2009年09月10日

いとう:ホルモンリキ(葛飾区金町)

「まえだや」は、ぼくが情報サイトで大人の食べ歩きを担当している時に取り上げたことがあります。おそらくは常連の方から「どうして書いたんだ!」とお叱りのメールが多数舞い込み当時はショックでした。

「まえだや」は、生ラムジンギスカンの東京での草分けで、同じ中目黒を基点として東京全域にジンギスカンの大ブームが起こり、いつの間にか終焉。でも「まえだや」だけは、何事もなかったように変わらずなんでしょうね。

愛したい・通いたい・守りたい飲食店の典型。今はお叱りメールもありがたかったなあと思っています。

では今回は、同じ焼き系の店でも、生ラムではなく内臓好きにはたまらない「ホルモンリキ」を紹介します。

ここは都心からは少し遠い葛飾区金町(大雑把にいうとフーテンの寅さんエリア)にあり、しかも金町駅からも徒歩では行きにくい不便さ。でも同じ内臓系をウリにする他店とは一線を画する魅力にあふれ、そんな距離など気にならない充実のニクニク時間が過ごせます。

まず、モツの場合新鮮さは基本。「ホルモンリキ」は、そこに加えて、どうしたらよりおいしく食べてもらえるかという工夫を様々に凝らしておられます。

モツ煮込みは、ダシは濃厚で強いんですが、モツは限りなく柔らかそうでトロトロ。でも決して形は崩れておらず、食べてみるとそれぞれの部位の食感を残した絶妙な仕上がり。ホルモン焼も、工夫された色々なタレに漬け込んでその味を三種三様に楽しむことができます。

ご主人は洋食の調理経験もお持ちとのこと。モツ焼店なのにオムレツやパスタなどの一品料理もあり、究極はカレー。肉を分かっている方が端正こめて作られたことが十分に伝わる、噛みしめるごとにじんわりとベースの旨味が口の中に広がっていく幸せ。

また「ホルモンリキ」は、焼酎のラインナップがすごい。若干分かりにくいメニューなので(笑)、すぐにご主人にオマカセでとなってしまうんですが、時間が許せばメニューの一種類ずつじっくり(ワインリストを眺めるように)チェックしたくなります。ぼくが伺った日も、別グループが泡盛の試飲会をされるとか。研究にも余念がありません。

そして、なにより気持ちがいいのは、ご主人・女将さんをはじめ、お店のスタッフのお人柄ですね。モツ系というと、確かにスゴイんだけど「オレの肉を喰え」みたいな上から目線の店主が多いのも事実。また客側も、それにひれ伏す信者多数。ぼくはそこに若干の居心地悪さを感じることも多いのですが、「ホルモンリキ」では、決してそんな窮屈な思いをすることなく、うまく焼けてるかなあと常に気を配るご主人の優しい視線をありがたく受け止めつつ食事ができます。

さて、帰りがけのタクシー車中モツ煮込みの話をしていたら、運転手さんが「宇ち多゛はご存知ですか」と乗ってきて、当然関東五大煮込みの話に。「ぼくはそのいずれも食べてますけど、ホルモンリキはそのどれとも違う魅力がありますよ」と、運転手さんにまで薦めてしまいました。


posted by 伊藤章良 at 18:27| 焼肉・韓国料理 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする