2015年11月03日

さとなお:今彩(神楽坂)

「よねやま」、たしかに一時期ずいぶん露出してましたね。
ボクは新宿や四谷方面がわりと不得意で、荒木町をはじめ、そのあたりはあまり詳しくありません。
いまでは四谷三丁目の組織に縁ができ、週に一回は通っていますが、それでも仕事が終わるとそそくさと城西や城南のほうに戻ってきてしまいます。なんでなんでしょう? 大学時代はよく新宿で遊んだのに。

なので「よねやま」も、名前は知ってましたが、伺えてません。
いまはせっかく近くにいるので、今度伺ってみたいと思います。

そういう意味で、ボクにとって同じような方角にある神楽坂もそんなに足を踏み入れない地域です。
店数はそこそこ行ってますが、食べ終わったらそそくさと帰ってきてしまいますね(笑)

とはいえ、神楽坂は凄まじい勢いでいい店が増えていて(もしくは発掘されていて)目が離せません。

今回ご紹介する「今彩」は友人に連れて行ってもらった一軒。
ボクは知らなかったのですが、こういう店がさりげなく普通にあるあたりが神楽坂の凄みです。

ジャンルとしては、いわゆる創作料理系でしょうか。
シェフがロブション出身ということもあり、フレンチテイストを活かした和の創作系かと思います。

個人的には、創作料理系はあまり好きではありません。
たいていの創作料理店は芯がないというか、ある盤石な基礎の上に屹立しておらず、表面的な工夫が上滑っていて印象に残らないことが多いからです。

ただ、この店の場合、フランス料理の土台がきっちりあるのだけど、シェフの嗜好性・方向性がフランス料理からどんどん日本料理に移っていった感じで、これは好きでした。フュージョンですらない。なんというか、「和食シフト」的な。

なので、基本、和食です。
カウンター割烹に近い(内装はちょっと京都の暗い喫茶店みたいな感じだけど、長いカウンターが印象的です)。その底流にフレンチの基礎がある。でもシェフはそこにこだわらず、日本人である自分の個性も活かしながら、うまいもんを作っている。そういう印象を受けました。

そういう店は、わりとグルマン系というか、肉たっぷりのうはうは系だったりするのだけど、この店は(カウンターに野菜がずらりとディスプレイされているのですぐわかるのだけど)野菜重視の和食。ちょっとストイックな匂い。店名も根菜から取っているかと思われるし。

しかも、コースは大きめの籠に入った八品盛りで始まる。
この籠の設えがまたストイック感があり、シェフの嗜好がよくわかります。そしてだんだん「あ〜、この店はシェフがやりたい放題の個性的な店なんだな」とわかっていきます。

そうとわかれば、あとはシェフが作る小宇宙に乗っかるだけ。

ふと見回せば、そういうお客さんたちがたくさん笑顔で食べています。こういう店に批評やら食べログやらは関係ありませんね。

なんだかとってもロブションっぽい茶碗蒸しや、焼き加減が絶妙な肉料理などが、しゃくしゃくの野菜の合間に出てきます。
デザートも何種類もでて楽しかったし(すっごく凝っている)、ハーブティーに至るまでシェフの世界を楽しみました。こういう料理を広いカウンターで楽しめます。

すっと誰かの世界に乗っかってニコニコできる、そういう精神状態で行ってもらいたい店ですね。
ボクは最近、相手の流れにただ乗って流されていく外食、というのが好きなので、この店はとても好きになりました。
posted by さとなお at 18:58| 和食(小料理・割烹・郷土料理) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする