2012年01月29日

さとなお:きたうら善漁。(宮崎県延岡)

伊藤さん、みなさん、いまごろですがあけましておめでとうございます。
伊藤さん、今年もマイペースで更新していきましょう。こんなペースでも、80歳まで続けたら膨大なコンテンツになりますしw

伊藤さんが想像してたとおり、まぁ去年はいろいろあって、ある意味「自分らしくない」一年だったのかなと思います。でも、ものすごく貴重な体験をたくさんしました。というか、一時期「おいしい」という感情から離れてましたからねw 食に向き合えないというか。それはそれで数年経つとボク独自の見方になっているのだろうとは期待したいところです。今年もよろしくおつきあいください。

さて、新年一回目は、驚異的体験だった宮崎県延岡市の「きたうら善漁。」を書こうと思います。「きたうらぜんりょうまる」と読みます。各地から食べ好きがその噂を聞いてわざわざ訪れるという最近有名な割烹です。

延岡というのは宮崎市から北へ電車で1時間半くらいかな。
高千穂に抜ける海沿いにあるのですが、まぁ特に観光地というわけでもありません。駅も小さく、「こんなところに東京からわざわざ食べに来る人がたくさんいる店が??」と疑ってしまうほど不便な場所。九州新幹線も通ってないし、本当に行きにくい町なんですね。こんなところで経営していけてるのかなぁと心配になります。

駅からタクシーで5分ほど。飲食街にひとつだけ超モダンな和風建築一軒家がポツンとある。ここが「きたうら善漁。」です。いや、たしかに、これはタダモノではないかも…という雰囲気を醸し出してます。

中に入ると広いカウンターが6名くらい、奥にテーブル席が4つほど。それと2階もあります。延岡にしたら大箱だと思いますが、とても親密な雰囲気が漂っていて「あぁここは間違いなくいい店だ」とカウンターに座った瞬間にわかる感じ。

メニューは毎日変わるし、お客さんによっても変化をつけているみたいです。
ボクたちは何度か来たことある方と一緒だったので、その方のリクエストも取り入れたコース構成でした。

この日は粕汁から始まりました。
暖まったし新年っぽいけど、でも料理長はこの後いったいボクたちをどこに連れて行こうとしてるんだろうと少し不安になりながらのスターターではありました。

でもこのあとがすごい。メニュー(ひとりひとり刷り物をくれます)に書かれた文章を抄録しながら書いていくと、

尾長ぐれ(硬直の直前を狙い十二時間前に〆た)
サンノジ(あまり注目されない魚をおいしく焼っ切り)
寒ブリ(三日間風干しした活〆を燻し焼き)
白菜(鰹と昆布のお出汁で)
安納芋(低温で二ヶ月寝かせて低温で二時間焼いたもの。マスカルポーネなどと)
吉玉家の豚フィレ(低温で三週間熟成した肉を六種類の熱源で火入れ)
ご飯(無農薬栽培の米を土鍋で)
ぶえん汁(自家製味噌の汁)

どれも素晴らしかったけど、特に印象的だったのは、出汁の味とサンノジと安納芋。そして、なんといっても豚フィレ肉。

この豚フィレ肉、まずは「吉玉家(一部「よっとん」と呼ばれてます)」の豚がすごい。育て方も相当すごいらしいのだけど、味が超繊細で飲み込むのが惜しい感じ。それを六種類の熱源で慎重に長時間火入れしてあるわけです。

ここまで繊細かつ完璧な火入れをする店は、他に白金の「カンテサンス」くらいしか思い浮かびません。そのくらいは繊細だし、そのくらいはおいしい! というか、これはもう和食というかフレンチというか、ジャンルも思い浮かびませんね。盛りつけも含めて、とても都会的なことは確か。

調味料も厳選したものを使っていて安心できるし、日本酒やワインもちゃんとしたものを置いています。従業員の意識も高いし、ご主人もマダムも素敵。いやー、ここ、ホントに延岡?? 

で、驚きは、このコースが5500円であること。
客観的に言って、東京なら12000円のコースだとしても文句はないです。そのくらいレベル高かったし美味かったし楽しかったです。また季節ごとに行かなくちゃ!

地方都市での高級店経営は大変です。お客さんの数もそうだけど、たとえば鮨店なら「酢で締めてるなんて古い魚使ってるんだろう!」とか言われたりすると聞いたことがあります。そういう意味で、こういう店を地方都市でやっていくのは本当に大変だとは思いますが、この日も満席、予約が絶えないそうで、ご同慶の至りです。

なお、以前は善漁丸という船からの仕入れだったそう(いまは大日丸という船からのもののようです)。
延岡を離れないのは、この辺の素材の良さから離れられないから、だそうです。勝手知ったる延岡の魚や野菜や肉。それらと末永くつきあっていくのだ、という気概を店の外観・内装・料理・従業員から感じました。

東京もんには不便だけど、また行きたい良店です。

posted by さとなお at 21:04| 和食(小料理・割烹・郷土料理) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年01月16日

いとう:つばめ食堂(大阪・梅田)

新しい年が始まりました。さとなおさん、そして読んでくださる皆さん、2012年もよろしくお願いします。

昨年さとなおさんは、果たして美味しいモノにありつけてるんかなあ・・・と、よく考えていました。同士の方との行動や信念のために、自分の楽しみをかなり犠牲にしているんやないかと。ただ、北欧出張の帰りにロシアに寄ったり、新年早々グァムに行ったりと、少しは安心したけどね。

さとなおさんが、どんな風に面白いことを考えたかとか、興味深い動きをしてたかを、まるで自分のことのように垣間見るのがブログ読者の一番の関心事でもあります。ぜひ今年は「食」の世界でも暴れてください(笑。

さて、福島の餃子、全く知りませんでした。ちなみに浜松が日本一ということも。宇都宮にも食べに行ったことがありません。まあ焼餃子自体が日式といっても過言ではない料理なので、ラーメン同様ご当地が生まれてくるのも自然かなあとは思います。

餃子繋がり、という訳ではないんだけど、ほおぅ、というおいしい餃子に出会った店を年始一発目にします。大阪は新梅田食道街の「つばめ食堂」です。

食堂といいつつココは新梅田食道街、8名も入れば満杯の立ち飲みバーで、しかも2011年11月にオープンした新参。とはいえ、古くからの名店・大衆店が群雄割拠する大阪人憩いの場所に、すでにすっかり溶け込んでいます。

それは、ひとえに店主のステキなお人柄。そして、ドイツの生ビール「レーベンブロイ」と世界各地のリースリング(白ワインのブドウ品種)に絞り込んだ酒構成のうまさかなあと感心します。
ドイツの生ビールと単一品種の白ワインのみのバーと聞くと、なんとなく寂しい印象を受けますが、狭いスペースに数多く揃えることのムダ、と同時に、さっと飲んでさっと去る、立ち飲みの原点や愉しさを具現するにはちょうどいいバランスなんですね。

そんな洋風バルで何故餃子かといいますと、おつまみに大変秀逸な焼餃子があるんです。餃子以外にも燻製やポテトサラダなど、提供する酒を考慮して入念にチョイスしたおつまみが揃いますが、やはり餃子はビール狙いでしょうか(笑。

もっともこの餃子、「つばめ食堂」のオリジナルではなく大阪は摂津富田にある「溢彩流香」(未訪ですが、かなり評判の店です)のモノとのこと。日式の餃子よりも、モチモチ感とジューシさに富んでいて、ビールだけではなくリースリングとの相性も抜群でした。

なぜ「つばめ食堂」という名前なのか、という話を店主に振ってみたところ、もともと新梅田食道街は、旧国鉄退職者に対する救済事業として始まった、国鉄とはゆかりの場所。で、やっぱり国鉄といえば、「国鉄スワローズ」じゃないですか・・・とのこと。真偽のほどは不明です(笑。
posted by 伊藤章良 at 17:14| バーなど | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする