2007年01月03日

さとなお:甚五郎(大阪)

伊藤さん、あけましておめでとうございます。
今年も楽しく食べましょうね。

> 2006年イタリアンを「ヴォーロ・コズィ」で締めくくろうカナとも思ったのですが、
> 今年を象徴する店として語りつくされている感があるし、
> すばらしいすばらしいと絶賛するのももういいかな、
> と思ったので、大阪続きでいきます。

そんなこと言わずに「ヴォーロ・コズィ」書いてくださいね。ボクまだ行ってないし。

じゃ、新年一番、ボクも大阪つながりで行きます。

今日は北新地の「甚五郎」
四つ橋筋から新地本通りを入ってすぐの左側に、素晴らしい木彫看板の古い一軒家割烹があるのですが、そこです。昭和4年からそこでやっている老舗なのに、意外と知られていないんですよね。ボクの周りでも入ったことある人少ないです。

ここ、雰囲気が本当にいいんですよ。
古いけど清潔な店内。趣がある設え。白いカバーつきのイス。よく手入れがされた厨房。佇まいがとてもいいんです。そして接客はおばあちゃんたち。料理人はおじいちゃんひとり。サービスはあまり気がつかないし、料理の出も決して早くないけど、なんだかゆったりほんわかしていて、とてもくつろげます。

カウンターとテーブル。
カウンターでひとり飲んでると時の流れを忘れますね。

ちなみにこの店、「キュウリ巻き」発祥の店らしいです。
もともとのもともとは屋台の鮨屋だったらしく、そこで初代が編み出したのがキュウリ巻き。
だから登録商標を持っているんですね。「他の鮨屋もマネして作りはったんやけど、キュウリ巻きという言葉を使えんで、困って苦肉の策で『カッパ巻き』という言葉をひねりだしはったんやねぇ」とご主人が語ってくれました。
カッパ巻きという言葉もこの店あってのものだったんですね(笑)

ちなみに話の流れで店名についても聞いてみたら、店名は伝説の職人「左甚五郎」から取ったらしいです。例の日光東照宮の。あの名人甚五郎のように器用に料理が作れるように、という初代の願いが入っていると言っていました。
余談ですが、カッパ(河童)って左甚五郎が創造した人造人間だという伝説が残っているんですね。カッパ周りに縁がある店だなぁ(笑)

料理は野菜の炊き合わせや煮魚みたいなのがとても上品でうまいです。
「炊いたん」と「煮たん」ですね。
もともと鮨割烹だったと聞いたので鮨も頼んでみましたが、タネも酢飯も大振りで武骨な鮨でした。屋台っぽい昔味でしたが、現代ではバランスはもうひとつ。だからここは「炊いたん」と「煮たん」がオススメ。あ、刺身や寄せ鍋も良いです。

発祥であるキュウリ巻きは、海苔を一周半使うので多少食感が悪いんだけど、素朴でよいです。特にその歴史とともに食べるとうれしい感じですね。

きちんとした歴史ある割烹で、雰囲気も抜群なのに、本当に気軽で楽ちんな店。大阪っぽくてとてもいいなぁと思います。値段もそんなに高くなく、5000円〜8000円くらいで収まります(もちろんいっぱい食べたら知りませんが)。

ネットで検索しても書いている人が全然いないのがとっても意外な店のひとつです。
posted by さとなお at 22:00| 和食(小料理・割烹・郷土料理) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする