2008年12月30日

いとう:ル・カフェ プルス・アー(広尾)

>移転した「うずら」を書いてみようかと思います。

移転した「うずら」ですか!。今冬行こうと思っていた楽しみな一軒だったんですよ。さとなおさんの紹介を読んで期待に胸膨らむです。「西玉水」もかすかに覚えていますが、すでに20年近く前の記憶(当時の収入で行くには相当の高級店だったんですよね・・・)。うーん待ち遠しいなあ。

>来年早々、また行こう。

あ、もし差し支えなければ、ぼくも仲間に入れてください(笑。

ところで、さとなおさんの今年のシメの外食はどちらでしたか。
ぼくはずっとオーセンティックなフレンチとかイタリアンに決めていたんですが、ここ何年かは鮨。今年は「鮨しみづ」でした。で「しみづ」もいいかなとか、鍋なら大阪の有名な(さとなおさんも新聞の連載で紹介していた)「小川下」はどうだろうとか考えつつ、やっぱりもう1回、フランス料理で鍋に関する話題を。

紹介する店は「ル・カフェ プルス・アー」です。
ここはご承知のように、昨年末フランス料理店「プティ・ポワン」を1階2階の2フロアに改装し、2階は今までどおりの本格フルコースを提供する「プティ・ポワン」。1階には、様々に修業経験を積んで戻ってきたシェフのご子息がカフェをオープン。外苑西通りに面した大きな窓がある開放的な空間です。

で、その「ル・カフェ プルス・アー」、カフェとしては少々どんくさい(失礼)というか、メニュー構成や飲み物の種類等にも魅力を欠くのですが、なにせ料理は何を食べてもめちゃオイシイ。

特に「16種の焼野菜釜」。その名の通り新鮮な野菜をココット(鍋)に入れて作るシンプルな料理なんだけど、コレが強烈にウマかった。年末だし思い切って言ってしまうと、今年日本で食べた西洋料理のベスト3に入るといっても過言ではありません。

加えていうと、前述の「HOUSE」にても近い時期に同じような野菜のココット蒸しにトライしたんですね。価格もあまり変わりません。でも、料理としては全くの別物。

「16種の焼野菜釜」、唸ります。鍋で野菜を蒸し焼きにするだけなのに、(そんな単純じゃないとも思いますが)どうしてこんなに味わい深いんだろう、いいダシが出るんだろう(「ル・カフェ プルス・アー」も「HOUSE」もそのダシでリゾットを作ってくれます)。

なお、「ル・カフェ プルス・アー」には、カレーもグラタンもパスタもありますが、そのいずれも洋食のイメージを塗り替える逸品ぞろいなので、機会があればトライしてみてください。

細かい部分には色々と不満もあるけど、食べるとおいしいのでやたら幸せになって店を後にする。イケメンサラブレッドのカフェ@広尾なのに、下町頑固オヤジのメシ屋にでかけたような気分。といったところでしょうか。

さて、おそらく今年の対談はこれが最後ですね。
さとなおさん、1年間ありがとうございました。来年もどうぞよろしく。
posted by 伊藤章良 at 15:41| フレンチ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年12月28日

さとなお:うずら(白金)

ココット料理、いいですね。
特にストウブ社の鉄鍋は熱が均等に伝わるし、ビタクラフトみたいに効率的に味と栄養を閉じこめて美味しいらしいですね。今度行ってみよう。最近では「クロ・ド・ミャン」に久しぶりに行ってココット料理を楽しみました。周りのお客さんはみんなココット料理を頼んでいました。はやってるのかな。いや、単に冬だからかな。

まぁココットはアメリカで言ったらキャセロール、日本で言ったら「鍋」ですね。
という無理矢理の結びつけで、移転した「うずら」を書いてみようかと思います。

この7月に麻布十番から白金(というか四の橋)に移転して、今年の11月にすごく久しぶりに行ったんですが、なんか印象としては前よりおいしくなっていると思いました。特にハリハリ鍋。クジラ料理が盛んな大阪に勤務していたころ「徳家」「西玉水」はもちろん、いろんな店でハリハリ鍋を食べましたが、いま現在、ボクは「うずら」が日本一おいしいと思っています。あまりにうまかったのですぐ再訪しました。今年だけで3回行っているかも。

クジラの皮でとった濃厚なのにくどくない上品なダシ(生姜がきいています)。そこに油揚げがたくさん投入されていてコクとアクセントになっています(もともとクジラの代わりに油揚げを使う「キツネ鍋」があるくらいなので、相性はいいんです)。そして水菜をたっぷりと入れる。これは関西でも経験がなかったくらいなたっぷりさ。もう山盛りですね。ダシとのバランスだそうだけど、この辺かなり研究されたとのこと。そこに胡椒と片栗粉で品良く下味つけたクジラの赤肉。これが香りがあってうまいんです。あぁまた食べたくなってきた。

ダシも肉も大阪の「西玉水」がトップだとずっと思っていましたが、「うずら」を経験すると「西玉水」はもう少し素材寄りというか、クジラの香りが単独で前面に出ていた印象です。「うずら」のは全体のバランスが素晴らしく、料理としての完成度が高いと感じました。鍋の中でどんどん完成されてくるダシが本当にうまい。〆のうどんか雑炊もたまりません。

それと仕入れ自体がかなりいいですね。
クジラの尾の身の刺身をいただきましたが、これが絶品でした。んー、これもいままでのトップかなぁ。

クジラ以外の一品も(ご存知とは思いますが)とてもおいしいですね。最近ではここで食べた渡り蟹が印象に残っています。刺身とか野菜系の一品とか、どの料理もまずハズレがないです。

内装の壁はフェイクの板張りだし、テレビはつけっぱなしだし、蛍光灯ギンギンだし、雰囲気はざっくばらんです。でも、逆にとてもくつろげる。無口なご主人は一見怖そうですが実は優しいし、奥さんがとても感じがよく、このご夫婦の感じもこの店の魅力のひとつ。あ、それと、日曜に営業してるのも何かの時に便利です(そのかわり土曜が休み)。

ご主人は「電話に出てると仕事にならないから昼間は出ない」と言っていて、営業時間中しか電話に出なかったり、入り口には常に「準備中」の札がかかっていたり(これは「よくわからないお客さんに入ってきてほしくないから」だそうで、基本的には誰でも入れます)、とっつきにくい店ではありますが、鍋の季節の大定番にしたい一軒ですね。

来年早々、また行こう。
posted by さとなお at 09:01| 和食(鍋・おでんなど) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年12月19日

いとう:HOUSE(西麻布)

「琉美豚」ですか。知りませんでした。こちらの方が日本語としてとてもキレイな感じ。僭越ですが(笑)秀逸なネーミングかと思います。

沖縄の「アグー」話を以前さとなおさんから伺って、メニューに表記されていても純血ではないんだろうなあとは存じてました。「我那覇畜産」のような生産者の方に頑張っていただいて、おいしいものを末永く食べることができるといいですね。ただ、数が少ないとなるとみんなで応援すればいいってものでもないしなあ・・・。

ではぼくも変り種豚の話を続けます。紹介するのは、ココットと呼ばれるフランスの鍋を使った料理を提供するビストロ「HOUSE」

ところで、このココットを使った鍋料理はぼくの大変好きなモノのひとつ。メニューに見つかればたいていオーダーします。日本で初めて食べたのは、かのアラン・デュカスが舞浜のイクスピアリに作った「スプーン」なるレストラン(もう10年以上前で、現在は閉店)。ここで出会った「旬の地野菜のココット蒸し」が忘れられず何度か舞浜まで通いました。この同じメニューは新生「ブノワ」にても食べられるようですが、まだトライしていません。

そんな大好きなココット料理の専門店が近年フランスでも流行りだしたようで、そのノウハウを担いで日本に持ち込みネオビストロなる新しいジャンルでオープンしたのが「HOUSE」とのこと。

場所は西麻布から青山の根津美術館方面へと抜ける裏道沿い。こんなに大きなビルが建つスペースなぞあったのかいな、と目をみはるぐらいの立派な新しいビル4階にあります。

入店してすぐ、同行した方から「伊藤さんってこんなに女の子っぽい店を選ぶんだね」と驚かれ、イヤな汗。純粋にココットの料理を食べたくて出向いたのですが、家具はウッディで可愛らしいし、置かれたり掲げられたりしている小物類もセンスバツグン。照明もちょうど女性が美しく見えるレベルに落としてある。なにより、しばらくの間ぼく以外のお客さんはすべてキャピキャピ系女の子。あちこちで嬌声があがっていました。

で、ここのメイン食材のひとつが、都内で数件しか取り扱いがないという熊本産の「走る豚」。スペインのイベリコ豚は放し飼いにされているからウマイ、との印象がすっかり定着し、ソコを印象づけたかったのでしょう。走る姿ってあまり想像できないですけどね(笑。

「HOUSE」では、この豚を挽肉にせずキャベツと幾層にも重ねてミルフィーユ状態にした「ロールキャベツ」を看板料理のひとつにしています。「ロールキャベツ」や野菜のスチームなど、どの鍋も軽くてナチュラルな仕上がりでパクパクといけるんですが、残念ながら(大食漢のぼくは特に)いつまでも満腹感が得られず、パンばかり大量に食べてしまいました。つまり、やっぱり女性向きのようでした。

それと、キッチン近くの席を案内されたこともあり厨房を時おり眺めていたんでずか、コンロが大量に並びそこで鍋がぐつぐつしているさまは、こんなに素敵なダイニングなのになぜか味噌煮込みうどん店を思い出しました(笑。
posted by 伊藤章良 at 10:10| フレンチ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年12月16日

さとなお:我那覇畜産(沖縄)

そんじゃボクは「ルイビトン」つながりでちょっと雑談を。

どっちが先かわからないけど、沖縄に「琉美豚」というブランド豚があるんです。
リュウビトン→ルイビトンのもじり(笑) ランドレース種、ヨークシャー種、バークシャー種のかけあわせが「ルイビ豚」なら、「琉美豚」はランドレース種とデュロック種のかけあわせ。名護の「我那覇畜産」(がなはちくさん)が作っている品種です。

この「我那覇畜産」、ボクは今年の1月に訪れたのですが、それはもう素晴らしい生産農家でした。
ボクはここが生産している「やんばる島豚」が、今のところ豚肉の中で一番おいしいと思っています。バークシャー種とデュロック種をかけ合わせたものにアグー(琉球在来黒豚)をかけて出来たものですが、香りが強いのに上品あっさり。もうね、うますぎ。

ボクは5年ほど前、アグーを細かく調べたことがあるんですが、その当時、純血のアグーは沖縄本島にたった36頭(!)しかいなかったんですね。
戦争で激減し、その後はアメリカからランドレース種などの繁殖能力が高い(つまり多産な)白豚が入ってきて、商売になりにくい(繁殖能力が低い)純血アグーの生産が放棄され、ほとんど絶滅したんです。純血アグーとランドレース種などとかけ合わせたハーフやクォーターはそこそこ流通しているものの、本当の「純血」は北部農林高校や試験場などに36頭しか残ってなかったのです。

あれから約5年。
「我那覇畜産」で聞いたところによると、去年の段階で純血アグーは世の中にまだ79頭しかいないとか。アグーは生殖能力が低く、じわじわとしか増えないらしい。
いまでは東京でも「アグー豚」を出すレストランが多いけど、アグー(もしくは「あぐー」)と表記してあっても純血はほとんどありえません。定期的に検査でつぶす以外はほぼ流通してないからです。だから流通しているのはハーフかクォーターがほとんど。良心的な店でも75%とかのものを出している程度じゃないかな。

ただ、現在はランドレース種とのハーフである「沖縄あぐー」というブランド豚も出荷されているので、それを出してアグーを名乗っている場合もあるかもしれません。

ボクは、ラッキーにも、定期的につぶす純血アグーを食べたことがありますが、肉の香りが尋常でないですね。脂が多いのにあっさりしていて、もたれず、旨みも強い。増やすのがとても難しい品種で、なかなか採算ベースに乗らないらしいのですが、志高くアグーを増やそうとしている畜産農家がいくつかあって、そのうちのひとつが「我那覇畜産」なんですね。

オーナーにお話をいろいろ伺ったんですが、彼の「安心安全、しかもおいしい」ことへの情熱がまたすごかったです。
特に安心安全に対する意識の高さがすごい。そこまで清潔に管理しますか!という感じ。放牧なども考えたそうですが、鳥などによってもたらされるウィルスを考えるととてもじゃないが無理、ということで、そのかわり徹底的に豚が居心地いいように考えて屋内施設を作ったそうです。お話は日本の食や健康への危機感にまでおよび、尽きなかったな。

純血アグーも少しずつ増やし、「我那覇畜産」にも17,8頭いるようでした。かけ合わせの研究を重ねた結果「やんばる島豚」ブランドを作り出し、その味には相当自信を持ってられましたね。自信があるだけあってホントうまいうまい。繰り返しになりますが、ボクの一番好きな豚肉です。

「やんばる島豚」、「流美豚」以外にも、75%のアグー「島黒」も売っていました。でも、味だけとったら「やんばる島豚」が一番好みだったかも。

日本人は本当に研究熱心で「おいしい豚肉」に人生を賭けている方が全国にいらっしゃいますね。「ルイビ豚」ももし巡り会ったら食べてみます。「琉美豚」や「やんばる島豚」と比べてどう感じるか、いまから楽しみです。
posted by さとなお at 08:05| 雑談 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年12月10日

いとう:ル・ビストロ(恵比寿)

>名物はタマネギだけ使用した「チポッレ」と、
>マスカルポーネとグリーンペッパーの「ペンティート」。

さなメモに、玉ねぎだけのピッツァを食べに行ったと書かれていたのを読んで、「イル・ペンティート」かなあと密かに思っておりました。確かに少々高い気もするけど、ナポリピッツァ全盛の中でローマ風は貴重ですよね。

さて。
>いや、伊藤さん、イカネバの娘って(苦笑) 
>まぁオヤジ対談なのでいいですけど。

自分からオヤジギャグを振っておいてマコトに恐縮ですが、あまりピッタリ来るイタリア料理店が思い浮かばず(1軒書きたいところがあるんだけと、まだ行ってないのです)、今回はダジャレつながりにさせていただきます(笑。

恵比寿の東口から白金高輪方面へ。通称バス通りと呼ばれる道がありますが、こちらの1本ウラ側。昔は「前川」というラーメン店と齢80を越える女将さんが健在のおでん「菊代」ぐらいだったのですが、ポツポツと飲食店がオープン。有名どころでは「アオテアランギ」、「海南鶏飯食堂」2号店、先般こちらに書いたカフェ「ル・リオン」や肉のマエストロ(未訪)なんかも。

そんな裏道グルメロードにまた新たなビルが建ち、中華やスペインバルなどで賑わう一角に登場したのが、今回紹介する「ル・ビストロ」。ま、その名の通り、肉の「焼き」をメインにしたフレンチビストロ。この店のホームページによりますと、経営元は家具屋さんのようで、その名に恥じないウッディかつ暖かみたっぷりの内装。また恵比寿らしく奥まったところに段差を設け穴倉風の半個室もしつらえてあります。

ただ(当然ですが)家具も調度品も壁も新品なので、なんとなく借りてきた猫状態といいますか、ショールームで食事をしている感はあります。何年か経ってダイニング全体にくすんだ雰囲気がかもし出されるようになると最高かなあ・・・とは想像されますが。

でね。なぜダジャレつながりかといいますと、「ル・ビストロ」では、お店のロゴにもなっている豚肉に力を入れておられるようで、遺伝子改良に情熱を注ぐ獣医さんが成功した新品種がウリ。そしてそれは、ランドレース種、ヨークシャー種、バークシャー種を掛け合わせ、それぞれの頭文字(LYB)をもじって「ルイビ豚」命名。富士山の裾野で飼育されているとのこと。

「ルイビ トン」ですよ。(正確に言えば、BはVじゃなきゃおかしいんですけどねえ)。まさに「ブランド」豚ですが、そのセンスはイカネバの娘と変わらない気がするなあ。

飲食業界で一時流行語にもなった「ジバラン」の生みの親、さとなお師匠的にはどうですか(笑。

ただその「ルイビ豚」、もちろん調理法やシェフの技量もあるでしょうけど、なかなかうまかったです。ブランド豚になればなるほど、サクサクしてイノシシに近い(悪い意味ではなく、より筋肉質という感じ)印象を個人的には持っていましたが、「ルイビ豚」はどちらかと言うとモチモチでジューシー。特に脂身は臭みがなくトロトロでした。

ワインリストも、手の出やすい価格帯に絞って心憎い自然派のセレクションにまとめてあり、楽しくて選びやすいものでした。

店のキャパもそこそこあるしリーズナブルなので、いざという時(「ルイビ豚」の話題性もプラスして)助かる一軒かもしれません。
posted by 伊藤章良 at 23:23| フレンチ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年12月07日

さとなお:イル・ペンティート(代々木)

いや、伊藤さん、イカネバの娘って(苦笑) まぁオヤジ対談なのでいいですけど。

「カピトリーノ」、閉店ですか。
草分けとしての敬意は深く持ってますが、実はここ10年以上行ってません。
ちょうど東京に面白いイタリアンが続々と出来はじめた10年ちょっと前に行ったとき、なんだかとても古く感じてしまったんですね。その印象が強くてそれ以来再訪していないのです。でも、逆にいま行ったらまた印象違うんだろうなぁと思います。あのころは無闇に「新しいイタリアン」が食べたかったし好きだった。ほんと、出始めでしたから。いまは逆にそういうイタリアンには食傷気味なので、「カピトリーノ」のような王道が食べたいです。一周してこれから逆に時代に乗る店になるかもしれないのに、惜しいです。

んー、じゃ、ボクもイタリアンにしようかな。
ローマ風ピッツァの「イル・ペンティート」(代々木)にしてみます。

ナポリ風ピッツァ大流行の東京で、ローマ風ピッツァで気を吐く店として有名ですね。
モチモチで分厚い生地のナポリ風に対して、カリカリの薄生地のローマ風は、昔は王道だったのに、最近はあまり見かけなくなってしまいました。

でも、こうしてちゃんとレンガの四角い釜(釜もナポリとは違う)で焼くととても美味しいですね。なんでも有名なメーカーの窯らしく、職人を呼んで相当本格的に作ったらしいです。

名物はタマネギだけ使用した「チポッレ」と、マスカルポーネとグリーンペッパーの「ペンティート」。
2品とも実にうまいです。特に前者が好きかも。さくさくのトロトロのカリカリ。いくらでも食べられる感じ。一軒行った後の締めとして行ったんですが、満腹のはずのお腹にすいすい入っていきました。
あとはオリーブのフライも美味ですね。夜中にこういうのをとって、安ワインと一緒に胃に流し込むシアワセといったら。

釜もテーブルも椅子も調度品もすべてイタリアから運んだせいもあるのか、店内は日本離れしていてまるでローマの街角の店にいるようです。天井が高かったり、照明が適度に暗かったり、テーブルが詰め詰めだったりするのも、その雰囲気を後押ししてますね。ホント、壁際に座るとトイレに行くのもままならないくらいテーブルが詰め詰めなんです。でもそれが逆にいい感じ。この雰囲気、得難いなぁ。

欠点としては、テーブルが詰め詰めなのも手伝ってかサービスの目と手が届かないこと。
あと、値段が高めなのも難ですね。釜への投資が莫大だったのかもしれませんが、もう少しだけ安めにして気楽に食べられるピッツェリアになるとよりうれしい感じです。まぁでも値下げしなくても大はやりなので、この価格でいいのかもしれませんが。
posted by さとなお at 10:31| イタリアン | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年12月03日

いとう:カピトリーノ(西麻布)

「ICARO」ですか! さとなおさんも早い早い。「ロマンティコ」に若い料理人の方がおられたのはよく覚えています。でも「ICARO」が彼のお店だったとは知りませんでした。さっそくイカネバの娘ですなあ・・・。

さて、ではぼくも引き続いてイタリア料理店です。といっても新生ではなく、王道中の王道「カピトリーノ」を。もうすでにご承知の方も多いかと思いますが「カピトリーノ」は年内で営業を終了します。とても残念だし、今書くなよと言われてしまいそう。ただ、まだ1ヶ月あることと(といっても予約は相当困難になっています。ファンの方が何度も来られているとか)、なんといってもトウキョウイタリアンという名の何なのかよくわからない料理が増殖し続ける中、一皿の力のみでイタリア本国に思いをはせることのできる経験はとても貴重でしょう。

「カピトリーノ」は「アルポルト」や「アクアパッツァ」ができるもっともっと以前から西麻布にありました。西麻布がこうしてイタリア料理店過密地帯に発展したのは、「カピトリーノ」が吸い寄せたといっても過言ではありません。

日本人として最も早くイタリアに渡り修業した吉川シェフは、帰国して開いた「カピトリーノ」を通じ、「トリッパの煮込み」「本場のカツレツ」「サルティンポッカ」「カルボナーラ」「ブッタネスカ」などのクラシックなイタリア料理をぼくたちに伝えました。

野菜を多用し皿の上に色鮮やかな造形を施しながらあくまでも軽く少量に仕上げる・・・。「少量?」以外は(笑)こういった料理もぼくは大好きで頻繁に食べにも行くんだけど、はたして「イタリア」を食べてるんかなあ。久しぶりに「カピトリーノ」のテーブルに着くとそんなことを考えます。

例えば、定番のひとつ「プッタネスカ(娼婦風。黒オリーブ、ケッパー、アンチョビを使ったトマトソースのスパゲティ)」は、まず大量。これほどの量のパスタがシンプルな皿の上にドカンとのっかっていると、ただそれだけでニンマリ。さらにメチャあつあつ。最初の二口ぐらいは熱くて熱くて、フーフーしないと口の中に運べません。自分が「食べること」の原点に立ち戻ったような、そして、イタリアを旅し食した過去の記憶がぐわーっと「カピトリーノ」のパスタとシンクロして体中をよぎっていくような、そんな感覚。

また、お皿がまったく見えないぐらい詰め込まれた前菜の盛り合わせも、付け合せは炒めたポテトのみの力強い肉料理も、流行のトウキョウイタリアンとは、まさに対極に位置しますが、対極があってこそのいいバランスなわけで、それがなくなる・・・というのは本当に寂しいことです。

最近はほとんど食べずにガマンしているデザート(しかも「ティラミス」)にもトライしましたが、これがまた涙が出そうなほどうまかったことも追記しておきます。

食事が終わった後、「カピトリーノ」の吉川シェフから最近のイタリアについていろいろな話を聞きました。あまり長居も失礼なのでそろそろ辞する旨を伝えたところ「大丈夫ですよ、今から大ちゃんが来て食事をしますから」と。

大ちゃんとは「ヴォーロ・コズィ」の西口大輔シェフ。「カピトリーノ」が終わると知り、こうして若い料理人がぞくぞくと食べに来ている様子。仕事が終わって遅くにやってくる料理人を温かく迎える吉川シェフの姿にも感銘を受けました。ぼくたちが日常接しているビジネスの世界ではなかなかお目にかかれない文化の継承ですね。

posted by 伊藤章良 at 21:00| イタリアン | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする