2011年02月23日

いとう:山ね家(赤坂)

そうですか。「かみはら」、行かれましたか。
ぼくはずっと「かみはら」応援団なんですが、つい最近まで食べログにすら書き込みがなく、女将さんから弱気な発言を聞いたりして、心配していました。

健在、のようで安心です。あの隠れ家感、低価格で飲み放題というオペレーション、そしてカントリーが流れる不思議な店内と女将さんのホスピタリティ。東京では唯一無二の店ですね。

カウンターのうまい店。けっこう悩むお題なので、「まぁ割烹とはいえ居酒屋的な雰囲気」みたいな繋がりで。「山ね家」を。ちなみにこの店も食べログの書き込みは一件だけです(笑。

「山ね家」は赤坂なんですが、いわゆる一ツ木通りとか飲食店密集エリアではなく、赤坂のTBS前あたりから乃木坂へと抜ける道をしばらく行き右に折れてすぐ。昔は「コロンビア通り」と確か呼んでいた、タクシーの抜け道のような通り沿いです。

割烹を意識して作られたレイアウトではなく、おそらく元々はバーとかスナックだったであろう店内に手を加え、食事処としてもくつろげるように工夫されています。およそ料理人とは思えない長身で色白のご主人と、笑顔がさわやかな女性とで営む居心地のいい空間で、月並みですが「時の経つのを忘れる」寛ぎがあります。

俺の料理はスゴイだろうという構えもなく、ウチの酒は天下一品だとの驕りも、微塵もない。でも、丁寧に仕込みがされて、ご主人の人柄を具現化するようにやさしく仕上げられた料理には幸せを感じます。また、メニューアイテムをやたら広げるのではなく、一人でまかなえる範囲に絞って提供される様にも賛同。

酒も、比較的有名な地酒と、ご主人の出身地広島を中心にレアで純米酒好きが飛びつく系の酒が半々ほど。どちらの嗜好にも満足できるように工夫されてるなあと、さらりとしたこだわりも垣間見て感心。

〆には、その日の炊き込みご飯と豚汁をぜひ。高額日本料理店並みのクオリティを実に安価に楽しめます。

交通至便な場所ではありませんが、逆に赤坂〜乃木坂界隈ではピンポイントでチョイスできる店だと思います。深夜までやさしいご飯が食べられることも大きな魅力かな。
posted by 伊藤章良 at 14:11| 和食(小料理・割烹・郷土料理) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年02月12日

さとなお:割烹かみはら(恵比寿)

古いカウンターイタリアンっていいですね。
東京の歴史的イタリアンとしては「キャンティ」「ニコラス」「アントニオ」「チャオ」とか指折れますが、1976年開店とすると、その「ピエモンテ」もほぼ同じ頃の草分け店ですね。すばらしい。すぐにでも行ってみたいw

では、ボクもコントワーつながりで。
恵比寿の松坂屋ストアの地下にあるカウンター割烹の「かみはら」を。

恵比寿南から近いところにある古いスーパー「松坂屋ストア」はご存じですよね。
あの地下にバーとか割烹とかいろいろお店があるのだけど、行ったことなかったのです。友人に連れられなかったら一生行かなかったかもなぁ。

で、その奥まったところにある店がここ。10席のカウンターの中に若く美しい女将さんがひとり割烹着を着て待っていてくれます。まぁ割烹とはいえ居酒屋的な雰囲気。決して高級なわけではなく、カジュアルです。

値段もカジュアル。なんと「5500円のコースのみで飲み放題」。
これって一瞬「大丈夫かな」な世界ですが、料理を食べるとそのギャップに驚きます。なかなかなのです。

丁寧に丁寧に作られた野菜中心の優しい料理群。かなり繊細に素材に気を遣ってるのがわかります。小鉢3品を先付に、魚も小鍋もちょっとした素揚げも全部おいしかったな。だいたい7品でお決まり。お腹もちょうどいい感じ。ラストの完全無農薬の炊きたて土鍋ご飯まで隙なくうまいです。

そしてお酒は、ビール(黒ラベル)が2本までと決まってますが、それ以外は本当に飲み放題。
女将が「利酒師」らしいのですが、日本酒は宮城の「宮寒梅」のみ3種類。焼酎は「黒霧島」と「てっぺん」。厳選された緑茶で割ってくれたりもします。他にビワエキスを配合したビワミン割りという珍しいものもある。ただ、飲み残しは600円、と厳しいので(笑)、適量を頼みましょう。

こういう一品のおいしい店は、ちょっと来てちょっと食べてちょっと飲んだりしたいけど、たぶん女将ひとりだとそういうアラカルトは手が回らないのでしょう。コースのみなのがちょっと残念。しかも基本的に予約制だそうです。まぁ30分くらいまえに電話くれればいい、ということですが。

でも隠れ家的に知っておくといい店だと思います。
カントリーの楽器が隠して置いてあったりして(オーナーが演奏家だとか)、ちょっと不思議な雰囲気でもあります。
posted by さとなお at 19:05| 和食(小料理・割烹・郷土料理) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年02月02日

いとう:ピエモンテ(荻窪)

「コントワール・ミサゴ」。実は行きたい店メモの上位にランクしているまま、未だ訪問叶わず。なかなかいい感じですねえ。網獲りの鴨、ウラヤマシイなあ。

そうそう、シェフは「ブラッスリー・マノワ」出身とは存じていたんですが、寿司店から今はなき「レリノス」へと移られたんですか。なんかアメリカンだなあ。「レリノス」は、東京でもカリフォルニア料理が華やかだった時代のトップランナーの一軒だったので、昔はずいぶん通いました。懐かしいです。

ということで、コントワーなフランス料理店としては、ぼくがあちこちで書いて絶賛している「Bistro Yebisu」があるんですが、紹介しすぎの感もあるので、今回は、ぐっと歴史あるカウンターイタリアン、荻窪の「ピエモンテ」にします。

この店は、さまざまに語られているように、日本のイタリアンの元祖的位置づけ。客船内のレストランで料理人をし、その後もイタリアで修業を重ねて、1976年豊島園に「ピエモンテ」をオープン。1985年に、現在の荻窪に移転したそうです。

齢80歳になるというシェフ。数年前にずっとお二人で営んでこられた奥様が他界し、一時店を閉めていましたが、「息子が戻ってきてくれた」とのシェフの談にもあるように、今は親子で切り盛りをしています。

文字通り船内のような細長いカウンターと奥にテーブルが一卓のみ。キッチンもそのカウンターに付随したスペースしかないので、かなり手狭ではあります。ただ、30年以上に渡る営業の中で、こつこつと集められたと想像する調理器具が所せましと並んでいて、それを見るだけでも圧巻。

父子で営んでいる、との前情報から訪問すると、息子さんも当然ながら貫録十分で「子供」という感じではありません。でも、シェフであるお父さんがキッチリ目を光らせていて、イタリアにて長く修業されたという息子さんも、ずっと「ピエモンテ」のレシピを守り続けていることが分かります。

料理は、一言でいうと「限りなく重厚」そのもの。特に最近のトウキョウイタリアンを例に挙げれば、まさに対極。同じ国の料理とはとうてい思えません。
重厚なのは、パスタやメインデッシュだけではなく、デザートもしかり。というか、あんなにどっしりとしたデザートと久しぶりに接し、逆に新鮮でした。

一度友人の料理人が、日本で初めて出版されたイタリア料理のレシピ本に基づいた料理を作る、という面白いフェアーを実施したことがありまして、丁度その時のことを思い出しました。

パスタ料理がメインディッシュの後(つまり、炭水化物は最後に食べる日本人的習慣を重視)という、昨今のイタリアンでよく見かけるスタイルだったのですが、すでに「ピエモンテ」で確立されていたんだなあと、改めて感心しました。

最寄の荻窪駅からは、タクシーを利用した方がベターなほどの距離があり、コース料金も決して安くない(といってもそれに見合った食材は使われています)ものの、西麻布や恵比寿のイタリアンに行き飽きたら、また訪ねたくなる、と、そんな風に想いが募るレストランです。
posted by 伊藤章良 at 11:34| イタリアン | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする