2012年10月29日

さとなお:味酒かむなび(大阪)

なるほど。
ボクは東京生まれ東京育ちで、社会人になってからの大阪経験なので(15年いたけど)、ホルモンとかどて焼きとか串カツとかの幼児体験(?)がないんです。

だから「西成二代目にしかわや」の楽しみ方も、伊藤さんみたいな大阪育ちの人とはちょっと感覚が違うかもですね。郷愁と幼児体験がないと心底楽しめないというか…。そういう感じ、たこ焼きやお好み焼きにも感じます。大阪人のそれらへの熱狂がどこかでわからないところがあります。

とはいえ大阪には15年勤めていたので、ボク的にはかなり大阪への肩入れは強いし、まぁ15年も体験してたら少しは語ってもいいのでは?と思うところはあるのだけど、でも、大阪の奥深さにはいまでもよく舌を巻きます。とても15年くらいでは語れないなぁ…。

谷町の「味酒かむなび」も、そんな奥深さに打ちのめされた一店。
大阪の居酒屋つながりで書いてみます。大阪、深いや…。

というか、谷町六丁目の、谷町筋の裏路地の静かな通りに、ミシュラン一つ星の居酒屋(この店)があり、地元の人には有名だけど大阪キタ方面の人にはそこまで知られていないこの感じがすでに奥深い(笑)。そのうえ実に美味しそうで感じのいい(古い民家を利用した)蕎麦屋さんとカフェも並んでいる。お隣の上町にはお馴染みの「ながほり」もある。底が見えないですw

それにしてもミシュラン、「よくこんな場所のこんな店を見出したな」と感心しました。全然興味がなくて全く読まない本なんだけど、ちょっと見直したです。読者である外国人に喜ばれそうな店では確かにあるけど、そうか、ここを選ぶのか…。

長い長いカウンターが特徴の居酒屋。
きさくで感じのいい若いご夫婦がやっています(よく動く若い職人さんもひとりいます)。

外観も内装もお洒落だけど、お洒落すぎず、人の家にお呼ばれしたような居心地の良さがあるいい店ですね。靴を脱いでカウンターに上がる方式だからかな。入り口横のテーブル席は靴を履いたままの土間になってます。全体に照明を抑えてあってくつろげる。

売りである日本酒の品揃えは素晴らしかったなぁ。
まぁ最近ではちょっと気の利いた居酒屋ではたいてい日本酒の品揃えに凝っていたりするんだけど、ここはその中でも「よく考えられている」とメニューを見るとすぐわかります。メニューに載ってないものもいろいろありそうで、もうボクは最初から白旗を揚げ、すべておまかせでお酒を選んでいただきました。「蒼空」や「奥鹿」とか、うましうまし。

料理もよく考えられているもの。
ド頭にいただいた「塩豆」からして超うまい。9種類の豆を炊いただけのものだけど、程の良さが素晴らしい。あぁこういう料理を出す店なのか、と、その時点で料理にも白旗。おまかせで出していただきました。

うまい、というか、なんだろう、玄米を食べたときに感じるような充足感があるですね。表面的ではない。発酵系が多かったからかな。

どれもこれも美味しかったけど、特に印象に残っているのは、その「塩豆」と、「おばあちゃんの大根ずし」「チーズの三種漬け」「キンキの三五八漬焼」「納豆とゴーヤのチャンプル」。考えたら発酵系ばかり食べているw

「おしながき」は毎日変わって、その日のおしながきが手書きコピーで配られるですね。
どれもこれも美味しそうで、全部食べ尽くしたくて仕方がない(笑)。こりゃまた行かないと! 

ちなみに、ボクはひとり客で、お隣に女性のひとり客もいました。テーブルは宴席だったし、カップルや女性ふたり客もいたり。いろんなタイプの客がそれぞれ静かにくつろいで楽しんでいて、全体に「客がつくるいい空気」が満ちている店でした。

また大阪で定期的に行きたい店が増えてしまったな。
posted by さとなお at 09:34| 居酒屋 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする