2007年04月22日

いとう:ボスケッタ(白金台)

カタプラーナ。ポルトガルで鍋ですか・・・。なんか和みますなあ。また鍋の形も特徴的なようで、昨冬突然一世を風靡した「火鍋」を思い出しました。
お菓子も、カステラに代表されるように日本人の口にも合うんでしょうね。

今ユーロがとても高くてヨーロッパに出かけようとの気持ちがあまり起こらないんですが、ポルトガルだとなんとなく食や宿泊等に高額な予算を割かなくてもよさそう。狙い目な気がしてしかたがありません(笑)。

で、ぼくは最近オープンしたイタリアン「ボスケッタ」です。
ここは、イタリアンのシェフとしてすでに名声を得ている、元「リストランテ・キオラ」鵜野シェフが、お気に入りの食器屋さんとともにオープンした店だそうで、一階が食器店、二・三階がダイニングとなっています。

場所は白金台のプラチナ通りから一本目黒側の細い道で、最近とかくこの道沿いに鮨・和食・イタリアン・バーなど、どんどんとレストランができており、プチグルメストリートと化してきた感もありますね。

あ、さとなおさんに分かりやすく言うと、宮崎さん愛弟子のバーの真向かいです(そういえば、以前訪れた際ヤス君と「目の前に何ができるんだろうねえ」と話した記憶がよみがえりました)。

オープンしたばかりなので当然新しいんだろうけど、なぜか店内は薄暗く多少くすんだ感じ。サービス陣もそれに呼応してなんとなくカタい。ダイニングはカーテンで仕切れる部屋や個室が特徴のようで、料理やワインを中心に楽しむ「エノテカ・キオラ」(以前鵜野シェフが在籍した)的な雰囲気はなく、密談・おしのび系ですかねえ。

鵜野シェフの料理は、新宿のワインバーの時代から1〜2年に一度はずっと食べてきたんだけど、めちゃめちゃ期待していただけに(残念ながら)ご自分の店である今回が一番よくなかった印象。シェフご自身がお気に入りの食器店とのコラポということで、美しい妖艶な食器が出てきます。でも誤解を恐れず個人的な感想を言わせてもらえば、食器があまり料理と合っておらず、加えて食べにくいものが多かったです。また、肉料理はとても大きな真っ赤な皿にて出されますが、皿の保温が難しいのか肉がすっかり冷めていました。

ところで。
「ボスケッタ」の道路を挟んで向かい側のビルにもイタリアンがあります。ここは楽天三木谷社長夫人、晴子さんがオーナーの「ハル」から独立したシェフの「ロマンティコ」。そして、三木谷晴子さんの実弟が営むグラナダグループを離れた鵜野氏が、目の前に同じイタリアンを出店。なにか因縁を感じますね・・・。個人的には現在のところ「ロマンティコ」に軍配かな。
posted by 伊藤章良 at 18:07| イタリアン

2007年04月16日

さとなお:ティコ・ティコ(リスボン)

「えん」、良さそうですね。あるブログで読んで「行きたいなぁ」と思っていました。しかも〆はわさびめし! ぜひ行ってみたいと思います。

>ポルトガル料理は、マニュエルかマダレナでしか食べたことがない
>(東京の人はだいたいがそう思いますが)のですが、

そうですね。ボクもそうでした。
もっと増えても良いなぁと思います。日本人の舌にとても合うし。

ちなみに前回紹介した「タスキーニャ・ド・オリヴェイラ」は、ボクが行った一週間後にあの栗原はるみさんも行ったらしいです。あるルートから聞きました。別にボクのを読んで行ったのではなく(笑)、やっぱり誰かのオススメみたいです。「行った」だけで「おいしいと思ったかどうか」は知りません。

さてと。ええと今回はリスボン在住の人から教えてもらった「観光客は絶対来ない」レストランを。

「restaurante Cataplana & companhia o novo Tico Tico」(rua Ferreira Borges,193-A/21-386-52-69)です。よくわかんないけど、訳すなら「カタプラーナ専門店 ティコ・ティコ」でしょうか。「新ティコティコ」かな。リスボンにあります。

東京のポルトガル料理店「ヴィラ・マダレナ」や「ヴィラ・モウラ」には「カタプラーナ・コース」というのがあって、カタプラーナが名物になっています。ここはそのカタプラーナの専門店。リスボン在住の人に言わせると「地元では有名な店だけど不便なこともあって観光客は絶対来ない。ガイドブックにも載っていない。でも味は保証付き!」らしいです。

カタプラーナというのは、鍋のこと。
銅製の特製鍋を指すんですが、二枚貝のように対になっていて、閉じて煮込むんですね。短時間で煮込む圧力鍋風。でもキッチリ閉まっておらず、隙間もあり、蒸気がほどよく逃げていきます。それが逆にイイとも聞きます(魚介とかが柔らかくなるとか)。その辺のアバウトさもこの鍋の魅力。「簡易圧力鍋風煮込み鍋」って感じですかね。

魚介鍋が一般的ですが、実はいろいろ種類があり、豚やら羊やらのもあります。基本的にトマト味。
ちなみに、煮込むときにワインも塩も水も加えないという素朴な料理。でもなぜか実にうまいんです。味的にはブイヤベースとトマトシチューの中間を想像してください。

この鍋の白眉は「雑炊」。激うまいです。
前記の「ヴィラ・マダレナ」などでは、具を食べた残りの汁にご飯をぶちこんで雑炊にするけど、リスボンのこの店では最初から米が入ってました。だから最初からアローシュと同じような「雑炊料理」って趣きでした。料理的には、炊いておくかおかないか、の違いですね。

地元客に人気の店というだけあって、一階も地下も満席。みんながみんなカタプラーナを食べています。素朴な佇まいのレストランだけど、地元のマスコミ系業界人やタレントもよく訪れるようで、その日もそれ風の人がいろいろ来てました。場所は市場の近く。リスボンの西北西のあたり。

まぁなんつうか、鍋と雑炊なんで、日本人にはとにかくうれしい。胃も心も満腹になります。とりあえず、リスボンに行くならオススメの一店ですね。あ、そうそう、デザートのポルトガル伝統菓子もおいしいです。
posted by さとなお at 07:09| 海外のうまい店

2007年04月11日

いとう:えん(西麻布)

ポルトガル料理は、マニュエルかマダレナでしか食べたことがない(東京の人はだいたいがそう思いますが)のですが、個人的には、おいしくて食べやすくて(しかも廉価で)、ワインに合う料理とのイメージが強いです。
その中にも、イタリア料理やスペイン料理とも違う独自性や、日本の食文化に対する影響もあり、大変奥行きの深い印象も持っています。

>日本のガイドブックにはまず載ってないんだけど、現地在住のグルメライターや日本からポルトガル料理を習いに行っている人から「絶対行け!」と言われていた店なのです。

現地のグルメライターとか日本から習いに行っている人とか・・・。
すごい説得力のあるネットワークですね。毎回楽しみにしています。
(といっても、遠い国ではありますが・・・)

ということで、ぼくの方は、さとなおさんの大ネタに関連性をつけるのもショボイので、最近気になった店をぼちぼちと。

さとなおさんとも以前一緒に行った「霞町一」。肩の力が抜けたいい感じの雰囲気でおいしい「めし」がいただける良店ですが、現在ずっと休んでおられるようですね(原因はぼくもよく知りません)。あの界隈だと「眞由膳」や「一即多」なんかも秀逸。でも、実は「霞町一」があるビルの一階奥にも、すばらしい酒肴とごはんがいただける「えん」なる店があるのです。

この店の噂は、西麻布界隈のバーマンや料理人からも聞いていて、皆さん仕事が終わってからホックリしに訪れたりするらしく、地元民の信頼も厚い。「えん」という名の店は、意外と様々にあるのですが(検索すると分かります)、ここのママさんが遠藤さんなので「えん」なる屋号のようであります。

店内はL字のカウンターのみ。その奥に、多少雑然としていて決して広くも美しくもないキッチン。でも、料理は全てが手づくりで、注文を受けてから野菜を切り刻むなどせっせと遠藤さんが作業を始め、どれもがうまいし酒も進みます。1人でやっておられるので、注文が立て込むとさすがにつらい部分はありますが、それでも料理の一つ一つ手を抜くことなく丁寧に作られる姿に心を打たれます。

例えば、豆腐を注文すると揚げたシラスが大量に振りかけられていてとてもおいしいんですが、そんなシラスも注文を受けてから揚げるといったこだわりです。

カウンターだけの小さな店なので、多種の酒はありません。でも酒に詳しい人たちにも受け入れられるような小さな工夫(レアなもの)が随所に感じられます。

そして締めには「わさびめし」。いわゆる「つず久」の名物と同じで、山わさびの摩りおろしを大量にご飯にまぶして醤油をかけたもの。メシとしても酒のつまみとしてもたまらないラストになりました。
posted by 伊藤章良 at 18:59| 和食(小料理・割烹・郷土料理)

2007年04月08日

さとなお:タスキーニャ・ド・オリヴェイラ(ポルトガル)

伊藤さん、すいません。
ポルトガル旅行、帰ってきてからの仕事、葬式、と、身辺に余裕がありませんでした。そろそろ落ち着けそうです。

せっかくポルトガルくんだりまで行ってきたので、ここ数回はポルトガル報告をします。
少しだけ「ポルトガル行ったら行けよ!」系のレストランを書いておきますね。

まずはリスボンの東、車で1時間ちょいのところにあるエヴォラという都市の「Tasquinha do OLIVEIRA:タスキーニャ・ド・オリヴェイラ」(rua Candido dos Reis,45-A/266744841)というレストラン。

ここは今回トップに近いかも。
日本のガイドブックにはまず載ってないんだけど、現地在住のグルメライターや日本からポルトガル料理を習いに行っている人から「絶対行け!」と言われていた店なのです。

料理だけを取ると、「あそこのタコめし!」「あの店の鴨ごはん!」「カタプラーナがやっぱり!」とか他にもいろいろあるんだけど、いろんな意味でバランス良く、インターナショナルな視点で見ても上位にくるレストランとなるとやっぱココかなぁ。

この店、名物は前菜(お通し?)の小皿なんですね(コベルトです)。
テーブル上にずらりとこれでもかと並ぶ。手を付けなければお金をとられない仕組みなんだけど、どれも実においしそうだから全部手を付けてしまいます。エヴォラがあるアレンテージョ地方(最高!)の料理を中心に、ポルトガル伝統料理が並んでいて、味付けが実にいい。ポルトガル料理って味付けが少し塩からいんですが、ここのは塩が抑えめで、味の落とし所がすばらしいんですね。

マリネ系だけで、タコ、パプリカ、マッシュルーム、チキンと4皿。他に、ラムのカツ、バカリャウ(干し鱈)のかき揚げ、デイツのベーコン巻き揚げ、チキンパイ、地の生ハム(イベリコ豚と同じ黒豚)、蟹の身をほぐして和えた物、それにリコッタや羊のチーズ……。
どれもこれもおいしいんだな。それに「ここ一軒くればほとんどの名物料理は食べられちゃうかも」という効率性も旅人にはうれしいですね。

この小皿たちで充分お腹一杯だけど、メインに頼んだ「Arroz de pombo)ハトの雑炊」がこれまた絶品でした。ハトが半身丸ごと入っていて、脂もふんだんなのにすっきりさわやかな後味。滋味溢れる名品。

Arroz(アローシュ)とは米の意で、雑炊とかリゾットとか炒飯系とかいろんなバリエがあるんだけど、ポルトガル料理は特にこのアローシュがうまいと思ったな。日本にアローシュ専門店を作りたいとちょっと思ったくらい。
タコのアローシュ(リゾット系)、鴨のアローシュ(炒飯系)など、忘れられないアローシュがいっぱいあります。で、このハトのアローシュ(雑炊系)もうまくてうまくて。水から煮出してあって、ミント味もきいていて、付け合わせのクレソンも合うし、言うことなしでした。

厨房は奥さん。ホールが旦那さん。14席、7テーブルのみの小さな店です。
この旦那さんのサービスが行き届いていて絶品。極上のサービスでしたね。行き当たりばったりの個人旅行で張りつめていた気持ちを優しくほぐしてくれました。素朴な笑顔でいろいろ話しかけてくれるし、食後酒もサービスしてくれたし、最後までとても優しくしてくれましたね。

ただ、小皿のほとんどに手を付けてしまうと意外と高く付くので、その点は注意です。
3人で15000円程度。これは物価安めのポルトガルとしてはちょっと高めです(子供もいたし)。でもまぁ日本で考えたらド安いかも。アレンテージョの地ワインもうまいし、チーズはちゃんと店で熟成させているし、次にポルトガルに行ったらまた行きたい店のひとつです。

ちなみに食べ方を工夫すればひとり3000円くらいで済みそうではあります。
posted by さとなお at 19:20| 海外のうまい店

2007年04月01日

いとう:こづち(恵比寿)

さとなおさん、おかえり。
またまた収穫の多い旅だったようですね。
またゆっくり写真など見せてください。

>ビストロ・ブルゴーニュですか。
たまに前を通りかかりますが、入る勇気がありません(笑)

あ、ぼくも、チャレンジャーですねえ、と各方面から言われました(笑)。

>ここは鮭とたらこがうまいのはもちろん、ご飯がうまいと評判の店ですね。確かに、なんというか、「田舎のお母さんが丁寧に丁寧に作った料理」という感じはして好感が持てます。

いいなあ・・・。定食にとってご飯がおいしいのは最高で不可欠な要素だと思います。そんな中で本日は「こづち」。まあ定食屋さんとしては真打登場です(笑)。

「こづち」は恵比寿駅前すぐの場所にありますけど、今の恵比寿とは180度乖離した下町っぽい風情。ただ定食屋としての名声は(取材拒否をしている割には)とどろいていて、大阪に住んでいた20年前から、ぼくの中では行ってみたい店の候補としてあがっていました。

東京に引っ越してすぐに訪問し、「いやー恵比寿に住みたいよ」とその当時思いましたね。その後も折に触れて立ち寄りますが、相変わらず汚いし、味は喉がカラカラになるほど濃いし、チャーハン等は舌が痺れるほどの化学調味料だし、未だに鶏のメニューはないし(少し前に牛肉料理は一つできました)。

でも、ご飯がおいしいのですよ。すごくいいお米を使っていてコメの味が抜群とか、そんな気取りはないんです。でも、常に温かくて、ジャー臭さがなくて、少しやわらか目でしっとりとした食感がいつもブレません。

この店はオープンキッチンに(そんなカッコイイもんじゃないけど)たくさんのおじさんが働いていますが、その中で司令塔というか、いつもセンターに立っているリーダー(由利徹似 古いか)がいます。たいていは「おー、いらっしゃい」といいつつ、お茶を出したりメニューを通したりお釣りを渡したりするのが仕事。ただ、お米は常にその司令塔が洗い、炊飯器にかけています。ほんの数十分ほどのランチタイム滞在でも、過去に米を研ぐ姿を何度も何度も見たことがあるので、毎日本当に頻繁にご飯を炊いておられるんだろうと思います。

そして、そのご飯と一緒に食べたいのがナスのヌカ漬け。ナスの季節しかない旬のメニュー。これも司令塔がヌカ床から出して刻んで出してくれます。

あと、「こづち」でビールを注文するとサッポロラガー(いわゆる赤星ですね)の大びんが出てきます。以前司令塔の方に「どうしてサッポロラガーなんですか」と聞いたことがあるんですが、「やっぱり恵比寿はサッポロビールのお膝元だからねえ」とうれしい答えが返ってきました。

実はこの司令塔、マサオさんという名前らしいんです。一度はお名前で呼んでみたいなあと思っているのですが、未だ実現できておりません(汗。
posted by 伊藤章良 at 23:23| ランチ