2014年03月31日

さとなお:ラ・シャッス(六本木)

板書が楽しい店、多くなりましたね。

1980年代は素っ気ないメニューの方が本格派みたいな感じがありましたが、1990年代の終わり頃くらいからでしょうか、フレンチでも食材の産地やら生産者やらをメニューに書く店が出てきて、その後ちょっと説明過多の料理名がはやり(これはボクはあまり好きではありませんでした)、近頃いい感じに落ち着いてきたと思います。

あと、板書の字も大切。
これがとっても雰囲気ある字だと、腹が鳴ります。

というわけで、板書、そしてもちろんメニューも「字がめちゃくちゃうまくて腹が鳴る店」をご紹介。

六本木のフレンチレストラン、「ラ・シャッス」です。
一度ここに書いたかな・・・? でもまぁいいか。ボクはジビエの季節(今日までですかね)には毎年1〜2度は食べに行きます。

というか、字がうまいなんて、この店のほんの少しの魅力でしかないですね。

シェフとホールの女性(マダムではないらしい。でももうずいぶん長いです。メニューの美文字もこの女性が書いてます)が自ら狩猟して捕ってくる鴨やキジ、イノシシやエゾジカなどがまぁうまいのなんの。

彼らが自ら捕ってくるから、メニューにはたとえばこう書いてあります。
「北海道で仕留めた蝦夷鹿」「佐賀有明海で仕留めた真鴨」「千葉で仕留めた日本きじ 胸肉のポトフ仕立てとモモ肉の炭火焼き」

ね、「仕留めた」と書いてある。
彼らの一人称なのですw すごいよねー。

でも、彼らが仕留めて下ごしらえをして、丁寧に調理して出してくれることに価値があると思うのです。殺すところも含めて、「命」をいただく過程すべてに彼らが関わっている。そんな彼らの調理やサービスは「調理するだけのレストラン」と少しスタンスが違う気がしてなりません。

いろいろと印象深い料理があるのだけど、たとえばボクはこの店の海鴨が忘れられません。
鴨なんだけど、ぐっと噛みこむと海の海苔の香りがする。海の香りと鴨の香りとジビエ独特の肉汁感とが混ざり合い、書いているいまでも陶然となります。

ここのヒグマも忘れられません。
熊は猟師から購入しているようだけど、小熊も親熊もいつもとてもいいものを仕入れていると思います。ここのヒグマを食べた夜は必ず朝3時くらいにドキドキと動悸がして目が覚める。そのくらいの強壮剤なのでしょう。

わかりにく立地にあり、ドアを開けるのも憚られるような雰囲気なので、以前は超隠れ家だったのだけど、いまではすっかり有名人気店になりました。

野菜料理がほとんどないのと、ワインの値付けが高めなのを除けば、(その薄暗い洞穴みたいな、ワインカーブみたいな雰囲気も含めて)とてもいい店だと思います。

そうそう、その字がうまい女性がまた美しく、気っぷのいいサービスをしてくれて、それも気に入っています。

ジビエの季節の定番レストラン。
そういえば夏に行ってない気がするので、今度は夏に行ってみよう。
posted by さとなお at 19:42| フレンチ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする