2007年09月03日

いとう:ル・サンプル〈恵比寿〉

>神田神保町3丁目の集英社の裏の路地にある居酒屋。
>いや、小料理かな。でもご主人の望む方向性は居酒屋だと思います。

前回の下北沢といい今回の神保町といい、近いけど意外と遠い渋いエリアにて、お店も止まり木にしたい貴重なところばかり。さとなおさん、最近いい店に行ってますね。
ぼくも「そこに座っているだけで、ご主人や年配の客たちが生きてきた年月が自分の中にふわりと美しく降り積もっていくような」、ブロガーの残り香がしない店を銀座に見つけたんですが、どうしてもネットには書かないでくれと言われていて・・・。今度お連れします〈笑。

本日は、そんな素っ気ない「程の良さ」と対極の、ロサンゼルスから凱旋のフレンチ「ル・サンプル」。というのも、LAのビバリーヒルズにてフランス料理店を営んでおられたキクチご夫妻が、その店を閉め新たに東京でオープンしたという経緯。

LAでは、ラ・シェネガという通りで文字通り「kikuchi」という店だったそうですが、このラ・シェネガには、プライムリブで有名な「ローリーズ」の本店〈たぶん〉やノブ松久がアメリカで最初に出した店などがあり、本家ヒルズ族からも愛されるグルメエリア。「kikuchi」にも多くのセレブが訪れていたようで、中でも存命では最高のジャズピアニスト「ジョー・サンプル」もご贔屓だったとか。

「ル・サンプル」という店名も、ジョー・サンプルが由来のようで、彼の写真や楽曲の譜面等を店内に見つけることができます。しかも「ル・サンプル」オープニングの日に「ジョー・サンプル」ご本人がお忍びで駆けつけたとか。

場所は広尾高校すぐ近くの住宅街で、この場所は以前もフランス料理店でした。以前の店の面影はなく、かなりシンプル化の方向で手を加えられた様子。そこそこの広さですが、ぼくが訪れたときは厨房にシェフひとり、サービスは奥様のみという布陣。「ル・マンジュ・トゥ」を手本にされているようで、1万円のおまかせコースのみと強気〈LAではプリフィクスで40ドルとのネット情報あり〉。

にしては、少々物足りない感じもあるかな。最初の皿でかなり分厚く切ったうまい自家製スモークサーモンが出てきて、「オオッ、これはガッツリとカリフォルニアフレンチを堪能させてくれるかな」と思ったものの、後半は尻すぼみ気味でした。特に、客はわたしともう一組〈英語で会話しているカップル〉程度だったのに、メインの子羊には火を入れすぎ。後でその点について詫びが入ったのですが、頭を下げるお気持ちがあるなら、もう少し違う対応をして欲しかった。

LAでやっておられたとの先入観、というか妙な期待がじゃまをしているのかもしれませんが、シェフは意外にもシャイだし〈ただ、英語をしゃべっている様子は別人のようでしたけど 笑〉、サービスの奥様も緊張気味でよそよそしい。その上ワインリストはフランス物の高級品ばかりでカリフォルニアは一切なし・・・。

でも、まだまだ浦島太郎状態なのかもしれません。なんとなく気になる応援した店には違いなく、もうしばらくしたら必ず再訪しようと期した次第です。
posted by 伊藤章良 at 15:33| フレンチ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする