>じゃ、博多続きで、居酒屋「久米」を。
>雰囲気は居酒屋ですが、料理は限りなく小料理・割烹に近い
>レベルの店です。
こういう店ってぼくも好きです。
東京にも何軒か知ってますけど、東京の場合お値段も限りなく割烹に近かったりするので、つらいんです(笑。
「甘めに濃い」福岡の味もいいですが、やはりバランスは大切で、
「久米」は覚えておくべき一軒ですね。
ではぼくは東京に戻って、居酒屋というか小料理というか・・・、の「ほりこし亭」を。
書いちゃていいのかな、と一部のファンに叱られそうですが、恵比寿駅から徒歩2分の至便さ、表の少々入りにくい雰囲気に比して店内の穏かな空気、女将さんの料理に対するこだわりと人柄。こういったタイプのお店に共感していただける同輩には、ぜひオススメしたい一軒。
と書くと、さとなおさんが先日書いておられた「すだち」みたいなトコロかと想像されるかもしれません。が、同じようにステキな店でもポジション的には対極かなと。
恵比寿に店を開いて15年目だそうで、並びにあった長蛇の行列で有名なラーメン「山頭火」と同期オープンと聞きます。すでにその「山頭火」は去り、向かい側にあったフランス料理の名店「レトワール」もなくなり、二軒隣りにテレビでも話題の鯛焼き店ができても、ずっと変わらず同じペースで営業を続けてこられました。
店内はL字のカウンターのみ。ところが、前出の「山頭火」をイメージして入れば意外に広い感じ。少し雑然としている点が逆に恵比寿っぽくなくて落ち着きます。キッチンには女性がおひとり。話してみるととてもサバけた方で、典型的な小料理屋の女将とは少し異なるモダンな印象。
ですが、つかず離れずの接客や様々な話題でのちょっとしたつっ込みなど、とてもテンポがよくてすがすがしく、その日一日の灰汁がススーと落ちていくような安堵感があります。
料理はちいさな黒板に。
すぐになくなってしまう煮込み、季節のお刺身、サラダ、焼き物など、ごくごく普通のメニュー。しかもすべておひとりでまかなうため種類も多くないですが、一品一品とても丁寧に作られていてどの皿も大盛り(これがうれしい)。
「ちまちまと皿に盛るのはキライ」だそうですけど、この量でこの値段!と大感激してしまうグッドバリューも魅力かな。
黒板には〆めの炭水化物系は載っていませんが、ご希望の方は勇気を持って尋ねてみると、裏メニューがあるかもしれません。
2008年02月29日
いとう:ほりこし亭(恵比寿)
posted by 伊藤章良 at 23:23| 和食(小料理・割烹・郷土料理)
2008年02月25日
さとなお:久米(福岡)
>ここは、福岡に出張する際さとなおさんから薦められたような記憶があるんですが、
>今回の取材対象には入っていなかったようで・・・。有名店ですからねえ。
有名店ですよね。
今回も候補に入れていたのですが、「吉冨寿し」を気に入ってしまい、博多の鮨は打ち止めにしました。
ちなみに「取材」ではありません。下見で食べに行っただけです。その辺ボクの中では全然違うことなので、よろしくお願いします。
じゃ、博多続きで、居酒屋「久米」を。
雰囲気は居酒屋ですが、料理は限りなく小料理・割烹に近いレベルの店です。
博多って全体的に味が濃くてはっきりしている印象があります。辛めに濃い東京とは違って甘めに濃い感じ。そこに博多食文化のベース「とんこつ」が加わり、なんか博多っ子の「人情の濃さ」みたいな濃厚な味を感じることが多かったです。
そういう意味でちょっと喉が渇く料理が多かった気がしますが、この店は濃すぎず薄すぎずちょうどいいバランスをもった料理を出す店として記憶に刻み込まれました。うまいです。
玄界灘のすばらしい魚たちはもちろん、肉や野菜の品揃え・仕入れもよく、メニューを見ていて楽しくなります。親切なお母さんと見ていて気持ちいいくらいよく動くご主人(佇まいが格好いい)に見守られつつ、心からくつろいで食べられるいい店ですね。
お洒落な店ではありません。蛍光灯がまぶしいし、かなりオヤジ的な居酒屋。
でも、ある程度の歳の人にはこういう方が落ち着けると思われます。地元民の常連さんが気持ちよく溜まっている感じ。
「小丸ふぐ」「テールの塩焼き」とか、刺身とか野菜ものとか、料理はどれも美味でした。
特筆すべきは〆の「中華そば」。これがうまかった! 鶏ガラスープの優しい味。とんこつに少々飽き気味の舌におだやかな主張をしてくれます。半分食べたところで柚子胡椒を少し入れるとまたうまい。この中華そばを食べるためだけにまた行きたい感じ。小サイズもあるので是非。
博多の警固小学校の並びにある古い一軒家。ちょっと入りにくい雰囲気はありますが、入っちゃえばくつろげます。ボクはひとりでカウンターに座りましたが、「料理はだいたい二人前あるので、一人前用にアレンジしますね」と少なめに出してくれました(博多の店はそういう店多かったです)。
1階はカウンターとテーブル、2階は座敷があるようです。さりげない店ですが、近所にあったら通うだろうな、という感じ。
>今回の取材対象には入っていなかったようで・・・。有名店ですからねえ。
有名店ですよね。
今回も候補に入れていたのですが、「吉冨寿し」を気に入ってしまい、博多の鮨は打ち止めにしました。
ちなみに「取材」ではありません。下見で食べに行っただけです。その辺ボクの中では全然違うことなので、よろしくお願いします。
じゃ、博多続きで、居酒屋「久米」を。
雰囲気は居酒屋ですが、料理は限りなく小料理・割烹に近いレベルの店です。
博多って全体的に味が濃くてはっきりしている印象があります。辛めに濃い東京とは違って甘めに濃い感じ。そこに博多食文化のベース「とんこつ」が加わり、なんか博多っ子の「人情の濃さ」みたいな濃厚な味を感じることが多かったです。
そういう意味でちょっと喉が渇く料理が多かった気がしますが、この店は濃すぎず薄すぎずちょうどいいバランスをもった料理を出す店として記憶に刻み込まれました。うまいです。
玄界灘のすばらしい魚たちはもちろん、肉や野菜の品揃え・仕入れもよく、メニューを見ていて楽しくなります。親切なお母さんと見ていて気持ちいいくらいよく動くご主人(佇まいが格好いい)に見守られつつ、心からくつろいで食べられるいい店ですね。
お洒落な店ではありません。蛍光灯がまぶしいし、かなりオヤジ的な居酒屋。
でも、ある程度の歳の人にはこういう方が落ち着けると思われます。地元民の常連さんが気持ちよく溜まっている感じ。
「小丸ふぐ」「テールの塩焼き」とか、刺身とか野菜ものとか、料理はどれも美味でした。
特筆すべきは〆の「中華そば」。これがうまかった! 鶏ガラスープの優しい味。とんこつに少々飽き気味の舌におだやかな主張をしてくれます。半分食べたところで柚子胡椒を少し入れるとまたうまい。この中華そばを食べるためだけにまた行きたい感じ。小サイズもあるので是非。
博多の警固小学校の並びにある古い一軒家。ちょっと入りにくい雰囲気はありますが、入っちゃえばくつろげます。ボクはひとりでカウンターに座りましたが、「料理はだいたい二人前あるので、一人前用にアレンジしますね」と少なめに出してくれました(博多の店はそういう店多かったです)。
1階はカウンターとテーブル、2階は座敷があるようです。さりげない店ですが、近所にあったら通うだろうな、という感じ。
posted by さとなお at 17:44| 和食(小料理・割烹・郷土料理)
2008年02月20日
いとう:鮨田可尾(福岡)
>新潟か…。連載の予定に入れよう(笑)
おっ、ぜひ。
「蘭」のあと、寡黙なおばさんが1人でやっている渋い郷土料理の店も行きましたよ。新潟にしかないジューシーで生命力に溢れた女池菜という野菜も食しました。
それと、ついでにハワイもどうですか(笑。
>博多の「吉冨寿し」を。
あ、一度行こうと思ってトライしたんだけど、予約が取れなかった店です。行きたかったなあ。というかぜひ今度こそ行ってきます。
ではぼくの方も福岡の鮨店で「鮨田可尾」。
ここは、福岡に出張する際さとなおさんから薦められたような記憶があるんですが、今回の取材対象には入っていなかったようで・・・。有名店ですからねえ。
「鮨田可尾」も、天神の外れというか少し寂しくなって本当にこの辺かなあと不安になるエリア。細い路地の突き当たりに見つかります。
ここは靴を脱いで上がるスタイル。鮨店で靴を脱いで上がるのは少々不思議な感覚。東京でも「すし匠斉藤」とかありますが、くつろげる半面、他人の靴下が目に入る是非とか、板場の方の水まわりはどうなっているのだろうとか、軽い抵抗もあるわけ。
ところが「鮨田可尾」の玄関は、まさに普通の家庭を訪問したような、構えたところのないシンプルさ(それこそ住居を改装されたのかもしれません)。靴を脱いで上がり席に着くことも、ごくごく自然な流れ。
もともと九州の出身ながら帝国ホテルの「なか田」におられた店主のことは多くの方が書いておられるので割愛しますが、ぼくがまず驚いたのは、最初からトントンと続けて出てくる白身のタネがすべて柔らかくて強烈な旨みがあること。なんかこう、理由は分かっているだけど素な気持ちで「やわらかいですね・・・」とつぶやいてしまい、ちょっと照れました。
東京だと、熟成させたことをアピールするがごとく「2日間常温でぎりぎり寝かせた平目でございます」とか勿体つけて出す店も多いですが、熟成をさせるのは「鮨田可尾」では当たり前といった風。そんな白身の展開に、福岡で食べられる江戸前鮨の店というよりは、(少なくとも東京でこんな店を知らないので)地場の個性を強く感じました。
少し店主と話したところ、東京よりも福岡の方が魚は断然面白いとのこと(ただしマグロは除くとの注釈がありましたが 笑)。今は毎日とても充実しているそうです。そんな高い見識と郷土を愛する気持ちとの融合が「鮨田可尾」の最大の持ち味でしょう。
もしや、九州の鮨店がみな同じようなスタイルならすごいことだと、
改めて「河庄」「やま中」等の名店にも行ってみたけど、皆白身に個性を出してはいますが熟成については「鮨田可尾」のみの特徴かと、少々残念かつ貴重に思いました。
おっ、ぜひ。
「蘭」のあと、寡黙なおばさんが1人でやっている渋い郷土料理の店も行きましたよ。新潟にしかないジューシーで生命力に溢れた女池菜という野菜も食しました。
それと、ついでにハワイもどうですか(笑。
>博多の「吉冨寿し」を。
あ、一度行こうと思ってトライしたんだけど、予約が取れなかった店です。行きたかったなあ。というかぜひ今度こそ行ってきます。
ではぼくの方も福岡の鮨店で「鮨田可尾」。
ここは、福岡に出張する際さとなおさんから薦められたような記憶があるんですが、今回の取材対象には入っていなかったようで・・・。有名店ですからねえ。
「鮨田可尾」も、天神の外れというか少し寂しくなって本当にこの辺かなあと不安になるエリア。細い路地の突き当たりに見つかります。
ここは靴を脱いで上がるスタイル。鮨店で靴を脱いで上がるのは少々不思議な感覚。東京でも「すし匠斉藤」とかありますが、くつろげる半面、他人の靴下が目に入る是非とか、板場の方の水まわりはどうなっているのだろうとか、軽い抵抗もあるわけ。
ところが「鮨田可尾」の玄関は、まさに普通の家庭を訪問したような、構えたところのないシンプルさ(それこそ住居を改装されたのかもしれません)。靴を脱いで上がり席に着くことも、ごくごく自然な流れ。
もともと九州の出身ながら帝国ホテルの「なか田」におられた店主のことは多くの方が書いておられるので割愛しますが、ぼくがまず驚いたのは、最初からトントンと続けて出てくる白身のタネがすべて柔らかくて強烈な旨みがあること。なんかこう、理由は分かっているだけど素な気持ちで「やわらかいですね・・・」とつぶやいてしまい、ちょっと照れました。
東京だと、熟成させたことをアピールするがごとく「2日間常温でぎりぎり寝かせた平目でございます」とか勿体つけて出す店も多いですが、熟成をさせるのは「鮨田可尾」では当たり前といった風。そんな白身の展開に、福岡で食べられる江戸前鮨の店というよりは、(少なくとも東京でこんな店を知らないので)地場の個性を強く感じました。
少し店主と話したところ、東京よりも福岡の方が魚は断然面白いとのこと(ただしマグロは除くとの注釈がありましたが 笑)。今は毎日とても充実しているそうです。そんな高い見識と郷土を愛する気持ちとの融合が「鮨田可尾」の最大の持ち味でしょう。
もしや、九州の鮨店がみな同じようなスタイルならすごいことだと、
改めて「河庄」「やま中」等の名店にも行ってみたけど、皆白身に個性を出してはいますが熟成については「鮨田可尾」のみの特徴かと、少々残念かつ貴重に思いました。
posted by 伊藤章良 at 18:06| 鮨
2008年02月17日
さとなお:吉冨寿し(福岡)
なるほど、大ネタで来ましたね。
なんかすぐにでも行きたくなります。スープと日本酒のマリアージュも試してみたいな。
新潟か…。連載の予定に入れよう(笑)
じゃ、ボクは「地方」と「コースの流れの斬新さ」つながりで、博多の「吉冨寿し」を。
屋台街で有名な長浜市場周辺から程近い、舞鶴にあるカウンター8席の小さな店。入り口からして只者ではない雰囲気。
一見古く寂れているように見えるんだけど、随所に凝った設えが感じられる店です。昼間にフリで入ったので、玄関の待ち合いで待たされたんですが、レトロ風味の待ち合いの雰囲気がすでによいです。
店内は調度品を削ぎ落とし、シンプルでミニマルな造り。
花瓶に花一輪。絵がひとつ。そのくらいしか飾りがない潔い清潔な空間に、柱時計のコチコチという音だけが響き、頭の禿げあがった柔和なご主人がひとりでつけ台に立って迎えてくれます。
と、こう書くと肩が凝りそうな店ですが、さにあらず。実にくつろげる店なんです。それはすべて柔和で親切なご主人が醸し出す空気に寄るのでしょう。無口だけどとっつきにくくない感じ。
特筆すべきはタネ箱に並べられた魚のきれいさ。
ここまできれいかつおいしそうに魚を並べるタネ箱は銀座の「すきやばし 次郎」くらいしか記憶にないですね。こういうところをきちんとする職人さんは期待が持てます。
ということで期待たっぷり食べ始めたんだけど、味もそれを裏切らないものでした。
サウスポーの腕から繰り出される握りは細かい仕事がなされた江戸前で、酢飯がちょっと弱いかなと思わされるものの、バランスは上々。玄界灘の魚を鮮度重視で握る博多の大多数の鮨店とは一線を画すもの。柔和なご主人だけあってどれもこれも柔和で優しい握りです。口の中に静かな幸せを与えてくれる。主張は強くないが印象は強い。そんな握り。
おまかせは、赤ムツにカブを合わせた握りから始まり、エビ、ブリのヅケ、太刀魚を昆布締めにして炙ったもの、貝柱、蒸し穴子、赤貝、ふぐをアサツキと紅葉で合わせたもの、しめ鯖、トロ、イカのウニ乗せ、赤カブの握り、菜の花の握り、と続きました。
どれも工夫がきちんと効果を出していて印象的だったけど、特に記憶に残ったのは、冒頭の赤ムツと太刀魚、ふぐ、赤カブかな。
普通、鮨って味の淡いものから濃いものへと進行することが多いんだけど、ここのおまかせはなかなか斬新でした。
一見バラバラな進行のように見えて、あとで思い返すと味の強弱が見事につけられて、単調にならない流れ。地方の鮨店って意外と単調な流れになることがあるけど、この店は適度に、炙り・蒸し・締め、そして酸っぱい・甘い・辛いなどを混ぜて楽しませてくれました。
13貫食べて5000円。
博多ではどうだかわからないけど、東京の感覚からすると、このクオリティと雰囲気でこの値段は安すぎます。
どうやら夜も基本的にこの値段のようです(これにつまみとか追加とか赤だしとかつくが)。
満足度の高い店でしたね。あぁいい時間だったと嘆息ひとつ。
場所は、長浜の鮮魚市場の真ん前に東芝の高いビルが聳えるが、その正門真ん前。
博多に行くならオススメします。夜は予約で二回転する人気店らしいので予約必です。
なんかすぐにでも行きたくなります。スープと日本酒のマリアージュも試してみたいな。
新潟か…。連載の予定に入れよう(笑)
じゃ、ボクは「地方」と「コースの流れの斬新さ」つながりで、博多の「吉冨寿し」を。
屋台街で有名な長浜市場周辺から程近い、舞鶴にあるカウンター8席の小さな店。入り口からして只者ではない雰囲気。
一見古く寂れているように見えるんだけど、随所に凝った設えが感じられる店です。昼間にフリで入ったので、玄関の待ち合いで待たされたんですが、レトロ風味の待ち合いの雰囲気がすでによいです。
店内は調度品を削ぎ落とし、シンプルでミニマルな造り。
花瓶に花一輪。絵がひとつ。そのくらいしか飾りがない潔い清潔な空間に、柱時計のコチコチという音だけが響き、頭の禿げあがった柔和なご主人がひとりでつけ台に立って迎えてくれます。
と、こう書くと肩が凝りそうな店ですが、さにあらず。実にくつろげる店なんです。それはすべて柔和で親切なご主人が醸し出す空気に寄るのでしょう。無口だけどとっつきにくくない感じ。
特筆すべきはタネ箱に並べられた魚のきれいさ。
ここまできれいかつおいしそうに魚を並べるタネ箱は銀座の「すきやばし 次郎」くらいしか記憶にないですね。こういうところをきちんとする職人さんは期待が持てます。
ということで期待たっぷり食べ始めたんだけど、味もそれを裏切らないものでした。
サウスポーの腕から繰り出される握りは細かい仕事がなされた江戸前で、酢飯がちょっと弱いかなと思わされるものの、バランスは上々。玄界灘の魚を鮮度重視で握る博多の大多数の鮨店とは一線を画すもの。柔和なご主人だけあってどれもこれも柔和で優しい握りです。口の中に静かな幸せを与えてくれる。主張は強くないが印象は強い。そんな握り。
おまかせは、赤ムツにカブを合わせた握りから始まり、エビ、ブリのヅケ、太刀魚を昆布締めにして炙ったもの、貝柱、蒸し穴子、赤貝、ふぐをアサツキと紅葉で合わせたもの、しめ鯖、トロ、イカのウニ乗せ、赤カブの握り、菜の花の握り、と続きました。
どれも工夫がきちんと効果を出していて印象的だったけど、特に記憶に残ったのは、冒頭の赤ムツと太刀魚、ふぐ、赤カブかな。
普通、鮨って味の淡いものから濃いものへと進行することが多いんだけど、ここのおまかせはなかなか斬新でした。
一見バラバラな進行のように見えて、あとで思い返すと味の強弱が見事につけられて、単調にならない流れ。地方の鮨店って意外と単調な流れになることがあるけど、この店は適度に、炙り・蒸し・締め、そして酸っぱい・甘い・辛いなどを混ぜて楽しませてくれました。
13貫食べて5000円。
博多ではどうだかわからないけど、東京の感覚からすると、このクオリティと雰囲気でこの値段は安すぎます。
どうやら夜も基本的にこの値段のようです(これにつまみとか追加とか赤だしとかつくが)。
満足度の高い店でしたね。あぁいい時間だったと嘆息ひとつ。
場所は、長浜の鮮魚市場の真ん前に東芝の高いビルが聳えるが、その正門真ん前。
博多に行くならオススメします。夜は予約で二回転する人気店らしいので予約必です。
posted by さとなお at 20:15| 鮨
2008年02月15日
いとう:蘭〈あららぎ〉(新潟)
>じゃ、ボクは土鍋ご飯つながり、そして京料理つながりで、
>「祇園さヽ木」(京都)を。
お、いいなあ。「祇園さヽ木」に行かれたんですね。
ぼくも随分むかーしに一度だけ訪問したことがあります。
たぶん前の場所・・・。その時はあまり劇場といった感じはしなかったけど、今はまさに、祇園のすべてを舞台にしてしまう佐々木氏の演出が効いているんでしょうね。
>京都の割烹って意外と真面目すぎる店が多いんだけど、
ぼくは関西人だからかもしれませんが、京都の割烹が真面目そうだとは思わないなあ。どちらかというとアイロニック。トウキョウの店の方がずっと真面目です(笑。
では、地方の日本料理店つながりで。
新潟の「蘭(あららぎ)」を紹介します。
ここ「蘭」は、コツコツと全国各地の日本料理店を食べ歩いている友人に教えていただいたとっておき。特に冬の鴨の季節が最高とのことで、その時期を狙って行ってきました。新潟の一部の地域では鴨を網で獲るそうで、散弾銃で撃ったものに比べ肉に損傷がなく血が回っておらず、たいへん上質。「蘭」のご主人曰く、骨が痛んでいないことも透明で良質なスープを取るための必須条件だそうで(ご主人の流儀では、料理は常に澄んでいる必要があり、濁った瞬間からおいしくなくなるとのこと)、この新潟地方の網獲りは肉も骨も最適な状態なのです。
さてお店の話に戻しますと、こちらは新潟駅から徒歩5分ぐらいのホテルの1階にあります。が、ホテルの経営するダイニングとは違うようで、すでにこの地で20年以上も日本料理店を営まれています。
店内は、そんなフリの客用に広めのお座敷もありますが、ぼくたちが陣取ったのはもちろんカウンター。不要なものは一切置かれていない(ちょうど昨今はやりの鮨店のような)潔さに、期待感は高揚。
ぼくが「蘭」ですごいなあと瞠目したのは2点。まずはそのコースの流れの斬新さ。
いただいたものはこんな感じ。
(実際にメニューを確認したわけではないので料理名はあやふやです)
ふぐ白子の茶碗蒸し
佐渡の蒸し鮑
海老しんじょ
鴨ロース炭火網焼き
鴨鍋
ずわい蟹
お造り(鯛、烏賊、ホッキ貝、甘エビ)
焼き魚(ノドクロ)
佐渡牡蠣汁
鴨雑炊
ほうじ茶のアイスクリーム
このコースだけを見ると、基本は新潟の地物を中心にした郷土料理風。ところが、まず普通の日本料理のお椀のあたりにて、ご主人の前には網焼き用の炭コンロと鴨鍋用の炭コンロが登場。その後、用意された分がなくなるまで他の料理と並行してロース肉が焼かれる。また、ご主人が見守る鍋から各自の小さな椀に配られる鴨スープは、鍋に少しずつ鴨のスープや野菜を継ぎ足しながら最後の鴨雑炊まで椀が空になるたびに延々と注がれます。
そこでご主人曰く、日本酒に一番合うのは実はスープではないか、とのこと。
これはスゴイ。鴨スープと酒の相性はまさにおっしゃるとおりで、少し脂分を含んだスープの柔らかな味わいを口に残しながら日本酒で追っかけると、液体同士が絡みあいすっとキレていく様に唸ります。なおかつ水物をずっと取り続ける結果、悪酔いすることもないわけ。
そして、流れの斬新さで言えばお造りも独創的。まず刺身用の皿とそれに載ったツマとワサビが準備されます。最初に皮目を炙った鯛がおおぶりに切られて2キレ出るのでそれで終わりかと思いきや、その後鴨ロースを焼きつつスープを追加しつつ、ささっと次の魚を切って刺身用の皿に。段取りが分からず最初にツマやワサビをすべて食べてしまったぼくたちは、その後何度も付け足していただく始末。こちらもいわゆる刺盛りではないんですね。見た目の豪華さを重視しつつ鮮度や味が落ちるのであれば、せっかくカウンターなんだから一種類ずつ出せばいい、とそんな発想かと思います。
繰り返しますが新潟でずっと20年。王道の懐石料理とは違うストーリーながら、料理をおいしく最良の状態で提供するにはどうすればいいのかを追究し続けたひとつの姿かと感じました。今では、京都の「川上」や「菊の井」で修業をした息子さんが厨房に参加され、さらなる新しい展開も期待できると確信。再訪を誓った次第です。
次回はさとなおさんもご一緒にどうですか(笑。
願わくば、新潟でもあるしもう少し地酒の種類があればなあ。この地の酒が「鄙願」だけではちょっと寂しいですね。
それと、聞けばここ「蘭」は、お取り寄せの世界では結構名の知れた店だそう。この店独自のレシピによる持ち帰りメニューは数多く揃っており、料理関係の有名人が書いたお取り寄せの本にも何点か紹介されていました。
>「祇園さヽ木」(京都)を。
お、いいなあ。「祇園さヽ木」に行かれたんですね。
ぼくも随分むかーしに一度だけ訪問したことがあります。
たぶん前の場所・・・。その時はあまり劇場といった感じはしなかったけど、今はまさに、祇園のすべてを舞台にしてしまう佐々木氏の演出が効いているんでしょうね。
>京都の割烹って意外と真面目すぎる店が多いんだけど、
ぼくは関西人だからかもしれませんが、京都の割烹が真面目そうだとは思わないなあ。どちらかというとアイロニック。トウキョウの店の方がずっと真面目です(笑。
では、地方の日本料理店つながりで。
新潟の「蘭(あららぎ)」を紹介します。
ここ「蘭」は、コツコツと全国各地の日本料理店を食べ歩いている友人に教えていただいたとっておき。特に冬の鴨の季節が最高とのことで、その時期を狙って行ってきました。新潟の一部の地域では鴨を網で獲るそうで、散弾銃で撃ったものに比べ肉に損傷がなく血が回っておらず、たいへん上質。「蘭」のご主人曰く、骨が痛んでいないことも透明で良質なスープを取るための必須条件だそうで(ご主人の流儀では、料理は常に澄んでいる必要があり、濁った瞬間からおいしくなくなるとのこと)、この新潟地方の網獲りは肉も骨も最適な状態なのです。
さてお店の話に戻しますと、こちらは新潟駅から徒歩5分ぐらいのホテルの1階にあります。が、ホテルの経営するダイニングとは違うようで、すでにこの地で20年以上も日本料理店を営まれています。
店内は、そんなフリの客用に広めのお座敷もありますが、ぼくたちが陣取ったのはもちろんカウンター。不要なものは一切置かれていない(ちょうど昨今はやりの鮨店のような)潔さに、期待感は高揚。
ぼくが「蘭」ですごいなあと瞠目したのは2点。まずはそのコースの流れの斬新さ。
いただいたものはこんな感じ。
(実際にメニューを確認したわけではないので料理名はあやふやです)
ふぐ白子の茶碗蒸し
佐渡の蒸し鮑
海老しんじょ
鴨ロース炭火網焼き
鴨鍋
ずわい蟹
お造り(鯛、烏賊、ホッキ貝、甘エビ)
焼き魚(ノドクロ)
佐渡牡蠣汁
鴨雑炊
ほうじ茶のアイスクリーム
このコースだけを見ると、基本は新潟の地物を中心にした郷土料理風。ところが、まず普通の日本料理のお椀のあたりにて、ご主人の前には網焼き用の炭コンロと鴨鍋用の炭コンロが登場。その後、用意された分がなくなるまで他の料理と並行してロース肉が焼かれる。また、ご主人が見守る鍋から各自の小さな椀に配られる鴨スープは、鍋に少しずつ鴨のスープや野菜を継ぎ足しながら最後の鴨雑炊まで椀が空になるたびに延々と注がれます。
そこでご主人曰く、日本酒に一番合うのは実はスープではないか、とのこと。
これはスゴイ。鴨スープと酒の相性はまさにおっしゃるとおりで、少し脂分を含んだスープの柔らかな味わいを口に残しながら日本酒で追っかけると、液体同士が絡みあいすっとキレていく様に唸ります。なおかつ水物をずっと取り続ける結果、悪酔いすることもないわけ。
そして、流れの斬新さで言えばお造りも独創的。まず刺身用の皿とそれに載ったツマとワサビが準備されます。最初に皮目を炙った鯛がおおぶりに切られて2キレ出るのでそれで終わりかと思いきや、その後鴨ロースを焼きつつスープを追加しつつ、ささっと次の魚を切って刺身用の皿に。段取りが分からず最初にツマやワサビをすべて食べてしまったぼくたちは、その後何度も付け足していただく始末。こちらもいわゆる刺盛りではないんですね。見た目の豪華さを重視しつつ鮮度や味が落ちるのであれば、せっかくカウンターなんだから一種類ずつ出せばいい、とそんな発想かと思います。
繰り返しますが新潟でずっと20年。王道の懐石料理とは違うストーリーながら、料理をおいしく最良の状態で提供するにはどうすればいいのかを追究し続けたひとつの姿かと感じました。今では、京都の「川上」や「菊の井」で修業をした息子さんが厨房に参加され、さらなる新しい展開も期待できると確信。再訪を誓った次第です。
次回はさとなおさんもご一緒にどうですか(笑。
願わくば、新潟でもあるしもう少し地酒の種類があればなあ。この地の酒が「鄙願」だけではちょっと寂しいですね。
それと、聞けばここ「蘭」は、お取り寄せの世界では結構名の知れた店だそう。この店独自のレシピによる持ち帰りメニューは数多く揃っており、料理関係の有名人が書いたお取り寄せの本にも何点か紹介されていました。
posted by 伊藤章良 at 18:24| 和食(小料理・割烹・郷土料理)
2008年02月12日
さとなお:祇園さヽ木(京都)
じゃ、ボクは土鍋ご飯つながり、そして京料理つながりで、「祇園さヽ木」(京都)を。
予約が取れない店としては京都随一ですね。有名店です。16席あるそのカウンターは、いまやプラチナ・チケット化しています。
祇園町北側のわかりにくい場所にあった小さな店から建仁寺近くの一軒家に移ったようですが、わざわざ移る価値がある立地だと思いました。
訪問した当日は月夜だったんですが、明かりの少ない八坂通りの坂上に五重塔(八坂の塔)が見え、その上に月がかかるという幻想的な景色でした。いまは幕末か、と思えるようなその雰囲気に、入店する前からすでに夢見心地気分でしたね。まぁ祇園ですし、和食料理人が一度は夢に見るような立地でしょう。
中に入ると丁寧な出迎えを受け、奥に進んでカウンター席に到着します。
カウンター席は意外とモダン。カウンター内中央にドンッとピザ釜が置かれてます(ピザ釜を和食に応用して使っているようです)。奥に個室もありますが、この店の楽しさはカウンターでこそなので、是非ともカウンターへ。
18時30分に16席すべてが埋まるまでコースは始まりません。客が全員が揃っていっせいに作り始める方式。
これは厨房の効率もあるとは思いますが、実は「一番おいしい状態で饗する工夫」でもありますね。自分のペースで食べたい人もいるでしょうが、ここでは佐々木さんのペースに乗っかって食べていく方が楽しいし、おいしいと思われます。
訪問当日はラッキーにも佐々木さんの目の前の席でした。
料理が創られていく過程がすべて目の当たりに見られて楽しいです。そのうえ、彼と話したりジョークの連発に笑ったりするのもこの店の味のうちなので、一等席と言えましょう。とはいえ隅の方の席が差別されていることはありません。佐々木さん、隅から隅まで行ったり来たりして気を遣っているので大丈夫。
和を基調としつつ、うまいもんならどんな料理でもして出す、みたいな自由闊達さがここの料理の魅力ですね。ピザ釜もそういう姿勢から導入されたもの(あまり使ってないようだけど)。また、高い素材を惜しげもなく出すし(当日はキロ16万円する丹波の松茸だった)、さりげなく使われた器も超高級品(数百万する塗り椀とか)。高いだけでなく、センスも良いです。
料理は、シラザ海老とホタテの上海蟹内子ソース、小カブの銀杏ソース、戻り鰹の握り、笹鰈の焼き物あたりが印象に残ってます。あ、それと、丹波松茸とぐじのホイル焼きも。ホイルを開けた途端、メガネが松茸香の蒸気で曇る。あぁ松茸メガネ。思わずメガネをとって曇った部分を嗅いでしまうような鮮烈な香り。
〆はサンマご飯と栗ご飯。そう、土鍋の炊き込みご飯です。
これは季節ごとに炊き込む素材が変わってくるそうで、それを楽しみに通う人も多いと聞きます。名物なんですね。サンマご飯、最高でした。
洗練された伝統の和割烹とは言えないかもしれないけど、「確実にうまいもんを、見事にうまそうに出す」という点で実に優れた店です。饒舌な佐々木さんの料理の出し方がうまさを倍増させてくれます。
京都の割烹って意外と真面目すぎる店が多いんだけど、このくらいあっけらかんとうまそうに演出してくれるのは実に楽しいし、再訪したくなりますね。
割烹というより、佐々木劇場。
あまり小難しく考えず、素直にそれを楽しみたい店です。
予約が取れない店としては京都随一ですね。有名店です。16席あるそのカウンターは、いまやプラチナ・チケット化しています。
祇園町北側のわかりにくい場所にあった小さな店から建仁寺近くの一軒家に移ったようですが、わざわざ移る価値がある立地だと思いました。
訪問した当日は月夜だったんですが、明かりの少ない八坂通りの坂上に五重塔(八坂の塔)が見え、その上に月がかかるという幻想的な景色でした。いまは幕末か、と思えるようなその雰囲気に、入店する前からすでに夢見心地気分でしたね。まぁ祇園ですし、和食料理人が一度は夢に見るような立地でしょう。
中に入ると丁寧な出迎えを受け、奥に進んでカウンター席に到着します。
カウンター席は意外とモダン。カウンター内中央にドンッとピザ釜が置かれてます(ピザ釜を和食に応用して使っているようです)。奥に個室もありますが、この店の楽しさはカウンターでこそなので、是非ともカウンターへ。
18時30分に16席すべてが埋まるまでコースは始まりません。客が全員が揃っていっせいに作り始める方式。
これは厨房の効率もあるとは思いますが、実は「一番おいしい状態で饗する工夫」でもありますね。自分のペースで食べたい人もいるでしょうが、ここでは佐々木さんのペースに乗っかって食べていく方が楽しいし、おいしいと思われます。
訪問当日はラッキーにも佐々木さんの目の前の席でした。
料理が創られていく過程がすべて目の当たりに見られて楽しいです。そのうえ、彼と話したりジョークの連発に笑ったりするのもこの店の味のうちなので、一等席と言えましょう。とはいえ隅の方の席が差別されていることはありません。佐々木さん、隅から隅まで行ったり来たりして気を遣っているので大丈夫。
和を基調としつつ、うまいもんならどんな料理でもして出す、みたいな自由闊達さがここの料理の魅力ですね。ピザ釜もそういう姿勢から導入されたもの(あまり使ってないようだけど)。また、高い素材を惜しげもなく出すし(当日はキロ16万円する丹波の松茸だった)、さりげなく使われた器も超高級品(数百万する塗り椀とか)。高いだけでなく、センスも良いです。
料理は、シラザ海老とホタテの上海蟹内子ソース、小カブの銀杏ソース、戻り鰹の握り、笹鰈の焼き物あたりが印象に残ってます。あ、それと、丹波松茸とぐじのホイル焼きも。ホイルを開けた途端、メガネが松茸香の蒸気で曇る。あぁ松茸メガネ。思わずメガネをとって曇った部分を嗅いでしまうような鮮烈な香り。
〆はサンマご飯と栗ご飯。そう、土鍋の炊き込みご飯です。
これは季節ごとに炊き込む素材が変わってくるそうで、それを楽しみに通う人も多いと聞きます。名物なんですね。サンマご飯、最高でした。
洗練された伝統の和割烹とは言えないかもしれないけど、「確実にうまいもんを、見事にうまそうに出す」という点で実に優れた店です。饒舌な佐々木さんの料理の出し方がうまさを倍増させてくれます。
京都の割烹って意外と真面目すぎる店が多いんだけど、このくらいあっけらかんとうまそうに演出してくれるのは実に楽しいし、再訪したくなりますね。
割烹というより、佐々木劇場。
あまり小難しく考えず、素直にそれを楽しみたい店です。
posted by さとなお at 17:34| 和食(小料理・割烹・郷土料理)
2008年02月08日
いとう:明日葉(銀座)
「古母里」知りませんでした。
小堀さんが、お名前の当て字で古い母の里とする時点で、粋を感じます。
興味があったので色々と検索をかけてみたら、和食版「キャンティ」と書いておられる方がいました。なるほど、分かりやすい。
>メインはやっぱりここの名物「しゃぶしゃぶ」かな。
となるところが、大物系に受ける所以ですね(笑。
霜降り肉が苦手のさとなおさんが絶賛するんだから、ちょっと食べてみたいです。
>〆は「日本一の卵かけご飯」。いや、そうメニューに書いてあるんです(笑)
それにしてもさとなおさんは卵かけご飯に造詣が深いなあ・・・。(しつこいね)
ということで、ぼくも、銀座でかれこれ20年になる「酒房 明日葉」を紹介します。ここを検索すると、ぼくが以前書いた記事が一番にヒットされるので恐縮ですが、わりと定期的に通っている店。
銀座1丁目の雑居ビルの3階にあって少々入りにくい雰囲気(小さなドアからは中が全く見えないし)ですけど、価格的にも味的にも、いつも大満足。また、店主野村さんのキャラが相当個性的。大声の関西弁で客と語り合いながらも、決して手が止まることはありません。厨房での野村さんの動きは、大雑把なようで緻密、適当なようで機能的。ゆるいようで素早い。まさに熟練した料理の職人ワザを感じさせてくれます。
先日食べたブリシャブでも、鍋のダシは取り置きではなく提供する直前にキチンと厨房で作り、しかもテーブルに土鍋が運ばれると、まずはフグのガラを数個放り込んでダシの旨みが増す工夫をするなど、そんな感じ。
それともう1つ唸るのが、土鍋で炊かれた〆のご飯。
小さな厨房で全ての調理をこなしつつ、いつ準備したのかと不思議になるほど完璧な仕上がり。少しアルデンテ気味の米に季節の食材のエキスが吸い込まれてツヤツヤ。ああもうすぐ春なんだなあ・・・と、しみじみいただきました。
なお、「明日葉」にはアラカルトメニューがありません(ビルの1階にはフリの客用にコース料金だけは出しています)。店のスタイルから多少のアラカルトはあってもいいかなと思うこともあります。でも、すべてお一人で料理する環境や、今の時期ならブリ・カニ、もう少し季節が進むとタケノコ、そして鱧や鮎など、季節感を重視する「京料理」としてのベースを守るためには、コースしかないと理解しています。
以前のぼくの記事で、店主はチェーンスモーカー、店内もあまり清潔とはいえない・・・と書いたんですが、あれ以降、タバコの本数もひかえておられるようだし(やめたわけではありません 笑)、トイレも改装されました。
小堀さんが、お名前の当て字で古い母の里とする時点で、粋を感じます。
興味があったので色々と検索をかけてみたら、和食版「キャンティ」と書いておられる方がいました。なるほど、分かりやすい。
>メインはやっぱりここの名物「しゃぶしゃぶ」かな。
となるところが、大物系に受ける所以ですね(笑。
霜降り肉が苦手のさとなおさんが絶賛するんだから、ちょっと食べてみたいです。
>〆は「日本一の卵かけご飯」。いや、そうメニューに書いてあるんです(笑)
それにしてもさとなおさんは卵かけご飯に造詣が深いなあ・・・。(しつこいね)
ということで、ぼくも、銀座でかれこれ20年になる「酒房 明日葉」を紹介します。ここを検索すると、ぼくが以前書いた記事が一番にヒットされるので恐縮ですが、わりと定期的に通っている店。
銀座1丁目の雑居ビルの3階にあって少々入りにくい雰囲気(小さなドアからは中が全く見えないし)ですけど、価格的にも味的にも、いつも大満足。また、店主野村さんのキャラが相当個性的。大声の関西弁で客と語り合いながらも、決して手が止まることはありません。厨房での野村さんの動きは、大雑把なようで緻密、適当なようで機能的。ゆるいようで素早い。まさに熟練した料理の職人ワザを感じさせてくれます。
先日食べたブリシャブでも、鍋のダシは取り置きではなく提供する直前にキチンと厨房で作り、しかもテーブルに土鍋が運ばれると、まずはフグのガラを数個放り込んでダシの旨みが増す工夫をするなど、そんな感じ。
それともう1つ唸るのが、土鍋で炊かれた〆のご飯。
小さな厨房で全ての調理をこなしつつ、いつ準備したのかと不思議になるほど完璧な仕上がり。少しアルデンテ気味の米に季節の食材のエキスが吸い込まれてツヤツヤ。ああもうすぐ春なんだなあ・・・と、しみじみいただきました。
なお、「明日葉」にはアラカルトメニューがありません(ビルの1階にはフリの客用にコース料金だけは出しています)。店のスタイルから多少のアラカルトはあってもいいかなと思うこともあります。でも、すべてお一人で料理する環境や、今の時期ならブリ・カニ、もう少し季節が進むとタケノコ、そして鱧や鮎など、季節感を重視する「京料理」としてのベースを守るためには、コースしかないと理解しています。
以前のぼくの記事で、店主はチェーンスモーカー、店内もあまり清潔とはいえない・・・と書いたんですが、あれ以降、タバコの本数もひかえておられるようだし(やめたわけではありません 笑)、トイレも改装されました。
posted by 伊藤章良 at 18:16| 和食(小料理・割烹・郷土料理)
2008年02月04日
さとなお:古母里(赤坂)
> それにしてもさとなおさんは銀座に造詣が深いなあ・・・。
伊藤さん、いま風に言うと「ちょwwwおまwwww」って感じですよ(笑)
ボク程度で造詣深いなんて言ったら、世の銀座好きが怒ります。ボクなんてまだまだ奥深い銀座の入り口にようやく立った程度です。勘弁してくださいよ。マジで。
じゃ、今日は割烹つながりで赤坂の「古母里」(こぼり)。
小堀さんというご主人がやっているのでこういう店名だそうです。赤坂でも古い店で、わりと大物系(先生系、芸能界大物系)の常連客が多く、独特の雰囲気を漂わせています。
赤坂で古い割烹で大物系というと、すごい門構えの料亭っぽい店を想像させますが、この店はその対極にありますね。
まず門らしい門がない。玄関らしい玄関もない。雑居ビルの階段上がって「ここが入り口?」と不安になるような普通の引き戸をあけるといきなり店内です。20畳ほどの昭和っぽい空間にテーブルが4つほど並び、奥に座敷(上階に個室もあるみたい)。調理場との境目もいきなりで、なんだか普通の古い家みたいな感じ。着物の女将さんをはじめとしたサービス陣もその辺に所在なげに立っています。机の上にはメニューを貼った分厚い板。そこら中に千社札が貼られていたり。
ただ、女将さんのお世辞系トークは堂に入っていて「やっぱり赤坂だなぁ」と妙に感心しますね。社用族が古くから使い倒した店なのだと思われます。
で、使い倒すだけの理由はやっぱりあるわけで、料理がなかなかおいしいんですよ。
それも料亭的なおいしさではなくて「おいしすぎない、どこか家庭的な美味」なんですね。接待され疲れた大物系が喜ぶ味と言い換えてもいい。そういう料理が程よい量で出てくる上にどんなカスタマイズ(わがまま)も言える感じ。こりゃ赤坂の地で長く流行っているだけのことはあるわ。
最初にネタ箱に魚を盛って持ってきて、「今日あるお魚です」と料理法とともに全部教えてくれ、客に選ばせるところから始まるんですが、大きい魚から小さいのまで、どんな要望にも応えられる品揃え。大きさも個数もすべてカスタマイズできます。
で、それをアテに酒を飲んでいると、次はメニューを見せてくれるんだけど、これがまた豊富で膨大。目移りしまくりますね。どれもホッとする味。
メインはやっぱりここの名物「しゃぶしゃぶ」かな。
一枚単位で頼める大きな霜降り肉です。霜降り肉が嫌いなボクでもしゃぶしゃぶなら大丈夫。ここのしゃぶしゃぶはうまいなぁ。素材も別格級。
〆は「日本一の卵かけご飯」。いや、そうメニューに書いてあるんです(笑)
ご主人、赤坂の料亭出身のようで、そのルートでしょうか、素材はとても良いものを置いてます。で、それを自由自在に調理してくれるし、カスタマイズは効くし、どこか家庭料理の雰囲気を残しているし、お世辞トークは流石なものだし、昔の家みたいなカジュアルさがあるし、と、大物系が癒される要素を満たしていますね。
大物じゃない我々自腹客にとっては、値段と味と雰囲気が多少アンバランスに感じます。すごい高いというわけではないけど、こういう店を自然に使いこなすためにはある程度の年月と経験は必要かも。とはいえ、何かの時のために(どんな時だ?)、ひとつ手持ちカードとして持っておいてもいい店かな、とは思いました。
伊藤さん、いま風に言うと「ちょwwwおまwwww」って感じですよ(笑)
ボク程度で造詣深いなんて言ったら、世の銀座好きが怒ります。ボクなんてまだまだ奥深い銀座の入り口にようやく立った程度です。勘弁してくださいよ。マジで。
じゃ、今日は割烹つながりで赤坂の「古母里」(こぼり)。
小堀さんというご主人がやっているのでこういう店名だそうです。赤坂でも古い店で、わりと大物系(先生系、芸能界大物系)の常連客が多く、独特の雰囲気を漂わせています。
赤坂で古い割烹で大物系というと、すごい門構えの料亭っぽい店を想像させますが、この店はその対極にありますね。
まず門らしい門がない。玄関らしい玄関もない。雑居ビルの階段上がって「ここが入り口?」と不安になるような普通の引き戸をあけるといきなり店内です。20畳ほどの昭和っぽい空間にテーブルが4つほど並び、奥に座敷(上階に個室もあるみたい)。調理場との境目もいきなりで、なんだか普通の古い家みたいな感じ。着物の女将さんをはじめとしたサービス陣もその辺に所在なげに立っています。机の上にはメニューを貼った分厚い板。そこら中に千社札が貼られていたり。
ただ、女将さんのお世辞系トークは堂に入っていて「やっぱり赤坂だなぁ」と妙に感心しますね。社用族が古くから使い倒した店なのだと思われます。
で、使い倒すだけの理由はやっぱりあるわけで、料理がなかなかおいしいんですよ。
それも料亭的なおいしさではなくて「おいしすぎない、どこか家庭的な美味」なんですね。接待され疲れた大物系が喜ぶ味と言い換えてもいい。そういう料理が程よい量で出てくる上にどんなカスタマイズ(わがまま)も言える感じ。こりゃ赤坂の地で長く流行っているだけのことはあるわ。
最初にネタ箱に魚を盛って持ってきて、「今日あるお魚です」と料理法とともに全部教えてくれ、客に選ばせるところから始まるんですが、大きい魚から小さいのまで、どんな要望にも応えられる品揃え。大きさも個数もすべてカスタマイズできます。
で、それをアテに酒を飲んでいると、次はメニューを見せてくれるんだけど、これがまた豊富で膨大。目移りしまくりますね。どれもホッとする味。
メインはやっぱりここの名物「しゃぶしゃぶ」かな。
一枚単位で頼める大きな霜降り肉です。霜降り肉が嫌いなボクでもしゃぶしゃぶなら大丈夫。ここのしゃぶしゃぶはうまいなぁ。素材も別格級。
〆は「日本一の卵かけご飯」。いや、そうメニューに書いてあるんです(笑)
ご主人、赤坂の料亭出身のようで、そのルートでしょうか、素材はとても良いものを置いてます。で、それを自由自在に調理してくれるし、カスタマイズは効くし、どこか家庭料理の雰囲気を残しているし、お世辞トークは流石なものだし、昔の家みたいなカジュアルさがあるし、と、大物系が癒される要素を満たしていますね。
大物じゃない我々自腹客にとっては、値段と味と雰囲気が多少アンバランスに感じます。すごい高いというわけではないけど、こういう店を自然に使いこなすためにはある程度の年月と経験は必要かも。とはいえ、何かの時のために(どんな時だ?)、ひとつ手持ちカードとして持っておいてもいい店かな、とは思いました。
posted by さとなお at 06:32| 和食(小料理・割烹・郷土料理)
2008年02月01日
いとう:輝咲(御徒町)
>関西つながりということで、銀座で気楽に京都のおばんざいが
>食べられる店「すだち」をご紹介します。
あっ、先般金春通りのバーの帰りに話しておられたトコロですね。
そんなにいいお店なんですか。
それにしてもさとなおさんは銀座に造詣が深いなあ・・・。
>すべて、カウンター内で仕切っている店主(お母さん)の魅力
>から来ています。
「すだち」という名前からして、すだちの名産地徳島県出身の方でしょうか(四国から仕入れをされているようだし)。ということで、ぼくも関西出身の女将さんでつながってみます。
御徒町の「旨いもん割烹 輝咲(きしょう)」。
御徒町自体、食にはあまりなじみのないエリア。まして御徒町で降りたとしても、ほとんどは湯島側に移動して、とんかつやそばやカレーを目指す感じ。でもここは湯島とは反対側。宝石の問屋を眺めつつ静かな下町の街並みへと入り、人どおりがほとんどなくなった辺りにポツンと灯りが見つかります。
L字のカウンターとテーブル、そして個室風に仕切られた小上がりがひと部屋。店内は御徒町とは思えない上品で落ち着いた雰囲気。そこを着物姿の女将がひとりで仕切ります。
この女将さん(といっても30代半ばぐらいか)は、聞けば大手の飲食オペレーション会社にもおられたそうですが、たいへんかわいらしく素敵な女性。店名の「輝咲」のイメージにもピッタリの印象。戦略的な意味合いもあるでしょうけど、完璧な関西弁(大阪と京都の間ぐらいの町出身とのことで、とても上品なしゃべり)で接客します。そのやさしい響きが店内にコダマして、自分が大阪人でありながらも「ああ、関西弁はいいなあ」としみじみ癒されるのでした(笑)。
料理は、関西風に特化したものでもないように感じたし(普通に旨いもので)、酒類も標準的な品揃え。御徒町という土地柄も、なんとなく日常に埋もれてしまいそうなんですが、女将さんの個性がとても「程の良い」空間をデザインしていて、遠方からでも通いたいなと思ってしまいます。おまかせコースも4,000円からあり、御徒町価格でサイフにもやさしいですし。
最後に、お店のロゴやお名刺をはじめ毎日のメニューなどに個性的な筆運びが見られますが、そちらも女将の手によるもの。多芸に秀でた方なんだと改めて感心する次第です。
>食べられる店「すだち」をご紹介します。
あっ、先般金春通りのバーの帰りに話しておられたトコロですね。
そんなにいいお店なんですか。
それにしてもさとなおさんは銀座に造詣が深いなあ・・・。
>すべて、カウンター内で仕切っている店主(お母さん)の魅力
>から来ています。
「すだち」という名前からして、すだちの名産地徳島県出身の方でしょうか(四国から仕入れをされているようだし)。ということで、ぼくも関西出身の女将さんでつながってみます。
御徒町の「旨いもん割烹 輝咲(きしょう)」。
御徒町自体、食にはあまりなじみのないエリア。まして御徒町で降りたとしても、ほとんどは湯島側に移動して、とんかつやそばやカレーを目指す感じ。でもここは湯島とは反対側。宝石の問屋を眺めつつ静かな下町の街並みへと入り、人どおりがほとんどなくなった辺りにポツンと灯りが見つかります。
L字のカウンターとテーブル、そして個室風に仕切られた小上がりがひと部屋。店内は御徒町とは思えない上品で落ち着いた雰囲気。そこを着物姿の女将がひとりで仕切ります。
この女将さん(といっても30代半ばぐらいか)は、聞けば大手の飲食オペレーション会社にもおられたそうですが、たいへんかわいらしく素敵な女性。店名の「輝咲」のイメージにもピッタリの印象。戦略的な意味合いもあるでしょうけど、完璧な関西弁(大阪と京都の間ぐらいの町出身とのことで、とても上品なしゃべり)で接客します。そのやさしい響きが店内にコダマして、自分が大阪人でありながらも「ああ、関西弁はいいなあ」としみじみ癒されるのでした(笑)。
料理は、関西風に特化したものでもないように感じたし(普通に旨いもので)、酒類も標準的な品揃え。御徒町という土地柄も、なんとなく日常に埋もれてしまいそうなんですが、女将さんの個性がとても「程の良い」空間をデザインしていて、遠方からでも通いたいなと思ってしまいます。おまかせコースも4,000円からあり、御徒町価格でサイフにもやさしいですし。
最後に、お店のロゴやお名刺をはじめ毎日のメニューなどに個性的な筆運びが見られますが、そちらも女将の手によるもの。多芸に秀でた方なんだと改めて感心する次第です。
posted by 伊藤章良 at 11:32| 和食(小料理・割烹・郷土料理)