2008年12月16日

さとなお:我那覇畜産(沖縄)

そんじゃボクは「ルイビトン」つながりでちょっと雑談を。

どっちが先かわからないけど、沖縄に「琉美豚」というブランド豚があるんです。
リュウビトン→ルイビトンのもじり(笑) ランドレース種、ヨークシャー種、バークシャー種のかけあわせが「ルイビ豚」なら、「琉美豚」はランドレース種とデュロック種のかけあわせ。名護の「我那覇畜産」(がなはちくさん)が作っている品種です。

この「我那覇畜産」、ボクは今年の1月に訪れたのですが、それはもう素晴らしい生産農家でした。
ボクはここが生産している「やんばる島豚」が、今のところ豚肉の中で一番おいしいと思っています。バークシャー種とデュロック種をかけ合わせたものにアグー(琉球在来黒豚)をかけて出来たものですが、香りが強いのに上品あっさり。もうね、うますぎ。

ボクは5年ほど前、アグーを細かく調べたことがあるんですが、その当時、純血のアグーは沖縄本島にたった36頭(!)しかいなかったんですね。
戦争で激減し、その後はアメリカからランドレース種などの繁殖能力が高い(つまり多産な)白豚が入ってきて、商売になりにくい(繁殖能力が低い)純血アグーの生産が放棄され、ほとんど絶滅したんです。純血アグーとランドレース種などとかけ合わせたハーフやクォーターはそこそこ流通しているものの、本当の「純血」は北部農林高校や試験場などに36頭しか残ってなかったのです。

あれから約5年。
「我那覇畜産」で聞いたところによると、去年の段階で純血アグーは世の中にまだ79頭しかいないとか。アグーは生殖能力が低く、じわじわとしか増えないらしい。
いまでは東京でも「アグー豚」を出すレストランが多いけど、アグー(もしくは「あぐー」)と表記してあっても純血はほとんどありえません。定期的に検査でつぶす以外はほぼ流通してないからです。だから流通しているのはハーフかクォーターがほとんど。良心的な店でも75%とかのものを出している程度じゃないかな。

ただ、現在はランドレース種とのハーフである「沖縄あぐー」というブランド豚も出荷されているので、それを出してアグーを名乗っている場合もあるかもしれません。

ボクは、ラッキーにも、定期的につぶす純血アグーを食べたことがありますが、肉の香りが尋常でないですね。脂が多いのにあっさりしていて、もたれず、旨みも強い。増やすのがとても難しい品種で、なかなか採算ベースに乗らないらしいのですが、志高くアグーを増やそうとしている畜産農家がいくつかあって、そのうちのひとつが「我那覇畜産」なんですね。

オーナーにお話をいろいろ伺ったんですが、彼の「安心安全、しかもおいしい」ことへの情熱がまたすごかったです。
特に安心安全に対する意識の高さがすごい。そこまで清潔に管理しますか!という感じ。放牧なども考えたそうですが、鳥などによってもたらされるウィルスを考えるととてもじゃないが無理、ということで、そのかわり徹底的に豚が居心地いいように考えて屋内施設を作ったそうです。お話は日本の食や健康への危機感にまでおよび、尽きなかったな。

純血アグーも少しずつ増やし、「我那覇畜産」にも17,8頭いるようでした。かけ合わせの研究を重ねた結果「やんばる島豚」ブランドを作り出し、その味には相当自信を持ってられましたね。自信があるだけあってホントうまいうまい。繰り返しになりますが、ボクの一番好きな豚肉です。

「やんばる島豚」、「流美豚」以外にも、75%のアグー「島黒」も売っていました。でも、味だけとったら「やんばる島豚」が一番好みだったかも。

日本人は本当に研究熱心で「おいしい豚肉」に人生を賭けている方が全国にいらっしゃいますね。「ルイビ豚」ももし巡り会ったら食べてみます。「琉美豚」や「やんばる島豚」と比べてどう感じるか、いまから楽しみです。
posted by さとなお at 08:05| 雑談 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする