2008年10月31日

いとう:レストランひらまつ(広尾)

広島の「貴家。」、ぼくもシャォヘイ君に教えてもらって行ったことがあります。ホント、さとなおさんの称されるようにココはおいしいですね。

前回、東京のお好み焼がゆるい、みたいな抽象的なことを言いましたが(もう少し具体的に書くと、みずっぽい・・・感じかなあ)、広島の「貴家。」はその対極にあります。バランスがよくてかつ油断がない。

>味において特筆すべきはキャベツのおいしさですね。
>甘みがあって瑞々しく熱の通りが完璧。

ああ、確かに。同じように焼いていてもキャベツがべっちゃりとなっている店のなんと多いことか。

ところで、キャベツで閃いたんですが今回の紹介は「レストランひらまつ」です。お好み焼からグランドメゾンへと急に飛んでしまって恐縮です(笑。ただ、先日「レストランひらまつ」に出かけた際、魚料理の付け合せに添えられたキャベツのうまさに驚嘆してしまいました。そのメニューは、「天然平目のロースト キャベツとコキアージュのアンサンブル 軽いスープ仕立て」。

平目はとても分厚く当然ながら完璧な火の入りを主張する美しい色。で、付け合せには、アワビ、ミル貝、つぶ貝など4種類の貝が、おそらく貝のだし汁で軽く煮込んだキャベツに小さく包まれて、平目の四隅に置かれています。

貝とキャベツ、一見すると串カツにもありそうな取り合わせなんですが、口に含んだ瞬間の、貝のコリコリ感とキャベツのシャキシャキ具合が想像をはるかに超えていて、コリッシャキッ、コリッシャキッ・・・を繰り返すんですね。

また、貝の切り身をキャベツですっかり包んであるので食べてみないと何の貝か分からないところも面白い。つまり、それぞれの貝を香りと食感だけで(先入観なしに)純粋に楽しむという工夫もされているのです。しかも4種類目はアワビのキモ。苦手な方にはちょっと微妙ですが(といいつつ、分からずに食べてそのおいしさを知ることにもなるかな)、一番ビックリしました。

「レストランひらまつ」は、西麻布の「ひらまつ亭」のころから「フォアグラのキャベツ包み」というスペシャリテがあって伝統的にキャベツを使った料理がお得意なのかもしれません。

企業として巨大化したことで、その動向にすべて賛同できるわけではありませんが、ひらまつ本店は、やはりその中でも孤高のプライドを保って運営されているなあと改めて実感しました。グランドメゾンでは稀有となってしまった、常にマダムが在席し絶妙なタイミングで客をエスコートするさま。また、支配人が高級店には珍しく童顔の方で、その少年っぽい笑顔にグランドメゾン特有の疎外感から救われた方も多いのではないでしょうか。

「ロオジエ」と「ひらまつ」。どちらがすばらしいかと聞かれると答えに窮しますが、どちらが好きかと問われたなら、ぼくは「ひらまつ」かなあ。
posted by 伊藤章良 at 10:43| フレンチ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年10月30日

さとなお:貴家。(広島)

「グリル梵」、大阪でもたぶん同じ値段です。
一人前2000円。たしかに少し高く感じるかもですね。銀座なら違和感ないとはいえ。

では、ボクもお好み焼きを書こうかな。

この前行った広島の「貴家。」です。

ボクはまだ広島風お好み焼きをそんなに食べ込んではいないんですが、この店はいまのところ断トツにおいしく感じました。うまいです。大阪勤務が長かったので大阪のお好み焼きもいろいろ食べてますが、それらを含めたお好み焼き界全体でも一番好きな味のひとつかもしれません。

広島地元の達人シャオヘイくんに聞くと「広島風お好み焼きのバリエを知るなら、八昌(薬研掘)系、みっちゃん総本店系、三八系の三種類は食べていってもらいたい」と言うんですね。
この「貴家。」は「みっちゃん総本店系」。
ボクは八昌(薬研掘)系は「八誠」、三八系は「三八」を食べたので、これで代表的3系統を一応知ったことになります。知ったというか、経験した、程度ですが。

この店、一見とても雑然としていて「本当においしいのかな」と思わされるんだけど、よく見ると鉄板上はとてもキレイ。素材の扱いも丁寧だし、相当気を遣って調理しています。若い店主、なかなかな腕なのは見ていればすぐわかる感じ。

味において特筆すべきはキャベツのおいしさですね。
甘みがあって瑞々しく熱の通りが完璧。あぁ広島風お好み焼きはキャベツをおいしく食べさせる料理なのかも、と思ってしまうくらい。そしてそこに生地の適度なもちもち感と、麺の絶妙なパリパリ感が加わります。このみっつの食間とバランスが非常に良いんです。もともとキャベツなどの具と生地を混ぜずに焼くことが特徴な広島風お好み焼き。混ぜない分バランスが大切になります。それがとても良い。
ソースも濃すぎず、これもバランスをちゃんと考えてあります。上品だけど上品すぎないうまさ。 下品さがいい感じに残っている。これはうまい!

初めてなら肉・玉のそば入り(700円)がおすすめです。
というか、伊藤さんの意見「お好み焼って、ミックスだのデラックスだのとさまざまな食材を混ぜ合わせた高額メニューを安易に頼んでしまいがちですが、あれは客単価を上げたい店側の戦略であって、結局いろいろな食材から出たダシがまざっておいしくないと思う」に賛成です。

この店、ハーフサイズ(500円)があるので女性もうれしいかも。一品料理もいろいろ。あの店主ならステーキなんかも上手に焼くだろうな。

ちなみに広島風お好み焼きを「広島焼き」と略す人や店がありますが、これ、広島地元の人はとても嫌うそうです。「広島風お好み焼き」もしくは単に「お好み焼き」と呼ぶみたい。他県人を中心に、思わず「広島焼き」と言ってしまう人は多いと思いますが、地元では通じないし嫌がられるので要注意です。
posted by さとなお at 09:18| 無国籍料理・その他 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年10月27日

いとう:いまり(恵比寿)

>この店、もともと大阪新世界の老舗洋食屋「グリル梵」が大阪の
>堂島に出しているビーフヘレカツサンド専門店の銀座店。

さすがさとなおさん、大阪ネタは早い! それにしてもビフカツサンドが東京(しかも銀座)に参入とは思い切ったなあ(と、牛肉文化の西出身者としては思ってしまいます)。

ビフカツサンドって、もうどれぐらい食べてないだろう(ビフカツは先日「カウベル」で食べましたが 笑)。ぜひ今日の昼でも行ってみたい! でも、いいお値段ですね。大阪も同じ価格でしたか?

ではぼくも、西から来た東の店を。
恵比寿にあるお好み焼の「いまり」です。

ここの店主は兵庫県出身。ご実家でおばあさんが同名のお好み焼店を営んでおり、お好み焼等のレシピは実家のものとほとんど同じでソース等もそちらから分けてもらっているとのこと。関西人のぼくからすると、どうしても東京のお好み焼はユルい感じなんですが、「いまり」は適度な凝縮感とジャンクならではの味の濃さもあって安心します。もちろん神戸ローカル食「そばめし」も食べられます。

ただ、店舗が小さいからか(「焼き」もひとりでされているので)お好み焼自体は小ぶりかなあ。その辺は恵比寿の客を意識しているのかもしれませんね。西であんなに小ぶりだと文句が出そうです(笑)。また、小さなツマミや鉄板焼系のメニューもバランスよく揃っており、それも恵比寿ならでは。

そしてこれまた恵比寿らしいのが、店主は長身でかなりのイケメン。そのうち女性客ばかりに席を独占されそうな勢いです。聞けば、やはり役者系を目指して上京したものの、心機一転で実家の稼業であったお好み焼店を東京でやろう、と思い立ちました。

それと店主が西にいたころ、(さとなおさんはご存知かなあ)三宮の高架下にある神戸きってのアメリカ系セレクトショップ「タイガース・ブラザーズ」でバイトをしていたとのこと。ぼくもン10年前ですが、大学時代よく通っており思い出話がさまざまに展開しました。

ココは、恵比寿駅から少し歩くので(蟻月やトシヨロイヅカの近く)満席だとつぶしが利かずチトつらいかな。ただ、モダンなこぢんまり感や店主との距離感が快適で通ってしまいそうです。

それと、最後にお好み焼について個人的な意見をひとこと。
お好み焼って、ミックスだのデラックスだのとさまざまな食材を混ぜ合わせた高額メニューを安易に頼んでしまいがちですが、あれは客単価を上げたい店側の戦略であって、結局いろいろな食材から出たダシがまざっておいしくないと思うんですね。

なので、豚玉とかイカ玉とか、単品+玉子の注文をオススメします。
posted by 伊藤章良 at 11:52| 大衆食堂・定食・丼 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年10月25日

さとなお:グリル梵 銀座店(銀座)

伊藤さん、すいません。札幌・秋田・博多と渡り歩いて落ち着かず、間が空いてしまいました。

「鳥芳本店」、外から覗いたことはあります。深夜でも混んでて活気がありますね。今度行ってみたいと思います。

で、焼き鳥つながりで月島の「鳥善」でも書こうかと思いましたが、「西の『揚げ(カツ)』に対して東は『焼き』かな」という伊藤さんの言葉を受けて、西の『揚げ(カツ)』を行ってみたいと思います。

「グリル梵 銀座店」
ビーフヘレカツサンド専門店ですね。そう、サンドイッチです。

先月の9月1日にオープンしたばかりの店で、昭和通りを歌舞伎座方面から来て交詢社通り(演舞場通り)を左に曲がってすぐ右側にあります。日産に近いあの辺り。
カウンターだけの小さな店ですが、テイクアウトにも対応していて、一人前6切れ2000円。これはカツ2枚を6つに切ったもの。ハーフも4切れ1000円で売ってますが、これはカツ1枚を4つに切ったものなので、6切れに対して4切れとなんだかお得なようではありますが、実質的にはハーフになっています。

この店、もともと大阪新世界の老舗洋食屋「グリル梵」が大阪の堂島に出しているビーフヘレカツサンド専門店の銀座店。
堂島の店は一度だけ行ったことがありますが、四つ橋筋沿いの角のビルの3階にひっそりとあって、景色も良くてなかなかいいんです。夕暮れ時は四つ橋筋を走る車のヘッドライトがきれいで、カウンターは特等席でした。数人でビーフヘレカツサンドとビールで軽く一軒目を済ませて次に行く、みたいな使い方とかできてなかなか良いのです。

この銀座店はその堂島店で働いてた方が店長をしているようです。
路面店なので景色は望むべくもありませんが、中心部がレアに揚がったビフカツとビールはよく合うし旨いですよ。ワインも合うかも。ソースがまたいい。適度に甘く香りもよいです。衣とパンの両方に染みこんで絶妙。こういうのを食べると「カツにはごはんが最高の伴侶」という認識を少し改めてしまいます。パンもなかなか良いではないか、と。

トンカツ文化の東京にはビフカツの店が圧倒的に少ないのでうれしい限りですね。ビフカツサンドでは北新地のバー「なかしま」のものが日本一だと思っていますが(オヤジさんが亡くなってからはどうだろう?)、大阪ではこのごろビフカツサンドを出す店も増え(昔は少なかった)、クオリティが格段に上がりましたね。東京にもその波が来るといいなぁ。

関西独特の「ヘレ」という言いまわしもうれしいです。
まぁ元々はフランス語の「フィレ」(filet)なので、ヒレでもヘレでも間違いですが、なぜか関西はヘレですね。わりとこのヘレという呼び方、美味しそうで好きだったりします。

昼11時半から夜23時までぶっつづけで営業しているので、小腹が空いたときもオッケー。カウンターでさっと食べるのはもちろん、ちょっとしたお弁当やお土産にも(まだ珍しいので)喜ばれると思います。出前もしてくれるようなので(地域要相談らしいけど)、大阪人が多い会議なんかにもウケるかも。

ということで、西の揚げ、でした。
posted by さとなお at 17:56| とんかつ・揚げ物 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年10月14日

いとう:鳥芳本店(目黒)

>で、勝手に痩せてると決めつけといて

痩せているイメージなんですかねえ・・・。自分じゃないようでフシギです。でも、コックさんでも食雑誌の編集長でも、痩せているとなんとなく説得力ないですから(ビジネスで食と対峙しているみたいな感じかな)、これでイイんです。

>ちなみにオレは太ってないけど?」と聞いたら「あ〜…」と
>言葉を濁されました。

でも、さとなおさんはやっぱり痩せたよなあ。先日お目にかかったとき、スッとぼくの横に立っても最初さとなおさんだと気づきませんでした。長袖のTシャツ着てたし(自分がスリムだと自信がなければ長袖のTシャツは着れまへん)。

>尾道の名店「一口」(ひとくち)。
>瀬戸内の魚介が丁寧においしく揚げられていて、
>満足度が高い店ですね。

そうですか。魚介類の串揚げって大阪や東京の串揚げ店ではおまけみたいな存在なので、それをメインにというのはスゴクおいしそうだなあ。特に瀬戸内の魚はカツにも合いそうだし。

まだまだ食べ損なった逸品もあるようで、次の機会には現場からの「電話」だけではなく、ぜひ事前に声をかけてください(笑。

あ、そういえば先日「ケララの風」に行ってきました。南インドに別荘を持つ友人を引っ張っていったのですが、なかなか現地に近い味でがんばってると高評価(ぼくはオーダーするものすべて、やたらうまかったんですが)。ただ、朝食べるものも昼食べるものもすべて夜にあるので多少違和感を感じるそうです。それを店主にぶつけたらやはり自覚されていて、時間に余裕ができてきたら朝からちゃんと営業したい、と言っておられました。

さて、西の「揚げ(カツ)」に対して東は「焼き」かなと。そこで、目黒の「鳥芳本店」です。

ところで、目黒って比較的焼鳥が多いと思いませんか。例えば権之助坂を少し歩いても何軒かの暖簾が目に入ります。ただ、「笹や」や「鳥しき」といった新興勢力ばかりに気が取られ、つい先日まで「鳥芳本店」は未訪。大後悔でした(笑)。

もちろん「鳥しき」も「笹や」もウマイし好きなんだけど、「鳥芳本店」には、焼鳥にキターという充実感(さとなおさんが時々使うガハハな感じ)に満ち溢れているんですね。

狭いし(キレイとは言えないし)タバコの煙もすごいし、席がツメツメで騒々しくて、座った瞬間からトホホな状況。でも負けてへんでえ〜と注文すると、でかくて程よくジューシーな串がどさどさとやってくる。強めに塩を振り表面をシャキンとさせた絶妙の焼き加減に平凡な酒までもバツグンの喉ごし。タタキ、鳥わさなどの冷たいサイドオーダーも隙がない。

おまけに、先に席を立つヒトの会計を何名か聞いていると、ひとり2千円ぐらいの感じ。いやーいいねえ。と、ばくばく食べていたら、会計は2人で9千円を越えてしまいました。

これで、痩せてて小さいイメージは払拭できましたでしょうか(笑)。
posted by 伊藤章良 at 18:22| とり料理 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年10月13日

さとなお:一口(尾道)

ううむ、「カウベル」よさげです。今度、肉好き友人と一緒に行ってみます。どうもありがとうございました。

ところでその肉好き友人が「伊藤さんってどんな人ですか?」と聞くので、「優しくて大きくて太った人(失礼!)」と答えたらなんか喜んでました。どうやら痩せてて小さいイメージだったそうです(笑)。伊藤さんの文体ってそういう文体なのか?(笑)
で、勝手に痩せてると決めつけといて「食べ好きで痩せてるのはなんかイタイ」と思っていたらしい。「ちなみにオレは太ってないけど?」と聞いたら「あ〜…」と言葉を濁されました。なんなんだっ!

ま、それはともかく、では肉つながりにしましょう。串かつの店。
といっても、実は串かつよりも魚介の串揚げメインの店です。

尾道の名店「一口」(ひとくち)。
ここは覚えておいた方がいい店かも。素朴でさりげないけど、瀬戸内の魚介が丁寧においしく揚げられていて、満足度が高い店ですね。

1964年創業。
ご主人の山本さんは元鮨職人で、26歳で大阪から尾道に移り住み、翌年この店を始めたというから、以降40年以上ずっとここで揚げ続けていることになります。

小さな店で、揚げ場をコの字に囲んだカウンター14席のみ。
大人気店なので、17時30分の開店と同時に満席になります。シャオヘイくんと広島の若者と3人でそれを見越して開店20分前に店に着くように出かけたんだけど、もう戸の前に5人並んでました。んでもって開店と同時に満席。その後もどんどんお客さんが来て、ご主人が「すいませんねぇ」と本当に申し訳なさそうに断ります。断られた客も慣れたもので、隣の駐車場の椅子に座って飲みながら待っている。そんな店。

外観も内装もかなり古びてますが、とても清潔。
壁にメニューが貼ってあります。アサリの唐揚げだけ800円。あとは200円前後の値付け。どれもおいしそうだけど、とりあえずご主人と息子さん(たぶん)の段取りがあるので、あちらから聞いてくるまではよく冷えた生ビールとキャベツ(おいしい)を囓りながらじっと待つべし。

準備が整ったら、端の客からオーダーを聞いてくれます。これがとても親切丁寧なんですね。柔らかい口調のご主人と何を食べるか話し合っているだけで至福の気分になる。これだけでいい店だとわかるなぁ。

厳選された瀬戸内の魚が目の前で次々に揚がり、そのまますぐ自分の皿やバットの上に置いてくれます。まさに揚げ立て。そこに「レモンをかけてね」「塩がいいですね」「これはソースでね」と優しく指示してくれ、熱々を食べていく。

ハモ、キス、タコあたりで、もうこの店のうまさがわかる感じ。
薄めの衣の揚げが絶妙。衣が厚いともたれやすいんだけど、ここのは全くもたれない。しかも食材によって衣の厚さや揚げ方を少しずつ変えている。素揚げ、極薄、厚めと様々な衣パターンを14人の客それぞれ勝手なオーダー順に合わせて普通に揚げ分けるのもなかなかすごい。油はラードみたいで、これが魚介と合わさっていい感じのコクになっています。

穴子は一匹丸ごと。「切ったのがいいか一匹丸ごとがいいか」と聞いて揚げてくれる上に「この穴子はレモンと塩で。尻尾の方から食べてみて」と食べ方も教えてくれる。確かにその方がおいしいんですね。そのうえで「ああせぇ、こうせぇ、言うてすいません」とか謝ってくるご主人。こちらこそスイマセン!

小イワシは醤油で。4〜5匹づけのもの。うまひ。実にうまひ。
貝柱はアワビくらいな大きさのモノを素揚げしてくれます。「今日のはまだ固いんですわ。それでもいい? すいませんなぁ」と謝られ、「でも食べるときは、その左の方から食べてな。その方がうまいけぇ」と説明してくれる。確かに固かったけど、でもおいしい。噛めば噛むほど味が出てくる感じ。
ひとつだけ高価なアサリの唐揚げは、アサリが15個くらい下味つけてほとんど素揚げ。普通のとピリ辛の2種類あって、2種類とも頼んだけどどちらもうまかったですね。ピリ辛の方が生ビールに合うかも。
他に、エビ、タコ、クジラ(うまひ)、レンコン、タマネギなどなど。素朴な美味の数々。

魚介や野菜ばっかり食べたので、ふと気づいて「串かつ」「とんかつ」も頼んでみました。
ほとんどの客が頼まないので不安だったんだけど、これもうまいです。特にとんかつはイメージしていたものと全然違ったな。でもまぁ魚介の方がオススメかも。

食べ損なったのはニシ(瀬戸内の貝)と牡蠣。これは次回。
ちなみにわりとお腹いっぱい食べて、(たしか)5000円弱でした。だいたい3000〜6000円ってとこでしょう。質から考えたらとても安いです。

ご家族でやっているほんわかした雰囲気。熱々でうまうまな串揚げ。ゆったり流れる尾道の空気。すべてが合体して溶け込んで、なんとも至福ないい時間が過ごせる店。

そのうちシャオヘイくんと3人で行きましょう(笑)
posted by さとなお at 09:58| とんかつ・揚げ物 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年10月07日

いとう:カウベル(渋谷)

中目黒には最近よく出回っているんですが、「ことこと」は未訪。いい情報ありがとうこざいました。
なるほど、「お勝手」という言葉が似合う店。ぼく達の年代には特に馴染みますねえ。さとなおさんが列挙したメニューを見ても、本当に食べてみたいものばかりでした。

さて、ぼくもまだまだハワイも台北も書きたいところながら、さとなおさんと同様に海外ばかり続くとつまらない、と言われてます(笑)ので、渋谷の店を。

>ことこと煮込む、あたりからの店名かな。
>包丁がまな板にあたる音もイメージしているかもしれません。

実はこの、包丁がまな板にあたるコトコトという音に反応してみました。

友人からうまいタルタルステーキが食べたいとリクエストされていて、ああココならきっと大丈夫だろうと確信をもってチョイス。カウベル」という名のビストロなんですが、フランス料理店には珍しく、メインは牛肉料理のみ。そして先に書いてしまいますと、前菜を食べ終わりそうな頃合に、コトコト、コトコトと包丁で牛肉をたたいて刻む、つまりタルタルステーキを仕込む、実に食欲をそそる音が聞こえてくるわけです。

話を戻すと「カウベル」は、渋谷南口、東急プラザの裏辺り。焼鳥、エスニック、ラーメンなどが軒を連ねる一角。「へぇー、こんなところにビストロがあったっけ」みたいな驚きやら、すっかり街に溶け込んでいる(オープンは最近ですが)雰囲気に、入店前から期待のボルテージは最高潮。エントランスには牛肉食堂とあるので、まさにステーキや焼肉とは違ったフレンチ牛肉料理を味わうための店。

店内は、予備のグラスや飲物を保管する場所にも苦慮するぐらい手狭間なものの、フランス料理店のエスプリを醸しだす工夫や配慮がされていて居心地は良好。キッチンにひとりサービスにひとりと最小編成ながら、メニューをうまく絞り込みつつ、しかもおふたりの技量がとても高いので、不足を感じる場面はほとんどありません。

普段ビストロでは、牛肉のメニューにはあまり食指が動かないし、チョイスしたとしても、牛ほほ肉や牛テールの赤ワイン煮込みぐらいなんですが、いやー、タルタルステーキだけではなく、すべての牛肉料理がおいしく楽しく、しかも赤ワインが強烈にすすみました。

トライしたのは、タルタル以外に、カツレツ、ポトフ、パイ包み焼。肉自体も国産と外国産(ぼくが行ったときはメキシコ産)が用意され、いずれかを選択するシステム(売り切れ部位も多少ありましたが)。それぞれの料理は牛肉の個性を存分に引き出し、付け合せや野菜との相性もピッタリ。皿はみるみるうちにソースまですっかりコソギ取られてピカピカになりました。

もちろんメインの牛肉へ至るまでに、サラダやパテ等の前菜も用意されています。それを白ワインで流し込みつつ、コトコトと調理される音を聞くのもまた、狭い店ならではの臨場感といえるでしょう。

もう一つ特筆すべきは、とても安価。牛肉だとやはり高いイメージはつきものですが、(国産肉をあまり頼まなかったのもあるけど〜個人的にはサシの入った肉は好みではないので)、かなりお財布に優しくて、最後まで驚嘆させられました。

ぼくが訪れた日は、まだまだ予約なしでも入れそうな気配だったけど、またたく間に一ヶ月先までは入れないとか、そんな店になってしまうのかなあ。ふらっと通えないのは残念ではありますが。
posted by 伊藤章良 at 21:10| フレンチ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年10月04日

さとなお:ことこと(中目黒)

台北、良かったみたいですね。
「驥園川菜餐庁」も行かれたそうで。あそこの砂鍋地鶏、うまかったでしょう? でも、蛤のスープはそれを超えるんですよね? 次に行ったときは絶対「親親小吃店」だ!

と、流れなので「驥園川菜餐庁」を書こうかと思ったけど、海外の店が続くとつまらない、という友人の言葉を受け(笑)、今回は東京の店を間に挟みます。「驥園川菜餐庁」はまたそのうち。

で、中目黒の「ことこと」
ことこと煮込む、あたりからの店名かな。包丁がまな板にあたる音もイメージしているかもしれません。
そういう音に想いを込めたのがわかるような、親密で丁寧な家庭料理が楽しめる店です。

駅から目黒川を越えた小さな暗い路地にポツンとある普通の民家風の店で、中に入っても普通の家庭のダイニングという感じで少し戸惑います。普通の家庭のオープン・キッチン前に家族が囲めるような大テーブルがあり、テーブル席が5つその周りに配置されてなければ本当に普通のご家庭な感じ。もちろん店内はちゃんとオシャレで清潔なんだけど、適度に雑然としていてもいて、家に帰ったようなくつろぎ感。そんな中、キッチンではちゃきちゃきとお母さん(とはいえまだお若い)が料理を作っています。

家庭料理の店って「なんでわざわざお金を払って家庭料理を食べないといけないんだ」みたいな疑問が頭の隅にこびりつくことが多いのだけど、そんな疑問は料理を一口食べると霧散します。いや、家庭料理の範疇なんですよ。すごい完成度とかがあるわけではない。でも「日本の正しい家庭料理にひと手間・ひと工夫を加えて楽しくして提供しているココロザシ」みたいなものを感じます。
というか、家庭料理というジャンルは都会ではもう家庭で味わえないものになりつつあるので、こうして楽しく家庭料理を出してくれる店は今後存在価値が高まるかもしれません。

パバレゲーノというジャガイモのコロッケ、秀逸。つくね、うまい。水茄子と葱味噌もうまい。茗荷ときゅうりの梅和え、鶏の唐揚げ、クレソンと焼き蕪、ぬか漬けピクルスなんかもとても良い。生姜焼きなんかもあって、もちろん白いご飯にお味噌汁もある。ひとり暮らしの人はもちろん、家庭持ちも妙にうれしくなる、そんなラインナップです。塩加減がハテナな料理もあったけど、全体においしくて安心できて楽しい料理が続きました。

満席になるとさすがに手が回らず、サービスもバタバタになります(サービスを受け持っていた若い男の子は無愛想)。お母さんも殺気だってきて声かけにくかったり。でもそういう「いい意味での気遣いのなさ」も家庭的で、意外と気になりません。そういえば、キッチン前の大テーブルに座った常連さんとおぼしき人が、忙しそうにしているお母さんを横目に勝手に炊飯器あけてご飯よそって食べてました。そういうのが妙にしっくりくる店ですね。

キッチンというより「お勝手」という言葉が似合うような。
親しい家庭に勝手口からお呼ばれした気になるような。
そんな感じの、ちょっといい隠れ家です。
posted by さとなお at 11:58| 和食(小料理・割烹・郷土料理) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする