2009年11月18日

いとう:オマージュ(浅草)

さとなおさん、最近恵比寿率高いですね(驚。
さとなおさんの生活圏から考えると若干遠方のような気がするんですが、確かにいいお店が多いですし。前々回のワインショップも大変よかったです。やはり前を何度も通っているのに気づいていませんでした・・・。

>店名の「ラ・ベル・ブラッスリー」とは「上品なブラッスリー」とのこと。

確かにイマの上品さを上手に漂わせていて趣きがありますね。裏通りで隠れ家感もたっぷりだし。ただ、なんで1階が「亀戸ホルモン」なのかなあ・・・。テラスは座ったことがないんですが、ニオイは気になりませんでしたか(笑。

さてぼくは、ゆるいフレンチとは多少異なりますが同じフランス料理つながりで、移転して拡大してかっこよくオープンした「オマージュ」を。

「オマージュ」の場所は、裏浅草といいますか観光客や酔客の群れから外れた静かで大人なグルメエリア。ただ、もちろん界隈の王道は鮨、割烹、居酒屋。そんななかでひときわ異彩を放つデザインホテル風のエントランスに、フランス語のHOMAGEの文字のみ。
「オマージュ」のシェフは浅草出身で浅草にこだわり続けておられますが、以前の店から若干浅草寺寄りになった今の場所こそがシェフのご実家とのこと。
(実際は旧店舗もご実家でしたが、新店舗の場所に、ご実家・店共に移転されたとのこと。TOMITさんからご指摘いただきました。ありがとうこざいました)

ここは本当に浅草か、と思いつつドアを開けると、何となく洋食屋さんのレジカウンターのような風情(割烹着姿のマダムがおられたこともありますが)で、ホッとなごみます。そう、まず特筆すべきは和食出身のマダム(女将さん?)による、お着物での接客。

「オマージュ」は、浅草ということで特別視してしまいがちですが、旧店舗のころから料理はとても定評があり、多くの食通が認める通りフランスのエスプリとボリュームを兼ね備えた、銀座にあっても遜色ない感じ。

そして、新しい「オマージュ」でのさらなる変貌は、「浅草のレストラン」から「浅草を基点に発信するフランス料理店」と形容できそうで、その代表格が和服のマダム。また、メニューの要所要所に浅草テイストが散りばめられ、口直しとして雷おこし味のシャーペツトが出てきたりしました。

ダイニングは2階。エントランスから階段を上がると、天井の高い広々とした空間が広がります(なお、足の悪い方のために、1階にも半個室使いのテーブル席が用意されています)。さまざまなインテリアのポイントに「赤」が使われているのも、雷門を意識してのことかなあ、とか想像してみました。

テーブルのレイアウト自体、まだ店のスタッフがなじんでいないと感じたり、メニューの厨房への通し方に齟齬があったりと、新規オープンらしいすれ違いは否めませんが、新たに参加した女将さんがきっちりと立て直していかれることでしょうし、客としてうれしいリカバリーやおまけもついて、柔軟な接客体制には好感が持てました。

首都圏の西や南におすまいの方は確かに遠方ですが、わざわざ足を延ばす価値のある、イマ行きどきの一軒なのは確かです。
posted by 伊藤章良 at 18:11| フレンチ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年11月15日

さとなお:ラ・ベル・ブラッスリー モリ(恵比寿)

バーにもゆるゆるの流れ、わかります。いままでは「よそ行き」っぽいオーセンティックなバーが圧倒的に好きでしたけど、最近「ゆるめ」が気に入ってます。一時的なのかどうかはわかりませんが、時代は確実にゆるくなっていってますよね。

最近行った中では、恵比寿のJR線路沿いのビルにある「ラ・ベル・ブラッスリー モリ」がなんだか(いい意味で)ゆるくて良かったです。
先月で3周年目を迎えたという、まだ若い(いや、3年持てば立派か)ブラッスリーですが、本格的な料理内容なのに全体にカジュアルでゆるめの空気が漂っていて、とても居心地よかったです。

楽しいのはカウンター。シェフのテキパキと一生懸命な動きを眺めながらの食事はシズル感たっぷりです。
森シェフは日本の「ベルフランス」(いい店でしたよね!)、「タイユバン ロブション」を皮切りにフランスの「ジャルダンデサンス 」「ジャン バルデ」「ジャック マキシマン」「リシャール クータンソー」などの三つ星二つ星で修業していて、本格的なのもさもありなんですね。でも上記のようにカジュアルでゆるい。その辺が実に魅力的です。
いただいた中では、白レバーのパテ、仔羊の瞬間燻製ローストが特に印象に残っています。ビストロ系のガッツリ感がありつつ、繊細さも残しているいいバランスの料理群でした。なにより食べていて楽しいし。あ、蝦夷鹿のも美味しかったな。

今はもう11月も中旬なので少し寒いですが、この店、テラスも気持ちがいいんです。
ちょっと大きめのテラス(テーブルが余裕でふたつ置ける広さ)ではもちろん食事も出来ますが、デセールが終わった段階で「テラスでコーヒーなどもご用意できます」と誘われます(席があいてれば)。ちょうど秋のいい季節だったので、本当に気持ちよかったですね。改めて食後酒なんかももらっちゃったりしてくつろぎました。深夜2時までオープンしてるので、いい季節であれば二軒目三軒目にテラスで一品とワインという使い方もいいと思います。

深夜2時までオープンしている上にサービス料もなし。日曜もやっている(定休日は月曜)。ワインの揃えもいいし、シェフもサービスも一生懸命。なにより料理のクオリティが高い。いろんな意味で使い勝手いい店ですよ。

店名の「ラ・ベル・ブラッスリー」とは「上品なブラッスリー」とのこと。
今度、友人のモリを連れて「モリ×モリ」で食べに行こう(笑)
posted by さとなお at 11:32| フレンチ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年11月06日

いとう:メンゲルムス(西麻布)

「3 amours(トロワザムール)」、きっと場所的に何度も前を通っているはずなのに、店頭の大きな赤ワインボトルに未だ気づかず。ココは知りませんでした。早速週末にでもワインを仕入れに行ってきます。

さて、森ガールに象徴されるような「平成のゆるゆる」というか、キメキメからゆるゆるに以降しているなーという流れは、確かにワインもあるけど、先日東京は西麻布のバーにても感じてしまいました。

銀座に象徴される「バー」は、昭和っぽいキメキメが真骨頂だったんだと思うのですね。でもここは、ルールやしばりのない、かといって、合コン需要のダイニング系のように甘いカクテルを作るノリではない。

店のスタッフも平服で対応するのですが、こちら側が話に参加して欲しいなあとの様子を見せるとフランクな感じで会話に加わり、ふと気づくと持ち場に戻っている。

久しぶりに東京のバーで肩の力が抜けたというか、あっという間に時間が経っていて、自分としては本当に久しぶりに午前3時ごろまで居ついてしまいました。

あ、店名も書かずに話を進めてしまってすみません。「mengelmos(メンゲルムス)」といいます。場所は西麻布交差点から青山の方に抜ける道沿い。看板も出ていない一枚のドアを突破しないといけないので少し勇気がいるのは確か。でも地下へと降りると、入り口の拒絶感とは全くウラハラな、ゆるい空気が流れてます。

まず、こんなに天井の高い地下の空間が今でも西麻布に残っているんだなあという驚き。おそらくは店舗としてではなく個人邸宅のサロンとして作られたと想像しますが、それにしても贅沢。またその贅沢な空間を、無造作にアンティークの家具を置くことでさらに贅沢に使っています。

その家具も、もう少し整理して並べればいいものを、すごい豪華なソファーのコーナーもあれば、タイル張りのカフェにあるそうな木のテーブルとイスの組み合わせだったり、バックバーの前にはカウンターもあります。

普通にハードリカーやカクテルを楽しむこともできますし、腹にたまるつまみ類も(カレーなんかも含めて)頼めば色々と出てきます。中でもちゃんとジャガイモから素揚げしたポテトフライは秀逸。

最後に、「メンゲルムス」というのはごちゃまぜという意味だそう。キメキメの時代にごちゃまぜをやると、きっと奇を衒いすぎと感じたでしょうけど、ゆるゆるのイマならそれもまた落ち着くのですね。
posted by 伊藤章良 at 23:51| バーなど | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年11月03日

さとなお:トロワザムール(恵比寿)

「サルキッチン」、写真で見てもとてもいい感じですね。
なんだかこういう雰囲気を持つレストラン、増えましたよね。この店のご主人の年齢は知りませんが、20代30代の店主による、いい意味で「ゆるい」空気を持った良質店が増えた気がします。

最近、メイクも「昭和キメキメ顔」から「平成ゆるゆる顔」に移ってると聞くし、ファッションも「昭和のキメキメ」から、森ガールに象徴されるような「平成のゆるゆる」に移っています。レストランも「昭和っぽいキメキメなレストランから平成っぽいゆるい空気のレストランへ」という大きな流れがある気がします。

昭和から平成への流れという意味では、ワインにもありますね。
ある意味キメキメなヴィンテージワインから、安くても身の丈で造っている、ゆるめ(くつろげるという意味)の自然派ワインが人気になってきていると感じます。特にビオワイン(自然農法ワイン)への流れはかなり強いですね。

ということで、今回は、ビオワインを充実させたワインショップにしてカウンターバーもついている店、恵比寿の「3 amours(トロワザムール)」を紹介してみます。

ワイン販売やレストランのコンサルティングをしているBMOという会社のアンテナショップらしいのだけど、全体に自然派でロハスな匂いがぷんぷんする雰囲気。まぁそういうのってえてしてストイックになりがちなんだけど、それがあまり行き過ぎてなく、全体に享楽的なのがいい感じです。あと、ワインの売り方もとてもわかりやすい。造り手のオジサンの性格とか、彼とのエピソードとかがくわしくPOPに書いてあったりして、ショッピングしていて楽しいです。「あぁこんな人が造っているワインなのか」と思わず買いたくなる感じ。価格帯も1000〜3000円くらいが充実していて良心的。

で、入り口近くのカウンターバーでは試飲ができます。
毎日10種類のワインを試飲できるんですが、3杯1000円のテイスティングコースがあって、安価にさっと楽しめる。毎週月曜日は一杯500円(テイスティングコースより量が多い)でも飲めるそうです。つまみも300円〜500円程度でそこそこおいしい。チーズやオリーブなどのシンプルなお皿以外にも、その日その日できちんとした料理もあり、小食の人だったらここで夜ご飯としても大丈夫かも。店員もほんわか温かい応対だし、全体になんだかとても「ゆるい」感じが漂っていてくつろげるのが気に入りました。

3 amours とは3つの愛。ワインの造り手に対する愛情と尊敬の気持ち、ワインの流通やショップやレストランでのサービスに関わってくれる人への感謝の気持ち、ワインを飲んで楽しんでくれる人への愛、だそうです。店頭の大きな赤ワインボトルが目印。ちなみに営業時間は12時〜21時(土日祝は20時まで:火休)なので、どっかのレストランに行く前に一杯、みたいな使い方しかできないのが残念。二軒目で使いたい感じなんだけどな。その点だけが個人的にはちょっと惜しい。
posted by さとなお at 21:03| バーなど | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年10月22日

いとう:サルキッチン(東中野)

>ここでは東京でも意外と置いていない「フリュイ・ド・メール」が
>食べられます。

さとなおさんが、さなメモに「フリュイ・ド・メール」の思い出を書いておられましたが、ぼくも30年近く前にフランスで同様の体験をしました。でもぼくが訪問したその店は今三ツ星になっているんですよ。

そんな話を久しぶりにうかがって、「ブラッスリー・マノワ」に行きたくなりました。あの店は東京のレストランシーンにおいては決してサラブレッドではないけど、店全体からとてもフランスのエスプリが香りますね。きっとオーナーの志向がすばらしいのでしょう。

ではぼくも、ちょっとマニアックなフランス料理店「サルキッチン」を。
こちらは東中野というフレンチにしては異色のエリアで駅からも少し距離があるんですが(道中の渋いモツ焼屋とかに吸い寄せられそうになります)、路面店ではなく、住宅街の方向に曲がると正面に大きなサインが見えて、登場感はなかなか堂々たるものです。

ダイニングはとても狭く4組分のテーブルと椅子でめいっぱい。さらにテーブルのサイズも小ぶりなので前に座った友人の顔が近すぎる(笑。でも、この狭さとギシギシする木造りの感覚は、サンジェルマンデプレあたりのギュウギュウ詰めのビストロを思い出し、決して不快な感じではありません。

こんな「サルキッチン」を、シェフとマダムのお2人で切り盛りされており、どうやって4〜5組の客を待たせずに回していこうかと工夫された結果が若干フシギなメニューとなってます。

アラカルトを選択すると、全ての皿が2人分の量なので2人で2〜3皿ご注文くださいとのこと。であれば、できるだけいろいろな種類の料理を食べてみたいゆえトライするアラカルトの意味はないよなー、というのが当日の仲間との結論。

ゆえに、例によってマダムの推奨以上の皿数をなんとかお願いしてみることに。

結果、当初のかたくななマダムの語り口に反して、2種の料理を一皿に盛ってくれたり、煮込み料理は個別に出していただいたり、シェフが直接厨房から運んできたりと、とてもきめ細かい対応に感激。しかも、ビストロ料理と思いきや、丁寧に仕込み手間をかけて調理された本格フレンチで、それぞれの料理を口に運ぶごとにウナリました。

確かに時間はかかるんですが、ワインのラインナップがなかなかすばらしく安価なので、久しぶりに会う友とゆっくりワインを飲みながら気長に料理を待つつもりで訪問すれば、ぴったりとハマルこと間違いないですね。

なお、「サルキッチン」を検索すると様々な人が書いていますが、トイレがとても面白い。食事中に恐縮なんだけど、トイレに行って戻ってくると、その話題だけでも次の料理までの時間を十分に稼げそうです。
posted by 伊藤章良 at 17:23| フレンチ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年10月18日

さとなお:ブラッスリー・マノワ(広尾)

いい店っぽいですねー「達 菊うら」。
新宿はあまり行く機会がないんですが、行ったら行ったでいつも店に困ります(単に知らないだけなんですが)。特に和食は困るので、ぜひ今度ためしてみます。

ではボクは、北海道でシェフが撃ったジビエを東京で食べられるフレンチをご紹介します。

広尾の「ブラッスリー・マノワ」
ここ、北海道の道東は標茶町にあるマナーハウス(荘園主の邸宅)をイメージしたオーベルジュ「ヘイゼルグラウス・マナー」の姉妹店なんですが、まぁあちらが2000年に出来て、こちらが2006年開店ですから、弟分ですね。マナーをフランス語読みしてマノワだと思うし、経営も一緒だと言うし、「ヘイゼルグラウス・マナー」の東京支店に近い位置づけかもしれません。

「ヘイゼルグラウス・マナー」は、ボクが20世紀最後に行ったレストラン(オーベルジュですので泊まりましたが)です。押し迫った2000年12月30日に行きました。
シェフ自らが撃ってきたジビエ料理がなかなかおいしく、美しい雪景色と相まって、とても印象的でした。でもその支店に当たるレストランが広尾に出来ていたとは寡聞にして知りませんでした。出来て3年にもなるのにねぇ。

ブラッスリーと名乗ってはいますが、木をふんだんに使い、ちょっと高級レストランっぽい雰囲気になっていて、とても居心地のいい店です。店の人に聞いたら「狩猟の館をイメージしている」とのこと。なるほど。
カウンターにテーブル席が3つほど。カウンターはパリのきらきらした調度品を置いた古いビストロって感じかな。ギャルソンのサービスもよく行き届き、とても気持ちいい空間になっています。

さなメモでも書きましたが、ここでは東京でも意外と置いていない「フリュイ・ド・メール」が食べられます。例の氷の山に生牡蠣やらムール貝やら海老やらが刺さっているヤツですね。あれ、海外では超お馴染みなのに、日本ではあんまりお目にかかれないメニューですよね。これがちゃんとあるのはうれしいことでした(わりと好きなんです)。これらの魚介類も北海道直送らしいです。

そして、冬のこれからの時季はジビエですね。
「ヘイゼルグラウス・マナー」のゲームキーパー(森番)が撃ち、そこの専用施設で下処理&熟成をしたものを直送するという徹底ぶり。素材は完璧です(フランス産ももちろん揃えています)。味つけはちょっと濃いめという方もいますが(ボクの友人)、ボクが行った夜はそれも感じさせず、ちょうど良かったですね。素材の味を殺さず、実にうまい。行った夜はクスクスを食べたんですが、これがまたうまい。クスクスって香りがないヤツがあるでしょう。きちんと香って歯ごたえもあるクスクスが食べられるとシアワセになります。

ワインも高すぎず安すぎずイイモノを揃えているし、道からちょっと奥まったロケーションもいいし、いろいろ使い勝手がいい店だと思います。今年はもう一度、山ウズラを食べに伺う予定です。全体に春夏より秋冬が似合うレストランです。これからの季節にどうぞ。
posted by さとなお at 21:40| フレンチ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年10月08日

いとう:達 菊うら(新宿)

>地方で静かにがんばっている店に行くのってホントに好き。

ホントにそうです。最近(特に出張で)地方に出かける機会が少なくなってしまって、さとなおさんの文章だけで楽しんでいます。また、そういった隠れた名店を引っ張り出すネットワークにもいつも嘆息。

特に瀬戸内の魚のすばらしさを大阪や広島で何度も体験したので、おっしゃることがよく分かります。おこぜはかなり高級魚ですが、西では安価でいいものに出会えますよねえ。それにしても愛媛の地酒はどれも飲んだことがなかった(汗。

ぼくも同じ立場で、東京で静かにがんばっている和食店を考えているうち一軒思いつきました。新宿の「達 菊うら」です。

食の不毛地帯新宿のさらに人通りのまばらな大ガードの先で、予約の取れない良質廉価な日本料理店として確固たる地位を築いた「板前心 菊うら」。その店主菊浦氏が、1年前に同じ建屋の真上のフロアに出したワンランク上の店が「達 菊うら」。満を持して次の極みに「達した」ゆえの店名かと思いきや、店主のお名前が菊浦達さんだからのよう。

さすがに階下の店よりゆったりと広く、高級感のある幅広のカウンター。日本料理店にしては大きめの皿を使うこの店でも、迫力のある料理がドンドンと余裕で並びます。店主菊浦氏もこちらの厨房が主のようです。

料理は、果物と合わせた生ハム、フカひれとウニのあんかけ、松茸&サーロインの炭火焼、トロの握り等、高級食材をそれが一番ウマイとされる定番のレシピで素直に楽しませる流れ。究極のうまいもの屋であり、奇をてらったネオアメリカンっぽい変化球や上から目線の大御所臭さは微塵もありません。この辺の独立独歩な潔さや迫力が、関西生まれでやっはり日本料理は西かなあと思っているぼくにとっては、逆に東京っぽくて心地いいんですよ。

食材の流れからワインも数種類完備されていて、日本酒や焼酎とともにベーシックなものを比較的安価でいただけます。

奥には格調高い個室もあつらえてあって、ダイニングや料理を含む全体は今の時代に多少違和感のあるバブリーさなんです。でも、それがイヤらしくならないのが裏新宿たる所以かもしれません。
posted by 伊藤章良 at 19:08| 和食(小料理・割烹・郷土料理) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年10月04日

さとなお:わらじや(松山)

>最近、ソムリエやサービスがオーナーのレストランがポツポツと増えてきました。
>(中略)
>オーナーシェフの作った料理がただ運ばれてくるだけのレストランよりも
>2倍おいしいはず、と個人的にも信じていて、

たしかに目の行き届き方が違う気はしますが、サービスなどに比べて料理が負けて感じられること店も多いかな。バランス的にサービスが勝ってしまう、みたいな。そのサービスもオーナー以外はちょっと見劣りしたりして、全体に少し残念な印象になってしまったレストランもありますよね。いずれにしてもバランスは難しいです。

さて、オーナー系でいい店を続けてご紹介できればいいのですが、ちょっと思いつかないので、この前行った愛媛県は松山の「わらじや」をご紹介したいと思います。

愛媛って生まれてはじめて行ったのですが、ほんわかのどかで、優しい感じで、とてもいいところですね。
日本一細長い半島、佐多岬半島の先っぽに行きたい、というのが旅の目的でしたが、佐多岬も宇和島も松山もそれぞれ印象的でした。地方で静かにがんばっている店に行くのってホントに好き。引退したら各都市数泊ずつずっと渡り歩いて食べ回りたいと思ったなぁ。なんか、ものすごく好きなんですね、そういうの。

で、「わらじや」。
創業26年のわりに、あまりネットとかに出ていない店のようですが、メールで教えていただき、予約して出かけました。カウンターのみ(だと思う)の小さな店ですが、ここ、とてもうまかったです。大当たり。

まず魚の質が抜群でした。
まぁ愛媛ってどこに行っても抜群の魚ばかりなんだけど、その中でも群を抜いている印象。当日は、釣りサバとおこぜを中心にいただきましたが、このおこぜがね、もううまいのなんの。いままでの「おこぜ観」(なんじゃそりゃ)を覆す質。瀬戸内ってここまでうまいか、と唸る味。この刺身はいままで食べたおこぜのダントツ一位です。

この刺身があまりにうまいので、次々いろいろ頼みました。名物の「出し巻き豆腐」もよかったですねー。これ、出し巻きの中に豆腐が入っているだけのものなんだけど、名物というだけあってふんわりふわふわの絶品。んまい。あと地酒の品揃えがよいです。「隠し剣」や「城川郷」「賀儀屋」など。愛媛もおいしいお酒が多いなぁ。

ご夫婦ふたりでやっていて、カウンターがいっぱいだと料理が出てくるのがどうしても遅くなりますが、待つ甲斐のある美味が食べられると思います。店は明るく、女性ひとりでも入りやすい感じ。旅人も馴染みやすい雰囲気でした。

松山に行かれたら、ぜひぜひ。
posted by さとなお at 21:18| 和食(小料理・割烹・郷土料理) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年09月24日

いとう:ラール・エ・ラ・マニエール(銀座)

>恵比寿にある「JENITH GUSTRO」(ジェニス・ガストロ)

おっ。渋い路線ですねえ。さなメモで「フォアグラたこ焼き」を取り上げていたので、ジェニスに行かれたんだと思っておりました。楽しい、ウマくて量が多い、ワインが安価と、イイコトづくめ。若干煙いのがつらいぐらいで(笑。

>ボクたちの年代でもそんなに違和感なく馴染めますね

確かに同感です。というか、料理店・バーだけではなく、クリエイティブ系の事務所も多いあのビル全体がそんな印象。誤解を恐れず言えば、今は無き原宿セントラルアパートの小型版みたいな感じかなあ。

さて、ぼくはフランス料理つながりにします。ただ、ビストロというよりは、銀座の高級フレンチ「ラール・エ・ラ・マニエール」

最近、ソムリエやサービスがオーナーのレストランがポツポツと増えてきました。代表格としては「オーグードゥジュール」や「シュマン」ですが、イタリア料理の「ラ・バリック」や、広尾の「レヴェランス」、渋谷の「ビオディナミコ」など(ここここにも書きましたが)、一覧してもフロアと厨房の力が上手に結実した秀逸な店ばかり(ただ、優秀なシェフの流出は否めず、若干残念なトコロもありますが)。

オーナーシェフの作った料理がただ運ばれてくるだけのレストランよりも2倍おいしいはず、と個人的にも信じていて、今回取り上げる「ラール・エ・ラ・マニエール」もまた、オーナーソムリエのレストランゆえ期待度は◎。

「ラール・エ・ラ・マニエール」は、銀座にある新築ビルの地下。サインも小さくしか出ていないので見過ごしてしまいそう。ダイニングは意外と狭く小ぢんまりとしていますが、銀座らしい気品と客層の猥雑さが相まってイカニモな感じ。地下にあったころの「オストラル」を少し思い起こさせます。

オーナーソムリエの吉岡氏は、「サンス・エ・サヴール」にてソムリエを勤められたとのことで、「レヴェランス」のオーナー亀山氏からは先輩格ながら、自分の店のオープン前には「レヴェランス」を何度か訪れたと聞きました(ちなみにカトラリーが一部同じだったりします)。

シェフはフランスの三ツ星店で修業後、ダイレクトに「ラール・エ・ラ・マニエール」へとやって来たらしく、まだまだ手探り状態。ということもあってか、料理はハヤリの、というか白紙のメニューで、その日の仕入れによって多皿のコースが構成されます。

期待した料理の仕上りは、2人のイメージを結集したというより厨房からの一方通行な感じを受けました。ただ、今後は時間帯も含めてアラカルトも充実させていくとのこと。厨房とフロアの意見交換やコミュニケーションが充実してきたあたりで再訪してみたいです。

ちなみに、ワインは本当にすばらしかった。大量のワインをさばいているひらまつグループで鍛えられた底力を体感しました。
posted by 伊藤章良 at 17:29| フレンチ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年09月18日

さとなお:JENITH GUSTRO(恵比寿)

>モツ系というと、確かにスゴイんだけど
>「オレの肉を喰え」みたいな上から目線の店主が多いのも事実。
>また客側も、それにひれ伏す信者多数。
>ぼくはそこに若干の居心地悪さを感じることも多いのですが

同感です。
自信を持って出してくれるのはうれしいけど、必要以上にチカラが入った店主、多いですよね。だんだん内臓を食べることに躊躇が出てくる年齢になっては来ましたが、「ホルモンリキ」は行ってみたいと思います。店名もなかなかいいし。

ではボクも内臓を。といってもフォアグラですが。
恵比寿にある「JENITH GUSTRO」(ジェニス・ガストロ)です。

別にフォアグラ専門店ではありません。
ビストロ・ベースの「うまいもの屋」。店名にガストロノミー(美食術)から来る(と思われる)ガストロとついているだけのことはあります。

で、この店の名物のひとつに「フォアグラたこ焼き」があるんですね。
たぶん大阪方面にはありそうなメニューですが、東京の小洒落た店でこのメニューを見ると意外性に打たれます(笑)。カシスたこ焼きソースで食べるそれは、見た目も食感もちゃんと「たこ焼き」。ただ中身が濃厚なフォアグラなだけなのですが、意外とうまいし、他のいろんなビストロ系料理との違和感もありません。おもしろいです。

この店のうれしいところは他にもいろいろあります。
まず、ひと皿が多い。メニューにも黒板にも書いてありますが、ひと皿たっぷり約2人前の量なんです。なのでふたりで行ったら3皿(たとえば前菜2つ+メイン1つ)で満腹に近くなります。しかもひと皿1000円台前半のメニューばかり(メインはさすがに2000円台)。安いですね。3皿とってもふたりで6000円くらい。助かります。まぁいろいろなメニューを注文してみたい向きには逆に不満も残るかもですが(ふたりで3皿しか頼めないのはちょっとストレス溜まります:笑)。

そのうえ、「豚と鴨のテリーヌ」を頼むと固まりごと持ってきてくれ、「好きなだけどうぞ」と言われたりするし、サービス満点ですね。ワインも3800円と4800円。ひとり1800円でグラスワインの飲み放題もあります。

メニューが楽しいので(サイトから)少しあげてみると「香りが命!トリュフオムレツ ペースト、角切り、スライス。丸々1個使いの香りの爆弾」「東京一美味しく食べてもらうシーザースサラダ パルメザンチップスと一緒に」「とろける牛スジの煮込み ワインが欲しくなる!秘伝の味で煮込みました」「目玉焼き on the デミ! デミグラスソースのナポリタン風」などなど。
多少やりすぎなところもありますが、若い人には楽しいし、味もきちんとしているし、なにより安いのがいいです。

店内はカジュアルながら、フランスの田舎にありそうな素朴さと都会のお洒落さが両立している感じ。普段使いにとてもいいし、会社帰り・学校帰りの若者なんかにとてもいい店だと思います。ボクたちの年代でもそんなに違和感なく馴染めますね。
多少わかりにくい場所にありますが(恵比寿の代官山寄り線路沿いの雑居ビル2階)知っているといろいろ使い勝手がいい店だと思います。
posted by さとなお at 08:46| フレンチ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする