2014年12月24日

いとう:酒菜や まつ(阿佐ヶ谷)

さとなおさんのお手元にはすでにあるかなとも思いますが、少しここで紹介を。
東京百年レストランというタイトルで、百年後にも存在していてほしいとぼくが思う店、という縛りだけで選んで紹介しているシリーズの第三弾が出来上がりました。「幸せになれる43の料理店 ―東京百年レストランIII 」です。

第三弾では、以前にもまして、それぞれのレストランから感じる「継承」をテーマに据えて書きこんでいます。ぜひご一読いただければ幸いです。
http://www.amazon.co.jp/%E5%B9%B8%E3%81%9B%E3%81%AB%E3%81%AA%E3%82%8C%E3%82%8B43%E3%81%AE%E6%96%99%E7%90%86%E5%BA%97-%E2%80%95%E6%9D%B1%E4%BA%AC%E7%99%BE%E5%B9%B4%E3%83%AC%E3%82%B9%E3%83%88%E3%83%A9%E3%83%B3III-%E4%BC%8A%E8%97%A4-%E7%AB%A0%E8%89%AF/dp/toc/4844376675

さて、今までの流れで中国料理にもっていきたいと思ったんですが、年内に紹介しておきたいなあと思う居酒屋がありますので、そちらを。
阿佐ヶ谷の「酒菜や まつ」です。

この店の主は以前、最近さとなおさんもときどき来られている新宿御苑前にあった「あゆたて」という寿司割烹のような店におられました。新宿御苑前というと、あまりマニアックな店に仕立てても集客に苦労するのか、「あゆたて」は創作和食みたいな飛びつきやすい冠をつけてたんですが、何度か地元のメンバーに連れられて行った際、もっとストレートに「魚」で勝負すればいいのにと思うほど、良質で廉価で高い技にも支えられた「魚」を提供する店だったんです。

「あゆたて」という店はもうないのですが、その方が阿佐ヶ谷に居酒屋を出されたという風のうわさ(笑)を聞いていて、ずっと訪問の機会を狙っていたというわけです。
場所は、阿佐ヶ谷駅からMcDonaldの横を進んだ飲み屋街。いい立地です。
店内は入ってすぐにカウンターとボックス、奥にテーブル席が三卓ほどあります。テーブル席からは厨房が見えないので、混んでくるとこの場所はほっとかれるかなとも感じるけど、じっくり話をしたいときなどは最適でなかなか利便性の高いレイアウトだと思います。

それにしても料理はうまい。寿司をやめて本当に正解だったと感じます。自慢の刺身は大振りの切り口で清酒に合うねっとり感も充実。牛肉を使った肉豆腐のダシ加減には、思わず「これだよ」と叫びました。今の時期なら復興した広田湾のカキをフライをはじめ、カニグラタンコロッケやハムカツなど、揚げもそろってます。
清酒も十分なラインナップで、地方のバランスもちょうどいい感じ。何より、廉価だし価格別のメニューがとても良心的なんです。

そして〆にはラーメンもぜひ。このラーメンは魚介メインのWスープをうたっていますが、市井のラーメン店の多くは腐った魚の匂いがするのに対し、これぞ魚介から滲み出る淡い磯の香りが鼻腔に充満。ぜひラーメンフリークにも一度召し上がってほしいです。

なお、拙著「東京百年レストランシリーズ」で紹介している居酒屋は、ほとんど禁煙の店ばかりだという指摘が愛煙家から多数寄せられましたが(汗、「まつ」も禁煙。やはり秀逸の料理や香り高い清酒を提供する店には、タバコの煙は不要ですね。

posted by 伊藤章良 at 15:45| 居酒屋 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする