2012年12月23日

さとなお:すし㐂邑(二子玉川)

伊藤さん、「東京百年レストラン ll」出版おめでとうございます。

前作同様、すばらしいと思います。
少なくともボクは名作だと思うなあ。こんな本の巻末に対談出演させていただき、光栄でした。ありがとうございました。

あと、「香住 北よし」も良さそうですね。
香住っつうとすぐ「カニ」を想起しますが、干物とへしこがうまいのがいい。へしこだけで5合くらい飲めますw

さて、ボクは久しぶりに鮨屋を書いてみようと思います。

二子玉川の「すし㐂邑」(きむら:きは七が3つ)。

京都の飯尾醸造の富士酢はボクの家の愛用品でもありますが、こちらの五代目と話しているときに「東京でうちのお酢を使ってくださっているお店」ということでいくつかご紹介していただいたお店のひとつ。

この店、なんと富士酢に出会って酢飯を根本から作り変えたそうです。
酢飯の味を根本から変えるって握りの味の方向性を変えること。大変なことです。そこから数年は試行錯誤して苦労したけど富士酢を使い続け、ようやく最近、思ったような味にまとまったとか。

白酢と赤酢をブレンドした酢で握った酢飯がこれまた驚きのアルデンテ。
このくらい固く仕上げてある酢飯は、数年前の蔵前「松波」くらいしか記憶がありません。そして「握りを食べ終わった後、三粒口の中に残ることを目指しています」とご主人が言われるように数粒だけ最後に口に残る量。この名残の数粒をぷちぷち食べる喜び(当初は十粒くらい残ったのでそう伝えたらすぐ修正されました)。

きれいにパラけると同時に歯がうれしい固さ。
固めの酢飯が好きなボクとしては堪えられない握りなのでした。

タネはタネでほとんどすべて「熟成」を考えられており、ぎりぎりまで寝かしてあります。
腐る寸前まで寝かし(何度も失敗して魚を捨てないといけなくなったとか)、表面を削って中の方だけ握りに使う周到さ。その魚の個性とうまみが最大限絞り出されています。そういうタネに合わせて味が作られた酢飯と合わさって、ほぼ完璧なバランスに仕上がっています。

うまかったなあ。

ちょうど早い時間で貸切みたいなものだったので、ご主人といろんな話ができました。そしてその情熱に圧倒されました。

二子玉川は少し遠いけど、また行きます。

posted by さとなお at 17:45| | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする