2011年06月05日

さとなお:レ・マリアージュ・ドゥ・ガク(恵比寿)

なんか五十嵐シェフ門下と聞くだけで方向性がちょっとわかるのがいいですね。
もちろんそれぞれ個性があるとは思うけど、集団として色がついているのがある意味素晴らしい。「スゥリル」行ってみたいと思います。あの方向性ならボクは好きなはず。

さて、門下というか、一応系譜つながりで。
「銀座レカン」出身の和久井学シェフが出したカジュアルな佳店。恵比寿の「レ・マリアージュ・ドゥ・ガク」です。

シェフの名前が「学」だから「ガク」ですね。彼は「銀座レカン」では肉料理をまかされていたということで、メインの肉料理はさすがなもの。店の規模はビストロちっくなんだけど(カウンター6席にテーブル4つ)、料理の佇まいはレストランのそれです。とても美味しく親密な時間を過ごせました。

コースは5250円のプリフィクスで、アミューズ、前菜、本日のお楽しみ、メイン、ご飯か麺、デザートという流れ。

「マリアージュ」という店名通り、食材同士、そしてワインとのマリアージュもしっかり考えられたいい構成でした。
契約農家である埼玉の星野農園(シェフが惚れ込んだ農園のようです)から仕入れた有機野菜と厳選された日本ワイン。最近日本のワインが充実している店が多くてうれしい限りですが(今回書こうか迷った「ラ・ブーシェリー・デュ・ブッパ」も日本ワインが充実している)、なんか日本ワインが充実してくると、日本産同士のマリアージュという新しい楽しみができていいですね。

前菜で取ったソーモン・フュメ(火入れ)は、ランスの「レ・クレイエール」の絶品ソーモン・フュメの記憶が(すっかり忘れていたのに)急に蘇った逸品。「本日のお楽しみ」は泡を使ったスープ。演出重視に思えるけど、味もしっかり焦点きてました。そしてメインの肉は「骨付き仔羊」「イベリコ豚」「黒毛和牛(イチボ)」から選べ(イチボは+700円)、同行者とわけあって食べたけど、どれも火加減が絶妙で、ちょっとクラシックで、美味でした。モダンとクラシックがいいバランスで調和しているのもこの店の魅力。

メニューで目を引くのはメインの後のご飯or麺ですね。
日本人的にはとても自然な流れで落ち着きます。ご飯はお茶漬け風リゾット(リゾットをスープの中に沈めたもの)。麺は洋風つけ麺(手打ちパスタをソースにつけて食す)。どちらも少量だけどなんだか得した気分だし、なによりそれまでの流れがちゃんとしたレストラン風ということもあって、この突然の「和」な演出は意外性がありました。

そういう意味で、日本とフランスの、和食と洋食の、モダンとクラシックの、食材と食材の、料理とワインの、レストランとビストロの、そして客と客の、と、いろいろなマリアージュがこの店では意識され、演出されている感じです。

和久井シェフがカウンター内でたったひとりですべてを切り回してますが、満席でも実に落ち着いたシェフぶり。かなり段取りがいい(つまり頭がいい)シェフですね。出てくる時間の不具合もなく、とてもいい時間を過ごせました。そういう意味でこの店はカウンターがいいかもなぁ。見てるだけで楽しそう。

サービスもつかず離れず気持ちよく、コストパフォーマンスがいいこともあって、満足度が高い店かと思います。こんなに静かで落ち着いた店が存在するとは思いにくいビルにある意外性も相まって、デートなんかにいいかもしれません。

最近、小さくておいしいフレンチが増えてきましたね。
posted by さとなお at 08:43| フレンチ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする