことでもないみたいです。だからこそ、逆にオリジナルに工夫する発想が生まれるのかもですね。伝統を知っていたらそれに縛られちゃいそうだし。

ちなみにお酒の品揃えもいいので、軽い肴で一杯飲んで、〆を切り麦とか出来ます。それって極楽っぽいなぁ。壱弐参(いろは)横丁の雰囲気も相まって、とってもいい店だと思いました。
posted by さとなお at 18:07| 蕎麦・うどん | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年04月10日

いとう:やまもと(千駄ヶ谷)

「伊勢うどん」についての興味深いお話、ありがとうございます。
もともと関西人は麺類の濃いつゆを見ただけで嫌悪を感じる傾向があり、ぼくも大阪在住のころ初めて伊勢うどんに接して、あまりに関西らしからぬ見た目とテイストで相当驚きました。でもさとなおさんの「意外と好き」と言われる感覚もよく分かります。
ああ久しぶりに食べたくなってきたなあ。本当に東京には伊勢うどん屋は存在しないのでしょうか。

さて、さとなおさんが「伊勢うどん」という西の麺についてだったので続けてぼくも西テイストの麺。といってもお店は東京です。東京でも今や讃岐うどんはどこでも食べられますが、薄口つゆの温そばを食べさせるところはあまり見当たらないように思うのですね(ぼくが知らないだけかもしれませんが)。で、別の用事で近所まで来ていてふと見つけて入った「おそば やまもと」が、まさに薄口つゆの温そばで感激しました。

場所は千駄ヶ谷とはいえ駅からはかなり遠方で、大通り(外苑西通り)から路地を入った内藤町と呼ばれる住宅街の中。
テーブルにつくなり京都祇園は原了郭の黒七味を発見。でも関東のそばつゆと相性がいいとは思わないので、おやっと首をかしげていると、運ばれてきた温そばはカツオ節の香り立つ薄口のつゆ。薬味用小皿には葉ネギ(緑の部分ですね)が載っています。しかも器は陶器ではなく漆器。ちなみにぼくの大阪の実家では麺類を食べるときには漆器を使います。

麺は少し太めでモチモチ感があり、温かいそばでも歯ごたえ十分。たっぷりの薄口つゆや葉ネギとよく絡んで深みも倍増。黒七味との辛さとも相まってまさに西のテイスト。とは思うものの、厨房から聞こえてくるスタッフの指示や会話に一切関西なまりはなく、関西出身者が出した店ではなさそう。(京都に「やまもと」といううまい日本酒があって、こちらの酒のメニューにも一番に載っていたので、酒蔵関係者の方かなあとも思ったのです)

けっこういい店を見つけたぞと、帰りがけ店のスタッフに「西のおそばなんですね」と話すと「いえ、今日は信州のものです」と蕎麦粉に対する回答をされてしまいました(笑。

ネット環境のある場所に戻って早速「おそば やまもと」を検索するも、なんと一件もヒットせず。ネットで出自を追っかけようとの思惑は大ハズレ。
そこで、少し時を置いて再訪。すでに初夏の気候ではありましたが、前回に引き続き温そばをチョイス。店主らしき若い好青年に、どちらのご出身ですか? と問うたところ、練馬の店で修業しましたとの回答。薄口のつゆはどうして? と続けると、修業した店でも温そばは薄口のつゆを出していたのだとそう。ちなみに冷そばは濃い辛口つゆらしいです。

そんな店主の言葉や店の雰囲気を手がかりに練馬の修業先を探しているとまさにピッタリの高名な蕎麦店を発見。ただ何人ものそば通がその店のレビューを書いているんですが、誰一人として温そばを食べてないんですね。ああそんなものかと、ぜひこの練馬の店にも行ってみようと決意しました。


ちなみにネットで一件もヒットしなかったので、念のため。

「おそば やまもと」
新宿区内藤町1-9 03-5269-4114
posted by 伊藤章良 at 17:14| 蕎麦・うどん | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年04月08日

さとなお:伊勢うどん

「すし居酒屋 松ちゃん」って店名だけ聞いたら絶対入らないタイプの店ですね。でもやたら安くて朝9時まで、って、使い勝手いいかも。

さて今日は、前回予告したように「伊勢うどん」について書いてみようと思います。

伊勢うどんってマイナーなので知らない方も多いですよね。東京とか大阪にも「伊勢うどん屋」って見たことないですから、本当に伊勢地区のみに発達したうどんなのだと思います。
元々、江戸時代の伊勢参りで訪れる大勢の旅人のために素早く出せるように作り出されたファストフード。麺は茹でっぱなしにしておいて、注文が入ったら丼にそのまま入れ、上からパッとタレ(甘辛く煮た真っ黒なたまり醤油状のもの)をかけただけ。タレは少なめでぬるいのですぐ食べられます。たぶん昔は立ち食いでパッと食べてお腹を満たしてお参りに行ったんじゃないかな。汁もなく、熱すぎもせず、具もなくて、要はすばやく腹を満たす食べ物だったのだと思います。

極太の麺は茹ですぎでブニャブニャです。で、タレは鰹節や煮干しでとったダシにたまり醤油などを加えたどす黒いもの。まずそうでしょう?(笑)。実際、地元でも「伊勢うどんはまずい」と言っている人に何人も会いました。でもね、うどん愛が強いボクとしては「これはこれ」だと思っているし、意外と好きなんです。
今回は7軒食べてみましたが、それぞれの店に個性があり、食べ慣れるほどに魅力がわかってきました。観光旅行で一軒食べて「まずい」と思っている方、ぜひ数軒食べてみてほしいな。

行ったのは「ふくすけ」「岡田屋」「ちとせ」「まめや」「山口屋」「中むら」「起矢食堂」の7軒。
内宮に近いのが「ふくすけ」「岡田屋」。外宮に近いのが「中むら」「山口屋」。伊勢駅に近いのが「まめや」。宇治山田駅に近いのが「ちとせ」「起矢食堂」はどこからも遠いですが、まぁ伊勢駅から歩いて15分くらいです。

昔から伊勢うどんを食べているわけではないけど、7軒をほぼ2日で食べ比べた経験からすると、「もっとも伊勢うどんっぽいと言われるんだろうな」と思われるのが「ちとせ」「起矢食堂」でした。
麺が違います。本当にぶにゃぶにゃのぐだぐだで、何の抵抗もなく歯を受け入れ、その極太さから歯と一体になるような食感を与えた後、にゅるりと口の中に入っていくみたいな、なんつうか、んー、書いててまずそうですね(笑)。でも馴れるとこのぶにゃぶにゃでぐだぐだな感じがわりとクセになり、おいしく感じます。

逆に「中むら」「まめや」は伊勢うどんなんだけど、麺の完成度が高いんです。伊勢うどんじゃない方向に。
つまりエッジが立つまでは行かないけど、コシがあって歯ごたえもある感じ。ただ、そういう意味では普通のうどんに近づいちゃうわけで、ボク的には「どうせならもっとぶにゃぶにゃにして!」と思っちゃいます。「中むら」はダシがサラサラ系で、これはかなり特徴的でした。そういう意味で伊勢うどんをベースに「うどんとしての完成度を高めた」という感じの店ですね。伊勢うどんっぽい、みたいな基準を取っ払うとココが一番おいしかったかもしれません。

内宮近く、おかげ横丁にある「ふくすけ」は、麺とタレのバランスがよく、クセも少ないので、観光客で特にうどん愛が強くない方はここ一軒でもいいかもしれない、と思いました。タレに椎茸が効いていてうまいです。麺もぶにゃぶにゃさが少し足りないけど、まぁバランスがいい無難な感じです。

残りの2軒、「岡田屋」「山口屋」はタレが独特でした。「岡田屋」はとろみがある珍しいタレ。「山口屋」はかなりクセのあるタレですね。しかも麺が7軒の中で一番重いです。ここは上級者向けかも。

真っ黒なタレって見た目が辛そうですが、どの店も甘さと辛さのバランスをちゃんととっていて、意外とあっさりしています。タレの好みで言うと、上品に甘かった「ちとせ」、バランスがよい「ふくすけ」「起矢食堂」が良かったかな。

まぁ各店の感想はまたボクのサイト内に上げますが、伊勢うどんとしてのオススメは「ちとせ」「起矢食堂」「ふくすけ」でしょうか。うどんとしてうまいのは「中むら」「まめや」ですね。

ちょっとわかりにくいまとめになっちゃいましたが、とりあえず。
posted by さとなお at 12:16| 蕎麦・うどん | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年03月04日

いとう:山長(恵比寿)

最初に少しご報告です。
幻冬舎の雑誌「GOETHE」4月号の特集「ミシュラン東京版の13の疑惑」での見城徹氏と宇田川悟氏との対談冒頭。宇田川悟さんが、月刊PLAYBOY誌上でのミシュラン座談会(山本益博さん、宇田川悟さん、横川潤さん、私が参加)の際、私が山本益博さんに「山本先生!」と呼んで崇拝していた、との記述があったのですが、私はあの座談会上で山本さんをそのように呼んだ記憶がありません。

ただ、イベントプロデューサーという本業の立場で講演会の企画・運営を頻繁に実施するので、文字通り「先生方」と接する機会も多くあります。それゆえ無意識のうちに先生と呼んでいたのかもしれないとも考えて、この座談会の書き起こしと構成を担当してくださったライターさんに確認を取ってみました。担当ライターさんは、書き起こし原稿等座談会の記録を詳細に調べてくださったのですが、私が山本先生と呼んだ形跡は見当たらない、とのことです。

と報告はこれぐらいにして、さとなおさんご紹介の「こうもと」。
隠れ家というのはこういう店をのことだ、との典型的な(隠れ家が典型的であっては意味がないかもしれませんが 笑)店ですね。きわめて都心の一等地ながら静かで落ち着いた雰囲気がすばらしい。上からオイルをかける葱そばをよく覚えています。

「隠れ家」であることもとても重要なんですが、深夜に「蕎麦」がすすれることも貴重かと。ラーメンを食べられる店はいくらでもあるんですが、蕎麦やうどんは意外と少ない。

ラーメン好きの方には申し訳ないけど、夜中にラーメンを食べるにはぼくたちの年齢ではすでに罪悪感バリバリ。逆にそれがストレスにもなってしまう。でも蕎麦やうどんだと、罪の意識が薄いというか許していただける感じがするんですよね。特に薄色の関西風だと余計に正しいことをしているような錯覚。

ただ東京は夜中に営業している、うどん・そば店が少ない(大阪にはけっこうあるんですが)。六本木界隈だと「つるとんたん」。銀座だと有楽町というか数寄屋橋タクシー乗り場の前にある屋台の「大阪屋」。そして昨年末恵比寿にも深夜までやっているうどん店を見つけましだ。「山長」です。

もともと黒うどんを特徴とした「山長」なるうどん店があるのですが、そことは関係はないみたい。「大阪の黒門市場で江戸時代から続く鰹節問屋の東京進出」との歌い文句で営業しています。

場所は恵比寿の駅から至近(先日紹介した「ほりこし亭」からも近く)のわりに、上手に打ち出すとかなり隠れ家っぽい場所にあるんですね。ただ、この店は鰹節問屋が直接出店したのではなく、間に運営会社が入っておりそこが大々的にパブリシティをしたようで、せっかく奥まった静かな場所なのに、残念ながらすっかり普通のうどん屋となってます(笑。

うどんは、そうだなあ・・・。まず麺(うどん)がすごく多い。おなかがすいているときはうれしいけど、夜中などはToo Much(贅沢ですね 笑)。ダシは薄味が基本。ただ、大阪風とも京都風とも讃岐風とも違う不思議なテイスト。鰹節問屋さんがかかわっておられる割に昆布の方が前に出ているようにぼくは感じました。

人手不足なのか、サービスはギャル系の女の子ばかりで老舗鰹節店のうどん屋には似つかわない(でもとても一生懸命なので好感は持てます)。とまあ、意外とちぐはぐな店なんだけど、やはり夜中に営業しているというありがたさで、すでに何度か足を運んでいます。アツモノよりは、冷やし系のほうがベターかな。
posted by 伊藤章良 at 22:28| 蕎麦・うどん | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年03月02日

さとなお:こうもと(南麻布)

ふふ。伊藤さん、書いちゃっていいのかな。
いや、ボク、その店行ったことないんですけどね。でもネット上に紹介するとき、そう思うことってよくありますよね。
そのうち必ず誰かに書かれちゃうんですが、なんとなく書くのを先延ばしにしておく店。ボクにもいくつかあります。

今日はそのうちのひとつ「こうもと」(南麻布)を。

ここは伊藤さんとも行きましたね。2006年の夏でした。
当時は本当に「とっておきの隠れ家」でした。メディア露出はしてないしネットにもほとんど書かれていない。で、教えてくれた方にも悪いし当分書かないでおこうと思ってましたが、久しぶりに検索してみるともうネット上にわりといっぱい書かれてますね。1年半経ったし、そろそろ書いてもいいかな。

基本的に蕎麦屋なんですが、特筆すべきはその隠れ家感とオシャレ感。
店への路地とその探検感からして、初めてのヒトはたいてい「おぉ!」と喜んでくれます。
そして玄関からのアプローチ、入ってからの内装のお洒落さ・清潔さ、ワインセラーの美しさなど、喜ばないヒトはまずいません。サービスもちゃんとしているし、なんというか蕎麦屋っぽくないですね。何回かいろいろな用途で使わせていただきました。教えてくれたKさんに感謝。

蕎麦屋なんで、基本は蕎麦。
なので、ボクは深夜にワインかシャンパン1杯と蕎麦、みたいな使い方をさせてもらっています(深夜までやっている)。
蕎麦メニューはいろいろありますが、葱そば、胡麻ダレそば、納豆そばが秀逸。

一品もいろいろあります。
揚げ物はボク的にはもうちょっとだけど、馬刺しとかサラダ系なんかはなかなかおいしい。ただ、いっつも深夜に軽く一品って感じでしか利用したことないんでわからないけど、メニューの値段を見ると、夜ご飯としてしっかりいろいろ食べるとかなり高くつきそうではあります。ご注意を。

ワインとシャンパンの品揃えはなかなか。2階にいい個室があるので、そこでのこぢんまりしたパーティも楽しそうです。芸能人が多いのもこの店の特徴だったけど、最近はどうなのかな。ある有名会社の経営らしいですが、その辺ボクは興味ないので触れません。

この店の味はその「隠れ家感」が一番のスパイスですね。
その魔法が切れてしまうと実はわりと普通っぽくなっちゃうんだけど、静かでお洒落な空間でおいしいワインと蕎麦、という〆は二軒目三軒目として得難い魅力ですね。小腹がすいた深夜とかに最高。今後も何かと利用させてもらうと思います。

ちなみに場所は、んー、初めてだとなかなか辿り着けないと思う。西麻布と広尾の間。住所表示は南麻布。路地の奥。
posted by さとなお at 17:09| 蕎麦・うどん | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年01月18日

いとう:一久(千川)

沖縄に行っておられたようですね。
今週本土は強烈に寒いので、体調を悪くされていませんか。
(それにしても、この時期の暖かい沖縄はうらやましい)

>今回はちょっとした個人的プロジェクトのために行ったので
>あまりお店を回れなかったのですが、沖縄そば屋だけは4軒
>回ってきました。

といいつつ、沖縄そばは4軒ですか!
ぼくにとって沖縄そばは、実際のところまだよく分からず。しかも東京で食べる沖縄そばに、おいしいと感じられるお店がないので、現地の味を少しでも多くトライしたい状態です。

では、そば繋がりで日本蕎麦の店を。
千川にある「一久」です。

ここは、池袋からタクシーで10分ほどなんですが、とても場所が説明しにくく、いずれの地下鉄の駅からも遠方。一応お店の方に尋ねると、千川が最寄ということでした。

まさに住宅街にポツンとあります。ただお店までたどり着けば、駐車場も完備され、なかなか立派な門構え。ダイニングはテーブル席とお座敷が2部屋ほどあり、今回は小さいながらも中庭の見える和室でいただきました。

こちらのご主人は、もともとそば粉のメーカーに長く勤められたのち独立。ご家族で蕎麦屋を営まれて15年になります。ところが、ほんの数年前に建てられたのかと思うほど清潔で美しい店内にまず驚かされました。

当日は、もちろん蕎麦を楽しみに来たのですが、最後を蕎麦で〆るコース料理をオーダー。前菜から、そばがき、そばサラダなど、すべてのコース料理に蕎麦をはじめとする麺のエスプリを取り入れたもので、蕎麦に対するこだわりは並大抵ではありません。

いっぽう蕎麦を食材として使うので、どうしても味付けが濃くしかも画一的なダシ系になり、多少too much感もあったけど、なんとかラストの蕎麦までたどり着き、更科と田舎の甲乙付けがたい2種類を堪能。
「どちらかお好きな方をおかわりで」と勧められ、更科の方をもう1枚追加。

蕎麦の特徴は、当然ですがたいへんに強いコシ。コシについてはさとなおさんも書いておられましたが、ぼくは、麺にコシが出るのは、そこまでにかけた数多くの手間の裏返しと考えているので、まさにご主人の熱意のなせる業でしょう。しかも、蕎麦打ちに最適の水を求めて伊豆の山奥まで汲みに行かれるとか。

加えて香りがスゴイ。もちろん今は新そばの時期で当然ですが、香りのいい蕎麦を求め、時期によって蕎麦粉の仕入先を変えるようで、オールシーズンは無理でも、かなりの確率で「一久」では新そばに出会えます。

残念なのは、お酒の種類が少ないことかなあ。
ここまで几帳面に蕎麦を作っておられる方ゆえ、あまりお酒には興味がないのかとも想像しますが、蕎麦屋にこそいい酒がある、というのも江戸前のお約束なので、「一久」でうまい日本酒を飲みたい客を満足させてほしいものです。
posted by 伊藤章良 at 16:55| 蕎麦・うどん | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年01月14日

さとなお:我楽そば(那覇)

お約束通り、南へ進んで、沖縄を書きます。現在、那覇空港のJALラウンジ。無線LANもようやく普及し始めて便利になってきました。

今回はちょっとした個人的プロジェクトのために行ったのであまりお店を回れなかったのですが、沖縄そば屋だけは4軒回ってきました。
「てぃしらじそば」「シーサー」「我楽そば」「田舎」
伊藤さんとご一緒したバーで勧められた「田舎」は生活系の懐かしい沖縄そばでしたが(とてもホッとするいい味でした)、それ以外の3軒は最近流行りの「若い人が昔ながらの方法で手打ちしている沖縄そば」で、化学調味料は使わないし、丁寧にだしをとるし、麺も凝っていて、たった10年前に「沖縄そばのラーメン化」について強く警鐘を鳴らした(つもり)のボクとしては、うれしすぎるほどうれしいですね(沖縄そばに興味がある方はボクの記事「すばの細道」をお読みください)。

で、この3軒、どれもとても良かったのですが、インパクトという意味では「我楽そば」が一番でした。
まず、完全に透明なだし(スープ)。これはもうほとんど水の透明度。なのにしっかりしたコクがあります。透明系の沖縄そばだと「淡すい」が好きですが、あそこよりも透明なのにあそこよりも味は濃く、しっかりした旨みがあります。

そして麺。これがすごい。これはすでに沖縄そばではなく、オリジナルの「我楽そば」と言った方がいいかと思います。昔ながらの沖縄そばは茹で上げてから油を振って保存しますが(で、独特のボソボソ感が出てくる)、ここのは生麺なので特有のコシと粘りがあります。で、コシが強い。メニューに「アゴたえをお楽しみください」と、歯ごたえにかけた洒落が書いてありましたが、確かにアゴを最大限に使わせる強さ。尋常じゃないですね。思わず香川の「松家(残念ながら閉店)」のさぬきうどん太麺を思い出しました。歯にガツンとくる力強さとムニムニの粘りが両立しています。いやぁ、沖縄でこの手の麺に出会えるとは…。

このようにスープと麺に強い個性があるそばなんですが、ここまで凝っているなら、素そばの方がおいしいだろうと思いました。
具の三枚肉もよく煮込んであって味はいいのですが、この店のスープと合ってません。スープを必要以上に脂っぽくしてしまいます。ネギの苦味もスープの味を濁らせています。肉なしネギなしにするか、八重山風にスープを濁らせないかまぼこにするかした方がいいかなぁと思いました。でも肉を入れないと現地の人からは文句が出るのかな。でもここまでちゃんとやるなら、違う具を研究して欲しいかも。

と、少し提案したくなるくらいは凝っていて、他の店にも影響を与えそうな沖縄そば屋でしたね。
国際通りからすぐの久茂地三丁目に「くーすBARからから」がありますが、そこを昼間だけ使わせてもらって営業しているようです。だから昼のみの営業。国際通り周辺に行ったら行く価値ありです。
posted by さとなお at 15:51| 蕎麦・うどん | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年01月10日

さとなお:釜たけうどん(大阪)

「美々卯」ですか。懐かしいですね。

大阪勤務時代はよく行きました。本店は古くて趣きあって良かったです。東京店はどうなのでしょう。ボクもまだ行ったことがありません。
10年くらい前に「美々卯」関係者からメールをいただいたことがあり「うどんすき鍋は鉄鍋を使っています。アルミ、真鍮などなどいろんな素材の鍋で実験したところ、やはり鉄が一番でした」と書いてありました。
また、そばのオススメは「うずらそば」(ざるの熱盛り)だと推薦されました。その後食べに行き、確かになかなか良かったです。

じゃ、ボクも大阪で食べた「うどん」を。

本当はなんばの「千とせ」に、芸人御用達の「肉吸い」を食べに行ったんです。
花紀京が二日酔いのときに注文した「肉うどんのうどん抜き」が、それ以来名物になったという由来の食べ物。ちょっと聞いた感じだと「二日酔いに肉うどんのうどん抜きだ〜?」って感じですが、ボクもずいぶん前に一度半信半疑のままに試してみたら、これが意外といけたんです。だからこないだちょうど二日酔いだったので、ヨチヨチと出かけたわけ。
そしたら閉店だったのですね。がっくし来て、その勢いではす向かいのうどん屋さんにとぼとぼ入りました。

それが「釜たけうどん」
入ってから「あ、ここって確かさぬきうどんでわりと有名」と気づきました。

生醤油うどんをいただきました。
ちょっとマニアックに言うと、香川の「なかむらのムニムニグニューン」と「鶴丸のグニグニズズーン」を合わせたような食感(わかる人にしかわからない表現)。
なんというか、「ぐっと踏み込む歯をしっかり麺が包み込んで離さない」後ろ髪引かれ系のさぬきうどんでした。うまひひひ。

入口横のテーブルで食べたのだけど、拙著「うまひゃひゃさぬきうどん」が置いてあって、なんか懐かしかったです(笑

東京の家に帰ってから、ふと思い出してメールの受信簿を検索してみたら、約6年前にこの店をやっている方からメールをいただいていたのでした。
といっても、そのころはまだお店をされていませんでした。「たけちゃんの大阪讃岐うどん情報」というマニアックなとてもいい食べ歩きサイトをやっておられたんですね(現在も続いてます)。その後、好きが高じてさぬきうどん屋さんを始めた、ということみたいです(お店のサイトはこちら)。
これだけうどんを食べ歩き、いまでも研究熱心に休日を惜しんで食べ歩いている方が作るさぬきうどん、そりゃおいしいに決まってますね。
posted by さとなお at 23:30| 蕎麦・うどん | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年01月08日

いとう:美々卯(大阪)

さとなおさん、今年もよろしくお願いします。
正月休みが終わったと思ったら、また三連休。どうも締まらず、だらだらと過ごしてしまいました。

>今日は北新地の「甚五郎」。
四つ橋筋から新地本通りを入ってすぐの左側に、素晴らしい木彫看板の古い一軒家割烹があるのですが、そこです。

そんな昔からあるなら、大阪で過ごしていたときも何度も前を通っていたかと思うんですが、まったく知りませんでした。興味津々です。

>ちなみにこの店、「キュウリ巻き」発祥の店らしいです。

関西人って、カッパ巻とは決して言わないので(というか、とても違和感があったので)合点がいきました。左甚五郎は大阪出身ですし、お店の名前は納得できるんですが(笑)。

では、ぼくももう少し大阪の店を。
ただ「甚五郎」ほどレアじゃなく東京にもたくさん支店があるので、随分とイメージは異なるんです・・・。

「美々卯」。大阪発祥の麺の店ですが、東京にも渋谷や新宿などの交通至便な場所に5軒も店舗があるんですね(東京では行ったことがないので、同じダシかどうか分からないんですけど)。登録商標でもある「うどんすき」で有名な店。でも基本はそば屋のようで、年末の大阪ニュースでは必ずこの店の年越しそばを売るシーンが流れます。でも、やっぱりここは「うどんすき」。突然食べたくなるんですね、いわゆるおせちに飽きたら・・・というヤツ。

まず、たたいてカーブをつけたという特製の鍋と、たっぷりと注がれる黄金色のダシがいい。カツオの香り高く(讃岐うどんは昆布ダシなので、大阪のうどんとの違いをそこに感じます)塩もしっかり効いていて、まだ沸騰する前からそのダシをつまみに飲み始めます。

いっしょに炊き込む魚介類や野菜も充分に吟味されていて美味。うどんはかなり太めで、煮込むにつれて表面がユルくなりダシとうまく絡みます。

それと、スタッフのホスピタリティの高さにも改めて感心。正月で忙しく、しかもわがままな客一組一組に対しても、実にていねいで過不足のないサービスを実践していました。今年は東京の店ものぞいてみたい、と思った次第です。
posted by 伊藤章良 at 23:15| 蕎麦・うどん | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年09月28日

いとう:葉隠(赤坂見附)

>具を食べさせるという意味ではとっても優れた料理であるスープカレー。
「新しい」「珍しい」だけでは終わらない素晴らしさがあると思いますが、最近では新店ラッシュですので、これからは質の勝負ですね。楽しみです。

スープカレー、本格的なものはあまり食べたことがないんですが、数少ない経験から言うと、「具を食べさせる」という感覚をぼくも持ちました。和食で言う炊き合わせみたいな。札幌の報告楽しみにしております。

郷土色豊かな料理ということで、新しバージョンではないんですが、今回は関西風のうどんを取り上げてみます。赤坂見附にわりと最近できた、手打ちうどん「葉隠」

赤坂見附駅から程近いビルの地下。20席ほどの小さなスペース。ここは元々そば屋だったような記憶がありますが以前の店は未訪。はがくれというと、大阪人なら「おおっ、もしかしてあの名店?」との予感あり。で、ぼくもそんな期待を持ったひとりです。でも、店主が急がしそうで確認こそできませんでしたが、うどんのタイプからすると大阪の「はがくれ」とは残念ながら違いました。

選んだのは肉うどん。メニューにわざわざ「牛肉」と書いてあります(関西人にとって、肉うどん・肉そばの肉とは牛肉なんですが、こちらの場合は豚肉なので。
関西人が東京に来て焼肉定食を頼んだら豚肉だったと怒る笑い話がありますよね。ただ、東京でも焼肉は牛なんですけど)。

甘辛く煮込んだ牛バラ肉がうどん鉢の全面にトッピングしてあり、それと絡めてうどんをすすれば、まさに大阪の肉うどん。強烈に上質の味かと問われるとつらいですけど、ホッとする柔らかなテイスト。

大阪の家庭では、家でうどんを作ると必ず母親が「とろろコブも入れや」というのですが(もちろん我が家も)、「葉隠」ではとろろ昆布入れ放題。そんな気配りも感涙でした(でも、高価なものなので、このサービスがいつまで続くかは保証できないなあ)。
posted by 伊藤章良 at 17:44| 蕎麦・うどん | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年08月30日

さとなお:京橋恵み屋(京橋)

> ボウボウとは、そしてさらに土鍋ごはんとは、暑そうだなあ(笑)。

ボウボウではなくてボウホウと読むようですよ。

> うーん、日曜日にすし希望・・・。さとなおさんならどうしますか

日曜に鮨…。
そうですねぇ、「しみづ」(月休)か「與兵衛」(水休)か「ととや」(月休)か「あら輝」(水休)か「弁天山美家古」(月・第3日休)か「すし昴」(月休)か……

って、いま調べたんですけど(笑)
意外とありますね。
「鮨たかはし」は行ったことありません。良さそうです。行ってみます。


ええと、じゃあ江戸の食つながりで、蕎麦を。

「京橋恵み屋」は行かれましたか?

「立ち食い 立ち飲み 十割蕎麦」が売りの小さな立食い蕎麦屋。

ボクがここに初めて行ったのは2年くらい前だったか、もりが480円の安価な店なんですが、ここの蕎麦はある種のブレイクスルーだと思いました。

ボクは「蕎麦は香り」だと考えるほうで、香りを重視すると実は「蕎麦の仕入れと保管」&「自家製粉」が大事になってくると思ってます。
極端に言えば、香りを重視する場合、適切な地方の適切な生産者から仕入れて、保管をちゃんとし、新鮮な蕎麦の実を自家製粉して、挽き立てで出してくれれば、職人の腕がまぁまぁレベルでもそこそこうまい、と。

この「京橋恵み屋」は、職人の腕がまぁまぁレベル以下なんです。
つか、機械打ち。
しかもトコロテン形式。
"蕎麦道"的オヤジが見たら頭抱えそうな作り方をしています。

厨房の奥にヌードルマシン(圧縮空気で押し出す式の製麺機)があって、蕎麦玉をそのマシンに放り込むと、蕎麦がトコロテンのように麺状になって押し出されてきます。そしてそのまま沸騰したお湯にボチャボチャと落ちていく。茹では数秒。すぐ上げて水で〆れば出来上がり…(これって韓国の冷麺と同じマシンか、もしくはその応用かも)。

切るという工程がないという意味ではこれはもう「蕎麦切り」ではないですね。
あえて言えば「蕎麦パスタ」かな。

で、「香り重視」という観点から見ると、充分うまいんですよ、この蕎麦。
香りは強く出てくるし、コシもちゃんとある。マシンの押し出しが均等ではないのか、適度な太さのブレがあって、これもいい雰囲気になっている。しかも480円で量もたっぷり。

聞けば自家製粉ではないらしいです。前日に挽いた国産蕎麦粉を仕入れているらしい。
前日に挽いた粉とはいえ、練り・こねの工程を一気にやり、一気に押しだし(打ち立て)、そのまま一気に茹でる(茹で立て)という速攻技で蕎麦粉のパフォーマンスを最大限に引きだしている感じですね。

つまり何が言いたいかというと、玄蕎麦や蕎麦粉をちゃんと意識して、スピードを重視すれば、マシンでもそこそこうまい蕎麦が出来てしまう、と。(機械打ちの蕎麦はいままでもあったと思いますが、蕎麦粉やスピードなどを意識してない店がほとんどだった)


もちろんアラはいろいろ探せます。
これを読んで行った方が「な〜んだ、やっぱり機械打ちは機械打ち」と言うのは簡単でしょう。
心を込めて手で打ったものをいただく美味しさもわかります。

でもボクはこの店を「ある気づき」と捉えたいですね。
蕎麦道みたいに哲学してる蕎麦屋には「たかが蕎麦」的肩の力の抜け方を。2000円でほんの少しの量しか出さないような蕎麦屋にはコストパフォーマンスのあり方を。手打ちをうたっているのに全然香りがしなかったりする蕎麦屋には蕎麦粉の大事さとスピードの大事さを。

って、話が大仰になりました。
ええと、要するに、安くてうまい立食い蕎麦屋が京橋にあるよ、っちゅうことです(立食い&機械打ちなので300円くらいになったらもっとうれしいけど)。

中央区京橋3-4-3/03-3272-8616
(虎ノ門にも支店あり:港区虎ノ門1-11-2/03-3593-9422)
posted by さとなお at 07:27| 蕎麦・うどん | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年04月25日

さとなお:あまの(大阪)

伊藤さんが「アイーダ・ゴメス」行ったの土曜日ですか?

ボクは金曜日に行って、帰りに「VIRON」にふられ、「シノワ」にふられ、結局西麻布の「キャビステ」に流れました。同じ日だったらどこかですれ違ってますね。
「シノワ」は昔よく行きましたが、このごろご無沙汰だったので、とても残念でした。

フラメンコの動きとシェイカーの動きは似てますね(笑)
宮崎さんの軽やかな振りは確かにゴメスと通じるところがあるかも。


ところで「あまの」。奇遇ですね。
ボクも味噌煮込みうどんの基準はあの店です。というか、本場を知る前に「あまの」の味を刷り込まれちゃいました。伊藤さんも同じとは驚きました。あんなマイナーなお店…。

あそこは「あゆち味噌」という味噌を使っていて、白味噌をブレンドしない辛口です。
※【追記】白味噌を少しブレンドしているとの情報あり※

で、そのうえであえて「辛口」をオーダーするのが通です(笑)。味噌濃いめにしてくれます。
ボクのオーダーはいつも決まっていて、「味噌煮込みうどん、えのき入り、辛口、大ご飯」でした。今でも口が覚えているくらい、いっつもこう言ってオーダーしてました。

あの辛口度合いがすごく好きだったのです。ご飯ともとてもよく合った。
あぁ食べたいなぁ。東京に辛口味噌煮込みの店、できないかなぁ。
以前、大阪の西梅田地下街にあった店の作り手のおばちゃんが好きだったのですが、いまはその店はありません。今はウメチカで営業しているのかも。あのおばちゃんが作る味噌煮込みうどんをもう一度食べたい。
posted by さとなお at 12:11| 蕎麦・うどん | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年04月23日

さとなお:山本屋総本家高針店(名古屋)

そうですね、味噌煮込みうどんは全体に高いです。
両山本屋ともに高い。あれは何でなんでしょう? たしかに不思議。売り手市場ということもあるのかな。競い合って安くなるならわかるけど…。

でも、

>山本屋の高級な方ですね(東京には出店していない方です)。

これはそうなんですか?
本店の方が総本家より高級だという意識はありませんでした…。


ちなみに、名古屋の有名なサイト「名古屋麺食い天国」(なご麺。残念ながら現在リニューアル中)をやっているげそ天さんとご一緒したとき、

「味噌煮込みうどんは店側で作ってくれるのが普通だけど、名古屋広しといえども一店だけ客が作れる店があるんです(2000年現在)。味噌煮込みうどんの一から十まで知ることが出来るのでオススメですよ」と教えていただいたのが「山本屋総本家高針店」

高針とは、名古屋は名東区の地名です。
で、ここは総本家の社長の自宅らしいです(笑)。それがお店を兼ねている、と。

味噌とだしが入った土鍋が出てくるので、それを火にかけます。
土鍋が沸騰する直前に生麺を入れ(沸騰させると味噌の香りが飛んでしまう)、再びグツグツしだしたら、鶏肉、えのきなどの具を入れます。しばらくしたら火を止めて出来上がり。
あとはいつものように土鍋の蓋を小鉢がわりにしてご飯とともに食べるわけですね(半熟卵の黄身をご飯に乗せるのを忘れないようにしないと!)

ま、とにかく、好き勝手に調整できるのがうれしいかもしれません。
あの味噌煮込みうどん独特の「麺の芯が残る感じ」が好きなら煮えすぎないように注意した方がいいし、あの芯の残り具合が嫌いな方なら長めに煮込むといいですね。

ただし、味噌は調整できません。
実は両山本屋ともにボクにはマイルドすぎるのです。白味噌をブレンドしてあるからかな。味噌だけだと、大阪の味噌煮込みうどん屋「あまの」の味つけの方が好きです。「あまの」についてはまたそのうち。
posted by さとなお at 08:23| 蕎麦・うどん | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年04月20日

いとう:大福(豊田市)

>普通の駅そばです。あれは東京大阪をわりと往復している人にしかわからない
狭〜いスウィートスポット的な店かもしれません。

ぼくもそのとおりだと思います。
でも、あの店を教えて(場所の書き方がいい加減ですみません 笑)感謝されるケースが多いので、東京大阪を往復している友人がお互いにきっと多いのだろうし、味以上の存在感がある(料理店は味だけじゃないよー)って、認識させる場所なのかもしれません(なんかカタイ表現ですけど)

さて只今、愛知県豊田市に来ています。仕事の関係でこちらには何度か出張するのですが、申し訳ないけど、本当に美味しい店に恵まれれない街で、少し悲しくなります。そこで、まず豊田市に入る前に名古屋市内「山本屋本店」にて、味噌煮込みうどんを。山本屋の高級な方ですね(東京には出店していない方です)。

>うどん屋なのに昼から3000円以上。でも満足度高いですね。「今井」は一品もなかなかうまいので、思わず頼んでしまいます。

ということですが、「山本屋本店」でも、味噌煮込みうどんの定食で2000円前後、
ビールを頼むと3000円ぐらいすぐにいっちゃいました。だったら「今井」の方が
いいなあと思ってしまいますね。味噌煮込みうどんも大好きなんですが。

なんとなく悔しくて、豊田市にてうまい味噌煮込みうどんを食べさせる店はないのかと検索してみると、一軒気になる店が・・・。そこが「大福」。実は名鉄の豊田市市駅という泊まっているエリアからだと一駅電車で移動しないといけない場所なのですが、食指が動いたので行ってみることに。

この「大福」は大当たり。住宅街の道路沿いにある普通のうどん店で、店内も雑然として張り紙だらけなんだけど、その文言を見ているとかなりこだわっている模様(八丁味噌は3年熟成したものを使っているらしい)。

そして運ばれた味噌煮込みをすすれば、濃厚で奥深いのに塩辛くないという、大豆の発酵と熟成が造る絶妙の技が口の中を駆け巡りました。うどんがまた旨い。有名店以上に硬質ながら香りよく弾力もあり噛めば噛むほど味が出るといった感じでした。

これで890円(ただしライスは別)。やっと豊田に来る喜びを見つけましたよ。
posted by 伊藤章良 at 23:33| 蕎麦・うどん | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年04月19日

さとなお:浪花そば(新大阪駅)

うはは。伊藤さんも「浪花そば」好きですか。うれしいなぁ。

あの駅そば、ボクも当時すごくよく利用してました。
普通の駅そばなんですけどね、あの薄味そばが妙にうまい。東京に行くと濃い味そばしかないので、あそこでにしんそばとか食べてから、水了軒で「八角弁当」買って、新幹線に乗るというのがパターンでした。
あともうひとつ、「上海」という中華料理店が外改札出た横にあって、意外と好きで行っていたのですが、先日探したらなくなってました。残念。

って、コレ読んで期待して「浪花そば」に行くのはやめてくださいね(→読者の方々)。本当に普通の駅そばです。あれは東京大阪をわりと往復している人にしかわからない狭〜いスウィートスポット的な店かもしれません。

※伊藤さんは「東海道線に乗り換える通り道」と書いてますが、通り道というよりは一番奥にありますね。


んでもって、リーガロイヤルホテル。
今回ボクは「25mプールがある」ということと「サンデーマンデー連泊パックが激安」という理由で選んだのですが、老舗ゆえの部屋の狭さはありますが、サービスが一流でちょっと見直しました。ちょうどいい距離感の気持ちよさ。よく教育されてるなぁ。もっと新しめのホテルを選ぶことが多かったけど、これからはここにしようと思わせるものがありました(プールも気持ちいいし)。

思い出せば、阪神大震災後、電車が全然復旧しなかったので、ほんの一時期だけこのホテルに泊まって会社に通ったのでした。すごい安いパックを用意してくれたんですね。そういう意味でも思い出深いホテルです。

「今井」では、ボクは豆ご飯セット(2200円でお煮しめと豆ごはん)ときざみうどんを食べました。
うどん屋なのに昼から3000円以上。でも満足度高いですね。「今井」は一品もなかなかうまいので、思わず頼んでしまいます。
posted by さとなお at 09:03| 蕎麦・うどん | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年04月18日

いとう:大阪の立ち食いそば

>「蕎麦匠たじま」をいまひとつ褒めてないブログもありますねぇ。まだ試行錯誤中なのかもしれません。特にサービス。

そうですね。確かにサービスは、一度目はあまりよくなくて、二度目はとてもよかったです。ただ今風の内装で広尾のあの場所なので別な意味での期待感もありますが、意外と昔ながらの蕎麦屋といった趣きです。

>大阪出身の伊藤さん、やっぱり豆ご飯食べました?

実はぼくの出張も宿泊がリーガロイヤルホテルだったので、お約束というか、ロイヤルに泊まるときは必ず「今井」に行きます(他があまり美味しくないということもありますが・・・、特に鮨の「なか田」は同じ看板じゃまずいんじゃないのと思うくらいですし)。ここの「今井」の方が道頓堀の本店より美味しい気がしますね。ぼくが行ったときも豆ご飯でしたよ。ご飯だけで900円もしましたが、やっぱり食べてしまいました。

というか、こういった名店もいいんですが、市井の店でも独特のゆるいコシと絶品の薄味だしは味わえるような気がします。いろいろな人にすすめるのが、
「浪花そば」。新幹線で新大阪に着きそのまま大阪駅に出る際、東海道線に乗り換える通り道に店を開いています。極めてうまいとすると語弊があるけど、東京から大阪に着いて、まず最初に味わう大阪の洗礼として最適かなと。本当に冗談ではなく、いつも「たぬきそば」のトッピングでもめている人がいます(笑)。

それと単純にノスタルジックな記憶としては、阪急十三駅構内の「阪急そば」、それと、また登場の新梅田食道街「とり平」かな。最近の味は確認していませんが。
posted by 伊藤章良 at 15:33| 蕎麦・うどん | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年04月17日

さとなお:今井(大阪)

「蕎麦匠たじま」をいまひとつ褒めてないブログもありますねぇ。
まだ試行錯誤中なのかもしれません。
特にサービス。
どちらにしても今度行ってみようっと。

ふと気がつくと、この春、まだ蕎麦を食べてませんでした。
そのかわりうどんはわりと食べているかも。なんとなく春はうどんなワタシです。

この前大阪に行ったとき、リーガロイヤルホテル内に入っている「今井」に昼ご飯に行きました。

「今井」はミナミにあるめちゃくちゃ有名な大阪うどんの店ですが、ここのきざみうどんやきつねうどん、季節のご飯などは、本当に「大阪に来たなぁ」と思わせる上品な薄味で、わりと好きです。

あの独特のゆるいコシと絶品の薄味だし。
これがほんわかとした空気を醸し出していいですね。大阪っぽい。

さぬきうどんに凝っているときは、大阪うどんの麺のゆるさがダメでしたが、いまでは許容量も増え(笑)、それはそれでとても楽しめるようになりました。

この前の「今井」は季節のご飯が豆ご飯で、これがまた絶品でした。
大阪って豆ご飯うまいし、必要以上に豆ご飯を賛美する人が多いですよね。あれはなんでなんかな。そういえば「大阪豆ご飯」って漫画があった気もする(モーニングだかスピリッツで)。

大阪出身の伊藤さん、やっぱり豆ご飯食べました?
posted by さとなお at 22:33| 蕎麦・うどん | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年04月15日

いとう:たじま(広尾)

>「沖縄第一ホテル」行きましたか。
ボクも伊藤さんも大丈夫だと思いますが、宿泊はシティ派には覚悟がいりますね。

ぼくも泊まらずに朝食だけ行ったのですが、宿泊者の方も朝食会場には何名か
いて、多少「宿泊」自体には満足げでなかった(笑)印象が記憶に残っていま
す。それにしても苦い朝食でした。でもススッと抵抗なく入っていく感じが沖縄の朝にピッタリだと思いました。

で、以前も書いた広尾の「蕎麦匠 たじま」なんですが、さっそく再訪しました。昼でも夜と同じメニューが食べられるので(昼用のランチもありますが)今度はランチタイムに。昼も予約可とのことで予約をしていきましたが、場所的に微妙な位置なのか、さほど混んではいませんでした。

3000円のコースは、野菜の小鉢料理が3品と野菜料理1品、そして蕎麦。
蕎麦はもちろんですが、ここの野菜もとても美味しいです。苦いものは苦く、
渋いものは渋い。でもそれを、味噌や胡麻和えなどの調理法で美味しく食べさ
せる工夫がある。「沖縄第一ホテル」の朝食とは少し違う、素材感と日本の家
庭に根付いた味付けの双方が織り成すやさしさみたいなものが楽しめます。

最後の蕎麦は、大盛り、二枚盛り可。しかも「もりとかけ」というオーダーも
OK。天ぷらもふわっといい感じに揚がってくるので付け加え、最後は崩れた揚
げ玉を「たぬき蕎麦」にして食べました。

「蕎麦匠 たじま」はまた、サービススタッフもとてもすばらしいです。料理を出すタイミングをすごく気にしてくれていて、適度に声をかけながら出していきます。古くからの蕎麦屋に残る伝統、みたいな良さもモダンな店内で垣間見ました。客に年配の方が多いのもそんな理由かもしれません。
posted by 伊藤章良 at 16:04| 蕎麦・うどん | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする