2010年04月29日

いとう:レスカリエ(恵比寿)

>広尾の「エパヌイ」という一軒家フレンチレストランに行ったんです。

あの界隈は、駐車違反や飲酒運転が厳しく取り締まられるようになって以降(というのも不遜な表現ですが)、すっかり活気がなくなってしまった印象があるのですが、「エパヌイ」も、そして名物犬チャーリーも健在。なにより嬉しいですね。最寄に駅がないといっても都心であることに間違いはないし、地代も下がっているでしょうから、もっと秀逸なレストランが集まってきてほしいものです。

ではぼくは、さとなおさん好みの店がなくなってしまったシリーズ第二弾(笑)で。恵比寿西口から山手線の線路沿いに目黒方面へと急な坂を上がったところにあったリストランテ「ダ・ディーノ」が閉店し、そこに新しいビストロ「レスカリエ」ができました。

さとなおさんは、「ダ・ディーノ」の雰囲気や接客が気に入ってよく通っておられたと聞いていたのですでにご存知かもしれませんが、たまたま別件で前を通ったとき、違う店の看板が出ていたので、軽くショック。ただ、相変わらずの好奇心もムクムクと沸いてきて、検索してもまったく情報のない状態で飛び込み訪問してみました。

ところで「レスカリエ」とは階段というフランス語らしいんですが、検索すると同じ名前のフランス料理店が意外とあるんですね。パリのみならずニッポンにも階段が多いということでしょうか。そして文字通り、階段を上がったところに入り口がある恵比寿の「レスカリエ」。看板には、bistro a vins とのサブタイトルもあるので、ワインバー的要素もお持ちの様子。

店内は、ほとんど「ダ・ディーノ」の時と同じ。ただテーブルにクロスが掛かっていないので、あのこぢんまりと落ち着いた雰囲気のリストランテが一気にカジュアルなビストロに変化します。

シェフは「岡部亭」のワインバーとして枝分かれした「Uchiyatei」出身とのこと。「岡部亭」、そして「Uchiyatei」も、もう10年近く訪れていないような気がしますが、改めて、そこから巣立ったシェフとうかがうと感慨もひとしお。

料理のメニューもワインリストも板書のみで、その黒板をサービススタッフが運んでくるスタイル。まだまだ品数は揃わない中で、オッと惹かれたものをオーダーしても品切れなど、オープンすぐの厳しさは感じられますが、いただいた「鮎のコンフィ」や「子羊のロースト」などは、なかなかのもの。

そして特筆すべきは、ワインがバラエティに富みとても安価。
これは、フラッと立ち寄ってビストロ料理をつまみにワインで杯を重ねるにはもってこいの環境。急な坂が難関ですが駅から近いし、それにしては隠れ家っぽい。今後に大いに期待ですね。

posted by 伊藤章良 at 11:23| フレンチ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年04月24日

さとなお:エパヌイ(広尾)

伊藤さん、すいません、油断してたらまた間が空いてしまいました。

「ペレグリーノ」「ラ・コロンバ」の跡ですか。
まぁボクにとって「ラ・コロンバ」は九段の一軒家リストランテなので、移転後の西麻布の店には思い入れはないのですが、この店名は魔法のようなもので、聞くだけで遠き大学時代を思い起こさせます。

あの頃を思い起こさせる店名がもうふたつあるのですが、それが、赤坂にあった「ビストロ・サンノー」と、九段にあった「ビストロ・ボンボワザン」です。特に後者はランチによく行きました。学生でもなんとか出せる値段だったですね。本格的フレンチ初体験の店に近いです。この店名を聞くだけで、すぐに25年前の大学4年生に戻れる感じです。

とはいえ、「ビストロ・ボンボワザン」なんて店名、普通に生活していたら絶対聞かないわけですよ。もう十数年前(いや20年くらい前?)に閉店したレストランですから。

それを先日、偶然に聞きました。

広尾の「エパヌイ」という一軒家フレンチレストランに行ったんです。
で、シェフの経歴を伺ったら、なんと、最初の修業(小僧時代)が「ビストロ・ボンボワザン」だと言うではないですか! 思わず握手しそうになりました。突然思いも寄らぬ店名を聞いたので感激もひとしおでした。

お店的には一軒家レストランという敷居の高さはまるでないですね。木造でアットホームな雰囲気。誰かの家の居間にいる感じ。クリスマスでもないのに窓外の木には豆電球が飾られていたり、全体にちょっとファンシーかな。マダム(?)のサービスやメニューの感じもちょっとファンシー。女性を狙っている感じ。

というか、この店の最大の特徴は、ワイヤーヘアード・フォックステリアのチャーリー翁がよちよちと出迎えてくれる、ということでしょうか。
チャーリーはもう足が不自由なくらいのご老体。でも食事中に数回テーブルまでよちよちと遊びに来てくれます。食事中に動物!? と、お嫌いになる方には無理なレストランだけど、気にならない人(特に犬好き)にとっては逆にいい店。

味的には、山芋を使ったスープ・ド・ポワソンとイベリコ豚のローストが記憶に残ってます。
塩をきっちり利かせた料理で、特にイベリコ豚は香りも高く美味。全体に野菜の使い方も上手。盛り付けも美しくて丁寧ですね。

一軒家レストランのわりに値段が安く、コースは4000円くらいからのプリフィクス。前菜ふたつにメインひとつの6000円くらいのコースなんて、かなりお得感あります。量も適量だし。

安価でカジュアルで敷居の低い一軒家レストランとして、知っておくのはいいかなと思います。ちょっとした二次会にも使えそう。
posted by さとなお at 08:26| フレンチ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年04月09日

いとう:ペレグリーノ(西麻布)

>さてと、ボクは鴨から鴫に行きます。

あ、いいですねえ。
ぼくは今シーズン鴫を食べてないなあ・・・。
というのも昨シーズンに田鴫・山鴫を含め何度かトライしたんですが、いずれもあまり感心できる状態ではなく、ちょっとだけ失望していたんです。輸入制限が相当厳しいとも聞いていて、果たしてその品質はどうなのかと、考えてみたりして。

ただこの「ベッカッチャ」との冠の店でも、常時山鴫があるわけではないみたいですね。訪問当日はさとなおさん含め皆さん召し上がらなかったのでしょうか。といっても、珍しくメニューのひとつひとつを書いておられるので(笑)、きっとウマかったんだろうなあ。前は時々通るんですが未訪ゆえ、ぜひ行ってみます。

ではぼくは、イタリア料理つながりで「ペレグリーノ」です。
西麻布グルメブロックの丁度外れ辺り(なので意外とタクシーでは行きやすかったりして)。何度かレストランが入れ替わっている印象が強い(といってもこの界隈はどこでもそうですが)物件。

この場所は「ラ・コロンバ」の復活で一時話題となっていたんですが、さとなおさんの紹介文からも落胆のイメージが伝わってきて、結局ぼくは行かなかったんですね。

で、「ラ・コロンバ」は拠点を豪徳寺に移されたようで、新たにスタートした「ペレグリーノ」は、イタリアの食都と言われるパルマで修業をしたシェフの店。さとなおさんが書いておられたような古臭さはなかったので、ダイニングは大幅にリノベーションされたのでしょう。グッと照明を落とした店内や壁面のテクスチャーが本場っぽくて、トウキョウアレンジではなく、きちんと修業先の文化を伝えようとの意欲が感じられます。

特に、パルマと言えば生ハム。4980円のベーシックなコースでは、前菜での生ハムはマストアイテムの様子。注文を受けてからダイニングの真ん中にドンと置いてあるスライサーで一枚一枚丁寧にスライス。素朴な味の小さな揚げパン「トルタ・フリッタ」を添えて提供されます。

スライサーを使うゆえ、メチャ薄い(悪い意味ではなく)、フワフワトロリといった食感でさすがにおいしく、トルタ・フリッタと合わせて食べるとさらに旨味が増します。コースが一通り終わった後、生ハムをおかわりしようかと、テーブルで真剣に協議したぐらい。

コースのプリモピアットはラビオリだったので、悪くはないんだけど、やっぱりロングパスタも食べてみたいなあと、こちらも後を引く感じ。

ワインの値ごろ感もよく、生ハムには赤白両方で試してみたいとのリクエストも快諾してくれて、女性のやさしいサービスに好感が持てます。

西麻布のこの界隈ではとてもリーズナブルながら、ワイガヤでもデートでも使えるバランスの良さが光っていて、末永く頑張って欲しいなと思う次第。唯一今後に期待したいのは、店の活気かな。




posted by 伊藤章良 at 09:55| イタリアン | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年04月04日

さとなお:リストランテ・ベッカッチャ(青山)

日本料理店って、日本酒を思わず飲み過ぎてしまって勘定時にビックリ!ということがよくありますよね。高い値付けの店が多すぎる気がします。一時期のワインみたい。もっとリーズナブルに飲めるようになるといいのですが…。こう考えてくると、すべてのお酒を500円で飲ませてくれる広島の居酒屋「むろか」の良心的さが際立ってきます(そのかわりお酒は店側の都合優先になるけど、プレミアムがつくようなお酒でもすべて500円程度)。

さてと、ボクは鴨から鴫に行きます。
甲偏から田偏へ。「しぎ」ですね。山シギ。フランス語だと「ベカス」ですが、イタリア語だと「ベッカッチャ」。青山一丁目からほど近いリストランテ「ベッカッチャ」です。

地下にある小さな隠れ家風の店で、12人も入ったら満杯。
飾り気もなく素朴な感じだし、内緒な会話も周りに全部聞こえちゃいそうなこぢんまりさなんだけど、逆になかなか親密な空気を醸し出していていい感じ。デートというよりは「美味しいもの好きな男同士」の方が似合いそうな雰囲気かも。

料理はトスカーナの郷土料理。コースもあって(7500円程度〜)そちらの方がお得だけど、なんとなくアラカルトでいただきました。以下のようなメニューが印象に残ってます。山シギという店名からわかるようにジビエに力を入れてます。

イノシシのパンチェッタとウイキョウのサラダ
ホワイトアスパラガス・半熟玉子のせ
下仁田ネギの蒸し焼き・ゴルゴンゾーラソース

ピィチ・フレッシュトマトと唐辛子のソース
ピンチ(太いピィチ)本日のジビエのラグー
山シギのラグーのパッパルデッレ
黒トリュフのカルボナーラ

木の実を食べた骨付きイノシシのビステッカ
骨付仔羊ロースの炭火焼き
ひな鶏のロースト

いい冬黒トリュフを使っているようで、他のテーブルでそれが出ると店中香ってました(まぁそのくらいこぢんまりした店だということでもあります)。

ボクは特にパスタ系が気に入りました。注文を受けてから手打ちするというピィチ(ピーチ)の歯ごたえの気持ちよさ。柔らかめなのに芯がしっかり粘る。これは是非ものの美味です。山シギのラグーのパッパルデッレのバランスの良さも印象的でした。

メインは炭火焼きやビステッカ(ステーキ)など、比較的シンプルな料理がほとんど。食べたイノシシは印象は特に強くなかったけど、丁寧に焼かれていて、火の通りも塩胡椒の加減も申し分はありませんでした。丁寧で素朴。そんな印象。

素っ気ない内装の素朴な店らしく、サービス人も男性。でも過不足なく気持ちいいサービスでした。
彼はどうやらシェフと兄弟らしいです(兄弟でやっているとなると中目黒の「イカロ」を思い出させますね)。ちなみにシェフはトスカーナのリストランテ「ラ・キウーザ」にいたらしいです。
posted by さとなお at 22:12| イタリアン | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする