2009年09月24日

いとう:ラール・エ・ラ・マニエール(銀座)

>恵比寿にある「JENITH GUSTRO」(ジェニス・ガストロ)

おっ。渋い路線ですねえ。さなメモで「フォアグラたこ焼き」を取り上げていたので、ジェニスに行かれたんだと思っておりました。楽しい、ウマくて量が多い、ワインが安価と、イイコトづくめ。若干煙いのがつらいぐらいで(笑。

>ボクたちの年代でもそんなに違和感なく馴染めますね

確かに同感です。というか、料理店・バーだけではなく、クリエイティブ系の事務所も多いあのビル全体がそんな印象。誤解を恐れず言えば、今は無き原宿セントラルアパートの小型版みたいな感じかなあ。

さて、ぼくはフランス料理つながりにします。ただ、ビストロというよりは、銀座の高級フレンチ「ラール・エ・ラ・マニエール」

最近、ソムリエやサービスがオーナーのレストランがポツポツと増えてきました。代表格としては「オーグードゥジュール」や「シュマン」ですが、イタリア料理の「ラ・バリック」や、広尾の「レヴェランス」、渋谷の「ビオディナミコ」など(ここここにも書きましたが)、一覧してもフロアと厨房の力が上手に結実した秀逸な店ばかり(ただ、優秀なシェフの流出は否めず、若干残念なトコロもありますが)。

オーナーシェフの作った料理がただ運ばれてくるだけのレストランよりも2倍おいしいはず、と個人的にも信じていて、今回取り上げる「ラール・エ・ラ・マニエール」もまた、オーナーソムリエのレストランゆえ期待度は◎。

「ラール・エ・ラ・マニエール」は、銀座にある新築ビルの地下。サインも小さくしか出ていないので見過ごしてしまいそう。ダイニングは意外と狭く小ぢんまりとしていますが、銀座らしい気品と客層の猥雑さが相まってイカニモな感じ。地下にあったころの「オストラル」を少し思い起こさせます。

オーナーソムリエの吉岡氏は、「サンス・エ・サヴール」にてソムリエを勤められたとのことで、「レヴェランス」のオーナー亀山氏からは先輩格ながら、自分の店のオープン前には「レヴェランス」を何度か訪れたと聞きました(ちなみにカトラリーが一部同じだったりします)。

シェフはフランスの三ツ星店で修業後、ダイレクトに「ラール・エ・ラ・マニエール」へとやって来たらしく、まだまだ手探り状態。ということもあってか、料理はハヤリの、というか白紙のメニューで、その日の仕入れによって多皿のコースが構成されます。

期待した料理の仕上りは、2人のイメージを結集したというより厨房からの一方通行な感じを受けました。ただ、今後は時間帯も含めてアラカルトも充実させていくとのこと。厨房とフロアの意見交換やコミュニケーションが充実してきたあたりで再訪してみたいです。

ちなみに、ワインは本当にすばらしかった。大量のワインをさばいているひらまつグループで鍛えられた底力を体感しました。
posted by 伊藤章良 at 17:29| フレンチ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年09月18日

さとなお:JENITH GUSTRO(恵比寿)

>モツ系というと、確かにスゴイんだけど
>「オレの肉を喰え」みたいな上から目線の店主が多いのも事実。
>また客側も、それにひれ伏す信者多数。
>ぼくはそこに若干の居心地悪さを感じることも多いのですが

同感です。
自信を持って出してくれるのはうれしいけど、必要以上にチカラが入った店主、多いですよね。だんだん内臓を食べることに躊躇が出てくる年齢になっては来ましたが、「ホルモンリキ」は行ってみたいと思います。店名もなかなかいいし。

ではボクも内臓を。といってもフォアグラですが。
恵比寿にある「JENITH GUSTRO」(ジェニス・ガストロ)です。

別にフォアグラ専門店ではありません。
ビストロ・ベースの「うまいもの屋」。店名にガストロノミー(美食術)から来る(と思われる)ガストロとついているだけのことはあります。

で、この店の名物のひとつに「フォアグラたこ焼き」があるんですね。
たぶん大阪方面にはありそうなメニューですが、東京の小洒落た店でこのメニューを見ると意外性に打たれます(笑)。カシスたこ焼きソースで食べるそれは、見た目も食感もちゃんと「たこ焼き」。ただ中身が濃厚なフォアグラなだけなのですが、意外とうまいし、他のいろんなビストロ系料理との違和感もありません。おもしろいです。

この店のうれしいところは他にもいろいろあります。
まず、ひと皿が多い。メニューにも黒板にも書いてありますが、ひと皿たっぷり約2人前の量なんです。なのでふたりで行ったら3皿(たとえば前菜2つ+メイン1つ)で満腹に近くなります。しかもひと皿1000円台前半のメニューばかり(メインはさすがに2000円台)。安いですね。3皿とってもふたりで6000円くらい。助かります。まぁいろいろなメニューを注文してみたい向きには逆に不満も残るかもですが(ふたりで3皿しか頼めないのはちょっとストレス溜まります:笑)。

そのうえ、「豚と鴨のテリーヌ」を頼むと固まりごと持ってきてくれ、「好きなだけどうぞ」と言われたりするし、サービス満点ですね。ワインも3800円と4800円。ひとり1800円でグラスワインの飲み放題もあります。

メニューが楽しいので(サイトから)少しあげてみると「香りが命!トリュフオムレツ ペースト、角切り、スライス。丸々1個使いの香りの爆弾」「東京一美味しく食べてもらうシーザースサラダ パルメザンチップスと一緒に」「とろける牛スジの煮込み ワインが欲しくなる!秘伝の味で煮込みました」「目玉焼き on the デミ! デミグラスソースのナポリタン風」などなど。
多少やりすぎなところもありますが、若い人には楽しいし、味もきちんとしているし、なにより安いのがいいです。

店内はカジュアルながら、フランスの田舎にありそうな素朴さと都会のお洒落さが両立している感じ。普段使いにとてもいいし、会社帰り・学校帰りの若者なんかにとてもいい店だと思います。ボクたちの年代でもそんなに違和感なく馴染めますね。
多少わかりにくい場所にありますが(恵比寿の代官山寄り線路沿いの雑居ビル2階)知っているといろいろ使い勝手がいい店だと思います。
posted by さとなお at 08:46| フレンチ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年09月10日

いとう:ホルモンリキ(葛飾区金町)

「まえだや」は、ぼくが情報サイトで大人の食べ歩きを担当している時に取り上げたことがあります。おそらくは常連の方から「どうして書いたんだ!」とお叱りのメールが多数舞い込み当時はショックでした。

「まえだや」は、生ラムジンギスカンの東京での草分けで、同じ中目黒を基点として東京全域にジンギスカンの大ブームが起こり、いつの間にか終焉。でも「まえだや」だけは、何事もなかったように変わらずなんでしょうね。

愛したい・通いたい・守りたい飲食店の典型。今はお叱りメールもありがたかったなあと思っています。

では今回は、同じ焼き系の店でも、生ラムではなく内臓好きにはたまらない「ホルモンリキ」を紹介します。

ここは都心からは少し遠い葛飾区金町(大雑把にいうとフーテンの寅さんエリア)にあり、しかも金町駅からも徒歩では行きにくい不便さ。でも同じ内臓系をウリにする他店とは一線を画する魅力にあふれ、そんな距離など気にならない充実のニクニク時間が過ごせます。

まず、モツの場合新鮮さは基本。「ホルモンリキ」は、そこに加えて、どうしたらよりおいしく食べてもらえるかという工夫を様々に凝らしておられます。

モツ煮込みは、ダシは濃厚で強いんですが、モツは限りなく柔らかそうでトロトロ。でも決して形は崩れておらず、食べてみるとそれぞれの部位の食感を残した絶妙な仕上がり。ホルモン焼も、工夫された色々なタレに漬け込んでその味を三種三様に楽しむことができます。

ご主人は洋食の調理経験もお持ちとのこと。モツ焼店なのにオムレツやパスタなどの一品料理もあり、究極はカレー。肉を分かっている方が端正こめて作られたことが十分に伝わる、噛みしめるごとにじんわりとベースの旨味が口の中に広がっていく幸せ。

また「ホルモンリキ」は、焼酎のラインナップがすごい。若干分かりにくいメニューなので(笑)、すぐにご主人にオマカセでとなってしまうんですが、時間が許せばメニューの一種類ずつじっくり(ワインリストを眺めるように)チェックしたくなります。ぼくが伺った日も、別グループが泡盛の試飲会をされるとか。研究にも余念がありません。

そして、なにより気持ちがいいのは、ご主人・女将さんをはじめ、お店のスタッフのお人柄ですね。モツ系というと、確かにスゴイんだけど「オレの肉を喰え」みたいな上から目線の店主が多いのも事実。また客側も、それにひれ伏す信者多数。ぼくはそこに若干の居心地悪さを感じることも多いのですが、「ホルモンリキ」では、決してそんな窮屈な思いをすることなく、うまく焼けてるかなあと常に気を配るご主人の優しい視線をありがたく受け止めつつ食事ができます。

さて、帰りがけのタクシー車中モツ煮込みの話をしていたら、運転手さんが「宇ち多゛はご存知ですか」と乗ってきて、当然関東五大煮込みの話に。「ぼくはそのいずれも食べてますけど、ホルモンリキはそのどれとも違う魅力がありますよ」と、運転手さんにまで薦めてしまいました。


posted by 伊藤章良 at 18:27| 焼肉・韓国料理 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年09月06日

さとなお:まえだや(中目黒)

ま、そろそろ後味悪い店はやめましょうか。後味悪いし(笑)

ということで、んー、どうしようかな、今日は「まえだや」を書いてみようと思います。中目黒にあるジンギスカンの店ですね。知るヒトぞ知るというか、まぁ有名か。ブームが終わった後もきっちり生き残っている人気店。ジンギスカンというか羊肉専門店という感じの店ですね。

サッシの入り口と四角い殺風景な店内。デコラのテーブルが4つに素っ気ない椅子…。
ちょっと入店しにくい独特なこの雰囲気は逆に慣れるととても居心地いいですね。昭和時代の街場の焼肉屋さんって感じで。

で、この店のラム肉がいいんです。安くてうまい。香りも適度。
もともとボクは羊肉が異様に好きなので、もっと匂いが強くてもOKなんだけど、香りが適度にあって、厚切りなのに弾力ある柔らかさもあって、全体のバランスがとてもいい羊肉だと思います。こういうの食べるとやっぱり羊肉が一番好きかもなぁと思います。牛も豚もまぁいいんだけど、香りでは羊の勝ちだなぁとか。

あと、生ラムを焼くこの店のスタイルも好きですね。タレに漬けこんだラムを焼くよりもラムの味がよく出てきます。
北海道でも羊肉を食べるとき、生ラム系とタレ漬けこみ系に分かれますが、ここは生ラム系。どうやらご主人が函館出身で(そういえば函館名産イカの粕漬けとかがメニューにあった)、道南地区では生ラムを焼くとのことでした。「ラムネギ塩」とか「ラム肩ロース」とかも生を焼きます。

さて、この店、ジンギスカン以外のメニューも充実しているので、ジンギスカンを食べる前にいろいろ頼むと楽しいです。
サイドディッシュ的にまず「キャベツとニンニクみそ」(450円)、「水菜とラムスモークのサラダ」(800円)あたりを頼んで、ついでに「ラム肉の煮込み」(500円)もいいですね。特に煮込みは滋味深いのにあっさりめでよいです。

次に、上でも書いた「ラムネギ塩」(1200円)を1人前かな。生ラムの上にネギを置いて焼いたもの。わりとうまいですよ。「ラム肩ロース」(1300円)もなかなかよいです。テーブルの上に七輪を置いて網焼きするのですが、弾力あるラムのうまさが味わえます。匂いも少ないのでラムが不得意な人も大丈夫。

待望の「ジンギスカン」は1人前1100円でお安い値付け。
テーブル上にジンギスカン鍋を置いて、最初だけ店員さんが焼いてくれます。少食のふたりなら、これを1人前とったら、あとは〆を食べれば量的にもわりと充分かな。足りない人はジンギスカンのラムや野菜を追加する感じ。
上でも書いたように、タレに漬け込んだ肉を焼くタイプではなく、生のジンギスカンを焼いて醤油で食べるタイプのジンギスカン。ラムの香りが直接味わえるのでラム好きにはたまらないですね。

〆は「キーマカレー」(900円)。ゆで卵のスライスが乗っている家庭っぽいキーマです。
うまいんですよ、困ったことに。ジンギスカン後にキーマって、よいですね。カレーはちょっと濃いという方には「ニラ玉雑炊」(900円)もあります。

痩せていて相当スマートな店員さんたちを見ていると(特に男性の店員さんが痩せている)、「羊肉って太らない」っていうのは本当なのかなと思います。全体にとてもシンプルな店で素っ気ないけど、なんともくつろげていいですね。羊を食べたいときは候補に入れときたい店のひとつです。
posted by さとなお at 21:21| 和食(小料理・割烹・郷土料理) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする