2009年11月06日

いとう:メンゲルムス(西麻布)

「3 amours(トロワザムール)」、きっと場所的に何度も前を通っているはずなのに、店頭の大きな赤ワインボトルに未だ気づかず。ココは知りませんでした。早速週末にでもワインを仕入れに行ってきます。

さて、森ガールに象徴されるような「平成のゆるゆる」というか、キメキメからゆるゆるに以降しているなーという流れは、確かにワインもあるけど、先日東京は西麻布のバーにても感じてしまいました。

銀座に象徴される「バー」は、昭和っぽいキメキメが真骨頂だったんだと思うのですね。でもここは、ルールやしばりのない、かといって、合コン需要のダイニング系のように甘いカクテルを作るノリではない。

店のスタッフも平服で対応するのですが、こちら側が話に参加して欲しいなあとの様子を見せるとフランクな感じで会話に加わり、ふと気づくと持ち場に戻っている。

久しぶりに東京のバーで肩の力が抜けたというか、あっという間に時間が経っていて、自分としては本当に久しぶりに午前3時ごろまで居ついてしまいました。

あ、店名も書かずに話を進めてしまってすみません。「mengelmos(メンゲルムス)」といいます。場所は西麻布交差点から青山の方に抜ける道沿い。看板も出ていない一枚のドアを突破しないといけないので少し勇気がいるのは確か。でも地下へと降りると、入り口の拒絶感とは全くウラハラな、ゆるい空気が流れてます。

まず、こんなに天井の高い地下の空間が今でも西麻布に残っているんだなあという驚き。おそらくは店舗としてではなく個人邸宅のサロンとして作られたと想像しますが、それにしても贅沢。またその贅沢な空間を、無造作にアンティークの家具を置くことでさらに贅沢に使っています。

その家具も、もう少し整理して並べればいいものを、すごい豪華なソファーのコーナーもあれば、タイル張りのカフェにあるそうな木のテーブルとイスの組み合わせだったり、バックバーの前にはカウンターもあります。

普通にハードリカーやカクテルを楽しむこともできますし、腹にたまるつまみ類も(カレーなんかも含めて)頼めば色々と出てきます。中でもちゃんとジャガイモから素揚げしたポテトフライは秀逸。

最後に、「メンゲルムス」というのはごちゃまぜという意味だそう。キメキメの時代にごちゃまぜをやると、きっと奇を衒いすぎと感じたでしょうけど、ゆるゆるのイマならそれもまた落ち着くのですね。
posted by 伊藤章良 at 23:51| バーなど | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年11月03日

さとなお:トロワザムール(恵比寿)

「サルキッチン」、写真で見てもとてもいい感じですね。
なんだかこういう雰囲気を持つレストラン、増えましたよね。この店のご主人の年齢は知りませんが、20代30代の店主による、いい意味で「ゆるい」空気を持った良質店が増えた気がします。

最近、メイクも「昭和キメキメ顔」から「平成ゆるゆる顔」に移ってると聞くし、ファッションも「昭和のキメキメ」から、森ガールに象徴されるような「平成のゆるゆる」に移っています。レストランも「昭和っぽいキメキメなレストランから平成っぽいゆるい空気のレストランへ」という大きな流れがある気がします。

昭和から平成への流れという意味では、ワインにもありますね。
ある意味キメキメなヴィンテージワインから、安くても身の丈で造っている、ゆるめ(くつろげるという意味)の自然派ワインが人気になってきていると感じます。特にビオワイン(自然農法ワイン)への流れはかなり強いですね。

ということで、今回は、ビオワインを充実させたワインショップにしてカウンターバーもついている店、恵比寿の「3 amours(トロワザムール)」を紹介してみます。

ワイン販売やレストランのコンサルティングをしているBMOという会社のアンテナショップらしいのだけど、全体に自然派でロハスな匂いがぷんぷんする雰囲気。まぁそういうのってえてしてストイックになりがちなんだけど、それがあまり行き過ぎてなく、全体に享楽的なのがいい感じです。あと、ワインの売り方もとてもわかりやすい。造り手のオジサンの性格とか、彼とのエピソードとかがくわしくPOPに書いてあったりして、ショッピングしていて楽しいです。「あぁこんな人が造っているワインなのか」と思わず買いたくなる感じ。価格帯も1000〜3000円くらいが充実していて良心的。

で、入り口近くのカウンターバーでは試飲ができます。
毎日10種類のワインを試飲できるんですが、3杯1000円のテイスティングコースがあって、安価にさっと楽しめる。毎週月曜日は一杯500円(テイスティングコースより量が多い)でも飲めるそうです。つまみも300円〜500円程度でそこそこおいしい。チーズやオリーブなどのシンプルなお皿以外にも、その日その日できちんとした料理もあり、小食の人だったらここで夜ご飯としても大丈夫かも。店員もほんわか温かい応対だし、全体になんだかとても「ゆるい」感じが漂っていてくつろげるのが気に入りました。

3 amours とは3つの愛。ワインの造り手に対する愛情と尊敬の気持ち、ワインの流通やショップやレストランでのサービスに関わってくれる人への感謝の気持ち、ワインを飲んで楽しんでくれる人への愛、だそうです。店頭の大きな赤ワインボトルが目印。ちなみに営業時間は12時〜21時(土日祝は20時まで:火休)なので、どっかのレストランに行く前に一杯、みたいな使い方しかできないのが残念。二軒目で使いたい感じなんだけどな。その点だけが個人的にはちょっと惜しい。
posted by さとなお at 21:03| バーなど | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年10月22日

いとう:サルキッチン(東中野)

>ここでは東京でも意外と置いていない「フリュイ・ド・メール」が
>食べられます。

さとなおさんが、さなメモに「フリュイ・ド・メール」の思い出を書いておられましたが、ぼくも30年近く前にフランスで同様の体験をしました。でもぼくが訪問したその店は今三ツ星になっているんですよ。

そんな話を久しぶりにうかがって、「ブラッスリー・マノワ」に行きたくなりました。あの店は東京のレストランシーンにおいては決してサラブレッドではないけど、店全体からとてもフランスのエスプリが香りますね。きっとオーナーの志向がすばらしいのでしょう。

ではぼくも、ちょっとマニアックなフランス料理店「サルキッチン」を。
こちらは東中野というフレンチにしては異色のエリアで駅からも少し距離があるんですが(道中の渋いモツ焼屋とかに吸い寄せられそうになります)、路面店ではなく、住宅街の方向に曲がると正面に大きなサインが見えて、登場感はなかなか堂々たるものです。

ダイニングはとても狭く4組分のテーブルと椅子でめいっぱい。さらにテーブルのサイズも小ぶりなので前に座った友人の顔が近すぎる(笑。でも、この狭さとギシギシする木造りの感覚は、サンジェルマンデプレあたりのギュウギュウ詰めのビストロを思い出し、決して不快な感じではありません。

こんな「サルキッチン」を、シェフとマダムのお2人で切り盛りされており、どうやって4〜5組の客を待たせずに回していこうかと工夫された結果が若干フシギなメニューとなってます。

アラカルトを選択すると、全ての皿が2人分の量なので2人で2〜3皿ご注文くださいとのこと。であれば、できるだけいろいろな種類の料理を食べてみたいゆえトライするアラカルトの意味はないよなー、というのが当日の仲間との結論。

ゆえに、例によってマダムの推奨以上の皿数をなんとかお願いしてみることに。

結果、当初のかたくななマダムの語り口に反して、2種の料理を一皿に盛ってくれたり、煮込み料理は個別に出していただいたり、シェフが直接厨房から運んできたりと、とてもきめ細かい対応に感激。しかも、ビストロ料理と思いきや、丁寧に仕込み手間をかけて調理された本格フレンチで、それぞれの料理を口に運ぶごとにウナリました。

確かに時間はかかるんですが、ワインのラインナップがなかなかすばらしく安価なので、久しぶりに会う友とゆっくりワインを飲みながら気長に料理を待つつもりで訪問すれば、ぴったりとハマルこと間違いないですね。

なお、「サルキッチン」を検索すると様々な人が書いていますが、トイレがとても面白い。食事中に恐縮なんだけど、トイレに行って戻ってくると、その話題だけでも次の料理までの時間を十分に稼げそうです。
posted by 伊藤章良 at 17:23| フレンチ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年10月18日

さとなお:ブラッスリー・マノワ(広尾)

いい店っぽいですねー「達 菊うら」。
新宿はあまり行く機会がないんですが、行ったら行ったでいつも店に困ります(単に知らないだけなんですが)。特に和食は困るので、ぜひ今度ためしてみます。

ではボクは、北海道でシェフが撃ったジビエを東京で食べられるフレンチをご紹介します。

広尾の「ブラッスリー・マノワ」
ここ、北海道の道東は標茶町にあるマナーハウス(荘園主の邸宅)をイメージしたオーベルジュ「ヘイゼルグラウス・マナー」の姉妹店なんですが、まぁあちらが2000年に出来て、こちらが2006年開店ですから、弟分ですね。マナーをフランス語読みしてマノワだと思うし、経営も一緒だと言うし、「ヘイゼルグラウス・マナー」の東京支店に近い位置づけかもしれません。

「ヘイゼルグラウス・マナー」は、ボクが20世紀最後に行ったレストラン(オーベルジュですので泊まりましたが)です。押し迫った2000年12月30日に行きました。
シェフ自らが撃ってきたジビエ料理がなかなかおいしく、美しい雪景色と相まって、とても印象的でした。でもその支店に当たるレストランが広尾に出来ていたとは寡聞にして知りませんでした。出来て3年にもなるのにねぇ。

ブラッスリーと名乗ってはいますが、木をふんだんに使い、ちょっと高級レストランっぽい雰囲気になっていて、とても居心地のいい店です。店の人に聞いたら「狩猟の館をイメージしている」とのこと。なるほど。
カウンターにテーブル席が3つほど。カウンターはパリのきらきらした調度品を置いた古いビストロって感じかな。ギャルソンのサービスもよく行き届き、とても気持ちいい空間になっています。

さなメモでも書きましたが、ここでは東京でも意外と置いていない「フリュイ・ド・メール」が食べられます。例の氷の山に生牡蠣やらムール貝やら海老やらが刺さっているヤツですね。あれ、海外では超お馴染みなのに、日本ではあんまりお目にかかれないメニューですよね。これがちゃんとあるのはうれしいことでした(わりと好きなんです)。これらの魚介類も北海道直送らしいです。

そして、冬のこれからの時季はジビエですね。
「ヘイゼルグラウス・マナー」のゲームキーパー(森番)が撃ち、そこの専用施設で下処理&熟成をしたものを直送するという徹底ぶり。素材は完璧です(フランス産ももちろん揃えています)。味つけはちょっと濃いめという方もいますが(ボクの友人)、ボクが行った夜はそれも感じさせず、ちょうど良かったですね。素材の味を殺さず、実にうまい。行った夜はクスクスを食べたんですが、これがまたうまい。クスクスって香りがないヤツがあるでしょう。きちんと香って歯ごたえもあるクスクスが食べられるとシアワセになります。

ワインも高すぎず安すぎずイイモノを揃えているし、道からちょっと奥まったロケーションもいいし、いろいろ使い勝手がいい店だと思います。今年はもう一度、山ウズラを食べに伺う予定です。全体に春夏より秋冬が似合うレストランです。これからの季節にどうぞ。
posted by さとなお at 21:40| フレンチ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年10月08日

いとう:達 菊うら(新宿)

>地方で静かにがんばっている店に行くのってホントに好き。

ホントにそうです。最近(特に出張で)地方に出かける機会が少なくなってしまって、さとなおさんの文章だけで楽しんでいます。また、そういった隠れた名店を引っ張り出すネットワークにもいつも嘆息。

特に瀬戸内の魚のすばらしさを大阪や広島で何度も体験したので、おっしゃることがよく分かります。おこぜはかなり高級魚ですが、西では安価でいいものに出会えますよねえ。それにしても愛媛の地酒はどれも飲んだことがなかった(汗。

ぼくも同じ立場で、東京で静かにがんばっている和食店を考えているうち一軒思いつきました。新宿の「達 菊うら」です。

食の不毛地帯新宿のさらに人通りのまばらな大ガードの先で、予約の取れない良質廉価な日本料理店として確固たる地位を築いた「板前心 菊うら」。その店主菊浦氏が、1年前に同じ建屋の真上のフロアに出したワンランク上の店が「達 菊うら」。満を持して次の極みに「達した」ゆえの店名かと思いきや、店主のお名前が菊浦達さんだからのよう。

さすがに階下の店よりゆったりと広く、高級感のある幅広のカウンター。日本料理店にしては大きめの皿を使うこの店でも、迫力のある料理がドンドンと余裕で並びます。店主菊浦氏もこちらの厨房が主のようです。

料理は、果物と合わせた生ハム、フカひれとウニのあんかけ、松茸&サーロインの炭火焼、トロの握り等、高級食材をそれが一番ウマイとされる定番のレシピで素直に楽しませる流れ。究極のうまいもの屋であり、奇をてらったネオアメリカンっぽい変化球や上から目線の大御所臭さは微塵もありません。この辺の独立独歩な潔さや迫力が、関西生まれでやっはり日本料理は西かなあと思っているぼくにとっては、逆に東京っぽくて心地いいんですよ。

食材の流れからワインも数種類完備されていて、日本酒や焼酎とともにベーシックなものを比較的安価でいただけます。

奥には格調高い個室もあつらえてあって、ダイニングや料理を含む全体は今の時代に多少違和感のあるバブリーさなんです。でも、それがイヤらしくならないのが裏新宿たる所以かもしれません。
posted by 伊藤章良 at 19:08| 和食(小料理・割烹・郷土料理) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年10月04日

さとなお:わらじや(松山)

>最近、ソムリエやサービスがオーナーのレストランがポツポツと増えてきました。
>(中略)
>オーナーシェフの作った料理がただ運ばれてくるだけのレストランよりも
>2倍おいしいはず、と個人的にも信じていて、

たしかに目の行き届き方が違う気はしますが、サービスなどに比べて料理が負けて感じられること店も多いかな。バランス的にサービスが勝ってしまう、みたいな。そのサービスもオーナー以外はちょっと見劣りしたりして、全体に少し残念な印象になってしまったレストランもありますよね。いずれにしてもバランスは難しいです。

さて、オーナー系でいい店を続けてご紹介できればいいのですが、ちょっと思いつかないので、この前行った愛媛県は松山の「わらじや」をご紹介したいと思います。

愛媛って生まれてはじめて行ったのですが、ほんわかのどかで、優しい感じで、とてもいいところですね。
日本一細長い半島、佐多岬半島の先っぽに行きたい、というのが旅の目的でしたが、佐多岬も宇和島も松山もそれぞれ印象的でした。地方で静かにがんばっている店に行くのってホントに好き。引退したら各都市数泊ずつずっと渡り歩いて食べ回りたいと思ったなぁ。なんか、ものすごく好きなんですね、そういうの。

で、「わらじや」。
創業26年のわりに、あまりネットとかに出ていない店のようですが、メールで教えていただき、予約して出かけました。カウンターのみ(だと思う)の小さな店ですが、ここ、とてもうまかったです。大当たり。

まず魚の質が抜群でした。
まぁ愛媛ってどこに行っても抜群の魚ばかりなんだけど、その中でも群を抜いている印象。当日は、釣りサバとおこぜを中心にいただきましたが、このおこぜがね、もううまいのなんの。いままでの「おこぜ観」(なんじゃそりゃ)を覆す質。瀬戸内ってここまでうまいか、と唸る味。この刺身はいままで食べたおこぜのダントツ一位です。

この刺身があまりにうまいので、次々いろいろ頼みました。名物の「出し巻き豆腐」もよかったですねー。これ、出し巻きの中に豆腐が入っているだけのものなんだけど、名物というだけあってふんわりふわふわの絶品。んまい。あと地酒の品揃えがよいです。「隠し剣」や「城川郷」「賀儀屋」など。愛媛もおいしいお酒が多いなぁ。

ご夫婦ふたりでやっていて、カウンターがいっぱいだと料理が出てくるのがどうしても遅くなりますが、待つ甲斐のある美味が食べられると思います。店は明るく、女性ひとりでも入りやすい感じ。旅人も馴染みやすい雰囲気でした。

松山に行かれたら、ぜひぜひ。
posted by さとなお at 21:18| 和食(小料理・割烹・郷土料理) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年09月24日

いとう:ラール・エ・ラ・マニエール(銀座)

>恵比寿にある「JENITH GUSTRO」(ジェニス・ガストロ)

おっ。渋い路線ですねえ。さなメモで「フォアグラたこ焼き」を取り上げていたので、ジェニスに行かれたんだと思っておりました。楽しい、ウマくて量が多い、ワインが安価と、イイコトづくめ。若干煙いのがつらいぐらいで(笑。

>ボクたちの年代でもそんなに違和感なく馴染めますね

確かに同感です。というか、料理店・バーだけではなく、クリエイティブ系の事務所も多いあのビル全体がそんな印象。誤解を恐れず言えば、今は無き原宿セントラルアパートの小型版みたいな感じかなあ。

さて、ぼくはフランス料理つながりにします。ただ、ビストロというよりは、銀座の高級フレンチ「ラール・エ・ラ・マニエール」

最近、ソムリエやサービスがオーナーのレストランがポツポツと増えてきました。代表格としては「オーグードゥジュール」や「シュマン」ですが、イタリア料理の「ラ・バリック」や、広尾の「レヴェランス」、渋谷の「ビオディナミコ」など(ここここにも書きましたが)、一覧してもフロアと厨房の力が上手に結実した秀逸な店ばかり(ただ、優秀なシェフの流出は否めず、若干残念なトコロもありますが)。

オーナーシェフの作った料理がただ運ばれてくるだけのレストランよりも2倍おいしいはず、と個人的にも信じていて、今回取り上げる「ラール・エ・ラ・マニエール」もまた、オーナーソムリエのレストランゆえ期待度は◎。

「ラール・エ・ラ・マニエール」は、銀座にある新築ビルの地下。サインも小さくしか出ていないので見過ごしてしまいそう。ダイニングは意外と狭く小ぢんまりとしていますが、銀座らしい気品と客層の猥雑さが相まってイカニモな感じ。地下にあったころの「オストラル」を少し思い起こさせます。

オーナーソムリエの吉岡氏は、「サンス・エ・サヴール」にてソムリエを勤められたとのことで、「レヴェランス」のオーナー亀山氏からは先輩格ながら、自分の店のオープン前には「レヴェランス」を何度か訪れたと聞きました(ちなみにカトラリーが一部同じだったりします)。

シェフはフランスの三ツ星店で修業後、ダイレクトに「ラール・エ・ラ・マニエール」へとやって来たらしく、まだまだ手探り状態。ということもあってか、料理はハヤリの、というか白紙のメニューで、その日の仕入れによって多皿のコースが構成されます。

期待した料理の仕上りは、2人のイメージを結集したというより厨房からの一方通行な感じを受けました。ただ、今後は時間帯も含めてアラカルトも充実させていくとのこと。厨房とフロアの意見交換やコミュニケーションが充実してきたあたりで再訪してみたいです。

ちなみに、ワインは本当にすばらしかった。大量のワインをさばいているひらまつグループで鍛えられた底力を体感しました。
posted by 伊藤章良 at 17:29| フレンチ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年09月18日

さとなお:JENITH GUSTRO(恵比寿)

>モツ系というと、確かにスゴイんだけど
>「オレの肉を喰え」みたいな上から目線の店主が多いのも事実。
>また客側も、それにひれ伏す信者多数。
>ぼくはそこに若干の居心地悪さを感じることも多いのですが

同感です。
自信を持って出してくれるのはうれしいけど、必要以上にチカラが入った店主、多いですよね。だんだん内臓を食べることに躊躇が出てくる年齢になっては来ましたが、「ホルモンリキ」は行ってみたいと思います。店名もなかなかいいし。

ではボクも内臓を。といってもフォアグラですが。
恵比寿にある「JENITH GUSTRO」(ジェニス・ガストロ)です。

別にフォアグラ専門店ではありません。
ビストロ・ベースの「うまいもの屋」。店名にガストロノミー(美食術)から来る(と思われる)ガストロとついているだけのことはあります。

で、この店の名物のひとつに「フォアグラたこ焼き」があるんですね。
たぶん大阪方面にはありそうなメニューですが、東京の小洒落た店でこのメニューを見ると意外性に打たれます(笑)。カシスたこ焼きソースで食べるそれは、見た目も食感もちゃんと「たこ焼き」。ただ中身が濃厚なフォアグラなだけなのですが、意外とうまいし、他のいろんなビストロ系料理との違和感もありません。おもしろいです。

この店のうれしいところは他にもいろいろあります。
まず、ひと皿が多い。メニューにも黒板にも書いてありますが、ひと皿たっぷり約2人前の量なんです。なのでふたりで行ったら3皿(たとえば前菜2つ+メイン1つ)で満腹に近くなります。しかもひと皿1000円台前半のメニューばかり(メインはさすがに2000円台)。安いですね。3皿とってもふたりで6000円くらい。助かります。まぁいろいろなメニューを注文してみたい向きには逆に不満も残るかもですが(ふたりで3皿しか頼めないのはちょっとストレス溜まります:笑)。

そのうえ、「豚と鴨のテリーヌ」を頼むと固まりごと持ってきてくれ、「好きなだけどうぞ」と言われたりするし、サービス満点ですね。ワインも3800円と4800円。ひとり1800円でグラスワインの飲み放題もあります。

メニューが楽しいので(サイトから)少しあげてみると「香りが命!トリュフオムレツ ペースト、角切り、スライス。丸々1個使いの香りの爆弾」「東京一美味しく食べてもらうシーザースサラダ パルメザンチップスと一緒に」「とろける牛スジの煮込み ワインが欲しくなる!秘伝の味で煮込みました」「目玉焼き on the デミ! デミグラスソースのナポリタン風」などなど。
多少やりすぎなところもありますが、若い人には楽しいし、味もきちんとしているし、なにより安いのがいいです。

店内はカジュアルながら、フランスの田舎にありそうな素朴さと都会のお洒落さが両立している感じ。普段使いにとてもいいし、会社帰り・学校帰りの若者なんかにとてもいい店だと思います。ボクたちの年代でもそんなに違和感なく馴染めますね。
多少わかりにくい場所にありますが(恵比寿の代官山寄り線路沿いの雑居ビル2階)知っているといろいろ使い勝手がいい店だと思います。
posted by さとなお at 08:46| フレンチ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年09月10日

いとう:ホルモンリキ(葛飾区金町)

「まえだや」は、ぼくが情報サイトで大人の食べ歩きを担当している時に取り上げたことがあります。おそらくは常連の方から「どうして書いたんだ!」とお叱りのメールが多数舞い込み当時はショックでした。

「まえだや」は、生ラムジンギスカンの東京での草分けで、同じ中目黒を基点として東京全域にジンギスカンの大ブームが起こり、いつの間にか終焉。でも「まえだや」だけは、何事もなかったように変わらずなんでしょうね。

愛したい・通いたい・守りたい飲食店の典型。今はお叱りメールもありがたかったなあと思っています。

では今回は、同じ焼き系の店でも、生ラムではなく内臓好きにはたまらない「ホルモンリキ」を紹介します。

ここは都心からは少し遠い葛飾区金町(大雑把にいうとフーテンの寅さんエリア)にあり、しかも金町駅からも徒歩では行きにくい不便さ。でも同じ内臓系をウリにする他店とは一線を画する魅力にあふれ、そんな距離など気にならない充実のニクニク時間が過ごせます。

まず、モツの場合新鮮さは基本。「ホルモンリキ」は、そこに加えて、どうしたらよりおいしく食べてもらえるかという工夫を様々に凝らしておられます。

モツ煮込みは、ダシは濃厚で強いんですが、モツは限りなく柔らかそうでトロトロ。でも決して形は崩れておらず、食べてみるとそれぞれの部位の食感を残した絶妙な仕上がり。ホルモン焼も、工夫された色々なタレに漬け込んでその味を三種三様に楽しむことができます。

ご主人は洋食の調理経験もお持ちとのこと。モツ焼店なのにオムレツやパスタなどの一品料理もあり、究極はカレー。肉を分かっている方が端正こめて作られたことが十分に伝わる、噛みしめるごとにじんわりとベースの旨味が口の中に広がっていく幸せ。

また「ホルモンリキ」は、焼酎のラインナップがすごい。若干分かりにくいメニューなので(笑)、すぐにご主人にオマカセでとなってしまうんですが、時間が許せばメニューの一種類ずつじっくり(ワインリストを眺めるように)チェックしたくなります。ぼくが伺った日も、別グループが泡盛の試飲会をされるとか。研究にも余念がありません。

そして、なにより気持ちがいいのは、ご主人・女将さんをはじめ、お店のスタッフのお人柄ですね。モツ系というと、確かにスゴイんだけど「オレの肉を喰え」みたいな上から目線の店主が多いのも事実。また客側も、それにひれ伏す信者多数。ぼくはそこに若干の居心地悪さを感じることも多いのですが、「ホルモンリキ」では、決してそんな窮屈な思いをすることなく、うまく焼けてるかなあと常に気を配るご主人の優しい視線をありがたく受け止めつつ食事ができます。

さて、帰りがけのタクシー車中モツ煮込みの話をしていたら、運転手さんが「宇ち多゛はご存知ですか」と乗ってきて、当然関東五大煮込みの話に。「ぼくはそのいずれも食べてますけど、ホルモンリキはそのどれとも違う魅力がありますよ」と、運転手さんにまで薦めてしまいました。


posted by 伊藤章良 at 18:27| 焼肉・韓国料理 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年09月06日

さとなお:まえだや(中目黒)

ま、そろそろ後味悪い店はやめましょうか。後味悪いし(笑)

ということで、んー、どうしようかな、今日は「まえだや」を書いてみようと思います。中目黒にあるジンギスカンの店ですね。知るヒトぞ知るというか、まぁ有名か。ブームが終わった後もきっちり生き残っている人気店。ジンギスカンというか羊肉専門店という感じの店ですね。

サッシの入り口と四角い殺風景な店内。デコラのテーブルが4つに素っ気ない椅子…。
ちょっと入店しにくい独特なこの雰囲気は逆に慣れるととても居心地いいですね。昭和時代の街場の焼肉屋さんって感じで。

で、この店のラム肉がいいんです。安くてうまい。香りも適度。
もともとボクは羊肉が異様に好きなので、もっと匂いが強くてもOKなんだけど、香りが適度にあって、厚切りなのに弾力ある柔らかさもあって、全体のバランスがとてもいい羊肉だと思います。こういうの食べるとやっぱり羊肉が一番好きかもなぁと思います。牛も豚もまぁいいんだけど、香りでは羊の勝ちだなぁとか。

あと、生ラムを焼くこの店のスタイルも好きですね。タレに漬けこんだラムを焼くよりもラムの味がよく出てきます。
北海道でも羊肉を食べるとき、生ラム系とタレ漬けこみ系に分かれますが、ここは生ラム系。どうやらご主人が函館出身で(そういえば函館名産イカの粕漬けとかがメニューにあった)、道南地区では生ラムを焼くとのことでした。「ラムネギ塩」とか「ラム肩ロース」とかも生を焼きます。

さて、この店、ジンギスカン以外のメニューも充実しているので、ジンギスカンを食べる前にいろいろ頼むと楽しいです。
サイドディッシュ的にまず「キャベツとニンニクみそ」(450円)、「水菜とラムスモークのサラダ」(800円)あたりを頼んで、ついでに「ラム肉の煮込み」(500円)もいいですね。特に煮込みは滋味深いのにあっさりめでよいです。

次に、上でも書いた「ラムネギ塩」(1200円)を1人前かな。生ラムの上にネギを置いて焼いたもの。わりとうまいですよ。「ラム肩ロース」(1300円)もなかなかよいです。テーブルの上に七輪を置いて網焼きするのですが、弾力あるラムのうまさが味わえます。匂いも少ないのでラムが不得意な人も大丈夫。

待望の「ジンギスカン」は1人前1100円でお安い値付け。
テーブル上にジンギスカン鍋を置いて、最初だけ店員さんが焼いてくれます。少食のふたりなら、これを1人前とったら、あとは〆を食べれば量的にもわりと充分かな。足りない人はジンギスカンのラムや野菜を追加する感じ。
上でも書いたように、タレに漬け込んだ肉を焼くタイプではなく、生のジンギスカンを焼いて醤油で食べるタイプのジンギスカン。ラムの香りが直接味わえるのでラム好きにはたまらないですね。

〆は「キーマカレー」(900円)。ゆで卵のスライスが乗っている家庭っぽいキーマです。
うまいんですよ、困ったことに。ジンギスカン後にキーマって、よいですね。カレーはちょっと濃いという方には「ニラ玉雑炊」(900円)もあります。

痩せていて相当スマートな店員さんたちを見ていると(特に男性の店員さんが痩せている)、「羊肉って太らない」っていうのは本当なのかなと思います。全体にとてもシンプルな店で素っ気ないけど、なんともくつろげていいですね。羊を食べたいときは候補に入れときたい店のひとつです。
posted by さとなお at 21:21| 和食(小料理・割烹・郷土料理) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする