2010年06月19日

さとなお:香食楽 -kakura-(中目黒)

「極楽おいしい二泊三日」へのコメント、ありがとうございます。
全15都市、「初心者がその街を二泊三日で訪れる」ということを想定して書いた本なので、店の選択には賛否あると思います。まぁそれを気にしてたらああいう本なんて出せないので、賛否の議論も含めてお楽しみ下さい。

それにしても、この本の執筆過程で本当にたくさんの店、そして人と出会えました。日本全国に知り合いがいる気分(笑)。いろんな意味で大赤字な本なのですが、その甲斐あったと思います。

ところで「葡呑」
読んで笑ってしまいました。前々回に書いた「民酒党」に行ったその夜、二軒目に行ったのが「葡呑」だったのです。「民主党」のあとに「葡呑」を取り上げる伊藤さん。気が合うというかなんというか…。そう、あの店、雰囲気も味もとてもいいですが、女将(ソムリエール)も実にいいですね。すぐ近くの店の有名なソムリエールとまた違う魅力。ちょっと素っ気なさそうな外見と裏腹なよく気がつくサービスが素晴らしいです。

さて、「民酒党」「葡呑」と続いたので、ボクも凝った店名の店を。
中目黒の薬膳カレー専門店「香食楽」です。かくら、と読みます。香(か)食(く)楽(ら)、ですね。

店名も含めてちょっと懲りすぎな感もあるのですが、なんとなく最近多い「カフェ+ロハス+ヘルシー+オーガニック+人の役に立つ」みたいな流れを汲んでいて、これからこういうタイプもっともっと増えるんだろうなということを含めて書いてみます。

基本のカレーは4つのルー。
鶏ダシの「かくらカレー」、同じく鶏ダシの「美肌カレー」(かくらカレーにコラーゲンをプラス)、鶏・豚ダシの「黒カレー」、昆布・干し椎茸ダシの「ベジカレー」。それぞれメニューに効能蘊蓄が書いてあり、朝鮮人参や肉桂や陳皮や生姜や各種野菜など、いろいろ溶け込んでいるカレーのようです。ご飯は薬飯(八穀米)、辛味を足すのは手作りの「かくラー油」、トッピングは鶏や豚や各種野菜が選べる、など、かなりヘルシー志向。

まぁなんというか、懲りすぎなんですね(笑)
ボクはこういうヘルシーさに異様に凝った20代後半を経て(その時期、本格的な玄米正食&ベジタリアンをやった)、その後は逆に「懲りすぎはイヤ」「ニコニコ食べれば何でもカラダにいい」という考えに至っているので、こういう感じには警戒感が先に立つのだけど、ただ、この店には必要以上のストイックさが漂ってないんですね。開放的なヘルシーさとでも言うか、なんか肩の力が抜けている。そこが好ましいと思いました。

結局、どれを選べばいいかわからず、4種類のルーを全部味わえるプレートにして、豚と野菜をトッピングにしたんだけど、結果的に言うとこれは失敗(笑)。
大きな素焼きプレートにルーが入った4つの小鉢、そして大量の野菜(トッピング)、ご飯は載りきらなかったので別皿、という、かなり豪華なテーブル上になったんだけど、4種類のルーが少なすぎ、逆にトッピングが大量すぎて、カレーとトッピングとご飯を別々に食べざるを得なかったんです。カレーと具とご飯を一緒に食べないとカレーを食べてる気がしない。その点が不満。

ただ、ルーはそれぞれおいしかったので、要するにオーダーミスなのかなと思いました。
4種類食べられるヤツではなく、ベジカレー一品か、ハーフ&ハーフがいいかもしれません(ボクは「ベジカレー」のルーが一番気にいったので)。ベジカレーのルー、スパイスがたっぷり効いていて後味がとてもいい逸品。

中目黒の線路の南側、郵便局がある商店街(「イカロ」がある商店街)をずぅっと奥のほうまで歩いて行った左側にあります。あの辺、小洒落た店が増えて楽しいですね。そういえば静岡おでんの店もあったなぁ。今度行ってみよう。

ちなみに、ボクは夜に行ったのだけど、ランチはまた少し違うメニューのようで、日替わりも含めていろいろありそうです。珈琲、紅茶などはフリーで飲み放題なのもうれしいですね。
posted by さとなお at 18:53| カレー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年06月11日

いとう:葡呑(西麻布)

さとなおさん、「極楽おいしい二泊三日」出版おめでとう。
居酒屋とかカテゴリを絞ればいくつかありますが、この旅行グルメ本は、未だかつて誰も実現していない分野への挑戦。とても一人で書いたとは思えません。ソーシャルメディアの中心にいるさとなおさんだからこそできた情報収集力も、流石だと思いました。この本を手にした皆さんが各地に出かけて、ますます飲食が活性化すればいいなあ・・・。

さて、「民酒党」ねえ・・・。
今やV字回復の象徴として絶好調じゃないですか。

それにしても、「亀戸ホルモン」の前にそんな店があるとは、全く気づきませんでした。不覚だったです。しかも30年前からこの名前で営まれていて、次の世代がソムリエールとして引き継いでおられる。

すばらしいですね。ぜひ一度うかがってみたい。でも今は、昨年の9月ごろに匹敵するぐらい混んでいそう。訪問するとしても参議院選挙後かな(笑。

それではぼくも、しゃれの効いている素敵な店名で続けます。
西麻布のワインと和食の店「葡呑」。ブノンと読みます。読んで字のごとく、ワインを飲ませる店。

でも、改めてワインって葡萄を飲んでいるんだなと感じさせる原点回帰な響きですね。

ここは、西麻布交差点近く。広尾方面に少し進んで右に曲がり、ビストロ通りに出る手前。日本家屋の一軒家で、つい1年ほど前までは、別の名前でビストロ料理を出してました。その当時のシェフは、コチラでも紹介しましたが、神泉に「ダム・ジャンヌ」という店をオープン。その後いつの間にか閉店し、オーナーが変わって和食をつまみにワインを楽しむ店になりました。

ここのオーナーは、赤坂で「赤坂湊」を営む料理人であり、ご実家は老舗鮮魚店とのこと。「赤坂湊」といえば、オープン当初フレンチの料理人が始めた日本料理店として評判を呼び、よく通いました。ワインと和食のマリアージュを積極的に取り入れた先駆けでもありますね(田崎氏が元在籍した「吉左右」なんかもそうですが)。

今でも赤坂界隈に行くと、こちらの昼時の名物「2種丼(全く違う2種類の丼セット)」を食べに寄ったりします。

そんな方が、「赤坂湊」オープンから15年以上を経てたどり着いた新しい店が「葡呑」です。その間に料理人も育ち、ワインの取引も広がっておられることでしょう。満を持しての都内2店舗目という感じ。

以前はビストロということもあり、テーブルに白いクロスが掛かっていた記憶がありますが、そういった洋風の象徴はすべて取り去られ、「葡呑」は、すっかり「和」。山奥の歴史的な旅館というか、古きよき時代の映画セットに例えるか。そんな雰囲気。特に2階は1階を囲むように吹きぬけになっていて、開放感も抜群です。

また、こちらのソムリエール(兼女将?)がとても素敵な方。割烹着姿でしゃなりと動き回りつつ、濃いワイン談義を各テーブルで繰り広げます。

もちろんワインが中心ですが、素材のよさを損なわないシンプルかつワインにもよく合う料理の数々も魅力的。きっちり食事をするつもりで出かけても充分に満腹になります。

立ち飲みスペースから個室まで比較的キャパも広く深夜まで営業しているので、夜遅くには近隣で飲食のシゴトをする面々の姿もちらほら。意外な出会いがあるかもしれません。
posted by 伊藤章良 at 18:13| 和食(小料理・割烹・郷土料理) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年06月06日

さとなお:民酒党(亀戸)

あの系列は覚えにくい店名で来ますねぇ。でもおいしいし使えるから必死に覚える → 一度覚えると忘れなくなる。この循環に自信があるのでしょう。いずれにしても行ってみたいと思います。特に店長が「手前味噌ですが、ここのティラミスよりうまいティラミスを食べたことがない」と言い切るってのは、ティラミス好きとしては行かざるを得ない(笑)。いつ行こうかな。

さて、流れ的にリーズナブルなワインの“男子も行くべし”なイタリアンとして「コルヴィエラ」でも書こうかと思ったけど、総理大臣が替わったばかりの週末というタイミングなので、こっちを書いてみます。

民酒党(笑)

いや、店名で笑っちゃいけないな。
実は20年前からこの店名らしいです。だから民主党を意識しているわけでも民主党支持者の店でもないんですね。

でも、この店名センス、どうかなぁ〜と思うでしょ? しかも居酒屋かと思いきや洋風ダイニング…。そして場所は亀戸…。なんだかあまり「おいしい」とは思いにくいタイプの店なんです。

でもね、これがなかなか。隠れた名店でした。意外性だらけでビックリし通し。

店内は典型的な洋風ダイニング。カウンターとテーブル席のみで、特にお洒落でもなく、かといって古い良さがあるわけでもなく、ありがちな雰囲気の店というか・・・まぁ通りがかりではボクは絶対入らないかも。

ただ、料理が始まると「あれ?」と手が止まります。
まったく期待してなかったこともあるけど、「お、うまいじゃん」と、最初は上から目線で(笑)。でも1時間も食べてるともう見方が変わってます。うわ、この店、うまい。うまくて安い。安くて味センスがいい。おおお。

食べた中では、「新じゃがフレンチフライ」、まずこれで手が止まったですね。そして「純生!馬刺し」で唸り、「まいわしのフライ」「鳥取大山鶏の黒酢煮」でタダモノではないとわかり…
普通のトマトサラダの盛りつけがまたスゴイ。美しくトルネードしていてテーブルが湧きます。「もつ煮込み」「あん肝」「お新香」みたいな居酒屋メニューはあるし、鴨はロティもコンフィもある。非常に状態のいいチーズの盛り合わせもありました(うまひ)。

で、特筆すべきは〆でもらった「絶望のスパゲッティ」(笑)
こういうメニュー名なんです。これを厨房で作り始めると、ニンニクと唐辛子の香りが店に充満するくらい強烈。夜10時とかを過ぎると次々注文が入るようで、食べ終わってからも「お、また注文入った」「あ、また作り始めた」と、テーブル席からもわかるほど。んでもってまぁ辛いのなんの。絶望的に辛い(笑)。でも妙にクセになる味。これは多めに注文した方がいいですね。みんなが手を出し、テーブル上からあっと言う間に消滅します。

ご家族でやっている店なんだけど、娘さんがソムリエールで、ワインの品揃えもちょっとビックリします。
もちろん高級店の品揃えではありません。でも4000〜6000円くらいのセレクトが素晴らしい。グラスも数種類使い分け、毎回替えてくれます(そんなタイプの店に思えないだけにうれしい)。グラスワインを注ぐマシンがあるんだけど、これも稀少品らしい。そういうのをちゃんと置いている店に(外観からは)まったく見えないんだけどなぁ…。

ちなみにこの店、あの「亀戸ホルモン」の真ん前にあります。
なので、数十人の大行列を横目に、彼らに注目されながら店に入るわけなんだけど、店名が店名だけにちょっと恥ずかしい…(笑)。でも、入るとなかなか幸せ。地元の人はそれをよく知っていて、いつも満員御礼で賑わっているようです。
posted by さとなお at 09:01| その他欧州料理・洋食 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする