2017年12月31日

さとなお:若ちゃん(五反田)

伊藤さん、今年もお世話になりました。
実質二ヶ月に一度の自分のターンですが、「ここを是非ご紹介したい!」が減ってきています。情報が圧倒的に増えたせいで店のレベルがどこも上がり、70点くらい簡単にとってきます。そういう意味で、昔みたいに歴然たる差を感じなくなったからかもしれません。逆にトキメキも少なくなったなぁ・・・。

さて、今年ラストは、五反田「若ちゃん」にしようと思います。50年以上続く古いおでん屋さんです。若返った街の中でひときわ「古さ」にトキメキを感じるいい店です。

わりと多くのネット・ベンチャーが移転してきたこともあり、五反田は急激に若返りました。ちょっと前の独特のいかがわしさも減っています。面白くなり始めている街ですよね。いい店も増えています。

ネガな部分で言うと、昔からの客や年輩客が通いやすい店が減ってきている部分もあります。オコチャマがウェイウェイ言ってる店が激増している感じ。まだ家賃が安いせいかチェーン店も多い。そんな中で燦然と「オコチャマ拒否オーラ」を放っているのが、(店名に反して)この「若ちゃん」です。

経験値高いおっさんは躊躇なく、いや喜んで入れる店構え。
若っぽい店ばかりの中でポツリとある古い外観。白い暖簾。そして入り口にどんと「剣菱」と書いてあるのもいいんです。わかるでしょ?

で、おずおずと戸を開けるとオコチャマが入店しにくい絶妙な雰囲気が醸し出されています(実際、入ると年輩客がずらっと白木のカウンターを占領してたりします)。
女将さんは総白髪かつポップな雰囲気で(すごくいい人なのだけど)無表情でとっつきにくいところがある。逆に言うと、とてもいい距離感で接してくれます(「つかず離れず」の「つかず」寄り)。この距離感が最近はありがたい。

特筆すべきは、五反田では珍しい「禁煙」の店です。
五反田って禁煙店少ないんですよね・・・ボク、鮨屋の喫煙が一番嫌いですが、二番目に嫌いなのがおでん屋の喫煙なんです。
おでんの出汁の独特な甘い香りとタバコの匂いって、まざると最悪じゃないですか? でもここは「禁煙」ってでっかく貼ってある。五反田の酔客といろいろなトラブルがあったのではないかと推測させる貼り方なんですw 五反田で数十年やってると、禁煙店はいろいろあっただろうなぁ・・・(たちの悪い酔客が何で吸っちゃダメなのかと絡んできますからね)

おでんは関西風の薄味で、素材から出る出汁にプラス塩だけだったかな。熱燗と非常によく合います。
で、具がまた大きい。ふたりで行って、なますやへしこやお新香などをちょっと頼んで(季節の凝ったつまみがたくさんあります)、おでんを3つずつくらいとると意外と腹一杯になります。

変わり種は、牡蠣や白子のおでん。これまたでかい。煮過ぎずちょうどいい熱の通り方(素材ごとに熱管理をかなり細かくされてます)。
それと玉子ですね。殻のまま入れるらしい。で、殻にヒビがいって網目状の出汁の跡がつく。ラーメン屋の煮玉子がはやってから濃い味だらけの煮玉子界ですが、ちょうどいい加減の煮玉子ですよ。

白木のカウンターでは年輩客が楽しそうに酔ってます。若手カップルなども混じりますが、みんなこういう店では謙虚にしている。そういう店、少ないですよね。

昔はこういう大人の店がたくさんあって、品のある年輩たちが無言で若者たちに「大人の振るまい」を教えてました(品のある年輩も少なくなりましたが)。
いまは若者の店に年輩客が肩身狭くいる感じ。まぁ東京とはそういう場所だし、その良さもあるんだけど、特に若者が増えている五反田にこういう店があることをとてもうれしく思います。

ちなみに、女将さん、水泳関係者らしいです。世界水泳に出た錚々たる水泳選手たちからの寄せ書きが貼ってありました。「選手だったんですか?」って聞いたら「いえいえ」と照れ笑いされてました。あ、それと、若ちゃんというのは名前ではなく、名字だって言っていたかな。気持ちよく酔えちゃうので、すぐ忘れるw

posted by さとなお at 20:03| 雑談 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする